TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024084076
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022198261
出願日2022-12-12
発明の名称冷凍機および熱交換器
出願人富士電機株式会社,国立大学法人東京農工大学
代理人弁理士法人旺知国際特許事務所
主分類F25B 9/00 20060101AFI20240617BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】高い冷凍機性能を有する冷凍機を提供する。
【解決手段】冷凍機100は、複数の流路が相互に並設された熱交換器21と、熱交換器21に連通する蓄冷器22とを具備する。各流路の流路半径r0を各流路における熱境界層厚さδαで除算した指標r0/δαは0.30よりも大きく、かつ、比表面積は13.5[mm2/mm3]よりも小さい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の流路が相互に並設された熱交換器と、
前記熱交換器に連通する蓄冷器と
を具備する冷凍機であって、
前記各流路の流路半径r0を前記各流路における熱境界層厚さδαで除算した指標r0/δαが0.30よりも大きく、かつ、比表面積が13.5[mm

/mm

]よりも小さい
冷凍機。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記比表面積は、4.64[mm

/mm

]よりも小さい
請求項1の冷凍機。
【請求項3】
前記指標r0/δαは、1.00よりも大きい
請求項1の冷凍機。
【請求項4】
前記指標r0/δαが1.00よりも大きく、かつ、前記比表面積が4.64[mm

/mm

]よりも小さい
請求項1の冷凍機。
【請求項5】
前記複数の流路の各々の断面形状は円形である
請求項1から請求項4の何れかの冷凍機。
【請求項6】
複数の流路が相互に並設された熱交換器であって、
前記各流路の流路半径r0を前記各流路における熱境界層厚さδαで除算した指標r0/δαが0.30よりも大きく、かつ、比表面積が13.5[mm

/mm

]よりも小さい
熱交換器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、冷凍機および熱交換器に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
これまで振動流における熱交換器設計については、通常の定常流における設計と同様の手法が用いられてきた。ただ、定常流と振動流では熱伝達率が異なるため、振動流での実験により層流、乱流条件下で熱伝達率を決定するNu(ヌセルト数)が実験的に示され、実験式として明示されてきた。また熱交換器に求められる構成要件として、伝熱表面積を大きくすること、粘性抵抗の小さい熱交換器形態が求められてきた。熱交換器の形態として、メッシュやランダムファイバーなどを使用する複雑系熱交換器と断面が矩形や丸穴の一様な流路を有する一様流路型熱交換器である。前者は、伝熱表面積を大きくとることができるメリットがあるが、粘性抵抗が高くなるというデメリットがある。後者は、伝熱面積は複雑流路系ほど大きく取れないが、粘性抵抗が小さくなるというメリットがある。
【0003】
文献1には、パルスチューブ冷凍機における低温側および高温側の熱交換器として複雑流路系の銅メッシュを用いた構成が開示されている。文献2には、パルスチューブ冷凍機の高温側熱交換器として一様流路系のスリット形状が開示され、文献3には、パルスチューブ冷凍機の低温側熱交換器としてスリット形状が開示されている。さらに文献4には、パルスチューブ冷凍機の高温側熱交換器に銅メッシュを用いたものが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Lewis MA, Taylor RP, Bradley PE, Garaway I, Radebaugh R. Pulse tube cryocooler for rapid cooldown of a superconducting magnet. Cryocoolers 15 2009:167-76.
Ki T, Jeong S. Optimal design of the pulse tube refrigerator with slit-type heat exchangers. Cryogenics (Guildf)., vol. 50, 2010, p. 608-14.
Pang X, Dai W, Wang X, Vanapalli S, Luo E. Experimental study of the influence of cold heat exchanger geometry on the performance of a co-axial pulse tube cooler. Cryogenics (Guildf) 2016;78:78-82.
Y. Yasukawa, N. Matsumoto, Y. Ueda, “Experimental Study on the Effect of Aftercooler Configuration on the Performance of Pulse Tube Cryocoolers, Cryogenics, Vol. 121, 2022, 103408
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
パルスチューブ冷凍機の高温側熱交換器を図11に示す。この熱交換器は熱交換器本体と外管(ケーシング)から構成され、内部のガス(通常ヘリウムガス)と熱交換器本体間で熱伝達により熱交換し、その伝熱部材である熱交換器本体から外管(ケーシング)へ熱伝導で伝熱する。外管と熱交換器本体間は通常、部材間を熱的に接合する必要がある。内部のガスの熱は最終的に外管部材の外側から水冷や空冷により放熱するしくみである。文献1では、熱交換器本体に銅メッシュを用いており、銅メッシュと外側の伝熱部材である銅リングとの間を熱拡散接合して、この間で熱抵抗が発生しない工夫をしている。また、文献4では銅メッシュに銀メッキを施し、外側の伝熱部材である銅リングとの間では銀メッキを融解させて銀ロウ付けと同様の効果を期待して施工している。文献2および3では熱交換器本体として外管と一体型となったスリット形状のものを用いている。
【0006】
文献1の技術では、低温側、高温側熱交換器本体として銅メッシュを用いている。このパルスチューブ冷凍機は熱交換器の性能が十分ではなく(その他偏流による影響もあるが)、設計通りの冷凍機性能には達していない。また、文献4における、銅メッシュ型の熱交換器において、銅メッシュ型は多孔体型より冷凍機性能が劣る結果となっている。
【0007】
一方で、文献2、3および文献4の一部の技術では、スリット型、丸穴多孔体型の熱交換器が用いられている。文献2、3ではパルスチューブ冷凍機として冷凍機性能は所望の性能を達成したとしている。文献4の熱交換器の違いによる冷凍機性能の比較を図12として示す。この図において、横軸は音響パワー、縦軸は低温端無負荷到達温度である。多孔体型、バンドル型(何れも一様流型)の熱交換器の方が銅メッシュ型より低温端達温度が低く、冷凍機性能として高いことを示している。
【0008】
文献4には、通常の定常流での伝熱特性と振動流における伝熱特性が示されている。それによると、定常流では複雑流路系熱交換器の方が伝熱特性は良いが、振動流では反対に一様流路系熱交換器を組込んだ冷凍機の方が冷凍機特性は良くなるという結果が示されている。通常、銅メッシュ型のような複雑流路系は、比表面積を大きくでき、熱伝達率も高い。図9には、文献4の元データとなるデータを示す。振動流における定格運転時において、熱伝達率およびNuは先行研究による実験式を使用して計算した結果である。銅メッシュ型において、熱伝達率は他2つの10倍以上であり、比表面積も数倍以上と大きい。
【0009】
したがって、一般的には振動流での伝熱特性においても、銅メッシュ型の熱交換器を備えた冷凍機の冷凍機性能が良いと考えられる。しかし、実際にはそのような結果にはならなかった。これは、文献4で述べられているように、熱交換器内部の温度分布が一様ではなく、熱交換器の一部が蓄冷器とあたかも同様な熱的振る舞いをすることにより生じた結果であると考えられる。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、冷凍機の熱交換器の2つのパラメータをある範囲に選定することにより、高い冷凍機性能を有する冷凍機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

