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公開番号2024173169
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091401
出願日2023-06-02
発明の名称回路遮断器の可動接触装置
出願人三菱電機株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01H 73/06 20060101AFI20241205BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高価なモールド体等の部品追加は行わず既存部品の形状を見直すだけで、安定した短絡遮断を行うことができる回路遮断器を得る。
【解決手段】可動接触子及びアーク可動子の底部と接し、その間隔を一定に保つ隔壁を備えた基部、及び第一の連結ピンが貫通する貫通孔を備えた一対の側部を絶縁材料にて一体成形した振れ抑止部材が、可動接触子及びアーク可動子と一緒にコンタクトアームに支承されるようにした。これにより、可動接触子の左右方向への振れが抑制できるので、動作が安定することはもとより、この振れ抑止部材を可動接点の近傍に配置したので、特に外側の可動接触子が消弧装置に触れて、この接触点におけるアーク滞留を未然に防ぐことができる。また、振れ抑止部材を第一の連結ピンで一緒に支承するだけなので、部品点数も極力抑えることができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
開閉機構部と連動して回動するように支承されたクロスバーと、
本体部と、この本体部の両端から各々屈曲して延伸し互いに対向する第一側部及び第二側部と、から成り、上記本体部が上記クロスバーに固着されたコンタクトアームと、
上記第一側部及び第二側部に設けた孔に嵌通された軸により、上記コンタクトアームに回動自由に保持された複数の可動接触子と、を備え、
上記複数の可動接触子のうち、上記第一側部及び第二側部に隣接する可動接触子と、この第一側部及び第二側部との間に振れ抑止部材を介在させたことを特徴とする回路遮断器の可動接触装置。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
上記振れ抑止部材は、上記軸が嵌通する貫通孔を設けた側部と上記複数の可動接触子の間隔を一定に保つ隔壁を設けた基部とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器の可動接触装置。
【請求項3】
上記振れ抑止部材は、上記可動接点と接離を繰り返す固定接点との間で発生するアークに触れることで消弧性のガスが発生する材料で成形されていることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器の可動接触装置。
【請求項4】
上記複数の可動接触子の少なくとも1つは、上記アークによる通電がなされるアーク可動子であり、このアーク可動子に接する上記隔壁は上記軸と直交する方向に延設されていることを特徴とする請求項3に記載の回路遮断器の可動接触装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この開示は、配線用遮断器や漏電遮断器などの回路遮断器の可動接触装置に関し、詳しくは、短絡遮断に伴って発生する金属溶融物の開閉機構部への付着抑制に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
回路遮断器には、この回路遮断器に具備された操作ハンドルを操作することにより電路を開閉する機能、すなわちスイッチ機能だけではなく、過電流が流れることによる電線や負荷機器の焼損を未然に防止するために電路を遮断するという大きな役目を担っている。この過電流の検出にあたっては、大別すると、熱動式、電磁式、電子式といった各方式によって行われることは周知の通りであるが、より大きな過電流、すなわち短絡電流に対しては、これら各方式による作動を待たずに、接点間にて発生する電磁反発力により、素早く可動接触子を回動せしめることも、やはり周知の通りである。
【0003】
この可動接触子の回動により接点間にアークが発生するが、このアークは、磁気作用によって消弧室に誘引され、伸長および冷却によるアーク抵抗の増大がもたらされることで消滅し、上述した「電路の遮断」、すなわち短絡遮断が達成される。なお、誘引にあたっては、可動接触子の近傍に設けたアーク絶縁部材にアークが触れることで発生する消弧性のガスによって、より強力に行われることも知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0004】
一方で、この消弧性のガスは、その一部が、開閉機構部や過電流検出装置に流れ込み、特に相間の絶縁劣化を招く恐れがあった。加えて、アークの熱を受けて蒸発した接点材料等の溶融物が、このガスの流れ込みに伴って周辺に飛散し、開閉機構部や過電流検出装置(特に熱動式や電磁式)の作動・応動に悪影響を及ぼすことも考えられる。そこで、可動接触装置を他の部位と隔離するようにした回路遮断器が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭62-71140号公報
特開2008-41250号公報
特開2006-236798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その電路の短絡遮断における電流値、すなわち短絡電流は、例えば、JIS(日本産業規格)C8201-2-1では「定格短絡遮断容量」として定義されており、その電路の状況、つまり、トランスからの距離や、電線の太さなどに応じて、適宜、適切な値を有する回路遮断器が選定できるよう、各メーカーとも製品バリエーションの充実を図っていることも周知の通りである。一方、この充実化を図る上で、その製品の標準化あるいはプラットフォーム開発は、特にコストとの両立を進めていくためにも必要不可欠であり、然るに、それほどの定格短絡遮断容量が求められない製品に対し、可動接触装置を隔離するためだけに、高価なモールド体(特許文献3におけるミドルカバー3)を付加することは得策とは言い難い。
【0007】
この点、特許文献1及び2では、ミドルカバー相当品の無い、いわゆる汎用品として教示されているが、それ故に、特に特許文献2においては、コンタクトアーム(特許文献1における接点部支持部材24)も有しないことから、仮に何らかの手段でアーク抵抗の増大が図られたとしても、定格短絡遮断容量の格上げは消弧性のガスの流量アップに繋がることから相当な困難が予想される。また、特許文献1においては、可動接触子(接点部アーム76)の接点接合面にはアーク絶縁部材(遮へい部材94)が回り込んでおらず、所望される消弧性のガス量不足、更には、隣接する可動接触子間の隙間(凹部)への溶融物の介在が、それぞれ考えられることから、定格短絡遮断容量そのものの格上げは難しいと言わざるを得ない。
【0008】
この開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、部品追加は行わず既存部品の形状を見直すだけで、安定した短絡遮断を行うことができる回路遮断器を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この開示に係る回路遮断器の可動接触装置は、開閉機構部と連動して回動するように支承されたクロスバーと、本体部とこの本体部の両端から各々屈曲して延伸し互いに対向する第一側部及び第二側部と、から成り、上記本体部が上記クロスバーに固着されたコンタクトアームと、上記第一側部及び第二側部に設けた孔に嵌通された軸により、上記コンタクトアームに回動自由に保持された複数の可動接触子と、を備え、上記複数の可動接触子のうち、上記第一側部及び第二側部に隣接する可動接触子と、この第一側部及び第二側部との間に振れ抑止部材を介在させたものである。
【発明の効果】
【0010】
この開示は以上説明したように、安定した短絡遮断を行う信頼性の高い回路遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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