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公開番号2024177508
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2024176338,2022025760
出願日2024-10-08,2022-02-22
発明の名称複合粒子、正極、全固体電池、および複合粒子の製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類H01M 4/13 20100101AFI20241212BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】初期抵抗および抵抗増加率を低減すること。
【解決手段】複合粒子は、正極活物質粒子とコーティング膜とを含む。コーティング膜は、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆している。コーティング膜は、リン化合物を含む。複合粒子は「CLi/CP≦2.5」の関係を満たす。「CLi」は、XPSにより測定されるLiの元素濃度を示す。「CP」は、XPSにより測定されるPの元素濃度を示す。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
正極活物質粒子と、
コーティング膜と、
を含み、
前記コーティング膜は、前記正極活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆しており、
前記コーティング膜は、リン化合物を含み、
下記式(1):

Li
/C
P
≦2.5 (1)
の関係を満たし、
上記式(1)中、

Li
は、X線光電子分光法により測定されるLi1sスペクトルのピーク面積から求まるリチウムの元素濃度を示し、

P
は、X線光電子分光法により測定されるP2pスペクトルのピーク面積から求まるリンの元素濃度を示す、
複合粒子。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
83%以上の被覆率を有し、
前記被覆率は、X線光電子分光法により測定される、
請求項1に記載の複合粒子。
【請求項3】
質量分率で6.1~6.5%のリンを含む、
請求項1または請求項2に記載の複合粒子。
【請求項4】
複合粒子と、
硫化物固体電解質と、
を含み、
前記複合粒子は、正極活物質粒子と、コーティング膜とを含み、
前記コーティング膜は、前記正極活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆しており、
前記複合粒子は、下記式(1):

Li
/C
P
≦2.5 (1)
の関係を満たし、
上記式(1)中、

Li
は、X線光電子分光法により測定されるLi1sスペクトルのピーク面積から求まるリチウムの元素濃度を示し、

P
は、X線光電子分光法により測定されるP2pスペクトルのピーク面積から求まるリンの元素濃度を示す、
正極。
【請求項5】
前記複合粒子は、83%以上の被覆率を有し、
前記被覆率は、X線光電子分光法により測定される、
請求項4に記載の正極。
【請求項6】
前記複合粒子は、質量分率で6.1~6.5%のリンを含む、
請求項4または請求項5に記載の正極。
【請求項7】
請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の正極を含む、
全固体電池。
【請求項8】
(a)コーティング液と正極活物質粒子とを混合することにより、混合物を準備すること、および
(b)前記混合物を乾燥することにより、複合粒子を製造すること、
を含み、
前記コーティング液は、リン酸化合物と溶媒とを含み、
前記リン酸化合物は、質量分率で72%以上の五酸化二リンを含む、
複合粒子の製造方法。
【請求項9】
前記リン酸化合物は、質量分率で72%以上の五酸化二リンと、残部の水とを含む、
請求項8に記載の複合粒子の製造方法。
【請求項10】
前記リン酸化合物は、メタリン酸およびポリリン酸からなる群より選択される少なくとも1種を含む、
請求項8または請求項9に記載の複合粒子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、複合粒子、正極、全固体電池、および複合粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
特開2012-099323号公報(特許文献1)は、Li
3
PO
4
を含むコート層を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-099323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
正極活物質粒子の表面にコーティング膜を形成することが提案されている。例えば、硫化物系全固体電池においては、硫化物固体電解質と正極活物質粒子との直接接触を、コーティング膜が阻害することにより、初期抵抗の低減が期待される。ただし、耐久試験後の抵抗増加率に改善の余地がある。
【0005】
本開示の目的は、初期抵抗および抵抗増加率の低減にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本明細書の作用メカニズムは推定を含む。作用メカニズムは本開示の技術的範囲を限定しない。
【0007】
1.複合粒子は、正極活物質粒子とコーティング膜とを含む。コーティング膜は、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部を被覆している。コーティング膜は、リン化合物を含む。
複合粒子は、下記式(1)の関係を満たす。

Li
/C
P
≦2.5 (1)
上記式(1)中、C
Li
は、X線光電子分光法により測定されるLi1sスペクトルのピーク面積から求まるリチウムの元素濃度を示す。C
P
は、X線光電子分光法により測定されるP2pスペクトルのピーク面積から求まるリンの元素濃度を示す。
【0008】
従来、ニオブ化合物(LiNbO
3
)を含むコーティング膜がよく知られている。ニオブ化合物を含むコーティング膜は、電池の初期抵抗を低減し得る。ただし耐久試験後の抵抗増加率が高い傾向がある。
【0009】
本開示の新知見によると、リン化合物を含むコーティング膜は、耐久試験後の抵抗増加率が低い傾向がある。しかし、従来の膜材(Li
3
PO
4
)は、初期抵抗が高い傾向がある。
【0010】
コーティング膜は、Liイオン伝導性を示すことが求められる。Liイオン伝導性が高い程、初期抵抗が低減し得ると考えられる。X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy,XPS)によれば、粒子表面の組成(すなわちコーティング膜の組成)が特定され得る。従来の膜材(Li
3
PO
4
)においては、粒子表面の組成比(C
Li
/C
P
)が3以上であると考えられる。一般に、粒子表面の組成比(C
Li
/C
P
)が大きくなる程(Liリッチになる程)、Liイオン伝導性が向上し、初期抵抗が低減することが期待される。
(【0011】以降は省略されています)

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