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公開番号2024179778
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098912
出願日2023-06-16
発明の名称イオンビーム照射装置
出願人大学共同利用機関法人自然科学研究機構,国立大学法人東北大学
代理人個人
主分類H01J 27/16 20060101AFI20241219BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】プラズマを生成させ、イオンビームを照射する際に、イオンビームの発散角を制御する。
【解決手段】イオンビーム照射装置10は、高周波アンテナ13でプラズマ12を生成するプラズマ生成部11を有し、その開口部には照射孔Hからイオンビームを照射するための境界電極15、引出電極16を有する。また、境界電極15よりプラズマ生成部11の内側には制御用電極14が設けられ、境界電極15と引出電極16との間にプラズマ界面近傍の電場を検出する空間電位プローブ18が設けられている。空間電位プローブ18の検出結果が増幅器30で増幅され、位相調整回路31で位相を調整され、この信号に応じて高周波発信器32が制御用電極14に通電する。制御用電極14に通電して生じる高周波電場RF2が、プラズマ生成電場RF1と干渉することで、プラズマ界面の振動が変化し、イオンビームの発散角を変化させることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
イオンビームを照射するイオンビーム照射装置であって、
所定のガスからプラズマを生成するプラズマ生成部と、
前記プラズマ生成部の開口部に、前記イオンビームの極性と逆の極性の電極として設けられた境界電極と、
前記境界電極の外側に、前記イオンビームの極性と同じ極性の電極として設けられ、前記イオンビームを照射するための引出電極と、
所定の周波数で変化する電界を生じさせるための制御用電極を前記プラズマ生成部の開口部に備えるイオンビーム照射装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1記載のイオンビーム照射装置であって、
前記プラズマ生成部は、高周波(RF)方式によりプラズマを生成するイオンビーム照射装置。
【請求項3】
請求項2記載のイオンビーム照射装置であって、
前記プラズマ生成部における前記高周波による電場を検出する検出部と、
前記検出された電場に応じて、前記制御用電極に通電する制御部とを備えるイオンビーム照射装置。
【請求項4】
請求項3記載のイオンビーム照射装置であって、
前記制御部は、前記検出した電場を相殺するように通電するイオンビーム照射装置。
【請求項5】
請求項3記載のイオンビーム照射装置であって、
前記制御部は、前記検出した電場に同期するように通電するイオンビーム照射装置。
【請求項6】
請求項3記載のイオンビーム照射装置であって、
前記検出部は、前記境界電極と前記引出電極との間に設置されているイオンビーム照射装置。
【請求項7】
請求項1記載のイオンビーム照射装置であって、
前記境界電極および前記引出電極は、前記イオンビームの照射孔となる複数の孔が配列された形状であるイオンビーム照射装置。
【請求項8】
請求項7記載のイオンビーム照射装置であって、
前記制御用電極は、前記孔と孔の間に配置されているイオンビーム照射装置。
【請求項9】
請求項6記載のイオンビーム照射装置であって、
前記プラズマ生成部は、前記孔に対向する位置にアンテナが設置されており、該アンテナに前記高周波を通電することによりプラズマを生成するイオンビーム照射装置。
【請求項10】
プラズマ生成部および前記プラズマ生成部の開口部に設けられた境界電極、引出電極を備えるイオンビーム照射装置によってイオンビームを照射するイオンビーム照射方法であって、
前記プラズマ生成部で所定のガスからプラズマを生成するステップと、
前記境界電極および前記引出電極を所定の電位にすることによって、イオンビームを照射するステップと、
前記イオンビームを照射する際に、前記境界電極および引出電極とは別に設けた高周波電極に通電することにより、所定の周波数で変化する電界を生じさせるステップを備えるイオンビーム照射方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを生成させ、イオンビームを照射するイオンビーム照射装置に関し、詳しくは、イオンビームの発散角を制御する技術に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
プラズマを生成させて照射されるイオンビームは、核融合や加速器の分野、半導体プロセス、エッチング、成膜、金属材料の表面改質など、種々の分野で利用されている。
例えば、特許文献1は、高周波電源によりプラズマを生成させ、3枚または4枚のイオンビーム引出電極でイオンビームを引き出す際に、プラズマ成膜とイオンビーム照射を併用した場合に生じる異常放電を回避する技術を開示している。特許文献2は、液晶の製造工程で大きな面積の大型平行イオンビームを照射する際に、引出電極の径や密度をビームの中心部と外縁部で変えることにより拡散するイオンビームを基板全面に均一に照射する技術を開示している。
