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公開番号2024059319
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-01
出願番号2022166931
出願日2022-10-18
発明の名称船外機および船舶
出願人ヤマハ発動機株式会社
代理人個人
主分類F02D 41/30 20060101AFI20240423BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなることに起因して、一時貯留タンクへの燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することが可能な船外機および船舶を提供する。
【解決手段】船外機102は、エンジン1と、船体101に設けられた燃料タンク101aから燃料を船外機本体内に引き込む燃料ポンプ6cと、燃料を一時的に貯留する一時貯留タンク4と、一時貯留タンク4に貯留された燃料をエンジン1内に噴射する燃料噴射装置5と、一時貯留タンク4に設けられ、一時貯留タンク4に貯留された燃料の温度を検出する温度センサ7と、エンジン1が駆動している状態において、温度センサ7の検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数R1を超えることがないように制限する制御を行う制御部8と、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンと、
船体に設けられた燃料タンクから燃料を船外機本体内に引き込む燃料ポンプと、
前記燃料ポンプにより前記船外機本体内に引き込まれた前記燃料を一時的に貯留する一時貯留タンクと、
前記一時貯留タンクに貯留された前記燃料を前記エンジン内に噴射する燃料噴射装置と、
前記一時貯留タンクに設けられ、前記一時貯留タンクに貯留された前記燃料の温度を検出する温度センサと、
前記エンジンが駆動している状態において、前記温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部と、を備える、船外機。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度がしきい値温度以上である場合に、前記エンジン回転数を前記上限回転数を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の船外機。
【請求項3】
前記制御部は、前記しきい値温度以上の前記燃料の温度範囲において、前記燃料の温度が高くなる程、前記上限回転数を小さくする制御を行うように構成されている、請求項2に記載の船外機。
【請求項4】
前記制御部は、前記燃料の温度が前記しきい値温度よりも大きな上限温度以上である場合には、前記上限回転数を、前記燃料の温度が前記しきい値温度である場合の前記上限回転数よりも小さな一定の値を取る最小上限回転数に保持する制御を行うように構成されている、請求項3に記載の船外機。
【請求項5】
前記制御部は、前記エンジン回転数を前記上限回転数を超えることがないように制限して、少なくとも、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度が前記しきい値温度未満になった状態で、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項2に記載の船外機。
【請求項6】
前記制御部は、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度が前記しきい値温度未満になり、かつ、前記エンジン回転数が前記上限回転数よりも小さな所定の解除回転数以下になった場合には、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項5に記載の船外機。
【請求項7】
前記制御部は、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を開始してから所定時間が経過した場合には、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項1に記載の船外機。
【請求項8】
前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限が開始された場合に、前記上限回転数による制限が開始されたことをユーザに通知する通知部をさらに備える、請求項1に記載の船外機。
【請求項9】
前記燃料タンクと前記一時貯留タンクとの間に配置され、手動で駆動されることにより前記燃料を前記燃料タンクから前記一時貯留タンク内に送る手動ポンプをさらに備え、
前記通知部は、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限が解除されずに継続される状態である場合に、前記手動ポンプを手動により駆動することをユーザに促す所定のメッセージを表示する表示部を含む、請求項8に記載の船外機。
【請求項10】
前記温度センサは、前記一時貯留タンクの外表面に接触した状態で配置され、前記外表面を介して前記燃料の温度を検出するように構成されている、請求項1に記載の船外機。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、船外機および船舶に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、燃料噴射装置に接続された一時貯留タンクを備える船外機および船舶が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、船体に設けられる燃料タンクから燃料を汲み上げる低圧燃料ポンプと、エンジン近傍に設けられた一時貯留タンクと、一時貯留タンクに設けられた温度センサおよび高圧燃料ポンプとを備える船外機が開示されている。一時貯留タンクは、低圧燃料ポンプにより燃料タンクから燃料が供給され、高圧燃料ポンプにより噴射ノズルに燃料を送るように構成されている。温度センサは、一時貯留タンク内の燃料の温度を検出するように構成されている。
【0004】
また、船外機は、エンジン停止中の温度センサの検出値に基づいて、エンジンの始動時に高圧燃料ポンプの駆動を制御する制御部をさらに備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-132573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、従来より船外機の分野では、エンジンが駆動している間において、エンジンの温度上昇に起因して、一時貯留タンクの燃料が過度に温度上昇して、一時貯留タンク内の燃料が気化することが知られている。このような場合、一時貯留タンク内の圧力が上昇して、燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなる。すなわち、いわゆるベーパーロックが発生する。その結果、燃料の供給不足に伴うユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することがある。上記特許文献1の船外機においてこのような課題について考えた場合、制御部は、エンジンが駆動している間ではなくエンジンを始動する際の高圧燃料ポンプの駆動を制御するものであり、上記のようなエンジンが駆動している状態での課題は解決されない。このため、上記特許文献1の船外機においても、一時貯留タンク内の燃料の温度が上昇した場合、燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなり、燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生するという懸念があり、改善が必要である。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなることに起因して、一時貯留タンクへの燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することが可能な船外機および船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明の第1の局面による船外機は、エンジンと、船体に設けられた燃料タンクから燃料を船外機本体内に引き込む燃料ポンプと、燃料ポンプにより船外機本体内に引き込まれた燃料を一時的に貯留する一時貯留タンクと、一時貯留タンクに貯留された燃料をエンジン内に噴射する燃料噴射装置と、一時貯留タンクに設けられ、一時貯留タンクに貯留された燃料の温度を検出する温度センサと、エンジンが駆動している状態において、温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部と、を備える。
【0009】
この第1の局面による船外機では、上記のように、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンクに貯留された燃料の温度を検出する温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部を備える。これによって、温度センサにより検出される一時貯留タンクの燃料の温度に基づいて、エンジン回転数が所定の上限回転数に制限することができるので、エンジンの温度が過度に上昇しないようにすることができる。これにより、エンジンの過度の温度上昇に起因して一時貯留タンクの燃料が気化する温度にならないようにすることができる。また、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限することによって、エンジンでの燃料の消費量を低減して一時貯留タンク内の燃料がすべて消費されるまでの時間を長く確保することができる。その結果、確保された時間の間に燃料タンクから燃料を汲み上げて一時貯留タンク内の温度上昇した燃料に混ぜ合わせることによって、一時貯留タンク内の燃料の温度を効果的に低下させることができる。これらの結果、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなること(いわゆるベーパーロック)に起因して、一時貯留タンクへの燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、制御部は、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度以上である場合に、エンジン回転数を上限回転数を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、一時貯留タンク内の燃料の温度にしきい値温度が設けられるので、一時貯留タンク内の燃料の温度上昇をより抑制して、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなること(いわゆるベーパーロックが発生すること)をより抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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