富士電機株式会社
半導体装置
6日前
富士電機株式会社
半導体装置
10日前
富士電機株式会社
自動販売機
17日前
富士電機株式会社
半導体装置
19日前
富士電機株式会社
半導体装置
6日前
富士電機株式会社
半導体装置
6日前
富士電機株式会社
冷却システム
3日前
富士電機株式会社
商品収納装置
4日前
富士電機株式会社
省エネ制御装置
19日前
富士電機株式会社
電力変換システム
10日前
富士電機株式会社
開閉装置用操作器
3日前
富士電機株式会社
炭化珪素半導体装置
10日前
富士電機株式会社
冷凍機および熱交換器
6日前
富士電機株式会社
集積回路、及び電源回路
12日前
富士電機株式会社
ヒートポンプ式蒸気生成装置
20日前
富士電機株式会社
ヒートポンプ式蒸気生成装置
10日前
富士電機株式会社
ヒートポンプ式蒸気生成装置
10日前
富士電機株式会社
電力変換装置及びその制御方法
17日前
富士電機株式会社
電子装置及び電子装置の製造方法
24日前
富士電機株式会社
診断システム、電気駆動ユニット
10日前
富士電機株式会社
情報処理システムおよび情報処理方法
3日前
富士電機株式会社
半導体装置および半導体装置の製造方法
19日前
富士電機株式会社
半導体装置および半導体装置の製造方法
17日前
富士電機株式会社
ログ情報解析装置、ログ情報解析システム
17日前
富士電機株式会社
異常検知装置、異常検知方法及びプログラム
24日前
富士電機株式会社
ブッシング及び電界緩和シールドの製造方法
12日前
富士電機株式会社
運転支援装置、運転支援方法及びプログラム
17日前
富士電機株式会社
情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
5日前
富士電機株式会社
ログ管理装置、ログ管理方法、及びログ管理プログラム
23日前
富士電機株式会社
炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
17日前
富士電機株式会社
炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
10日前
富士電機株式会社
診断方法
2日前
富士電機株式会社
半導体装置
5日前
富士電機株式会社
半導体装置
9日前
富士電機株式会社
半導体装置
9日前
富士電機株式会社
診断装置、制御装置、電力変換装置、診断方法、プログラム
10日前
続きを見る