TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024177080
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2024077675
出願日2024-05-13
発明の名称バリスタ装置及びバリスタ装置の操作方法
出願人テラ クアンタム アーゲー,TERRA QUANTUM AG
代理人個人
主分類H10N 60/00 20230101AFI20241212BHJP()
要約【課題】極低温で動作可能な改良されたバリスタ装置を提供する。
【解決手段】極低温で電子回路を電圧サージから保護するためのバリスタ装置10は、超絶縁体材料で構成された電気リード線2と、電気的接触素子4と、を備える。電気的接触素子は、電気リード線に沿った互いに異なる位置6、8で電子回路に接続するためのものであり、電気リード線に沿った互いに異なる位置で電気リード線と電気的に接触している。電気リード線は、極低温で超絶縁状態又はクーパー対絶縁状態を提供し、極低温で互いに異なる位置の間に非線形抵抗を提供するように適合されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
極低温で電子回路(12)を電圧サージ保護するためのバリスタ装置(10)であって、
前記バリスタ装置(10)は、
超絶縁体材料で構成された電気リード線(2)と、
前記電気リード線(2)に沿った互いに異なる位置(6、8)を電子回路(12)に接続するための電気的接触素子(4)と、を備え、
前記電気的接触素子(4)は、前記電気リード線(2)に沿った前記互いに異なる位置(6、8)で前記電気リード線(2)と電気的に接触し、
前記電気リード線(2)は、前記極低温で超絶縁状態又はクーパー対絶縁状態を提供し、前記極低温で前記互いに異なる位置(6、8)の間に非線形抵抗を提供するように適合されている、
バリスタ装置(10)。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記電子回路(12)は、超伝導コイル、超伝導量子ビット、SQUID又は超伝導単電子トランジスタ等の極低温で超伝導を示すように適合された超伝導コンポーネントを備える、
請求項1に記載のバリスタ装置(10)。
【請求項3】
前記電気リード線(2)は、前記電気的接触素子(4)を介して及び/又は電気的に並列に、前記電子回路(12)に接続される、
請求項1又は2に記載のバリスタ装置(10)。
【請求項4】
前記超絶縁体材料は、窒化チタン、窒化ニオブチタン、及び酸化インジウムを含むグループからの材料を含む、又は、窒化チタン、窒化ニオブチタン、及び酸化インジウムを含むグループからの材料である、
請求項1又は2に記載のバリスタ装置(10)。
【請求項5】
前記電気リード線(2)の厚さ(T)が10nmを超えない、
請求項1又は2に記載のバリスタ装置(10)。
【請求項6】
前記超絶縁体材料は窒化チタンであり、前記電気リード線(2)の厚さ(T)は5nmを超えない、
請求項1又は2に記載のバリスタ装置(10)。
【請求項7】
前記極低温は、1.5K以下、0.5K以下、0.15K以下、又は、0.05K以下の温度を指す、
請求項1又は2に記載のバリスタ装置(10)。
【請求項8】
前記電子回路(12)及び前記電気リード線(2)は、同一の冷却素子(14)と熱的に接触するように配置され、前記冷却素子(14)は、前記極低温を提供するように適合されている、
請求項1又は2に記載のバリスタ装置(10)。
【請求項9】
前記互いに異なる位置(6、8)の1つにある前記電気リード線(2)は、基準電位(16、18)に電気的に接続され、又は、互いに異なる位置(6、8)にある前記電気リード線(2)は、互いに異なる基準電位(16、18)に電気的に接続される、
請求項1又は2に記載のバリスタ装置(10)。
【請求項10】
前記互いに異なる位置(6、8)の間の前記電気リード線の長さ(L)は、少なくとも1mmである、
請求項1又は2に記載のバリスタ装置(10)。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、極低温で電気伝導性が本質的にゼロになる超絶縁体を採用する、超伝導コイル又は量子ビット等の、極低温で動作可能なバリスタに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