イオンビーム照射に利用するプラズマを生成させる方法としては、フィラメントアーク方式と高周波(RF)方式が知られている。高周波(RF)方式は、フィラメントアーク方式に比べて、フィラメントの損耗による連続運転時間の制約などがない点、フィラメント材料を不純物としてプラズマ中に持ち込まない点、で利点があると言われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平11-286781号公報
特開平11-329335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イオンビームは、半導体製造、エッチング、成膜などに利用する場合には、発散角を大きくし、ビームが拡散するように広く照射し、均一性を得ることが好ましい。また、加速器などの分野で利用する場合には、逆に発散角を小さくし、ビームを収束させることで、ビーム損失を抑えることが好ましい。しかし、高周波(RF)方式のイオン源からのビームでは、一般にフィラメントアーク方式の場合と比較して、発散角が大きくなる傾向にあり、発散角を小さく、ビームを収束させる技術が望まれていた。このように発散角を制御する技術は、高周波(RF)方式に限ったものではなく、フィラメントアーク方式においても同様であった。
本発明は、かかる課題に鑑み、プラズマを利用して照射されるイオンビームの発散角を調整可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
イオンビームを照射するイオンビーム照射装置であって、
所定のガスからプラズマを生成するプラズマ生成部と、
前記プラズマ生成部の開口部に、前記イオンビームの極性と逆の極性の電極として設けられた境界電極と、
前記境界電極の外側に、前記イオンビームの極性と同じ極性の電極として設けられ、前記イオンビームを照射するための引出電極と、
所定の周波数で変化する電界を生じさせるための制御用電極を前記プラズマ生成部の開口部に備えるイオンビーム照射装置とすることができる。
【0006】
本発明は、プラズマを境界電極、引出電極で引き出すことによりイオンビームを照射する際に、境界電極近傍のプラズマ中に設置した制御用電極へ所定周波数の電界(以下、「制御用電界」という)を生じさせ、境界電極開口部付近のプラズマ・ビーム界面を電界で振動させることにより、発散角を変動させるものである。従って、本発明によれば、イオンビームの発散角を調整することが可能となる。
制御用電界の位相、周波数および強さは、要求される発散角に応じて調整すればよい。予め設定した所定の位相、周波数、強さで電界を生じさせる構成としてもよいし、これらの一部または全部を適宜、調整可能としたり、動的に変化させてもよい。
所定周波数は、400kHz以上の高周波、これより低い周波数など任意に選択することができる。
くわえて、本発明において、プラズマの生成は、フィラメントアーク方式、高周波(RF)方式のいずれであってもよい。
【0007】
本発明においては、
前記プラズマ生成部は、高周波(RF)方式によりプラズマを生成してもよい。
【0008】
一般に、高周波(RF)方式は、フィラメントアーク方式よりもイオンビームが拡散する傾向にあるため、特に本発明の有用性が高い。RF方式でプラズマ生成のために用いる周波数も任意に決めることができるが、一般的に400kHz以上とされることが多い。
高周波(RF)方式において、イオンビームが拡散するのは、プラズマを生成するための高周波電場(以下、「プラズマ生成電場」という)の伝播によって、プラズマ・ビーム界面が振動することが原因であろうと推測される。本発明では、プラズマ・ビーム界面付近に、高周波電極により制御用電場を生じさせるため、プラズマ生成電場による影響を調整することができ、イオンビームの発散角を制御することが可能となるのである。
上記態様において制御用電場の位相、周波数および強さは、プラズマ生成電場よりも低い周波数も含めて任意に決めることができるが、プラズマ生成電場の高周波を基準として設定することが好ましい。かかる観点から、制御用電極の周波数は、400kHz以上の高周波とすることが好ましく、さらにはプラズマ生成電場と同程度の周波数とすることが好ましい。
また、発散角は、プラズマ生成電場と、制御用電場の干渉により制御されるため、両者の位相を相対的に調整可能とすることが好ましい。
【0009】
高周波(RF)方式によりプラズマを生成する場合、
前記プラズマ生成部における前記高周波による電場を検出する検出部と、
前記検出された電場に応じて、前記制御用電極に通電する制御部とを備えてもよい。
【0010】
こうすることにより、プラズマ生成電場の変動などに応じて、制御用電極に通電することができ、効果的に発散角を制御することが可能となる。
制御部の制御対象は、制御用電場の周波数、電流、位相の全部とすることが好ましいが、いずれか一部であってもよい。
なお、検出結果に応じた制御は、例えば、フィードバック制御とすることができるが、種々の制御則を適用することができる。制御部は、コンピュータを用いてソフトウェア的に構成してもよいし、制御回路としてハードウェア的に構成してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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