TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024100105
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2023003847
出願日2023-01-13
発明の名称棒状部材の施工支援方法、棒状部材の施工支援システム、及びプログラム
出願人株式会社大林組,国立大学法人 東京大学
代理人弁理士法人一色国際特許事務所
主分類E21D 20/00 20060101AFI20240719BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】トンネル壁面における棒状部材の挿入孔の位置及び角度を、適宜離れた距離から効率的かつ高精度に計測可能とする。
【解決手段】棒状部材1の挿入対象となる壁面3に所定パターンのレーザ光を照射し、その反射光を観測することで当該壁面3の表面ベクトルを計測する処理と、壁面3の撮影画像を取得し、当該撮影画像が示す輝度情報に基づき、壁面3に形成済みの挿入孔5を検出する処理と、検出した挿入孔5の中心の画像座標と壁面3の表面ベクトルとの関係に基づいて挿入孔5の中心座標を算定する処理を実行する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
棒状部材の挿入対象となる壁面に所定パターンのレーザ光を照射し、その反射光を観測することで当該壁面の表面ベクトルを計測する処理と、前記壁面の撮影画像を取得し、前記撮影画像が示す輝度情報に基づき、前記壁面に形成済みの挿入孔を検出する処理と、前記検出した挿入孔中心の画像座標と前記壁面の表面ベクトルとの関係に基づいて、前記挿入孔の3次元座標を算定する処理を実行することを特徴とする棒状部材の施工支援方法。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記表面ベクトルを計測する処理において、
交差した2線のレーザ光を前記壁面に照射し、その反射光を観測することで当該壁面の表面ベクトルを計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒状部材の施工支援方法。
【請求項3】
前記表面ベクトルを計測する処理において、
前記壁面の3点以上にレーザ光を照射し、その反射光を観測することで当該壁面の表面ベクトルを計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒状部材の施工支援方法。
【請求項4】
前記棒状部材または当該棒状部材の挿入装置の少なくともいずれかにおける複数箇所に、寸法既知で所定の形状又は色を有するマーカを設置する処理と、前記マーカの画像を撮影し、予め認識している、前記棒状部材の先端と前記マーカの設置箇所との位置関係に基づいて、前記棒状部材の先端座標を算定する処理と、前記棒状部材の先端座標と前記挿入孔の3次元座標とを合わせるよう前記挿入装置を制御して前記棒状部材を前記挿入孔に挿入する処理を、
さらに実行することを特徴とする請求項1に記載の棒状部材の施工支援方法。
【請求項5】
前記挿入孔を検出する処理において、
前記撮影画像が示す輝度情報に基づき、前記壁面に形成済みの挿入孔を楕円領域として検出する処理と、前記楕円領域に対応する前記撮影画像が示す、当該楕円領域の径及び輝度情報に基づき、前記壁面における前記挿入孔の前記画像座標と角度を推定する処理と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の棒状部材の施工支援方法。
【請求項6】
前記挿入孔である前記楕円領域を検出する処理において、
前記撮影画像における各領域の輪郭を検出し、前記検出した前記輪郭を楕円形状に近似して、前記各領域を楕円領域に変換する処理と、前記楕円領域それぞれの輝度情報に基づき、前記楕円領域のうち、他の楕円領域又は所定基準よりも暗いものを前記挿入孔と特定する処理を実行する、
ことを特徴とする請求項5に記載の棒状部材の施工支援方法。
【請求項7】
前記挿入孔の前記画像座標と角度を推定する処理において、
前記楕円領域の径および前記棒状部材の既知の径に基づき、前記挿入孔の前記画像座標を特定し、前記楕円領域の短軸方向における輝度の変遷に基づき、当該挿入孔は前記輝度が暗くなる角度に延びていると特定する、
ことを特徴とする請求項5に記載の棒状部材の施工支援方法。
【請求項8】
