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公開番号2024176261
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023094695
出願日2023-06-08
発明の名称移動体の制御装置及びプログラム
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類B60L 3/00 20190101AFI20241212BHJP(車両一般)
要約【課題】移動体の待機場所での待機中において乗員の快適性の低下を抑制することを可能とする。
【解決手段】ECU40において、到達可否判定部42は、自車両が充電施設まで到達可能であるか否かを判定する。待機場所設定部43は、自車両が充電施設まで到達可能でないと判定された場合に、充電施設よりも近い位置を自車両の待機場所として設定する。
待機時間設定部44は、自車両が待機場所まで移動しかつ救助を待つのに要する時間を待機時間として設定する。エネルギ消費量設定部45は、待機場所までの自車両の移動と、待機時間内における自車両の補機の駆動とに要するエネルギ消費量を設定する。上限値算出部46は、バッテリ10のエネルギ残量と、エネルギ消費量設定部45により設定されたエネルギ消費量とに基づいて、待機時間が経過するまでの期間内の単位時間当たりのエネルギ消費上限値を算出する。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
エネルギ源(10)に保存されたエネルギにより移動可能な移動体に適用される制御装置(40)であって、
前記移動体がエネルギ補充場所まで移動可能であるか否かを判定する判定部と、
前記移動体が前記エネルギ補充場所まで移動可能でないと判定された場合に、当該エネルギ補充場所よりも近い位置を前記移動体の待機場所として設定する待機場所設定部と、
前記移動体が前記待機場所まで移動しかつ救助を待つのに要する時間を待機時間として設定する待機時間設定部と、
前記待機場所までの前記移動体の移動と、前記待機時間内における前記移動体の補機の駆動とに要するエネルギ消費量を設定するエネルギ消費量設定部と、
前記エネルギ源のエネルギ残量と、前記エネルギ消費量設定部により設定された前記エネルギ消費量とに基づいて、前記待機時間が経過するまでの期間内の単位時間当たりのエネルギ消費上限値を算出する上限値算出部と、
を備える移動体の制御装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記移動体は、前記補機として複数の補機を有しており、
前記エネルギ消費量設定部は、前記待機場所までの前記移動体の移動と、前記待機時間内における前記各補機の駆動とを含む各機能について、個別に前記エネルギ消費量を設定するとともに優先順位を設定し、
前記上限値算出部は、前記エネルギ源のエネルギ残量を、前記エネルギ消費量設定部により設定された前記各機能のエネルギ消費量と前記優先順位とに基づいて配分し、当該機能ごとに前記エネルギ消費上限値を算出する、請求項1に記載の移動体の制御装置。
【請求項3】
前記移動体は、前記補機として空調機器(32a)を含む複数の機器を有しており、
前記エネルギ消費量設定部は、前記複数の補機のうち前記空調機器を最優先として前記優先順位を設定する、請求項2に記載の移動体の制御装置。
【請求項4】
前記上限値算出部は、
前記移動体が前記エネルギ補充場所まで移動可能でないと判定された場合に、その判定の時点の前記エネルギ残量を、前記エネルギ消費量設定部により設定された前記各機能のエネルギ消費量と前記優先順位とに基づいて配分し、当該機能ごとに前記エネルギ消費上限値を算出する一方、
前記移動体が前記待機場所に到達した場合に、その時点の前記エネルギ残量を、前記エネルギ消費量設定部により設定された前記各機能のエネルギ消費量と前記優先順位とに基づいて再び配分し、当該機能ごとに前記エネルギ消費上限値を算出する、請求項2又は3に記載の移動体の制御装置。
【請求項5】
前記上限値算出部は、前記移動体が前記待機場所に到達した場合において、エネルギ供給対象とする前記補機の数を、前記移動体が前記エネルギ補充場所まで移動可能でないと判定された時にエネルギ供給対象とした前記補機の数よりも増やすことを許容する、請求項4に記載の移動体の制御装置。
【請求項6】
前記移動体が前記エネルギ補充場所まで移動可能でないと判定された場合に、外部装置(52)に対して救助要請を送信する送信部を備え、
前記待機時間設定部は、前記救助要請の送信後に前記外部装置から受信した救助情報に基づいて、前記待機時間を設定する、請求項1に記載の移動体の制御装置。
【請求項7】
前記待機時間設定部は、前記救助要請の送信後に前記外部装置から前記救助情報を受信した場合に、その救助情報に基づいて前記待機時間を設定し、前記救助情報を受信しない場合に、予め定めた所定時間を前記待機時間として設定するものであり、
前記エネルギ消費量設定部は、前記移動体が前記エネルギ補充場所まで移動可能でないと判定された場合に、前記移動体の移動と前記補機の駆動とについてエネルギ制限をしつつ前記エネルギ消費量を設定するものであり、かつ前記救助情報を受信しない場合には、前記救助情報を受信した場合に比べて、前記エネルギ制限の度合を大きくする、請求項6に記載の移動体の制御装置。
【請求項8】
エネルギ源(10)に保存されたエネルギにより移動可能な移動体に適用され、コンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記移動体がエネルギ補充場所まで移動可能であるか否かを判定する判定処理と、
前記移動体が前記エネルギ補充場所まで移動可能でないと判定された場合に、当該エネルギ補充場所よりも近い位置を前記移動体の待機場所として設定する待機場所設定処理と、
