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公開番号2024120569
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-05
出願番号2023027442
出願日2023-02-24
発明の名称マルチモードスラスタ
出願人国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構,株式会社ネッツ
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F03H 1/00 20060101AFI20240829BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】1つのスラスタにおいて、化学推進のような大推力と電気推進のような高比推力とを発揮できるマルチモードスラスタを提供する。
【解決手段】マルチモードスラスタ1は、磁気回路となる環状のスラスタ筐体2と、中央部13に配置された噴射装置4と、スラスタ筐体2に配置された内電磁コイル6と、を備える。内電磁コイル6は、噴射装置4を外側から覆う。噴射装置4は、内部を推進剤ガスが通過するカソード電極22と、カソード電極22を加熱する電熱ヒーター23と、カソード電極22を通過した推進剤ガスをノズル28から第1方向Jに向けて噴射する環状のキーパー電極24と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
磁気回路となる環状の筐体と、
前記筐体の中央に配置され、前記筐体の軸方向の第1側に向けて推進剤を噴射可能な噴射装置と、
前記筐体に配置され、前記噴射装置を、前記筐体の径方向の外側から覆う第1コイルと、を備え、
前記噴射装置は、内部を前記推進剤が通過するカソード電極と、前記カソード電極を加熱するヒーターと、前記カソード電極を通過した前記推進剤を中央から前記第1側に向けて噴射する環状の電極と、を含む、
マルチモードスラスタ。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
前記筐体には、前記筐体と同軸の環状であり、前記筐体において前記第1側を向く第1面に開口するチャネルと、前記チャネルに配置されたアノード陽極と、が設けられ、
前記アノード陽極には、推進剤を前記第1側に向けて噴射する噴射口が設けられ、
前記マルチモードスラスタは、前記筐体に配置され、前記アノード陽極を、前記筐体の径方向の外側から覆う第2コイルを更に備えている、請求項1に記載のマルチモードスラスタ。
【請求項3】
前記アノード陽極には、前記噴射口を前記第1側から覆う保護部が設けられている、請求項2に記載のマルチモードスラスタ。
【請求項4】
前記アノード陽極には、前記推進剤を前記アノード陽極に供給するガス供給ポートと、前記噴射口と前記ガス供給ポートとを連通するガス分配機構と、が設けられ、
前記アノード陽極には、前記噴射口が複数設けられ、かつ、前記ガス供給ポートが1つ設けられ、
前記ガス分配機構は、1つの前記ガス供給ポートから複数の前記噴射口を各別に連通する複数のガス流路を含み、
前記複数のガス流路は、互いに同等の長さである、請求項2に記載のマルチモードスラスタ。
【請求項5】
前記噴射装置の一部が前記筐体と一体である、請求項1から4のいずれか1項に記載のマルチモードスラスタ。
【請求項6】
前記電極は、前記筐体において前記第1側を向く第1面に固定されて前記筐体と一体である、請求項5に記載のマルチモードスラスタ。
【請求項7】
前記噴射装置は、前記ヒーターからの放熱を抑制する熱シールドと、前記熱シールドを支持する第1台座と、を含み、
前記第1台座は、前記筐体において中央の空間に面する内周面に固定されて前記筐体と一体である、請求項5に記載のマルチモードスラスタ。
【請求項8】
前記噴射装置は、前記カソード電極及び前記ヒーターを支持する第2台座と、を含み、
前記第2台座は、前記筐体において前記軸方向の第2側を向く第2面に固定されて前記筐体と一体である、請求項5に記載のマルチモードスラスタ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチモードスラスタに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
