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公開番号2024083467
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-21
出願番号2024061138,2022119105
出願日2024-04-04,2014-12-16
発明の名称半導体装置
出願人富士電機株式会社
代理人個人
主分類H01L 29/78 20060101AFI20240614BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】オン抵抗特性を向上させることができる半導体装置を提供すること。
【解決手段】トレンチゲート構造を構成するトレンチ5の内部には、ゲート電極8よりもコレクタ側に堆積絶縁層6が設けられる。n-型ドリフト層2の内部に、p型カラム領域14およびn型ブロッキング領域15がそれぞれ選択的に設けられている。n型ブロッキング領域15は、耐圧を律速する箇所におけるn-型ドリフト層2の不純物濃度が高くならないように、トレンチ5の底部よりもコレクタ側に設けられている。p型カラム領域14は、隣り合うトレンチ5間にトレンチ5と離して設けられ、かつエミッタ電極10に電気的に接続されている。p型カラム領域14は、n+型エミッタ領域4およびp-型ベース領域3を貫通して、n+型エミッタ領域4およびp-型ベース領域3に接し、n型ブロッキング領域15に達する間で一定の幅を有し、かつ、不純物濃度が一様である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
第1導電型のドリフト層の第1主面側に設けられた第2導電型のベース領域と、
前記ベース領域の内部に選択的に設けられた、前記ドリフト層よりも高不純物濃度の第1導電型のエミッタ領域と、
前記エミッタ領域および前記ベース領域を貫通して前記ドリフト層に達するトレンチと、前記トレンチの底部に設けられた第1の厚さを有する絶縁層と、前記トレンチの側壁に設けられた第2の厚さを有するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の内側であって前記絶縁層の上に設けられたゲート電極と、を有するゲートトレンチ部と、
層間絶縁膜によって前記ゲート電極から絶縁されたエミッタ電極と、
隣り合う前記ゲートトレンチ部の間に、前記トレンチの底部よりも前記ドリフト層の第2主面側に深く設けられた、前記ベース領域よりも高不純物濃度の第2導電型の高濃度領域と、
前記高濃度領域と接するように設けられた、前記ドリフト層よりも高不純物濃度の第1導電型のブロッキング領域と、
を備え、
前記エミッタ領域および前記高濃度領域は、前記エミッタ電極に接続され、
前記ブロッキング領域は、前記トレンチの底部よりも前記ドリフト層の前記第2主面側に深い位置に設けられ、
前記高濃度領域は、前記エミッタ領域および前記ベース領域を貫通して、前記エミッタ領域および前記ベース領域に接し、前記ブロッキング領域に達する間で一定の幅を有し、かつ、不純物濃度が一様であることを特徴とする半導体装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記ドリフト層の前記第2主面側に設けられた、前記ベース領域よりも高不純物濃度の第2導電型のコレクタ層と、
前記コレクタ層に接するコレクタ電極と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
第1導電型のドリフト層の第1主面側に設けられた第2導電型のベース領域と、
前記ベース領域の内部に選択的に設けられた、前記ドリフト層よりも高不純物濃度の第1導電型のソース領域と、
前記ソース領域および前記ベース領域を貫通して前記ドリフト層に達するトレンチと、
前記トレンチの底部に設けられた第1の厚さを有する絶縁層と、前記トレンチの側壁に設けられた第2の厚さを有するゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の内側であって前記絶縁層の上に設けられたゲート電極と、を有するゲートトレンチ部と、
層間絶縁膜によって前記ゲート電極から絶縁されたソース電極と、
隣り合う前記ゲートトレンチ部の間に、前記トレンチの底部よりも前記ドリフト層の第2主面側に深く設けられた、前記ベース領域よりも高不純物濃度の第2導電型の高濃度領域と、
前記高濃度領域と接するように設けられた、前記ドリフト層よりも高不純物濃度の第1導電型のブロッキング領域と、
を備え、
前記ソース領域および前記高濃度領域は、前記ソース電極に接続され、
前記ブロッキング領域は、前記トレンチの底部よりも前記ドリフト層の前記第2主面側に深い位置に設けられ、
前記高濃度領域は、前記ソース領域および前記ベース領域を貫通して、前記ソース領域および前記ベース領域に接し、前記ブロッキング領域に達する間で一定の幅を有し、かつ、不純物濃度が一様であることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
