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公開番号
2024158044
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023072880
出願日
2023-04-27
発明の名称
量子化学計算プログラム、量子化学計算方法、および情報処理装置
出願人
富士通株式会社
代理人
弁理士法人扶桑国際特許事務所
主分類
G16C
10/00 20190101AFI20241031BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約
【課題】物質の安定構造を求めるための計算量を削減する。
【解決手段】情報処理装置10は、物質を構成する複数の原子の位置を示す位置情報2に、複数の原子の位置を初期設定し、さらに複数の原子の位置の更新を繰り返す。情報処理装置10は、複数の原子の位置が初期設定または更新されると、物質の全エネルギーを計算する。情報処理装置10は、複数の原子の位置が初期設定または更新されると、複数の原子それぞれに作用する力の大きさを計算する。情報処理装置10は、複数の原子の位置が更新されると、更新前後での物質の全エネルギーの変化の度合いを示すエネルギー変化率を計算する。そして情報処理装置10は、力の大きさについての第1の収束条件3と、エネルギー変化率についての第2の収束条件4との少なくとも一方が満たされると、複数の原子の位置を更新する処理を終了させ、終了時点での位置情報2を取得する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
物質を構成する複数の原子の位置を示す位置情報に、前記複数の原子の位置を初期設定し、さらに前記物質の状態が安定する方向への前記複数の原子の位置の更新を繰り返し、
前記複数の原子の位置が初期設定または更新されると、前記位置情報に基づいて、前記物質の全エネルギーを計算し、
前記複数の原子の位置が初期設定または更新されると、前記位置情報に基づいて、前記複数の原子それぞれに作用する力の大きさを計算し、
前記複数の原子の位置が更新されると、更新前後での前記物質の全エネルギーの変化の度合いを示すエネルギー変化率を計算し、
前記力の大きさについての第1の収束条件と、前記エネルギー変化率についての第2の収束条件との少なくとも一方が満たされたか否かを判断し、
前記第1の収束条件と前記第2の収束条件との少なくとも一方が満たされると、前記複数の原子の位置を更新する処理を終了させ、終了時点での前記位置情報を取得する、
処理をコンピュータに実行させる量子化学計算プログラム。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記第1の収束条件と前記第2の収束条件との少なくとも一方が満たされたか否かを判断する処理では、前記複数の原子すべてについて、前記力の大きさが第1の許容値以下である場合に前記第1の収束条件が満たされたと判断する、
請求項1記載の量子化学計算プログラム。
【請求項3】
前記第1の収束条件と前記第2の収束条件との少なくとも一方が満たされたか否かを判断する処理では、前記エネルギー変化率が第2の許容値以下である場合に前記第2の収束条件が満たされたと判断する、
請求項1記載の量子化学計算プログラム。
【請求項4】
前記エネルギー変化率を計算する処理では、n回目(nは自然数)の更新後の前記位置情報に基づく前記物質の第1の全エネルギーと、m回目(mはn-1以下の自然数)からn-1回目まで更新後の前記位置情報に基づく前記物質の第2の全エネルギーの代表値との差を、前記第2の全エネルギーの代表値で除算し、除算結果の絶対値を前記エネルギー変化率とする、
請求項1から3までのいずれか一項に記載の量子化学計算プログラム。
【請求項5】
物質を構成する複数の原子の位置を示す位置情報に、前記複数の原子の位置を初期設定し、さらに前記物質の状態が安定する方向への前記複数の原子の位置の更新を繰り返し、
前記複数の原子の位置が初期設定または更新されると、前記位置情報に基づいて、前記物質の全エネルギーを計算し、
前記複数の原子の位置が初期設定または更新されると、前記位置情報に基づいて、前記複数の原子それぞれに作用する力の大きさを計算し、
前記複数の原子の位置が更新されると、更新前後での前記物質の全エネルギーの変化の度合いを示すエネルギー変化率を計算し、
前記力の大きさについての第1の収束条件と、前記エネルギー変化率についての第2の収束条件との少なくとも一方が満たされたか否かを判断し、
前記第1の収束条件と前記第2の収束条件との少なくとも一方が満たされると、前記複数の原子の位置を更新する処理を終了させ、終了時点での前記位置情報を取得する、
処理をコンピュータが実行する量子化学計算方法。
【請求項6】