棒状部材の挿入対象となる壁面に所定パターンのレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記レーザ光の反射光を観測する観測ユニットと、
前記壁面の撮影を行う撮影装置と、
前記反射光の観測値を前記観測ユニットから取得し、当該観測値に基づいて前記壁面の表面ベクトルを計測する処理と、前記壁面の撮影画像を前記撮影装置から取得し、前記撮影画像が示す輝度情報に基づき、前記壁面に形成済みの挿入孔を検出する処理と、前記検出した挿入孔中心の画像座標と前記壁面の表面ベクトルとの関係に基づいて、前記挿入孔の3次元座標を算定する処理を実行する情報処理装置と、
を含むことを特徴とする棒状部材の施工支援システム。
【請求項9】
前記レーザ光源は、交差した2線のレーザ光を前記壁面における照射し、
前記観測ユニットは、前記2線のレーザ光の反射光を観測し、
前記情報処理装置は、
前記表面ベクトルを計測する処理において、
前記2線のレーザ光による前記反射光の観測値を、前記観測ユニットから取得し、当該観測値に基づいて前記壁面の表面ベクトルを計測するものである、
ことを特徴とする請求項8に記載の棒状部材の施工支援システム。
【請求項10】
前記レーザ光源は、前記壁面の3点以上にレーザ光を照射し、
前記観測ユニットは、前記3点以上へのレーザ光の照射による反射光を観測し、
前記情報処理装置は、
前記表面ベクトルを計測する処理において、前記3点以上へのレーザ光の照射による反射光の観測値を、前記観測ユニットから取得し、当該観測値に基づいて前記壁面の表面ベクトルを計測するものである、
ことを特徴とする請求項8に記載の棒状部材の施工支援システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状部材の施工支援方法、棒状部材の施工支援システム、及びプログラムに関するものであり、具体的には、トンネル壁面における棒状部材の挿入孔の位置及び角度を、適宜離れた距離から効率的かつ高精度に計測可能とする技術に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
地山の自然な支保機能を利用したNATM(New Austrian Tunneling Method)工法は、新たな補助工法を適宜採用するなどして、従来の山岳トンネル以外にも適用範囲を広げつつある。
こうしたNATM工法では、地山の掘削や発破等で露出した壁面に、一次覆工のコンクリートを吹き付け、ロックボルトの打設と、二次覆工の覆工コンクリート打設を実施する。こうした施工を行うことで、地山と吹き付けコンクリートとを一体化させ、地山の保持力によってトンネル強度を高めることになる。
【0003】
こうしたロックボルト打設を含むトンネル工事の効率化を図る従来技術としては、例えば、切羽へのコンクリートの鏡吹きによって安全性を確保しつつ、工事作業者が鏡吹きされたコンクリート表面上でその地山状況を視認しながら施工作業を行うことが可能な切羽情報表示方法(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
こうしたロックボルトの打設は、吹き付けコンクリートを通して壁面に削孔した孔(モルタル充填済み)に対し、ロックボルトを挿入する作業となる。また、当該ロックボルトの挿入は、凹凸のある壁面から孔を見つける作業、ロックボルト先端を孔位置に合わせる作業、及びロックボルト全体を孔に挿入する作業に分かれている。
【0005】
現在これらの作業は、作業員が孔周辺まで赴いて人力で行っている。しかし、粘性の高いモルタルの詰まった細長い孔に、長尺で重いロックボルトを挿入する必要があり、作業性や作業効率が良好とは言えない状況にある。
【0006】
一方では、ロックボルト打設の一連の流れである、壁面での削孔、当該孔へのモルタル注入、及びロックボルト打設を、同一のアームを用いて機械化する手法も様々研究されている。こうした手法によれば、例えば、複数の削孔用削岩機を用いて削孔を行うと同時にロックボルト打設を行う、といった施工を行うため、施工の効率化を図ることができる。
【0007】
しかしながら、正しい孔の位置を壁面上で効率良く自動特定するには至っておらず、ロックボルト先端と孔との位置合わせの自動化が望まれる。こうした位置合わせ作業の自動化を実現するためには、孔の3次元座標および方向を計測する必要がある。
ただし、ロックボルト孔の所在する壁面付近は、湧き水等の影響によって各種センサを取り付けられないケースが多い。そのため、ロックボルト孔に関する計測動作は遠方から行う必要がある。
【0008】