前記ドリフト層の前記第2主面側に設けられた、前記ベース領域よりも高不純物濃度の第2導電型のドレイン層と、
前記ドレイン層に接するドレイン電極と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記絶縁層の前記第1の厚さは、前記ゲート絶縁膜の前記第2の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ゲート絶縁膜の前記第2の厚さは、50nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記高濃度領域は、前記ドリフト層との間に前記第1主面と直交するpn接合面を形成するカラム領域であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ブロッキング領域は、前記ドリフト層の内部に設けられ、
前記ドリフト層は、エピタキシャル層であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ドリフト層は、100μm以上150μm以下の厚さを有することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ドリフト層は、1×10
14
/cm
3
以上1×10
16
/cm
3
以下の不純物濃度を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、パワーデバイスに用いられるMOSゲート(金属-酸化膜-半導体からなる絶縁ゲート)構造の半導体装置(以下、MOS型半導体装置とする)として、半導体基板に形成したトレンチ内にMOSゲートを埋め込んだトレンチゲート構造を有する装置が公知である。このトレンチゲート構造のMOS型半導体装置では、一般的に、高耐圧化と低オン抵抗化とがトレードオフの関係にある。このようなトレードオフの関係を改善したMOS型半導体装置として、MOSゲートを埋め込んだトレンチの底部(ドレイン側端部)を囲むように設けられた、ドリフト層と異なる導電型のフローティング領域を備えた装置が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
従来のMOS型半導体装置の構造について説明する。図6は、従来の半導体装置の要部の構造を示す断面図である。図6には、オン状態のときに電流が流れる活性領域に配置される単位セル(素子の機能単位)構造を示す。図6は、下記特許文献1の図1に相当する。図6に示すように、従来の半導体装置100は、n
-
型ドリフト層102の第1主面側にMOSゲート構造を備え、第2主面側にn
+
型ドレイン層101を備える。MOSゲート構造は、p
-
型ベース領域103、n
+
型ソース領域104、トレンチ105、堆積絶縁層106、ゲート絶縁膜107およびゲート電極108からなる。n
+
型ソース領域104は、p
-
型ベース領域103の内部に選択的に設けられている。
【0004】
トレンチ105は、深さ方向にn
+
型ソース領域104およびp
-
型ベース領域103を貫通してn
-
型ドリフト層102に達する。堆積絶縁層106は、トレンチ105のドレイン側に埋め込まれている。ゲート電極108は、トレンチ105の内部において堆積絶縁層106の上(ソース側)に設けられている。ゲート電極108は、トレンチ105の側壁に設けられたゲート絶縁膜107を挟んでp
-
型ベース領域103およびn
+
型ソース領域104に対向する。n
-
型ドリフト層102の内部には、フローティング状態のp型拡散領域(以下、p型埋め込み領域とする)109が設けられている。トレンチ105の底部は、p型埋め込み領域109の内部に位置する。符号110,111はそれぞれソース電極およびドレイン電極である。
【0005】
従来の半導体装置100は、n
-
型ドリフト層102の内部にフローティング状態のp型埋め込み領域109を備えた構造(以下,フローティング構造とする)とすることで,次の特性を有する。ゲート電圧を印加しない(または負のゲート電圧を印加した)オフ状態では、n
-
型ドリフト層102の内部に、p
-
型ベース領域103とn
-
型ドリフト層102との間のpn接合121から空乏層(不図示)が広がる。この空乏層がp型埋め込み領域109にまで到達することでp型埋め込み領域109がパンチスルー状態となり、p
-
型ベース領域103とn
-
型ドリフト層102との間のpn接合121からp型埋め込み領域109までの電位が固定される。また、n
-
型ドリフト層102の内部には、p型埋め込み領域109とn
-
型ドリフト層102との間のpn接合122からも空乏層(不図示)が広がる。
【0006】
このようにp
-
型ベース領域103とn
-
型ドリフト層102との間のpn接合121から空乏層が広がることで当該pn接合121付近が電界強度のピークとなる。さらに、p型埋め込み領域109とn
-
