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公開番号2024148784
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023062227
出願日2023-04-06
発明の名称トナー及び二成分現像剤
出願人キヤノン株式会社
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/097 20060101AFI20241010BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低温定着性を維持した上で、ベタ画像での離型剤の良好な染み出しと低濃度画像での離型剤の紙表面への流れ落ちの抑制とを両立し、高速機でのメディア等速を実現するトナー。
【解決手段】結着樹脂、離型剤及びグラフト重合体(A)を含有するトナー粒子を有するトナーであって、該結着樹脂が非晶性ポリエステルを含有し、該グラフト重合体(A)が、示差走査熱量測定によって2個以上の発熱ピークを有し、該離型剤が少なくとも一つの発熱ピークを有し、該グラフト重合体(A)の発熱ピークの内の最も高温側のピークのピーク温度をTMax(℃)とし、最も低温側のピークのピーク温度をTMin(℃)とし、該離型剤の最大発熱ピークのピーク温度をTWax(℃)としたとき、下記式を満たす。
5.0≦TMax-TMin≦20.0 ・・・(1)
10.0≦TWax-TMax≦40.0 ・・・(2)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂、離型剤及びグラフト重合体(A)を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、非晶性ポリエステルを含有し、
該グラフト重合体(A)が、示差走査熱量測定によって測定される降温時の発熱曲線において、2個以上の発熱ピークを有し、
該離型剤が、示差走査熱量測定によって測定される降温時の発熱曲線において、少なくとも一つの発熱ピークを有し、
該グラフト重合体(A)の発熱ピークの内の最も高温側の発熱ピークのピーク温度をT
Max
(℃)とし、最も低温側の発熱ピークのピーク温度をT
Min
(℃)とし、該離型剤の発熱ピークの内の最大発熱ピークのピーク温度をT
Wax
(℃)としたとき、
該T
Max
、該T
Min
及び該T
Wax
が、下記式(1)及び(2)の関係を満たす、
ことを特徴とするトナー。
5.0≦T
Max
-T
Min
≦20.0 ・・・(1)
10.0≦T
Wax
-T
Max
≦40.0 ・・・(2)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記グラフト重合体(A)が、ポリオレフィン部位とスチレンアクリル系ポリマー部位とを有するグラフト重合体である、請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記ポリオレフィン部位は、
(i)エチレン及びプロピレンの共重合体を含み、
(ii)酸基を有する部位を有し、
(iii)エチレン構造PEのモル数のプロピレン構造PPのモル数に対する比の値PE/PPが、4~20である、請求項2に記載のトナー。
【請求項4】
前記グラフト重合体(A)の前記ポリオレフィン部位の重量平均分子量が、1000~3000である、請求項3に記載のトナー。
【請求項5】
前記ポリオレフィン部位の酸価が、0.5~16.0mgKOH/gである、請求項3に記載のトナー。
【請求項6】
前記グラフト重合体(A)の酸価が、15.0~40.0mgKOH/gである、請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項7】
前記トナーが、前記非晶性ポリエステル100質量部あたり、結晶性ポリエステルを3~20質量部含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項8】
前記トナーが、前記非晶性ポリエステル100質量部あたり、前記離型剤を1~20質量部含有し、前記グラフト重合体(A)を1~20質量部含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項9】
前記非晶性ポリエステルが、2つ以上の異なる非晶性ポリエステルセグメントを有するブロック共重合体であり、
該ブロック共重合体を構成する2つ以上の異なる非晶性ポリエステルセグメントのSP値と、前記グラフト重合体(A)のスチレンアクリル系ポリマー部位のSP値と、の差に関し、
最小のSP値差が、1.00[J/cm


