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公開番号2025008086
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023109953
出願日2023-07-04
発明の名称ブリッジ回路の駆動装置
出願人株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社,株式会社ミライズテクノロジーズ
代理人弁理士法人サトー
主分類H02M 1/08 20060101AFI20250109BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電流のゼロクロス点付近においてもデッドタイムを短縮できるブリッジ回路の駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動側/整流側判定部38は、パワー素子1及び2からなるブリッジ回路の出力端子と負荷との間に流れる電流の方向に基いて、駆動対象とするパワー素子のスイッチングが駆動側、整流側の何れで行われているかを判定する。オン側DT検出部22は、スイッチングが整流側で行われている際に、パワー素子の電圧Vdsのレベルが変化するタイミングと、電圧Vgsのレベル変化するタイミングとの間の遅延時間を検出して記憶する。タイミング調整部7は、駆動信号のレベルを変化させるタイミングを、検出した遅延時間だけ早めるように調整する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ブリッジ回路の上下アームを構成する直列接続された2つのパワー素子(1,2)の内、1つのパワー素子の導通制御端子を駆動するもので、
前記ブリッジ回路の出力端子と負荷との間に流れる電流の方向に基いて、前記パワー素子のスイッチングが駆動側、整流側の何れで行われているかを判定する駆動側/整流側判定部(36)と、
前記スイッチングが前記整流側で行われている際に、前記パワー素子の導通端子間電圧のレベルが変化するタイミングと、前記導通制御端子に印加される駆動信号のレベル変化するタイミングとの間の遅延時間を検出して記憶する遅延時間検出部(22)と、
前記駆動信号のレベルを変化させるタイミングを、前記遅延時間だけ早めるように調整するタイミング調整部(7)と、を備えるブリッジ回路の駆動装置。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記パワー素子がオンした際に、対向するアームのパワー素子との間に貫通電流が流れる短絡の発生を判定する短絡判定部(29)を備え、
前記オンタイミング調整部は、前記短絡判定部により前記短絡の発生が判定されない範囲で、且つ前記パワー素子がオンした際に自素子に通電される電流が閾値よりも小さくなるように、前記遅延時間を短縮する請求項1記載のブリッジ回路の駆動装置。
【請求項3】
前記短絡判定部は、前記導通端子間電圧のレベルが変化するタイミングよりも、前記タイミングに応じて前記駆動信号のレベルが変化するタイミングが早くなることで、極性が負となる遅延時間の長さが閾値以上であれば前記短絡の発生を判定し、
前記短絡の発生を判定すると、前記パワー素子の駆動を停止させる請求項2記載のブリッジ回路の駆動装置。
【請求項4】
前記タイミング調整部は、前記パワー素子をターンオンさせる場合と、前記パワー素子をターンオフさせる場合との何れか一方について、前記調整を実行する請求項1記載のブリッジ回路の駆動装置。
【請求項5】
前記タイミング調整部は、前記遅延時間をΔtとすると、前記Δtに応じた電圧ΔVを発生させるΔt-ΔV変換部(31)と、
前記導通端子間電圧のレベルが変化したことを検出するレベル変化検出部(24)と、
前記レベルの変化をトリガとして、前記電圧ΔVの値を一定値だけ低減する補正部(25)と、を備える請求項1記載のブリッジ回路の駆動装置。
【請求項6】
前記駆動信号のレベルが立ち上がるタイミングから一定時間だけ起動信号を出力する起動信号出力部(42)を備え、
前記遅延時間検出部は、前記起動信号が出力されている期間内に、前記遅延時間を検出する請求項1から5の何れか一項に記載のブリッジ回路の駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリッジ回路を構成するパワー素子を駆動する装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えばMOSFETのようなパワー素子を上下アームとするブリッジ回路を構成し、それらを交互に駆動するインバータやコンバータでは、上下アームの同時オンを防止するため、それらを同時にオフにする時間としてデッドタイムが設けられる。このデッドタイム期間には、MOSFETに内蔵されるか又は並列に接続されるダイオードが導通するため、MOSFETをオンしている時よりも損失が増加する。したがって、デッドタイムはできるだけ短縮することが望ましい。