型ドリフト層102との間のpn接合122から空乏層が広がることで当該pn接合122付近にも電界強度のピークが形成される。すなわち、電界強度のピークを2箇所に分散させることができる。このため、電界強度の最大ピーク値を低減させることができ、高耐圧化を図ることができる。また、高耐圧を確保することができるため、n
-
型ドリフト層102の不純物濃度を高くして低オン抵抗化を図ることができる。このようなフローティング構造のメカニズムについて、電界強度分布の算出結果が詳細に開示されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
【0007】
例えばインバータ回路等に用いられる通常のMOS型半導体装置では、一般的に、ゲート電圧Vgによって半導体装置のオン・オフを制御することでドレイン電圧Vdが変化する。図7は、従来の半導体装置の電圧波形を示す特性図である。具体的には、図7に示すように、閾値電圧以上のゲート電圧Vgを印加したオン状態(以下、第1状態Aとする)では、n
-
型ドリフト層に空乏層が広がっていないため、ドレイン電圧Vdは低く、低オン抵抗の状態で動作する。一方、ゲート電圧Vgを印加せずにオフ状態を維持している間(以下、第2状態Bとする)は、n
-
型ドリフト層に空乏層が広がった状態(高オン抵抗の状態)となり、ドレイン電圧Vdが高い状態で維持される。すなわち、空乏層の広がりによってドレイン-ソース間の耐圧が保持された状態となる。そして、オフ状態から再度オン状態に移行されることで(以下、第3状態Cとする)、第2状態のときに広がっていた空乏層の幅が狭くなるため、再度、低オン抵抗の状態で動作する。その後、第2状態Bと第3状態Cとが交互に繰り返される。このように、通常のMOS型半導体装置(フローティング構造でないMOS型半導体装置)では、第2状態Bのときに、n
-
型ドリフト層の内部にp
-
型ベース領域とn
-
型ドリフト層との間のpn接合から空乏層が広がる。そして、第2状態Bのときにp
-
型ベース領域とn
-
型ドリフト層との間のpn接合から広がった空乏層の幅は、第3状態Cのときにp
-
型ベース領域からn
-
型ドリフト層へのホール(正孔)の供給により即時に狭くなる。
【0008】
しかしながら、図6に示す従来のフローティング構造の半導体装置100では、通常のMOS型半導体装置と比較して、第3状態Cのときに高オン抵抗の状態から低オン抵抗の状態に戻りにくい。その理由は、次の通りである。従来の半導体装置100では、第2状態Bのときに、p
-
型ベース領域103とn
-
型ドリフト層102との間のpn接合121と、p型埋め込み領域109とn
-
型ドリフト層102との間のpn接合122との2箇所から空乏層が広がる。そして、第3状態Cのときに、ソース電極110に接続されたp
-
型ベース領域103には外部からホールが供給されるが、p型埋め込み領域109はフローティング状態であるため、p型埋め込み領域109には外部からホールの供給は行われない。このため、第3状態Cのときに、p型埋め込み領域109自身からのホールの供給だけでは、p型埋め込み領域109のドレイン側に広がった空乏層の幅を狭くするための十分なホールの量を短時間で補うことができない。すなわち、第3状態Cのときに空乏層の幅を狭くするために供給すべきホールの量が足りず、p型埋め込み領域109のドレイン側にまで広がった空乏層の幅が再び狭くなるまでには時間がかかる。その結果、図7に点線で示すように、第3状態Cのときにドレイン電圧Vdが徐々に低くなって最低値に達する。このため、即時に低オン抵抗の状態に戻らず、過渡的なオン抵抗特性に悪影響が生じる。特に、チップサイズが大きい場合、第3状態Cのときに空乏層の幅を狭くするために供給すべきホールの量が多くなるため、チップサイズが大きくなるほどホールの供給に遅れが生じる。一般的には、オン抵抗特性に悪影響が生じるチップサイズは数mm角以上程度である。
【0009】
また、従来のフローティング構造の別の装置として、トレンチの側壁に設けられたゲート絶縁膜に沿って、かつp
-
型ベース領域とフローティング状態のp型拡散領域(p型埋め込み領域)とを連結するように設けられ、オン状態のときにフローティング状態のp型拡散領域へのホール供給路となるp
--
型拡散領域を備えた装置が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
【0010】
下記特許文献3に示す構造について説明する。図8は、従来の半導体装置の別の一例の構造を示す断面図である。図8には、直線状の平面形状を有するトレンチ105に埋め込んだゲート電極108をトレンチ105の長手方向に平行に切断した断面構造を示す。図8は、下記特許文献3の図4に相当する。図8に示す従来の半導体装置200が図6に示す従来の半導体装置100と異なる点は、n
-
型ドリフト層102の内部にp
--
型拡散領域112が設けられている点である。p
--
型拡散領域112は、堆積絶縁層106の、トレンチ105側壁の部分に沿って設けられ、p
-
型ベース領域103とp型埋め込み領域109とを連結する。
(【0011】以降は省略されています)

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