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公開番号2025083015
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-30
出願番号2023196639
出願日2023-11-20
発明の名称排気ガス再循環装置およびエンジン
出願人株式会社クボタ
代理人弁理士法人芳野国際特許事務所
主分類F02M 26/00 20160101AFI20250523BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】排気ガスに含まれるNOxの濃度が目標値になるように排気還流ガスの流量を制御できる排気ガス再循環装置およびエンジンを提供すること。
【解決手段】排気ガス再循環装置3は、排気系に設けられ排気を導く排気管26と、排気管26に設けられ排気管26の内部のNOx濃度を計測するNOxセンサ53と、排気管26に接続され排気還流ガスを吸気系に導く排気還流管27と、排気還流管27に設けられ排気還流管27を流れる排気還流ガスの流量を調整する流量調整手段28と、NOx濃度の目標値とNOxセンサ53により計測されたNOx濃度の実測値との間の偏差を算出し、算出した偏差に基づいて補正値を導出し、導出した補正値を学習して学習値として記憶部に記憶し、記憶部に記憶された学習値と流量調整手段28の基本開度とに基づいて流量調整手段28の最終開度を設定する制御を実行する制御装置4と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンの排気系を流れる排気の一部を排気還流ガスとして前記エンジンの吸気系に還流する排気ガス再循環装置であって、
前記排気系に設けられ前記排気を導く排気管と、
前記排気管に設けられ前記排気管の内部のNOx濃度を計測するNOxセンサと、
前記排気管に接続され前記排気還流ガスを前記吸気系に導く排気還流管と、
前記排気還流管に設けられ前記排気還流管を流れる前記排気還流ガスの流量を調整する流量調整手段と、
前記NOx濃度の目標値と前記NOxセンサにより計測された前記NOx濃度の実測値との間の偏差を算出し、算出した前記偏差に基づいて補正値を導出し、導出した前記補正値を学習して学習値として記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記学習値と前記流量調整手段の基本開度とに基づいて前記流量調整手段の最終開度を設定する制御を実行する制御装置と、
を備えたことを特徴とする排気ガス再循環装置。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記制御装置は、所定時間毎に前記偏差を算出して前記補正値を導出し、前記所定時間毎に導出した前記補正値を前記学習値に加算することにより前記記憶部に記憶された前記学習値を更新することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記記憶部に記憶された前記学習値を前記基本開度に加算することにより前記最終開度を設定することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
【請求項4】
前記エンジンの回転数を検出し前記回転数に関する第1検出信号を前記制御装置に出力する回転センサと、
アクセル開度を検出し前記アクセル開度に関する第2検出信号を前記制御装置に出力するアクセル開度センサと、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記第1検出信号と前記第2検出信号とに基づいて燃料噴射量の指示値を設定し、前記回転数と前記指示値とに基づいてゲインを導出し、前記記憶部に記憶された前記学習値に前記ゲインを乗算した値を前記基本開度に加算することにより前記最終開度を設定することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
【請求項5】
前記エンジンの回転数を検出し前記回転数に関する検出信号を前記制御装置に出力する回転センサをさらに備え、
前記制御装置は、前記回転数に応じて前記学習値を区分して前記記憶部に記憶し、前記記憶部に区分して記憶された前記学習値を前記回転数に応じて用い、前記学習値を前記基本開度に加算することにより前記最終開度を設定することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
【請求項6】
前記エンジンの回転数を検出し前記回転数に関する第1検出信号を前記制御装置に出力する回転センサと、
