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公開番号2025157927
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-16
出願番号2024060284
出願日2024-04-03
発明の名称トナー用結晶性樹脂含有組成物
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/097 20060101AFI20251008BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】光沢性に優れたトナー用結晶性樹脂含有組成物及び該組成物を含有する静電荷像現像用トナーに関すること。
【解決手段】結晶性ポリエステル系樹脂、非晶性ポリエステル系樹脂、及びヒドロキシ基含有アミド化合物を含有するトナー用結晶性樹脂含有組成物であって、前記結晶性ポリエステル系樹脂が、エチレングリコールを80モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分の重縮合物である結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、前記ヒドロキシ基含有アミド化合物が、式(I):
R¹-CONH-X-NHCO-R² (I)
又は式(II):
R³-CONH-R⁴ (II)
で表される化合物であり、前記ヒドロキシ基含有アミド化合物の含有量が、前記結晶性ポリエステル系樹脂と前記非晶性ポリエステル系樹脂の合計量100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下である、トナー用結晶性樹脂含有組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
結晶性ポリエステル系樹脂、非晶性ポリエステル系樹脂、及びヒドロキシ基含有アミド化合物を含有するトナー用結晶性樹脂含有組成物であって、前記結晶性ポリエステル系樹脂が、エチレングリコールを８０モル％以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分の重縮合物である結晶性ポリエステル樹脂Ｃを含有し、前記ヒドロキシ基含有アミド化合物が、式（Ｉ）：
Ｒ
１
－ＣＯＮＨ－Ｘ－ＮＨＣＯ－Ｒ
２
（Ｉ）
（式中、Ｒ
１
及びＲ
２
は、それぞれ独立して、炭素数１２以上２２以下のヒドロキシアルキル基であり、Ｘは、炭素数２以上１２以下の２価の炭化水素基である）
又は式（ＩＩ）：
Ｒ
３
－ＣＯＮＨ－Ｒ
４
（ＩＩ）
（式中、Ｒ
３
は、炭素数１２以上２２以下のヒドロキシアルキル基であり、Ｒ
４
は、炭素数２以上２２以下のヒドロキシアルキル基である）
で表される化合物であり、前記ヒドロキシ基含有アミド化合物の含有量が、前記結晶性ポリエステル系樹脂と前記非晶性ポリエステル系樹脂の合計量１００質量部に対して、０．５質量部以上１０質量部以下である、トナー用結晶性樹脂含有組成物。
続きを表示（約 580 文字）【請求項２】
結晶性ポリエステル樹脂Ｃのカルボン酸成分が、炭素数１２以上３０以下の脂肪族モノカルボン酸系化合物を含有する、請求項１記載のトナー用結晶性樹脂含有組成物。
【請求項３】
非晶性ポリエステル系樹脂が、式（ＩＩＩ）：
TIFF
2025157927000005.tif
30
169
（式中、ＯＲ
５
及びＲ
５
Ｏはオキシアルキレン基であり、Ｒ
５
はエチレン基及び／又はプロピレン基であり、ｘ及びｙはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、ｘとｙの和の値は、１以上１６以下である）
で表されるビスフェノールＡのアルキレンオキサイド付加物を含有するアルコール成分とカルボン酸成分の重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂Ａを含有する、請求項１又は２記載のトナー用結晶性樹脂含有組成物。
【請求項４】
結晶性ポリエステル樹脂Ｃの含有量が、結晶性ポリエステル系樹脂と非晶性ポリエステル系樹脂の合計量中、５質量％以上２５質量％以下である、請求項１又は２記載のトナー用結晶性樹脂含有組成物。
【請求項５】
請求項１又は２記載のトナー用結晶性樹脂含有組成物を含有する静電荷像現像用トナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結晶性樹脂含有組成物及び該組成物を含有する静電荷像現像用トナーに関する。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、産業印刷や商業印刷にトナーを用いた印刷が用いられるようになってきており、印刷物の光沢性を向上させることが求められている。