物質を構成する複数の原子の位置を示す位置情報に、前記複数の原子の位置を初期設定し、さらに前記物質の状態が安定する方向への前記複数の原子の位置の更新を繰り返し、前記複数の原子の位置が初期設定または更新されると、前記位置情報に基づいて、前記物質の全エネルギーを計算し、前記複数の原子の位置が初期設定または更新されると、前記位置情報に基づいて、前記複数の原子それぞれに作用する力の大きさを計算し、前記複数の原子の位置が更新されると、更新前後での前記物質の全エネルギーの変化の度合いを示すエネルギー変化率を計算し、前記力の大きさについての第1の収束条件と、前記エネルギー変化率についての第2の収束条件との少なくとも一方が満たされたか否かを判断し、前記第1の収束条件と前記第2の収束条件との少なくとも一方が満たされると、前記複数の原子の位置を更新する処理を終了させ、終了時点での前記位置情報を取得する処理部、
を有する情報処理装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子化学計算プログラム、量子化学計算方法、および情報処理装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、材料開発の分野において、研究開発期間の短縮、低コスト化を目指すデータ駆動型研究開発の取り組みとして、マテリアルズ・インフォマティクス(以後、MIと呼ぶ)が世界的に進展している。MIには良質なマテリアルデータの蓄積が重要である。そこで、実験に加えて量子化学などのシミュレーションによる効率的なデータ蓄積が期待されている。
【0003】
量子化学の主要な計算手法の一つに密度汎関数理論(DFT:Density Functional Theory)がある。DFTでは、まず、計算対象の物質の電子密度が自己無撞着場(SCF:Self-consistent Field)法により計算される。そして、得られた電子密度に基づいて、物質の状態を示す物理量(全エネルギーなど)が算出される。
【0004】
材料開発においては、物質の性質を支配する分子の安定構造を求める構造最適化にDFTが利用される。構造最適化では、分子の立体構造を少しずつ変えながらDFTが繰り返し行われ、全エネルギーが最小となる安定構造が探査される。
【0005】
原子数をN(Nは自然数)とすると、DFTの計算量はオーダ表記でO(N
3
)となり、計算対象の系が大きくなると計算量が膨大となる。そのため、DFTを用いて分子の安定構造を求める場合には、できるだけ計算量を削減することが求められる。
【0006】
物質の安定構造を求める技術としては、例えば、全エネルギーの原子座標微分の計算を並列化し、分子の安定構造を高速にかつ低記憶容量で求める分子設計支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平6-187404公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
物質の安定構造を求める構造最適化の計算では、計算の収束条件が満たされるまでに時間がかかる場合がある。例えば、構造最適化では、空間または座標系に配置された一つ以上の原子において、すべての原子のForce(ひずみ)が収束するまで、原子配置の修正とその原子配置におけるDFTによる全エネルギーの計算とが繰り返し実行される。このような構造最適化の計算過程では、全エネルギーが微小変動へ遷移する場合がある。全エネルギーが微小変動に遷移すると、一部の原子についてForceが収束しづらくなる。その結果、DFT計算の繰り返し回数が増加し、計算時間が長期化する。
【0009】
1つの側面では、本件は、物質の安定構造を求めるための計算量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの案では、以下の処理をコンピュータに実行させる量子化学計算プログラムが提供される。
コンピュータは、物質を構成する複数の原子の位置を示す位置情報に、複数の原子の位置を初期設定し、さらに物質の状態が安定する方向への複数の原子の位置の更新を繰り返す。コンピュータは、複数の原子の位置が初期設定または更新されると、位置情報に基づいて、物質の全エネルギーを計算する。コンピュータは、複数の原子の位置が初期設定または更新されると、位置情報に基づいて、複数の原子それぞれに作用する力の大きさを計算する。コンピュータは、複数の原子の位置が更新されると、更新前後での物質の全エネルギーの変化の度合いを示すエネルギー変化率を計算する。コンピュータは、力の大きさについての第1の収束条件と、エネルギー変化率についての第2の収束条件との少なくとも一方が満たされたか否かを判断する。そしてコンピュータは、第1の収束条件と第2の収束条件との少なくとも一方が満たされると、複数の原子の位置を更新する処理を終了させ、終了時点での位置情報を取得する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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