アクセル開度を検出し前記アクセル開度に関する第2検出信号を前記制御装置に出力するアクセル開度センサと、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記第1検出信号と前記第2検出信号とに基づいて燃料噴射量の指示値を設定し、前記回転数に応じて前記学習値を区分して前記記憶部に記憶し、前記記憶部に区分して記憶された前記学習値を前記回転数に応じて用い、前記回転数に応じて区分されたゲインを前記回転数と前記指示値とに基づいて導出し、前記学習値に前記ゲインを乗算した値を前記基本開度に加算することにより前記最終開度を設定することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
【請求項7】
前記エンジンの回転数を検出し前記回転数に関する第1検出信号を前記制御装置に出力する回転センサと、
アクセル開度を検出し前記アクセル開度に関する第2検出信号を前記制御装置に出力するアクセル開度センサと、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記第1検出信号と前記第2検出信号とに基づいて燃料噴射量の指示値を設定し、所定時間における前記回転数の第1変動幅が第1所定範囲内に維持され、かつ、前記所定時間における前記指示値の第2変動幅が第2所定範囲内に維持されたときのみ、前記補正値を学習して前記学習値として前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
【請求項8】
前記エンジンの回転数を検出し前記回転数に関する第1検出信号を前記制御装置に出力する回転センサと、
アクセル開度を検出し前記アクセル開度に関する第2検出信号を前記制御装置に出力するアクセル開度センサと、
をさらに備え、
前記制御装置は、前記第1検出信号と前記第2検出信号とに基づいて燃料噴射量の指示値を設定し、所定時間における前記回転数の第1変動幅が第1所定範囲内に維持されないとき、または、前記所定時間における前記指示値の第2変動幅が第2所定範囲内に維持されないとき、前記補正値を前記学習値として前記記憶部に記憶することなく、前記記憶部に過去に記憶された前記学習値を用いることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記エンジンの稼働時間が経過するにつれて前記最終開度が前記基本開度よりも大きくなるように前記補正値を学習して前記学習値として前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス再循環装置。
【請求項10】
排気系を流れる排気の一部を排気還流ガスとして吸気系に還流する排気ガス再循環装置を備えたエンジンであって、
前記排気ガス再循環装置は、
前記排気系に設けられ前記排気を導く排気管と、
前記排気管に設けられ前記排気管の内部のNOx濃度を計測するNOxセンサと、
前記排気管に接続され前記排気還流ガスを前記吸気系に導く排気還流管と、
前記排気還流管に設けられ前記排気還流管を流れる前記排気還流ガスの流量を調整する流量調整手段と、
前記NOx濃度の目標値と前記NOxセンサにより計測された前記NOx濃度の実測値との間の偏差を算出し、算出した前記偏差に基づいて補正値を導出し、導出した前記補正値を学習して学習値として記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記学習値と前記流量調整手段の基本開度とに基づいて前記流量調整手段の最終開度を設定する制御を実行する制御装置と、
を有することを特徴とするエンジン。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス再循環装置および排気ガス再循環装置を備えたエンジンに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
エンジンの排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を低減する手段として、排気ガス再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)が一般的に知られている。排気ガス再循環装置は、エンジンの排気系を流れる排気の一部を排気還流ガス(すなわちEGRガス)としてエンジンの吸気系に還流し、新規の吸気(すなわち吸入空気)に排気還流ガスを混合させる。排気ガス再循環装置が設けられていない場合と比較して、排気ガス再循環装置は、シリンダ内の燃焼温度を低下させることができ、NOxの発生を抑えることができる。
【0003】
一般的に、排気還流ガスの流量を調整する流量調整手段(すなわちEGRバルブ)の制御として、例えば、新規の吸気の流量(すなわち新規吸気量)を計測するエアフローセンサの計測値に基づいたフィードバック制御、またはエンジンの吸気系の各部に設けられた圧力センサあるいは温度センサの計測値により推定された排気ガス再循環率(すなわちEGR率)に基づいたフィードバック制御が用いられる。
【0004】
