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公開番号2024086964
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-28
出願番号2024068204,2020546689
出願日2024-04-19,2019-05-24
発明の名称表面保護フィルム用基材、該基材を用いた表面保護フィルム、および表面保護フィルム付光学フィルム
出願人日東電工株式会社
代理人個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240621BHJP(光学)
要約【課題】光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制し得る表面保護フィルム用基材が提供される。
【解決手段】本発明の表面保護フィルム用基材は、正面方向の位相差R0(550)と極角45°および方位角45°方向の位相差R45(550)とが下記の関係を満足する:
R45(550)-R0(550)≦13(nm)。
1つの実施形態においては、表面保護フィルム用基材は、正面方向の位相差R0(550)が20nm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
正面方向の位相差R0(550)と極角45°および方位角45°方向の位相差R45(550)とが下記の関係を満足する、表面保護フィルム用基材:
R45(550)-R0(550)≦13(nm)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面保護フィルム用基材、該基材を用いた表面保護フィルム、および表面保護フィルム付光学フィルムに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
光学フィルム(例えば、偏光板、偏光板を含む積層体)には、当該光学フィルムが適用される画像表示装置が実際に使用されるまでの間、当該光学フィルム(最終的には、画像表示装置)を保護するために表面保護フィルムが剥離可能に貼り合わせられている。実用的には、光学フィルム/表面保護フィルムの積層体が表示セルに貼り合わせられて画像表示装置が作製され、当該積層体が貼り合わせられた状態で画像表示装置が光学試験(例えば、点灯試験)に供され、その後の適切な時点で表面保護フィルムが剥離除去される。表面保護フィルムは、代表的には、基材としての樹脂フィルムと粘着剤層とを有する。従来の表面保護フィルムによれば、光学検査の際に光漏れ、着色、虹ムラ等が発生し、光学検査の精度低下の原因となる場合がある。その結果、画像表示装置自体には問題がないにもかかわらず出荷前の光学検査で不良と判断されてしまう場合があり、これにより、画像表示装置の製造から出荷までの効率が低下してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-190406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制し得る表面保護フィルム用基材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態による表面保護フィルム用基材は、正面方向の位相差R0(550)と極角45°および方位角45°方向の位相差R45(550)とが下記の関係を満足する:
R45(550)-R0(550)≦13(nm)。
1つの実施形態においては、上記表面保護フィルム用基材は、上記正面方向の位相差R0(550)が20nm以下である。
1つの実施形態においては、上記表面保護フィルム用基材は、全光線透過率が80%以上であり、ヘイズが1.0%以下である。
1つの実施形態においては、上記表面保護フィルム用基材は、ポリカーボネート、ポリエステル、シクロオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂およびセルロース樹脂から選択される少なくとも1つの樹脂を含む。1つの実施形態においては、上記表面保護フィルム用基材は、脂環式構造または負の固有複屈折を示す芳香族環構造を有する樹脂を含む。
本発明の別の局面によれば、表面保護フィルムが提供される。この表面保護フィルムは、上記表面保護フィルム用基材と粘着剤層とを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、表面保護フィルム付光学フィルムが提供される。この表面保護フィルム付光学フィルムは、光学フィルムと、該光学フィルムに剥離可能に貼り合わせられた上記表面保護フィルムと、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、正面方向の位相差R0(550)と極角45°および方位角45°方向の位相差R45(550)との差を所定値以下とすることにより、光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制し得る表面保護フィルム用基材を実現することができる。特に、大型の画像表示装置の光学検査において、端部の光漏れを顕著に抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0008】
A.表面保護フィルム用基材
本発明の実施形態による表面保護フィルム用基材は、正面方向の位相差R0(550)と極角45°および方位角45°方向の位相差R45(550)とが下記の関係を満足する:
R45(550)-R0(550)≦13(nm)。
[R45(550)-R0(550)]は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下であり、さらに好ましくは3nm以下であり、特に好ましくは1nm以下である。一方、[R45(550)-R0(550)]は、好ましくは-5nm以上であり、より好ましくは-3nm以上であり、さらに好ましくは-1nm以上である。[R45(550)-R0(550)]の絶対値は、小さければ小さいほど好ましい。[R45(550)-R0(550)]がこのような範囲であれば、光学検査時の光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制し得る表面保護フィルム用基材を実現することができ、特に、大型の画像表示装置の光学検査において、端部の光漏れを顕著に抑制することができる。例えば、光学検査は、光学フィルム/表面保護フィルムの積層体が表示セルに貼り合わせられた画像表示装置をロール搬送しながら画像表示装置ごとにカメラ(例えば、偏光フィルターを取り付けたカメラ)で撮影することにより、画像表示装置の点灯欠点等を検査する。ここで、画像表示装置が大型である場合には、カメラの画角が非常に大きくなる。画像表示装置の長辺方向の画角は、1つの実施形態においては45°以上であり、別の実施形態においては60°以上であり、さらに別の実施形態においては70°以上であり、さらに別の実施形態においては82°以上であり得る。本発明の実施形態によれば、このように画角が非常に大きい場合であっても端部(または周縁部)の光漏れを顕著に抑制することができる。本発明の実施形態による表面保護フィルム用基材(実質的には、当該基材を含む表面保護フィルム)が適用される画像表示装置のサイズは、好ましくは25インチ以上であり、より好ましくは35インチ以上であり、さらに好ましくは40インチ以上である。画像表示装置が大型であるほど、本発明の効果(特に、端部の光漏れ防止)が顕著となる。さらに、本発明の実施形態によれば、画像表示装置が高精細であるほど、検査精度の向上が顕著となる。なお、本明細書において「R0(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した正面方向の位相差である。R0(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx-ny)×dによって求められる。したがって、「R0(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した正面方向の位相差である。ここで、「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率である。また、「R45(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した極角45°および方位角45°方向の位相差である。ここで、方位角は画像表示装置の長辺方向を0°としたときの方向である。本明細書において角度に言及するときは、基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方の方向を包含する。
【0009】
表面保護フィルム用基材の正面方向の位相差R0(550)は、好ましくは20nm以下であり、より好ましくは15nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下であり、特に好ましくは5nm以下である。正面方向の位相差R0(550)は小さいほど好ましく、その下限は理想的には0nmであり、例えば0.3nmであり得る。R0(550)がこのような範囲であれば、本発明の表面保護フィルム用基材を用いた表面保護フィルムを画像表示装置の光学検査に供した場合に、光漏れ、着色および虹ムラを良好に抑制することができる。その結果、画像表示装置の光学検査の精度を顕著に向上させることができ、画像表示装置の製造から出荷までの効率を向上させることができる。このような正面方向の位相差R0(550)は、基材を構成する材料と延伸条件とを適切に組み合わせて設定することにより実現され得る。
【0010】
表面保護フィルム用基材の極角45°および方位角45°方向の位相差R45(550)は、好ましくは30nm以下であり、より好ましくは20nm以下であり、さらに好ましくは12nm以下であり、特に好ましくは7nm以下である。R45(550)がこのような範囲であれば、上記所望の[R45(550)-R0(550)]が実現しやすくなり、その結果、大型の画像表示装置の光学検査において、端部の光漏れを顕著に抑制することができる。このようなR45(550)は、R0(550)と同様に、基材を構成する材料と延伸条件とを適切に組み合わせて設定することにより実現され得る。
(【0011】以降は省略されています)

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