そうした遠方で動作する各種事象を観測する従来技術の一例として、例えば、荷役対象物の3次元姿勢を高精度に推定可能とする技術(特許文献2参照)が提案されている。この技術は、搬送機によってアクセス可能な第1面を備えた荷役対象物であって、前記第1面に配置されたマーカを備えており、前記マーカは、予め定められた標識が表示されている平面形状であり、前記マーカは、前記搬送機に備えられた光学センサを用いて前記マーカを撮像した画像に基づいて、前記マーカの平面に対する法線方向である3次元姿勢を推定することが可能なマーカであり、前記マーカの平面が、前記第1面に対して所定角度で傾いている、荷役対象物に係る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2022-1732号公報
特開2020-132265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、壁面に開いた孔の方向を求める手法として、2台のカメラを用いた手法がある。この手法では、ステレオ法により、孔口の輪郭の楕円形状に関して3次元座標を計測する。その後、当該輪郭から孔中心に向かうベクトルが孔の方向と直交していることを利用して孔の方向を計測している。
また、レーザ測距計を用いて孔の方向を求める手法では、投影した孔口が真円になる2通りの平面を求め、レーザ測距計により孔周辺の2点の3次元座標を計測することで、平面を一意に定めて孔の方向を計測している。
一方、上述のレーザ測距計の代わりに孔内のグラデーションを用いることで、投影した孔口が真円になる平面を一意に定め、1台のカメラのみで孔の方向を求める手法がある。この手法では、孔内と孔外が連続な部分と、非連続な部分の光の当たり方の違いによって生じるグラデーションから孔の方向を一意に定めている。
上述の壁面の孔に関する計測手法では、孔口の形状から孔方向を計測できる一方、孔が壁面に対し垂直に開いているとの仮定をおいている。ところが、実際に削孔された孔の方向と壁面の方向は必ずしも垂直ではない。このことから、孔口の形状のみを用いて孔方向を高精度に計測することは困難であると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社大林組
建築物
5日前
株式会社大林組
建築物
5日前
株式会社大林組
建替え工法
2日前
株式会社大林組
吹付け装置
3日前
株式会社大林組
建築物の建築方法
5日前
株式会社大林組
構造物施工方法及び構造物
16日前
株式会社大林組
セメント組成物性能評価方法
26日前
株式会社大林組
打ち継ぎ構造の施工方法及び固定治具
6日前
株式会社大林組
バッテリ駆動式の作業機械の管理システム
9日前
株式会社大林組
上部材の設置構造、及び、上部材の設置方法
12日前
株式会社大林組
バッテリ駆動式の作業機械の稼働状況検出装置
2日前
株式会社大林組
学習データ生成装置、及び学習データ生成方法
5日前
株式会社大林組
地中壁の打継部施工方法、打継形成具及び鉄筋籠
16日前
株式会社大林組
形成支援システム、形成支援方法及び形成支援プログラム
17日前
国立大学法人岩手大学
汚染土壌及び/又は汚染水の浄化方法
24日前
UBE三菱セメント株式会社
モルタル組成物及びその使用方法
10日前
UBE三菱セメント株式会社
高強度繊維補強コンクリートの施工方法
10日前
株式会社大林組
フライアッシュに含まれる重金属の溶出を抑制する方法、及び自硬性材料
2日前
株式会社大林組
フライアッシュに含まれる重金属の溶出を抑制する方法、及び自硬性材料
2日前
株式会社大林組
姿勢制御装置及び姿勢制御方法
5日前
株式会社大林組
コンクリートの打設深さ算定装置、コンクリートの打設量算定支援装置、コンクリートの打設深さ算定方法、及びプログラム。
6日前
個人
ずり積込み装置
2か月前
株式会社エステック
掘削機
1か月前
株式会社奥村組
削孔システム
13日前
戸田建設株式会社
面木
1か月前
株式会社堤水素研究所
発破装置
12日前
アイエスケー株式会社
結合装置
3か月前
個人
鉱物採取具
2か月前
テクノス株式会社
鋼製セグメント製造設備
23日前
株式会社フジタ
遠隔操作トンネル掘削装置
2か月前
日特建設株式会社
ビット及び削孔機
19日前
株式会社フジタ
覆工コンクリート打設装置
3か月前
株式会社フジタ
覆工コンクリート打設装置
3か月前
株式会社フジタ
トンネル工事のずり排出方法
2か月前
株式会社フジタ
トンネル工事のずり排出方法
2か月前
株式会社フジタ
切羽穿孔機の遠隔制御システム
2か月前
続きを見る