【0003】
例えば特許文献1には、上下アーム相互のゲートオフを検出し、ゲートオフ検知信号と駆動信号との論理積により、対向アームのオフをトリガとして自アームのオンタイミングを生成することで、上下アームの駆動信号にデッドタイムを付与することを必要とせず、短絡しない程度までデッドタイムを短縮する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-97348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1の構成を、例えば電気自動車;EVにおけるインバータ制御等のように、高電圧・大電流系に適用することを想定すると、以下のような問題が発生する。このような高電圧・大電流系における上下アーム間は、絶縁されている。絶縁されたアーム間の信号伝達には、一般にはフォトカプラや磁気カプラのようなデジタルアイソレータが用いられるので、遅延時間が発生する。そのため、対向アームからのオフ検知信号が来るまでは自アームの駆動ができず、この伝達遅延時間分がデッドタイムとして残る。また、接続するパワー素子のゲート容量とドライバの駆動電圧、駆動電流能力により、パワー素子のゲートの駆動を開始してから、閾値電圧Vthを超えるまでの駆動遅延時間分もデッドタイムとして残ってしまう。
【0006】
インバータの制御において、1つの上下アームのスイッチングには、負荷に電流を通電する駆動側のスイッチングと、対向する駆動側のアームがオフした際に流れる電流を、同期整流する整流側のスイッチングとがある。従来技術において、デッドタイムを検知して制御できるのは整流側の時だけであり、駆動側の場合は、固定されたデッドタイムを用いている。そのため、上下アームのスイッチングが、駆動側と整流側との間で切り替わるゼロ電流の近傍ではデッドタイムを短縮することができず、パワー素子に並列に接続されているダイオードによる導通損失を低減できない電流領域があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電流のゼロクロス点付近においてもデッドタイムを短縮できるブリッジ回路の駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載のブリッジ回路の駆動装置によれば、駆動側/整流側判定部(36)は、ブリッジ回路の出力端子と負荷との間に流れる電流の方向に基いて、駆動対象とするパワー素子(1,2)のスイッチングが駆動側、整流側の何れで行われているかを判定する。尚、パワー素子とは、例えば上記のインバータのような電力変換回路を構成する、比較的大きな電力をスイッチングするのに対応した半導体素子である。遅延時間検出部(22)は、スイッチングが整流側で行われている際に、パワー素子の導通端子間電圧のレベルが変化するタイミングと、導通制御端子に印加される駆動信号のレベル変化するタイミングとの間の遅延時間を検出して記憶する。タイミング調整部(7)は、駆動信号のレベルを変化させるタイミングを、検出した遅延時間だけ早めるように調整する。
【0009】
すなわち、パワー素子のスイッチングが整流側で行われている際に検出して記憶された遅延時間を、スイッチングが駆動側で行われている際にも適用する。これにより、パワー素子のスイッチングが駆動側と整流側との間で切り替る際においても、タイミング調整部は、駆動信号のレベルを変化させるタイミングを調整できる。したがって、電流のゼロクロス点付近においてもデッドタイムを短縮できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態であり、ブリッジ回路の駆動装置の構成を示す図
Δt-ΔV変換部の動作を示すタイミングチャート
タイミング調整部の動作を示すタイミングチャート
駆動装置の回路動作を示すフローチャート
図4に示す制御に応じて電圧Vgsの立上りタイミングが調整される状態を示す波形図
下アームのスイッチングが整流側である場合のタイミングチャート
上アームのスイッチングが整流側である場合のタイミングチャート
図6及び図7を含んでより長い期間について示すタイミングチャート
負荷電流の変化に応じで、上下アームの駆動側/整流側の変化を単純化して示すタイミングチャート
第2実施形態であり、ブリッジ回路の駆動装置の構成を示す図
起動停止回路の動作を示すタイミングチャート
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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