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公開番号2024162408
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077889
出願日2023-05-10
発明の名称傾斜機能材料成形体の製造方法
出願人富士電機株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B29C 64/106 20170101AFI20241114BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約【課題】通常の熱硬化樹脂を材料として、欠陥なく多方向に特性を傾斜させた傾斜機能材料成形体を得る。
【解決手段】傾斜機能材料成形体の製造方法であって、i)冷却された付加製造体を得る工程と、ii)付加製造体を熱硬化する工程とを含み、工程i)が、第1の熱硬化性樹脂組成物と第2の熱硬化性樹脂組成物とを所定の割合で混合し、混合樹脂を得る工程と、混合樹脂を冷却する工程と、冷却された混合樹脂を用いて、真空中で冷却されたステージ上に層形成する工程とを含み、層形成する工程が、予め設計された三次元の数値データに基づき2以上の層を形成する工程を含み、単一の層中、及び/または2以上の層間で、混合樹脂の組成が予め設計された分布を有し、当該組成分布が混合の割合の調整により形成されており、工程ii)が、冷却された付加製造体を型に装入する工程と、型に装入された付加製造体を加熱硬化する工程とを含む、製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
傾斜機能材料成形体の製造方法であって、
i)冷却された付加製造体を得る工程と、
ii)前記付加製造体を熱硬化する工程と
を含み、
前記工程i)が、
第1の熱硬化性樹脂組成物と第2の熱硬化性樹脂組成物とを所定の割合で混合し、混合樹脂を得る工程と、
前記混合樹脂を冷却する工程と、
前記冷却された混合樹脂を用いて、真空中で冷却されたステージ上に層形成する工程と
を含み、
前記層形成する工程が、予め設計された三次元の数値データに基づき2以上の層を形成する工程を含み、単一の層中、及び/または前記2以上の層間で、混合樹脂の組成が予め設計された分布を有し、当該組成分布が前記混合の割合の調整により形成されており、
前記工程ii)が、
前記冷却された付加製造体を型に装入する工程と、
前記型に装入された付加製造体を加熱硬化する工程と
を含む、製造方法。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記第1の熱硬化性樹脂組成物と前記第2の熱硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂主剤と、硬化剤と、無機充填材とを含み、前記第1の熱硬化性樹脂組成物と前記第2の熱硬化性樹脂組成物の組成が異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合樹脂を冷却する工程が、前記混合樹脂を半固形状態の粘度とする温度に冷却する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記冷却されたステージが、前記混合樹脂が流動しない温度に冷却される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱硬化する工程が、前記型に装入された付加製造体を常温から熱硬化温度まで、5℃/min以下の速度で昇温する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
請求項1に記載の製造方法により製造された傾斜機能材料成形体。
【請求項7】
複数の方向に傾斜された特性を持つ、請求項6に記載の傾斜機能材料成形体。
【請求項8】
前記特性が、比誘電率特性である、請求項7に記載の傾斜機能材料成形体。
【請求項9】
付加製造体の製造装置であって、
第1の熱硬化性樹脂組成物と第2の熱硬化性樹脂組成物との割合を調整して混合可能な混合部と、
前記混合部で混合された混合樹脂を吐出可能なノズルと、
前記ノズルから吐出される混合樹脂を冷却可能な冷却装置と、
前記ノズルから吐出される混合樹脂を積層するステージであって、冷却可能なステージと、
前記ノズル及び前記ステージを封入可能な真空チャンバと、
予め設計された三次元の数値データに基づき、前記ノズルと前記ステージの相対位置を制御して前記ステージ上に層形成するとともに、前記混合部における混合の割合を制御し、所定の組成の樹脂を所定の位置で前記ノズルから吐出するように制御する、制御部と
を備える付加製造体の製造装置。
【請求項10】
