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公開番号
2025028551
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-03
出願番号
2023133440
出願日
2023-08-18
発明の名称
生分解性ポリエステルの製造方法
出願人
学校法人近畿大学
,
国立大学法人東京科学大学
代理人
個人
主分類
C12P
7/625 20220101AFI20250221BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】菌体濃度91.3g・L
-1
、P(3HB)濃度61.9g・L
-1
という独立栄養条件では驚異的な培養成績は実現できたが、酸素移動速度容量係数k
L
a値が3000h
-1
という極めて高く、スケールアップには適さなかった。
【解決手段】H
2
、O
2
、CO
2
を含む混合ガスが供給される無機塩を主成分とする培地で、水素資化性がありポリヒドロキシアルカン酸を生産する微生物を対数増殖期の終了まで培養する一次培養工程と、
前記微生物の培養が対数増殖期間を終了した後に、前記培地内の前記無機塩の濃度が枯渇せず、かつ前記培養開始時より低い濃度に維持しながら培養を継続する二次培養工程を有する生分解性ポリエステルの製造方法では、450h
-1
程度の攪拌能力で、乾燥菌体重量濃度98.3g・L
-1
)、PHBH濃度81.5g・L
-1
が実現できた。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
H
2
、O
2
、CO
2
を含む混合ガスが供給される無機塩を主成分とする培地で、水素資化性がありポリヒドロキシアルカン酸を生産する微生物を対数増殖期の終了まで培養する一次培養工程と、
前記微生物の培養が対数増殖期間を終了した後に、前記培地内の前記無機塩の濃度が枯渇せず、かつ前記培養開始時より低い濃度に維持しながら培養を継続する二次培養工程を有する生分解性ポリエステルの製造方法。
続きを表示(約 650 文字)
【請求項2】
前記微生物は、水素資化性があり(R)-3-ヒドロキシ酪酸と(R)-3-ヒドロキシヘキサン酸を含む2種以上のモノマーユニットより構成される共重合ポリエステルを生産する微生物である請求項1に記載された生分解性ポリエステルの製造方法。
【請求項3】
前記無機塩の濃度は、少なくともアンモニア態窒素濃度が10mg・L
-1
~培養初期濃度であり、リン濃度が5mg・L
-1
~培養初期濃度である請求項1または2に記載された生分解性ポリエステルの製造方法。
【請求項4】
前記培地のpHが前記一次培養工程および前記二次培養工程を通じて6.7~7.3の範囲に維持されている請求項1または2の何れかに記載された生分解性ポリエステルの製造方法。
【請求項5】
前記混合ガスは内燃機関の排ガスを含む請求項1または2に記載された生分解性ポリエステルの製造方法。
【請求項6】
前記混合ガスにはN
2
およびCOの少なくとも一方が含まれる請求項1または2に記載された生分解性ポリエステルの製造方法。
【請求項7】
前記微生物は、カプリアヴィダス(Cupriavidus)属とアルカリゲネス(Alcaligenes)属のいずれかに属する細菌で、共重合ポリエステルを生産するように遺伝子組換えされたものである請求項1または2に記載された生分解性ポリエステルの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物が体内に蓄積する生分解性プラスチックとして知られているポリヒドロキシアルカン酸を高収量で得る方法に関する。本発明は特に(R)-3-ヒドロキシ酪酸と(R)-3-ヒドロキシヘキサン酸を含む2種以上のモノマーユニットより構成され、柔軟性や加工性等に優れた生分解性プラスチック素材である共重合ポリエステルを遺伝子組換え微生物を使い、CO
2
を直接の原料として培地体積あたり高収量で製造する方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
化石燃料から合成されるプラスチック製品のごみによる環境汚染問題が深刻化している。とりわけ“マイクロプラスチック”は、海洋生物への被害のみならず人への健康危害も懸念される。解決策の一つとして、微生物によって分解される生分解性プラスチックの普及が急がれている。なかでも、ある種の細菌が菌体内に蓄積するポリヒドロキシアルカン酸(以下、「PHA」と略記する。)は、微生物が少ない海洋中でも分解可能なプラスチック素材として期待されている。
【0003】
(R)-3-ヒドロキシ酪酸(以下、「3HB」と略記する)のホモポリエステルであるポリヒドロキシ酪酸(以下、「P(3HB)」と略記する)は代表的なPHAであるが、“プロセスウインドウが狭い”すなわち融点と分解温度の差が小さいため加工が困難であり、またその製品も硬くて脆いという物性上の大きな欠点を有する。
【0004】
このため、他のヒドロキシアルカン酸も取り込ませることで物性を改善させた共重合体PHAの開発が進んでいる。とくに3HBと(R)-3-ヒドロキシヘキサン酸(以下、「3HHx」と略記する)の共重合体であるP(3HB-co-3HHx)(以下「PHBH」と略記する)は、3HHx分率10mol%において優れた柔軟性と加工性を示す。
【0005】
しかしながら、PHBHのような共重合PHA製造の原料として利用可能な物質は、高価かつ細胞毒性の強い有機酸やラクトン類、脂肪酸などに限られていた。PHAの普及には価格低減が不可欠であり、また自然界でCO
2
に分解されることを考えれば安価でカーボンニュートラルな資源を利用することが重要である。
【0006】
(株)カネカは、水素細菌Cupriavidus necatorの遺伝子組換え株を使って植物油脂からPHBHを効率よく生産する技術を開発し(特許文献1)、この分解性ポリマーを「Green Planet(登録商標)」として販売している。同社の生産量は現在年間5000トンであるが、増産計画を発表している。
【0007】
本発明の共同発明者である福居らが作製したC.necator組換え株は、植物油脂よりも安価な糖質から3HHxモル分率に富むPHBHをよく蓄積し(特許文献2)、また本発明者である田中らはこの組換え株がH
2
・O
2
・CO
2
からなる混合ガスを基質とする独立栄養条件でもPHBHを生合成することを見出した(非特許文献1)。
【0008】
本来、C.necatorは、水素の酸化で得たエネルギーを利用してCO
2
を固定化し生育する水素細菌の一種である。水素細菌は炭酸固定を行う独立栄養生物としては増殖が速く、また植物や藻類と違って採光のための広大な設備面積を必要とせず天候にも影響されないことからCO
2
を炭素原料とする発酵技術の研究開発によく用いられてきた。
【0009】
発酵工業ではコスト削減のために、容積の限られたリアクター内でいかに生産物量を増やすかが重要であり、PHA生産もその例外ではない。しかしながら、液体培地への溶解性が悪く爆発性もある上記混合ガスを原料基質に用いて多量のPHAを生産するのは容易ではなく、従来にない革新的な培養技術の創出が必要であった。
【0010】
田中らは、ガス貯槽内の混合ガスを培地の入ったリアクターに供給してその一部をC.necatorに消費させ、残りを有水ホルダーに戻して再供給させる”閉鎖循環式ガス発酵システム“を用いることで、放出による原料ガスの浪費を伴うこと無くこの菌の高菌体密度培養が可能なことを実証した(非特許文献2、3;特許文献3、4)。
(【0011】以降は省略されています)
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