0.5
以内であり、かつ
該ブロック共重合体を構成する該2つ以上の異なる非晶性ポリエステルセグメントのSP値差が、1.0[J/cm


0.5
以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載
のトナー。
【請求項10】
前記離型剤が、炭化水素ワックスを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真方式、静電記録方式、及び、静電印刷方式などに用いられるトナー及び二成分現像剤に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、高速、高画質、及び高生産性が要求されるようになってきている。例えば、厚紙から薄紙へ紙種が変更されても、紙種に合わせてプロセススピードの変更や定着器加熱の設定温度を変えずに印刷を続ける、メディア等速性が求められている。メディア等速性の観点から、トナーには、低温から高温まで幅広い定着温度範囲で適正に定着ベルト又は定着ローラからの分離及びメディアへの定着を完了することが求められている。
【0003】
幅広い温度で、トナーを定着させるためには、トナー中に離型剤を含有させ、トナーに離型性を持たせる方法がある。この場合、トナー中の離型剤の分散状態は、トナーの性質に重大な影響を及ぼすため、微細かつ均一であることが望まれる。特許文献1では、トナー中の離型剤の分散状態を制御するために、トナー中に離型剤を分散させる分散剤を含有させる技術が提案されている。また、特許文献2では、高粘度樹脂、低粘度樹脂及び分散剤からなるトナーバインダーを用いることによって離型剤の分散性を向上させ、分離不良や画像劣化を抑制するという提案もなされている。
さらに、特許文献3では、幅広い温度の定着を実現させるための低温定着性に優れたトナーとして、トナーの結着樹脂に結晶性ポリエステルを使用したトナーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-013548号公報
特開2007-264349号公報
特開2004-046095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、印刷市場に対応したような高速機においては、特許文献1及び特許文献2に記載の方法でトナー中の離型剤の分散状態を制御しても、分離不良や画像劣化が発生する場合がある。
これは、離型剤の効果が発現するには、トナー中に均一に存在するだけでは不十分で、定着部材によりトナーが加熱などされた際に、迅速にトナー表面に離型剤が染み出し、且つトナー表面に残留することが重要なためと考えられる。
【0006】
このため、高速機では離型剤の分散状態を制御しても、加熱による離型剤の染み出しが遅れた場合、特にベタ画像では分離不良・画像劣化が発生する場合がある。また、離型剤の染み出しが速いと、ハーフトーン画像のような低濃度の画像や、ドット像のように隣に存在するトナー粒子が少ない場合、画像の端部において、離型剤が定着時に液状になった画像表面に担持されずに、紙表面へと流れ落ちてしまうことがある。離型剤が紙表面へと流れ落ちた場合、離型剤の機能が損なわれ、分離性や画像の耐擦過性が低下する場合がある。
【0007】
このトナー表面への離型剤の染み出し遅れと紙表面への流れ落ちに対しては、トナー結着樹脂の粘度を上げる方法が有効である。しかし、樹脂の粘度を上げる方法では低温定着性が損なわれ、メディア等速性が損なわれる。
したがって、高速機におけるメディア等速の実現には、ベタ画像の分離に関係するトナー表面への離型剤の染み出し速度、低濃度の画像表面からの離型剤の紙表面への流れ落ちという課題を有している。本開示は、低温定着性を維持した上で、ベタ画像での離型剤の良好な染み出しと低濃度画像での離型剤の紙表面への流れ落ちの抑制とを両立し、高速機でのメディア等速を実現するトナー及び該トナーを有する二成分現像剤に向けたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の少なくとも一つの態様は、結着樹脂、離型剤及びグラフト重合体(A)を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、非晶性ポリエステルを含有し、
該グラフト重合体(A)が、示差走査熱量測定によって測定される降温時の発熱曲線において、2個以上の発熱ピークを有し、
該離型剤が、示差走査熱量測定によって測定される降温時の発熱曲線において、少なくとも一つの発熱ピークを有し、
該グラフト重合体(A)の発熱ピークの内の最も高温側の発熱ピークのピーク温度をT
Max
(℃)とし、最も低温側の発熱ピークのピーク温度をT
Min
(℃)とし、該離型剤の発熱ピークの内の最大発熱ピークのピーク温度をT
Wax
(℃)としたとき、
該T
Max
、該T
Min
及び該T
Wax
が、下記式(1)及び(2)の関係を満たす、
トナーに関する。
5.0≦T
Max
-T
Min
≦20.0 ・・・(1)
10.0≦T
Wax
-T
Max
≦40.0 ・・・(2)
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、低温定着性を維持した上で、ベタ画像での離型剤の良好な染み出しと低濃度画像での離型剤の紙表面への流れ落ちの抑制とを両立し、高速機でのメディア等速を実現するトナー及び該トナーを有する二成分現像剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。
(【0011】以降は省略されています)

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