バリスタの重要な用途は、例えば、電力の供給やデータの入力による電圧変動及びその結果生じる望ましくない高い電力の消費から電子機器を保護することである。この目的のために、バリスタは、保護しようとするデバイスに並列に接続される。バリスタは非線形の電気抵抗を有する。理想的には、トランジスタの電圧が所定の閾値電圧を下回っている限り、本質的に非電導性である。電圧が閾値電圧を越えると、理想的なバリスタの電気抵抗は、大幅に(つまり、非線形に)減少し、バリスタを流れる電流は、電圧に応じて増加する。この理想的な状況では、バリスタによって提供される並列電流経路により、電子デバイスの電圧及びそれを流れる電流が減少する。したがって、バリスタの非線形電圧依存抵抗により、電圧変動から効果的に保護することができる。
【0003】
既存のバリスタ、例えば、半導体(例えば、ダイオードを形成する)又は内部ダイオードを形成する金属酸化物をベースとするバリスタ、は、比較的高い温度でのみ動作可能である。最新のバリスタは、超伝導コイル又は量子ビット等の装置が動作する極低温での使用には適さない。これは、閾値電圧を超える電圧でバリスタを流れる電流によって高熱が発生するためである。従来のバリスタの別の欠点は、オン状態の電気抵抗の値の制御が不十分であることである。このオン状態の電気抵抗は、閾値電圧を超える電圧でバリスタを流れる電流、つまり、バリスタが加熱される量を直接決定する。したがって、オン状態の電気抵抗の制御が不十分であることは、バリスタ装置の加熱の制御が不十分になることにつながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
米国特許出願公開2021/068320号明細書
【発明の概要】
【0005】
上記の技術的な問題を考慮すると、極低温で動作可能な改良されたバリスタが必要とされている。この問題は、請求項1に記載のバリスタ装置によって解決される。請求項15は、バリスタ装置の動作方法を提供する。
【0006】
バリスタ装置には、超絶縁体材料が採用されている。超絶縁体材料は超伝導体と表裏になるものであり、つまり、低温ではあるが有限の温度で本質的に無限の抵抗を持つ超絶縁状態を示し、電流が通過できない材料である。超絶縁状態からより大きな抵抗を有する状態への遷移は、十分な温度上昇又は十分に高い電圧の印加によって引き起こされうる。超絶縁状態は、窒化チタン膜、窒化ニオブタチン膜及び酸化インジウム膜で見られる。
【0007】
第1の態様によれば、極低温で電子回路を電圧サージ保護するためのバリスタ装置は、超絶縁体材料で構成された電気リード線と、電気的接触素子を備える。電気的接触素子は、電気リード線に沿った互いに異なる位置を電子回路に接続するためのものである。電気的接触素子は、電気リード線に沿った互いに異なる位置で電気リード線と電気的に接触している。電気リード線は、極低温で超絶縁状態又はクーパー対絶縁状態を提供し、極低温で互いに異なる位置の間に非線形抵抗を提供するように適合されている。
【0008】
超絶縁体材料を使用したバリスタ装置は、極低温で強い非線形抵抗を提供し、その絶対値は、実質的にゼロである。したがって、超絶縁体材料をベースにしたバリスタ装置は、極低温で作動する電圧サージ保護の電子装置に理想的である。極低温でのバリスタ装置自体は、消費電力と電圧ノイズレベルが低く、電流のリークは実質的にゼロである。これらは、最新式のバリスタよりもこのバリスタ装置が優れている主な利点である。
【0009】
さらに、超絶縁体材料を使用したバリスタ装置は、閾値電圧で急減期な増加(言い換えれば、ステップ又はジャンプ、又は大きな非線形性のそれぞれ)を伴う電圧電流特性を提供する。閾値電圧における増加の急峻さ、又は、非線形性の大きさによって、保護対象のデバイスから過剰な電圧(及び結果として生じる電流、したがって、結果として生じる加熱)がどの程度除去されるかが決まる。本発明のバリスタ装置は、従来のバリスタ装置よりも過剰電圧をより多く除去し、電圧サージ保護を向上させる。
【0010】
バリスタ装置に印加される電圧が閾値電圧を超えると、バリスタ装置の電気抵抗はオーム挙動を示しうる。この状態での抵抗は、オン状態の電気抵抗とも呼ばれる。これは、オン状態の電気抵抗が非オーム挙動を示し、バリスタに印加される電圧に応じてより強く(例えば、ダイオードのように指数関数的に)増加するため、オン状態の電気抵抗の制御が不十分になってしまう従来技術と比べて利点である。本発明によるバリスタ装置のオン状態の電気抵抗は、所望のオン状態の電気的項に応じてあらかじめ選択された寸法で電気リード線を形成することによって、容易に制御することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許