しかし、例えば小型の2気筒エンジンでは、3気筒以上のエンジンと比較して吸気の脈動が大きいため、エアフローセンサが正確な新規吸気量を計測できなかったり、正確な排気ガス再循環率の推定が困難であったりする場合がある。2気筒エンジンの中でも、第1気筒の燃焼工程と、第2気筒の燃焼工程と、の間のタイミングのずれがクランク軸の角度として180度である2気筒エンジンでは、吸気の脈動が相対的に大きい。また、3気筒以上のエンジンであっても、自然吸気式のエンジンでは、ターボチャージャが設けられた過給式のエンジンと比較して吸気の脈動が大きいため、エアフローセンサが正確な新規吸気量を計測できなかったり、正確な排気ガス再循環率の推定が困難であったりする場合がある。そのため、エアフローセンサ、圧力センサおよび温度センサの計測値に基づいたフィードバック制御では、排気ガスに含まれるNOxの濃度が目標値になるように排気還流ガスの流量を制御することが困難な場合がある。
【0005】
また、排気還流ガスの流量は吸気圧と排気圧との差圧に応じて変動するため、オープンループ制御により流量調整手段を制御する場合であっても、排気ガスに含まれるNOxの濃度が目標値になるように排気還流ガスの流量を制御することが困難な場合がある。すなわち、排気圧は、例えばマフラにおける圧力損失に依存する。マフラにおける圧力損失は、マフラの形状に依存する。また、吸気圧は、例えばエアクリーナの負圧に依存する。エアクリーナの負圧は、エアクリーナの詰まり具合および個体差に依存する。そのため、オープンループ制御により流量調整手段を制御する場合であっても、排気ガスに含まれるNOxの濃度が目標値になるように排気還流ガスの流量を制御することが困難な場合がある。
【0006】
特許文献1には、NOxの低減化を図るEGR装置が開示されている。特許文献1に記載されたEGR装置は、エンジンの燃料噴射量の単位時間当たりの変化量が許容範囲内に維持されている場合に限り、運転状態に応じ目標NOx濃度を決定してNOxセンサによる実測のNOx濃度を目標NOx濃度とするべくEGRバルブを制御する。しかし、NOxセンサの応答速度は一般的に遅いため、実測のNOx濃度が目標NOx濃度になるようにEGRバルブのフィードバック制御を実行することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2014-15871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、排気ガスに含まれるNOxの濃度が目標値になるように排気還流ガスの流量を制御できる排気ガス再循環装置およびエンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1態様は、エンジンの排気系を流れる排気の一部を排気還流ガスとして前記エンジンの吸気系に還流する排気ガス再循環装置であって、前記排気系に設けられ前記排気を導く排気管と、前記排気管に設けられ前記排気管の内部のNOx濃度を計測するNOxセンサと、前記排気管に接続され前記排気還流ガスを前記吸気系に導く排気還流管と、前記排気還流管に設けられ前記排気還流管を流れる前記排気還流ガスの流量を調整する流量調整手段と、前記NOx濃度の目標値と前記NOxセンサにより計測された前記NOx濃度の実測値との間の偏差を算出し、算出した前記偏差に基づいて補正値を導出し、導出した前記補正値を学習して学習値として記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記学習値と前記流量調整手段の基本開度とに基づいて前記流量調整手段の最終開度を設定する制御を実行する制御装置と、を備えたことを特徴とする排気ガス再循環装置である。
【0010】
本発明の第2態様は、排気系を流れる排気の一部を排気還流ガスとして吸気系に還流する排気ガス再循環装置を備えたエンジンであって、前記排気ガス再循環装置は、前記排気系に設けられ前記排気を導く排気管と、前記排気管に設けられ前記排気管の内部のNOx濃度を計測するNOxセンサと、前記排気管に接続され前記排気還流ガスを前記吸気系に導く排気還流管と、前記排気還流管に設けられ前記排気還流管を流れる前記排気還流ガスの流量を調整する流量調整手段と、前記NOx濃度の目標値と前記NOxセンサにより計測された前記NOx濃度の実測値との間の偏差を算出し、算出した前記偏差に基づいて補正値を導出し、導出した前記補正値を学習して学習値として記憶部に記憶し、前記記憶部に記憶された前記学習値と前記流量調整手段の基本開度とに基づいて前記流量調整手段の最終開度を設定する制御を実行する制御装置と、を有することを特徴とするエンジンである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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