請求項9に記載の付加製造体の製造装置と、前記付加製造体に適合した型と、加熱装置とを含む、傾斜機能材料成形体の製造システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は傾斜機能材料成形体の製造方法に関する。本発明は、特には、熱硬化特性を備え、一方向のみならず多方向に所定の特性を傾斜させた構造を得ることが可能な、傾斜機能材料成形体の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電力機器の小型化に伴い、高電圧導体の表面の電界強度が上昇する傾向がある。このような電力機器において絶縁性能を確保するため、高電圧導体に樹脂を被覆する複合絶縁が採用され、電力機器における支持絶縁物に対して抵抗率や誘電率を傾斜された傾斜機能材料(Functionally Graded Materials:FGM)が開発されている。
【0003】
従来、FGMの製造には、可変積層注型方法が用いられてきた。しかし、この方法では傾斜方向が厚み方向に限定されているため回転軸対象の製品しか製造することができず、適用範囲が限定的であった。一方、樹脂成形体の製造法として、3Dプリンタを用いた製造方法が広く知られている。
【0004】
樹脂と連続強化繊維とを含むフィラメントを、3Dプリンタを用いて造形すること、前記造形した造形物に、樹脂を含む第二の材料を加圧加工して成形品を製造することを含み、前記造形物のボイド率が5~30%である、成形品の製造方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
層ごとに構成要素を形成するための付加製造システムであって、第1の材料をポンプ輸送するための第1のポンプと、第2の材料をポンプ輸送するための第2のポンプと、前記第1の材料及び前記第2の材料を受容及び混合して熱硬化性樹脂を形成するミキサーと、前記熱硬化性樹脂を押し出すために前記ミキサーと流体連通するノズルと、前記構成要素の層を形成するように前記ノズルを所定のパターンで移動させるために前記ノズルと接続された運動制御システムと、を備える、システムが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0006】
混合により反応する第1液組成物及び第2液組成物を用いる3次元造形物の製造方法であって、第1ノズルから第1液組成物の液滴を支持台に向かって射出する工程と、第2ノズルから第2液組成物の液滴を上記第1液組成物射出工程で着滴した第1液組成物の液滴に向かって射出する工程とを備え、上記第1ノズル又は第2ノズルの少なくとも一方が複数の射出口を有し、上記複数の射出口からそれぞれ異なる種類の組成物を射出可能に構成され、上記複数の射出口から射出される組成物の液滴の射出数により着滴毎の組成を調整する3次元造形物の製造方法が知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-18399号公報
特開2015-231741号公報
特開2019-64070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の熱硬化性樹脂の3Dプリント技術では、専用樹脂の使用や樹脂界面による機械強度の低下が懸念され、電力機器向けの大型注型物を欠陥なく製造することができなかった。多方向に特性を傾斜させた、信頼性の高い傾斜機能材料成形体が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討の結果、3Dプリント技術を用いて未硬化の付加製造体を得て、次いで加熱硬化することにより、三次元形状及び樹脂分布の制御と、傾斜機能材料成形体に求められる信頼性の確保との両立が可能であることに想到し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、一実施形態によれば、傾斜機能材料成形体の製造方法であって、
i)冷却された付加製造体を得る工程と、
ii)前記付加製造体を熱硬化する工程と
を含み、
前記工程i)が、
第1の熱硬化性樹脂組成物と第2の熱硬化性樹脂組成物とを所定の割合で混合し、混合樹脂を得る工程と、
前記混合樹脂を冷却する工程と、
前記冷却された混合樹脂を用いて、真空中で冷却されたステージ上に層形成する工程と
を含み、
前記層形成する工程が、予め設計された三次元の数値データに基づき2以上の層を形成する工程を含み、単一の層中、及び/または前記2以上の層間で、混合樹脂の組成が予め設計された分布を有し、当該組成分布が前記混合の割合の調整により形成されており、
前記工程ii)が、
前記冷却された付加製造体を型に装入する工程と、
前記型に装入された付加製造体を加熱硬化する工程と
を含む、製造方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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