宇宙機用推進システムとして、高い比推力(推進剤消費量あたりの推力、つまり燃費)を発揮できる、ホールスラスタに代表される電気推進システムの利用が増加している。電気推進は、化学推進が推進剤の内部エネルギーを化学反応により取り出して推力発生を行うのに対し、太陽電池が発生する電気エネルギーを源としている。電気推進は、推進剤とエネルギー源が独立していることにより、推進剤消費量あたりのエネルギー密度を非常に高くできることが、化学推進にくらべて数倍から1桁以上の高い比推力の実現を可能にしている。
【0003】
一方で、電気推進は、エネルギーの総量が太陽電池の発生電気量に律速されるため、大きな推力の発生は困難である。例として、ホールスラスタ(例えば、特許文献1、2参照)は比推力が最大1,500[秒]、推力電力比が最大60[mN/kW]といった性能であり、小型衛星で一般的に利用可能な電力が最大1kWでは推力0.06[N]と微小である。
これに対して、化学推進としての一液式のヒドラジンスラスタは、比推力が最大200[秒]と低いが、小型でも最大1[N]の大きな推力を発生可能であり、電力も消費しない。
【0004】
そのため、電気推進と化学推進とは、大きな推力あるいは高い比推力が必要か否か、利用可能電力の多寡で使い分けの関係にあり、大きな推力と高い比推力の双方が必須のミッションにおいては、宇宙機に両方の推進システムを搭載する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-065703号公報
特開2018-127917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、電気推進と化学推進とは全く異なる推進システムである。よって、電気推進システムと化学推進システムとを2重搭載するためには、推進剤タンク、バルブ配管系統、電気制御系統がそれぞれ必要となる。このため、宇宙機の大幅な複雑化や、大型化、高コスト化を招き、そのことが宇宙機の機動性を大きく制約する重要な課題になっている。
【0007】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、1つのスラスタ(推進機)において、化学推進のような大推力と電気推進のような高比推力とを発揮できるマルチモードスラスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
<1>本発明の一態様に係るマルチモードスラスタは、磁気回路となる環状の筐体と、前記筐体の中央に配置され、前記筐体の軸方向の第1側に向けて推進剤を噴射可能な噴射装置と、前記筐体に配置され、前記噴射装置を、前記筐体の径方向の外側から覆う第1コイルと、を備え、前記噴射装置は、内部を前記推進剤が通過するカソード電極と、前記カソード電極を加熱するヒーターと、前記カソード電極を通過した前記推進剤を中央から前記第1側に向けて噴射する環状の電極と、を含む。
【0009】
マルチモードスラスタによれば、磁気回路となる環状の筐体の中央(すなわち、対称軸上)に噴射装置を配置した。噴射装置にはカソード電極と環状の電極とが含まれている。電極は、環状に形成されることにより中央にノズルが形成されている。噴射装置によれば、カソード電極の内部に推進剤を通過させ、カソード電極の内部を通過した推進剤を電極のノズルから第1側に向けて噴射する。
ここで、推進剤は加圧された状態でカソード電極の内部に導入される。導入された推進剤は、ノズルから第1側に向けてガスジェット流として噴射される。これにより、推進剤の圧力を第2側に向けた運動量(すなわち、推力)に変換する。以下、この推進モードを「コールドガスジェットモード」という。
コールドガスジェットモードは、比推力が低いものの、推進剤の加圧次第では化学推進と同等の大推力を発揮することが可能である。また、コールドガスジェットモードは、電力消費を不要にできるというメリットがある。
【0010】
また、マルチモードスラスタによれば、噴射装置にはヒーターが含まれている。噴射装置によれば、ヒーターによりカソード電極を加熱することにより、カソード電極を介して推進剤を加熱できる。よって、加圧された推進剤をカソード電極の内部において高温まで加熱して、エネルギー密度を大幅に高めることができる。以下、この推進モードを「レジストジェットモード」という。
レジストジェットモードは、カソード電極の内部において加熱した推進剤を電極のノズルから第1側に向けて噴射する。これにより、レジストジェットモードは、コールドガスジェットモードの大推力を維持した状態で化学推進と同等の比推力を、例えば2倍程度高めることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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