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公開番号2025089570
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-12
出願番号2025058140,2020215033
出願日2025-03-31,2020-12-24
発明の名称発電装置
出願人株式会社日本海洋発電
代理人個人,個人
主分類F03B 13/26 20060101AFI20250605BHJP(液体用機械または機関;風力原動機,ばね原動機,重力原動機;他類に属さない機械動力または反動推進力を発生するもの)
要約【課題】場所によって水流の速度が異なる水中において、複数の回転体を効率良く回転させて発電する手法を提供すること。
【解決手段】回転エネルギーを電力エネルギーに変換する発電機Eを有する発電装置1は、物質の運動エネルギーを受けて回転する第1及び第2回転体を並列に配置する。回転体P1及びP2は、海流Cの運動エネルギーを受けて回転する。歯車G11は、回転体P1の回転とともに回転する。歯車G12は、回転体P2の回転とともに回転する。差動歯車DGは、歯車G11及び歯車G12の夫々と噛合し、歯車G11と歯車G12とのうち少なくとも一方から得られる回転エネルギーを用いて歯車G13を回転させる。伝達部11は、歯車G13の回転エネルギーを発電機Eに伝達する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
縦方向又は水平方向に対して並列に配置される第1回転体対と第2回転体対とを有する発電装置であり、
前記第1回転体対と前記第2回転体対の夫々は、
海流の運動エネルギーを受けて回転する第1回転体と、
前記第1回転体と並列に配置され、前記海流の運動エネルギーを受けて回転する第2回転体と、
前記第1回転体の回転とともに回転する第1歯車と、
前記第2回転体の回転とともに回転する第2歯車と、
前記第1歯車と前記第2歯車の夫々と噛合し、前記第1歯車と前記第2歯車のうち少なくとも一方から得られる回転エネルギーを用いて第3歯車を回転させる第1差動歯車と、
を含み、
更に、
前記第1回転体対により回転される前記第3歯車と前記第2回転体対により回転される前記第3歯車の夫々と噛合し、前記第1回転体対により回転される前記第3歯車と前記第2回転体対により回転される前記第3歯車のうち少なくとも一方から得られる回転エネルギーを用いて第5歯車を回転させる第2差動歯車と、
前記第1回転体及び前記第2回転体の回転軸と平行な回転軸を有する前記第5歯車と噛合する第4歯車を備え、前記第5歯車から出力される回転エネルギーを伝達する伝達部と、
前記伝達部の上に配置され、前記伝達部を通じて伝達される回転エネルギーで発電する海水面上の発電手段と、
を有する発電装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
海流には、世界中で年間数百TWhのエネルギーが存在するともいわれている。海水の密度は大気の密度よりも格段に大きく、海流は太陽光や風力等のように天候に左右されることがない。このため、海流を利用した発電は、安定性を有する発電方法として注目されている。さらに、海流発電は、二酸化炭素CO

を排出しないため、環境負荷が極めて小さいともいわれている。
従来より、海や河川の水流を用いてプロペラ等の回転体を回転させることにより、水流の運動エネルギーを電気エネルギーに変換させて発電させる技術は存在する。このような技術において、回転体の大きさを変えずに発電量を増やすためには、配置する回転体の数を増やせばよい。例えば、特許文献1には、海流を利用して複数のスクリュー体を回転させることにより、海流の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する技術が開示されている。特許文献2には、河川の水流を利用して複数の回転体を回転させることにより、水流の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する技術が開示されている。特許文献3には、海底に固定した垂直材に複数の水中回転体を縦一列に配置し、海流が水中回転体を回転させるエネルギーを海上の発電機に伝達する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-257023号公報
特開2004-169564号公報
特開2009-121241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、海や河川の水中における水流の速度は、場所によって大きく異なることがあるので、必然的に複数の回転体の夫々の回転数にばらつきが生じる。このとき、水中における水流の速度の違いに対する方策を何ら講じることなく複数の回転体を遊びなく直列に配置すると、回転数の多い回転体と、回転数の少ない回転体との間に回転数の差が生じ、水流の運動エネルギーを発電機にスムーズに伝達することができなくなる。また、各回転体の回転数の違いが発電装置の各部に軋み等のストレスを与えるので、発電装置を故障させるおそれもある。
特許文献1には、流れる方向の異なる上層部と下層部との両潮流を発電に利用するために、海中の上層部の潮流を受けて回転する複数のスクリュー体と、下層部の潮流を受けて回転する複数のスクリュー体とに分けて配置する手法が記載されている。しかしながら、特許文献1には、遊びなく直列に配置した複数の回転体について、水流速度の違いに対する方策については言及されておらず、また示唆もされていない。
