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公開番号
2024110177
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-15
出願番号
2023014597
出願日
2023-02-02
発明の名称
揚力型垂直軸風車
出願人
日軽金アクト株式会社
,
国立大学法人鳥取大学
代理人
個人
,
個人
主分類
F03D
3/06 20060101AFI20240807BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約
【課題】回転速度に応じて回動する可動翼の迎角の変動幅が過大となることを抑制する揚力型垂直軸風車を提供すること。
【解決手段】発電部と、発電部に一体化されかつ垂直軸周りに回転する回転軸と、回転軸にアーム14を介して連結され垂直軸周りに回転する複数の風車翼と、回転軸と風車翼とを結ぶ軸線周りに回動可能な可動翼15と、回転軸の回転速度に応じた遠心力の作用によって可動翼15を軸線周りに傾斜させる過回転抑制誘導体とを備える揚力型垂直軸風車であって、アーム14に一体化されかつ可動翼15に相対回転可能に設けられた支持軸30と、支持軸30と可動翼15とが相対回転するモーメントに対抗した反力トルクを発生させるダンパ機構41とを備えている。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
発電部と、前記発電部に一体化されかつ垂直軸周りに回転する回転軸と、前記回転軸にアームを介して連結され前記垂直軸周りに回転する複数の風車翼と、前記回転軸と前記風車翼とを結ぶ軸線周りに回動可能な過回転抑制用の可動翼と、前記回転軸の回転速度に応じた遠心力の作用によって前記可動翼を前記軸線周りに傾斜させる過回転抑制誘導体とを備える揚力型垂直軸風車であって、
前記アームと前記可動翼とのいずれか一方の部材に一体化されかつ前記アームと前記可動翼との他方の部材に相対回転可能に設けられた支持軸と、
前記支持軸と前記他方の部材とを相対回転させるモーメントに対抗した反力トルクを発生させるダンパ機構とを備えている
ことを特徴とする揚力型垂直軸風車。
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の揚力型垂直軸風車であって、
前記ダンパ機構は、前記支持軸と前記他方の部材とが相対回転する相対回転速度に応じて前記反力トルクが大きくなるオイルダンパを含む
ことを特徴とする揚力型垂直軸風車。
【請求項3】
請求項1に記載の揚力型垂直軸風車であって、
前記可動翼は、前縁が湾曲し後縁が尖った流線形の断面形状に形成され、かつ前記回転軸の停止時において前記前縁と前記後縁とを結ぶ弦と水平面とがなす角度である迎角が、予め定められた所定角度以上となるように配置されている
ことを特徴とする揚力型垂直軸風車。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の揚力型垂直軸風車であって、
前記風車翼により生じる空気力に応じて前記回転軸を回転させる空気力トルクと、前記可動翼が回動することによって前記回転軸の回転を低減させる方向に作用する抵抗トルクとの差に応じた駆動トルクによって前記回転軸が回転するように構成され、
前記ダンパ機構における前記反力トルクは、前記回転軸の回転速度が前記発電部の定格回転速度であり、かつ予め定められた風速の条件下において、前記駆動トルクが、前記発電部が発電することによって生じる発電トルクに釣り合う大きさとなる前記抵抗トルクに応じて定められている
ことを特徴とする揚力型垂直軸風車。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉛直方向に配置された風車翼で発生する揚力により回転することで発電する揚力型垂直軸風車に関するもので、更に詳細には、過回転抑制機構を備える揚力型垂直軸風車に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、発電部を有する基部と、上記基部に対して垂直軸周りに回転する回転部と、上記回転部にアームを介して連結されて垂直軸周りに回転する複数の風車翼(主翼)と、を備える垂直軸風車は、その性能が風向に依存しないため、構造がシンプルになり、低コスト化に向いているとされている。
