TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025091499
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023206706
出願日2023-12-07
発明の名称自動変速機の制御システム
出願人マツダ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類F16H 61/02 20060101AFI20250612BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】スリップ状態にあるときの摩擦締結要素の摩擦係数の低下を考慮して、摩擦締結要素の油圧を的確に制御する。
【解決手段】自動変速機の制御システムのコントローラ200は、摩擦締結要素がスリップ状態であるときに、摩擦締結要素に付与されている油圧と、摩擦締結要素に供給されるオイルの油温と、摩擦締結要素における入力側摩擦板と出力側摩擦板との差回転数と、摩擦締結要素における摩擦面温度とに基づき、摩擦締結要素の摩擦係数を演算し、摩擦係数及び車両の要求トルクに基づき油圧を制御し、差回転数に応じて規定される速度依存項から、摩擦面温度に応じて規定される温度依存項を減算することで摩擦締結要素に働くせん断応力を演算し、せん断応力に基づき摩擦係数を演算するように構成され、せん断応力に対する速度依存項の寄与度が、せん断応力に対する温度依存項の寄与度よりも大きくなっている。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
車両に搭載される自動変速機の制御システムであって、
入力側摩擦板と出力側摩擦板とを含み、これら摩擦板における締結状態と解放状態とスリップ状態とが付与される油圧により切り替え可能な摩擦締結要素を備える自動変速機と、
前記摩擦締結要素に付与する油圧を調整するように構成された油圧調整機構と、
前記摩擦締結要素の伝達トルクを調整すべく、前記油圧調整機構から前記摩擦締結要素に付与される油圧を制御するように構成されたコントローラと、
を有し、
前記コントローラは、
前記摩擦締結要素が少なくとも前記スリップ状態であるときに、前記摩擦締結要素に付与されている油圧と、前記摩擦締結要素に供給されるオイルの油温と、前記摩擦締結要素における前記入力側摩擦板と前記出力側摩擦板との差回転数と、前記摩擦締結要素における摩擦面温度とに基づき、前記摩擦締結要素の摩擦係数を演算し、前記摩擦係数及び前記車両において発生させるべき要求トルクに基づき前記油圧を制御し、
前記差回転数に応じて規定される速度依存項から、前記摩擦面温度に応じて規定される温度依存項を減算することで前記摩擦締結要素に働くせん断応力を演算し、前記せん断応力に基づき前記摩擦係数を演算する、
ように構成され、
前記せん断応力に対する前記速度依存項の寄与度が、前記せん断応力に対する前記温度依存項の寄与度よりも大きくなっている、ことを特徴とする自動変速機の制御システム。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記コントローラは、前記差回転数に対応する値に対して第1係数を乗算することで前記速度依存項を演算すると共に、前記摩擦面温度に対応する値に対して第2係数を乗算することで前記温度依存項を演算するように構成され、
前記第1係数が、前記第2係数よりも大きな値に設定され、それにより、前記せん断応力に対する前記速度依存項の寄与度が、前記せん断応力に対する前記温度依存項の寄与度よりも大きくなっている、
請求項1に記載の自動変速機の制御システム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記摩擦締結要素に付与されている前記油圧が高くなるほど、前記第1係数及び前記第2係数をそれぞれ大きな値に設定するように構成されている、請求項2に記載の自動変速機の制御システム。
【請求項4】
前記コントローラは、演算された前記摩擦係数に対応する摩擦力及び前記差回転数から前記摩擦締結要素において発生する摩擦熱を演算し、前記摩擦熱に基づき前記摩擦面温度を演算するように構成されている、請求項1又は2に記載の自動変速機の制御システム。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記せん断応力に対応する前記摩擦締結要素に働く境界摩擦力と、当該境界摩擦力とは別に前記摩擦締結要素に働く流体摩擦力と、を加算した摩擦力に基づき、前記摩擦係数を演算し、
前記スリップ状態にある前記摩擦締結要素における前記入力側摩擦板と前記出力側摩擦板との面間距離に基づき、前記境界摩擦力及び前記流体摩擦力を演算する、
ように構成されている、請求項1又は2に記載の自動変速機の制御システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦締結要素を有する自動変速機の制御システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、車両において、締結状態、解放状態及びスリップ状態を取り得る複数の摩擦締結要素を備え、これらのうちで締結させる摩擦締結要素を変えることにより複数の変速段を形成する自動変速機と、摩擦締結要素に付与する油圧を調整する油圧調整機構と、油圧調整機構から摩擦締結要素に付与される油圧を制御するように構成されたコントローラと、を有する自動変速機の制御システムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に、このような自動変速機の制御システムが記載されている。具体的には、特許文献1には、摩擦締結要素に付与すべき要求伝達トルクに応じた押し力を演算し、この押し力を、摩擦締結要素の摩擦係数と差回転数(摩擦締結要素の入力側摩擦板と出力側摩擦板との回転数差)との特性を規定したマップに基づき補正し、この補正後の押し力に基づき摩擦締結要素に付与する油圧を制御する技術が記載されている。なお、押し力は、摩擦締結要素に付与される荷重に相当し、摩擦締結要素に付与される油圧に応じた大きさとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-127814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、摩擦締結要素の伝達トルクは、摩擦締結要素に付与される油圧を介して制御されるものであるが、この油圧の制御値は、ドライバからの要求トルク(一義的に摩擦締結要素に付与すべき要求伝達トルクに対応する)と摩擦締結要素の摩擦係数から演算される。したがって、高精度な伝達トルク制御の実現には、摩擦係数を正確に把握することが望ましいが、摩擦係数は、摩擦締結要素の荷重や差回転数や油温などの様々な要因の影響を受けるため、正確な値を求めることが困難である。この点、上記した特許文献1に記載された技術は、摩擦締結要素の差回転数を考慮して摩擦係数を求めるようにしている。