前記移動体が前記待機場所まで移動しかつ救助を待つのに要する時間を待機時間として設定する待機時間設定処理と、
前記待機場所までの前記移動体の移動と、前記待機時間内における前記移動体の補機の駆動とに要するエネルギ消費量を設定するエネルギ消費量設定処理と、
前記エネルギ源のエネルギ残量と、前記エネルギ消費量設定処理により設定された前記エネルギ消費量とに基づいて、前記待機時間が経過するまでの期間内の単位時間当たりのエネルギ消費上限値を算出する上限値算出処理と、
を備えるプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の制御装置及びプログラムに関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、走行用モータを有する電気自動車である車両では、バッテリからの給電により走行用モータが駆動され、車両が走行する。また、電気自動車では、バッテリにおける走行エネルギが不足してエネルギ補充施設までの走行が不可能になる場合に、所定の待機場所で救助車両を待つことが考えられる。例えば特許文献1に記載の技術では、自車両がエネルギ補充施設まで走行可能でないと判定された場合において、自車両が補機の使用を継続した場合に補機が使用不可能となる時点と救助車両が到着する時点との差が最小となる場所を、救助車両を待つための推奨待機場所として自車両の乗員に報知するようにしている。これにより、補機の使用が不可となる時間を最短時間とし、乗員の快適性低下を抑制するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-150045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術は、補機の使用が不可となってから救助車両の到着までの時間を最短とするものであるが、自車両が待機場所に到達した後の補機の使用を想定したものでないため、自車両が待機場所に到達した後において乗員の快適性が確保できなくなることが懸念される。例えば、低温又は高温の環境下において、自車両内で待機する乗員の快適性が低下することが懸念される。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動体の待機場所での待機中において乗員の快適性の低下を抑制することを可能とする移動体の制御装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するべく、本開示は、
エネルギ源に保存されたエネルギにより移動可能な移動体に適用される制御装置であって、
前記移動体がエネルギ補充場所まで移動可能であるか否かを判定する判定部と、
前記移動体が前記エネルギ補充場所まで移動可能でないと判定された場合に、当該エネルギ補充場所よりも近い位置を前記移動体の待機場所として設定する待機場所設定部と、
前記移動体が前記待機場所まで移動しかつ救助を待つのに要する時間を待機時間として設定する待機時間設定部と、
前記待機場所までの前記移動体の移動と、前記待機時間内における前記移動体の補機の駆動とに要するエネルギ消費量を設定するエネルギ消費量設定部と、
前記エネルギ源のエネルギ残量と、前記エネルギ消費量設定部により設定された前記エネルギ消費量とに基づいて、前記待機時間が経過するまでの期間内の単位時間当たりのエネルギ消費上限値を算出する上限値算出部と、
を備える。
【0007】
上記構成によれば、移動体がエネルギ補充場所まで移動可能でないと判定された場合に、待機場所までの移動体の移動と、待機時間内における移動体の補機の駆動とに要するエネルギ消費量が設定される。つまり、移動体が待機場所に到達した後のエネルギ消費分を見込んでエネルギ消費量が設定される。そして、そのエネルギ消費量と、エネルギ源のエネルギ残量とに基づいて、待機時間が経過するまでの期間内の単位時間当たりのエネルギ消費上限値が算出される。この場合、移動体が待機場所に到達した後を含む期間で、エネルギ消費を制限しつつ補機の継続的な駆動が可能となる。その結果、移動体の待機場所での待機中において乗員の快適性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
車両システムの概略構成図。
ECUの機能を説明するための機能ブロック図。
優先順位に応じたエネルギ配分を説明するための図。
車両のエネルギ制限制御の処理手順を示すフローチャート。
機能ごとのエネルギ配分量を決定する処理を示すフローチャート。
エネルギ制限制御の処理をより具体的に説明するためのタイムチャート。
別例におけるエネルギ制限制御の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態における車両システムを説明する。本実施形態では、移動体として、電気エネルギにより走行する電気自動車(以下、自車両という)を想定し、その自車両に搭載される車両システムを、図面を参照しつつ説明する。図1は、車両システムの概略構成図である。
【0010】
図1において、車両システムは、バッテリ10と、バッテリ10の状態を監視するバッテリ監視装置としてのBMU20(Battery Management Unit)と、バッテリ10から給電可能なモータ31及び補機類32と、これらモータ31及び補機類32の駆動を制御するECU40(Electronic Control Unit)とを備えている。バッテリ10は、充放電可能な蓄電池(二次電池)であり、例えばリチウムイオン蓄電池等からなる。バッテリ10には、例えば百[V]以上となる電圧で電気エネルギが蓄電可能となっている。バッテリ10が、電気エネルギを保存するエネルギ源に相当する。
(【0011】以降は省略されています)

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