また、最近では、小形垂直軸風車を密集配置することにより、単位設置面積当りの出力が、大型の水平軸風車の風力発電所(ウインドファーム)以上になる可能性も示されており、再生可能エネルギーの導入促進において小形垂直軸風車のウインドファーム実現も期待されている。
【0003】
一方、垂直軸風車は、性能が風向に依存しない特性であるがために、制動コントロールが難しいという一面も有する。すなわち、水平軸風車では尾翼(側翼)などを使用して、風車のロータ面(翼の回転する面)を風向に正対する向きからそらすこと(ファーリング)で、過回転を比較的容易に防止できるが、垂直軸風車では風向に依存しないため、ファーリングは不可能である。
【0004】
そこで、垂直軸風車の回転速度に応じて垂直軸風車の回転方向に対抗する空力ブレーキトルクを発生させる過回転抑制機構が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された過回転抑制機構は、回転部と主翼とに連結されたアームの長手方向を回転軸中心として回動する可動翼と、その可動翼の前縁側、または後縁側から鉛直方向に垂下した過回転抑制誘導体とによって構成されている。
【0005】
したがって、垂直軸風車の回転速度に応じて過回転抑制誘導体に作用する遠心力は、可動翼の前縁を鉛直方向における上側または下側に回動させる方向のモーメントとして可動翼に作用する。また、可動翼には、可動翼に作用する空気力によるモーメント、可動翼の自重に応じたモーメント、過回転抑制誘導体に作用する空気力によるモーメント、過回転抑制誘導体の重量に応じたモーメント、及び可動翼に作用する遠心力に応じたモーメントが可動翼の迎角を変更するように作用する。
【0006】
すなわち、特許文献1に記載された垂直軸風車は、可動翼に作用するモーメントの大小関係に応じて可動翼の迎角が変化して、垂直軸風車を回転させるトルクに対抗した抵抗トルクを発生させ垂直軸風車の過回転を抑制するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-108917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載された揚力型垂直軸風車は、その近傍を流れる空気流によって回転するものであるから、揚力型垂直軸風車を回転させるためのトルクは、風向に対する揚力型垂直軸風車の回転角(アジマス角)に応じて変動する。同様に、可動翼や過回転抑制機構に作用する空気力もアジマス角に応じて変動する。したがって、可動翼に作用する空気力によるモーメント、及び過回転抑制誘導体に作用する空気力によるモーメントの大きさがアジマス角に応じて変動し、それに伴って、可動翼の迎角が変動する。すなわち、揚力型垂直軸風車が1回転する間に、可動翼の迎角が大小に変動する。特に、揚力型垂直軸風車の回転速度が速い場合には、可動翼が大きく回動するため、可動翼の迎角の変動幅が大きくなる。そのような可動翼の過剰な回動を抑制するために、初期の可動翼の迎角を定めるための位置決めとしてのストッパに加えて、可動翼の最大迎角を制限するストッパを設けるなど、複数のストッパを設けるとすると、可動翼とストッパとが繰り返し衝突することになり、衝突に伴う振動や異音が発生する可能性がある。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、回転速度に応じて回動する可動翼の迎角の変動幅が過大となることを抑制する揚力型垂直軸風車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するために、この発明は、発電部と、前記発電部に一体化されかつ垂直軸周りに回転する回転軸と、前記回転軸にアームを介して連結され前記垂直軸周りに回転する複数の風車翼と、前記回転軸と前記風車翼とを結ぶ軸線周りに回動可能な過回転抑制用の可動翼と、前記回転軸の回転速度に応じた遠心力の作用によって前記可動翼を前記軸線周りに傾斜させる過回転抑制誘導体とを備える揚力型垂直軸風車であって、前記アームと前記可動翼とのいずれか一方の部材に一体化されかつ前記アームと前記可動翼との他方の部材に相対回転可能に設けられた支持軸と、前記支持軸と前記他方の部材とを相対回転させるモーメントに対抗した反力トルクを発生させるダンパ機構とを備えていることを特徴とする(請求項1)。
(【0011】以降は省略されています)
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