【0006】
ここで、摩擦締結要素の摩擦係数は、摩擦締結要素がスリップ状態にあるときに低下する傾向にある。これは、スリップ状態にある摩擦締結要素の摩擦面温度の上昇に因るものであると考えられる。しかしながら、上記の特許文献1に記載された技術は、このような摩擦面温度の上昇に因る摩擦係数の低下を考慮しておらず、正確な摩擦係数を求めることができなかった。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、スリップ状態にあるときの摩擦締結要素の摩擦係数の低下を考慮して、摩擦締結要素の油圧を的確に制御することができる自動変速機の制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、車両に搭載される自動変速機の制御システムであって、入力側摩擦板と出力側摩擦板とを含み、これら摩擦板における締結状態と解放状態とスリップ状態とが付与される油圧により切り替え可能な摩擦締結要素を備える自動変速機と、摩擦締結要素に付与する油圧を調整するように構成された油圧調整機構と、摩擦締結要素の伝達トルクを調整すべく、油圧調整機構から摩擦締結要素に付与される油圧を制御するように構成されたコントローラと、を有し、コントローラは、摩擦締結要素が少なくともスリップ状態であるときに、摩擦締結要素に付与されている油圧と、摩擦締結要素に供給されるオイルの油温と、摩擦締結要素における入力側摩擦板と出力側摩擦板との差回転数と、摩擦締結要素における摩擦面温度とに基づき、摩擦締結要素の摩擦係数を演算し、摩擦係数及び車両において発生させるべき要求トルクに基づき油圧を制御し、差回転数に応じて規定される速度依存項から、摩擦面温度に応じて規定される温度依存項を減算することで摩擦締結要素に働くせん断応力を演算し、せん断応力に基づき摩擦係数を演算する、ように構成され、せん断応力に対する速度依存項の寄与度が、せん断応力に対する温度依存項の寄与度よりも大きくなっている、ことを特徴とする。
【0009】
このように構成された本発明では、コントローラは、摩擦締結要素の差回転数に応じて規定される速度依存項と、摩擦締結要素の摩擦面温度に応じて規定され、速度依存項よりも寄与度の小さい温度依存項とから、摩擦締結要素に働くせん断応力を演算し、このせん断応力に基づき摩擦係数を演算する。これにより、スリップ状態にある摩擦締結要素の摩擦面温度の状態が考慮されることで、摩擦係数を正確に求めることができ、この摩擦係数に基づき油圧を的確に制御することが可能となる。その結果、摩擦締結要素がスリップ状態にあるときに、伝達トルクを安定して制御できるようになる。
【0010】
本発明において、好ましくは、コントローラは、差回転数に対応する値に対して第1係数を乗算することで速度依存項を演算すると共に、摩擦面温度に対応する値に対して第2係数を乗算することで温度依存項を演算するように構成され、第1係数が、第2係数よりも大きな値に設定され、それにより、せん断応力に対する速度依存項の寄与度が、せん断応力に対する温度依存項の寄与度よりも大きくなっている。
このように構成された本発明によれば、せん断応力に対する速度依存項と温度依存項のそれぞれの寄与度を的確に考慮するので、より正確な摩擦係数を求めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
流路体
5か月前
個人
ホース保持具
2か月前
個人
クラッチ装置
5か月前
個人
トーションバー
2か月前
個人
固着具と成形品部材
4か月前
個人
回転式配管用支持具
3か月前
株式会社不二工機
電磁弁
1か月前
個人
ボルトナットセット
3か月前
株式会社アイシン
駆動装置
5か月前
株式会社オンダ製作所
継手
4か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
3か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
5か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
株式会社ミクニ
弁装置
4か月前
株式会社三協丸筒
枠体
2か月前
カヤバ株式会社
緩衝器
5か月前
個人
ベルトテンショナ
3か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
4か月前
個人
角型菅の連結構造及び工法
3か月前
日東電工株式会社
断熱材
2か月前
株式会社フジキン
ボールバルブ
10日前
個人
固着具と固着具の固定方法
2か月前
日東精工株式会社
樹脂被覆ねじ
3か月前
カヤバ株式会社
緩衝装置
4か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
29日前
個人
固着具と固着具の固定方法
1か月前
株式会社不二工機
電動弁
5か月前
協和工業株式会社
空気弁
4か月前
株式会社ノーリツ
分配弁
1か月前
株式会社ノーリツ
分配弁
1か月前
株式会社ノーリツ
分配弁
1か月前
個人
固着具と固着具の固定方法
1か月前
株式会社不二工機
電動弁
2か月前
株式会社不二工機
逆止弁
4か月前
矢崎化工株式会社
連結具
5か月前
株式会社ナジコ
自在継手
4か月前
続きを見る