特許文献2には、複数の回転体の夫々と、複数の発電機の夫々とが1対1の関係で配置される手法が記載されている。回転体と発電機とが1対1で配置されるため、各回転体の回転数の違いが発電設備の各部に軋み等のストレスを与えることはない。しかしながら、回転体の数だけ発電機を準備する必要があるため、発電設備全体の重量や製造コストが増大してしまう。
特許文献3には、複数の水中回転体の回転動力を液体の流量に変換して水面の上方まで伝達し、この流量を水面の上方で回転動力に変換して発電機を稼働させる手法が記載されている。即ち、上層流の速度と、低層流の速度とが異なる場合であっても、各水中回転体で駆動側液圧ポンプを駆動して吐出した液圧によって従動側液圧ポンプを回転させるので、各水中回転体の回転差を吸収した状態で発電機を稼働させることができる、とされている。つまり、特許文献3の技術は、水中回転体の回転エネルギーを機械的に伝達するのではなく、液圧エネルギーに変換して水上まで導き、水上で再び回転エネルギーに変換して発電機を回転駆動する。このため、異なる回転数の水中回転体から得られた動力を用いて、同一の発電機を駆動することができる、とされている。しかしながら、特許文献3に記載された技術の場合、各水中回転体で駆動側液圧ポンプを駆動して吐出した液圧によって従動側液圧ポンプを回転させるので、駆動側液圧ポンプに液体を循環させるための設備を別途設けなければならない。また、水中回転体の回転エネルギーを液圧エネルギーに変換して水中から水上まで導く場合、水中回転体が水上の液圧ポンプから離れ、且つ、水面から深く配置されると、液圧自体が低下してしまうため、一定の深度、範囲でしか作動しなくなるという課題もある。
このように、海中は場所によって水流の速度が大きく異なるため、複数の回転体を水流で回転させて発電する場合に、水中という特殊な環境であっても、回転数の異なる複数の回転体を効率良く回転させて発電する簡易な手法の開発が望まれている。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、水中という特殊な環境であっても、場所によって水流の速度が異なる水中において、回転数の異なる複数の回転体を効率良く回転させて発電する簡易な手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る発電装置は、縦方向又は水平方向に対して並列に配置される第1回転体対と第2回転体対とを有する発電装置であり、前記第1回転体対と前記第2回転体対の夫々は、海流の運動エネルギーを受けて回転する第1回転体と、前記第1回転体と並列に配置され、前記海流の運動エネルギーを受けて回転する第2回転体と、前記第1回転体の回転とともに回転する第1歯車と、前記第2回転体の回転とともに回転する第2歯車と、前記第1歯車と前記第2歯車の夫々と噛合し、前記第1歯車と前記第2歯車のうち少なくとも一方から得られる回転エネルギーを用いて第3歯車を回転させる第1差動歯車と、を含み、更に、前記第1回転体対により回転される前記第3歯車と前記第2回転体対により回転される前記第3歯車の夫々と噛合し、前記第1回転体対により回転される前記第3歯車と前記第2回転体対により回転される前記第3歯車のうち少なくとも一方から得られる回転エネルギーを用いて第5歯車を回転させる第2差動歯車と、前記第1回転体及び前記第2回転体の回転軸と平行な回転軸を有する前記第5歯車と噛合する第4歯車を備え、前記第5歯車から出力される回転エネルギーを伝達する伝達部と、前記伝達部の上に配置され、前記伝達部を通じて伝達される回転エネルギーで発電する海水面上の発電手段と、を有する発電装置。
【0007】
この発明によれば、1本のメインポールについて従来の2倍の数の回転体を設けることができるので、建設費、保守費用等、事業化及び事業継続の費用削減に寄与することができる。
【0008】
また、前記第1及び第2回転体と、
前記第1回転体の回転とともに回転する第1歯車と、
前記第2回転体の回転とともに回転する第2歯車と、
前記第1及び前記第2歯車の夫々と噛合し、前記第1歯車と前記第2歯車とのうち少なくとも一方から得られる回転エネルギーを用いて第3歯車を回転させる前記差動歯車と、
前記第3歯車の回転エネルギーを前記発電手段に伝達する伝達部と、
を備える。
【0009】
この発明によれば、第1歯車と第2歯車との回転数が夫々異なっていたとしても、第1歯車及び第2歯車と噛合し、第1歯車と第2歯車とのうち少なくとも一方の回転の作用を受けて第3歯車を回転させる差動歯車が機能するので、流動的に第1歯車と第2歯車との間の回転数のバランスをとることができる。これにより、第1歯車と第2歯車とを遊びなく直列に配置した場合に生じる歯車間の軋みを防ぐことができる。その結果、歯車間の軋みに伴う発電装置の故障を未然に防ぐことができる。また、水中回転体の回転エネルギーを液圧エネルギーに変換することがないので、水中回転体が水上の液圧ポンプから離れ、且つ、水面から深く配置されることに伴って液圧自体が低下するといった問題がそもそも生じ得ない発電装置を提供することができる。
【0010】
また、複数の前記差動歯車を連結することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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