【０００３】
一方、保存性、耐久性、帯電性等の観点から、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とともに、アミド化合物をトナー原料として用いることが検討されている（特許文献１～４参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１９－８２４９号公報
特開２０１９－９５５４３号公報
特開２００９－２５１１９２号公報
特開２００９－２５１１９３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
トナーの低温定着性の向上に有効な結着樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を用いることが知られているが、その一方で、結晶性ポリエステル樹脂を用いると印刷物の光沢性が低下しやすいという課題がある。
【０００６】
本発明は、光沢性に優れたトナー用結晶性樹脂含有組成物及び該組成物を含有する静電荷像現像用トナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、
〔１〕結晶性ポリエステル系樹脂、非晶性ポリエステル系樹脂、及びヒドロキシ基含有アミド化合物を含有するトナー用結晶性樹脂含有組成物であって、前記結晶性ポリエステル系樹脂が、エチレングリコールを８０モル％以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分の重縮合物である結晶性ポリエステル樹脂Ｃを含有し、前記ヒドロキシ基含有アミド化合物が、式（Ｉ）：
Ｒ
１
－ＣＯＮＨ－Ｘ－ＮＨＣＯ－Ｒ
２
（Ｉ）
（式中、Ｒ
１
及びＲ
２
は、それぞれ独立して、炭素数１２以上２２以下のヒドロキシアルキル基であり、Ｘは、炭素数２以上１２以下の２価の炭化水素基である）
又は式（ＩＩ）：
Ｒ
３
－ＣＯＮＨ－Ｒ
４
（ＩＩ）
（式中、Ｒ
３
は、炭素数１２以上２２以下のヒドロキシアルキル基であり、Ｒ
４
は、炭素数２以上２２以下のヒドロキシアルキル基である）
で表される化合物であり、前記ヒドロキシ基含有アミド化合物の含有量が、前記結晶性ポリエステル系樹脂と前記非晶性ポリエステル系樹脂の合計量１００質量部に対して、０．５質量部以上１０質量部以下である、トナー用結晶性樹脂含有組成物、並びに
〔２〕前記〔１〕記載のトナー用結晶性樹脂含有組成物を含有する静電荷像現像用トナー
に関する。
【発明の効果】
【０００８】
本発明のトナー用結晶性樹脂含有組成物は、光沢性において優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
本発明のトナー用結晶性樹脂含有組成物は、結晶性ポリエステル系樹脂、非晶性ポリエステル系樹脂、及びアミド化合物を含有し、結晶性ポリエステル系樹脂が、アルコール成分の主成分としてエチレングリコールを用いた結晶性ポリエステル樹脂を含有し、アミド化合物として、所定のヒドロキシ基含有アミド化合物を含有している点に大きな特徴を有する。本発明の組成物が、光沢性に優れる理由は定かではないが、以下のように推察される。なお、下記メカニズムは推定であり、これに限定されるものではない。
【００１０】
結晶性ポリエステル樹脂による光沢性の低下は、保管後の印刷物において、少ない結晶核に対して結晶成長が進んでいくため、結晶性ポリエステル樹脂の粗大なドメインが生成することによるものと推察される。これに対し、特定のアミド化合物を併用することで、アミド化合物が核剤として作用し、結晶性ポリエステル樹脂の結晶核生成を促進し、粗大なドメインの生成を抑制することが期待される。
しかしながら、アミド化合物のなかで、長鎖アルキル基を有する脂肪酸アミドは、長鎖アルキル基の凝集力が強いため、非晶性ポリエステル系樹脂中での分散性が低く、結晶性ポリエステル樹脂の結晶核生成を促進する効果が弱い。そこで、ヒドロキシ基を含有する脂肪酸アミド（ヒドロキシ基含有アミド化合物）を用いることで、ヒドロキシ基によってアミド化合物同士の凝集力が阻害され、アミド化合物の分散が良好になる。その結果、結晶性ポリエステル樹脂の結晶核生成を促進する効果が大きくなる。
一方、従来の結晶性ポリエステル樹脂は、モノマーの鎖長が長く、エステル基同士が離れているため、エステル結合の凝集力が低い。そこで、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分の主成分としてエチレングリコールを用いることで、エステル基が密に局在し、ヒドロキシ基含有アミド化合物とエステル基の凝集力が高くなり、ヒドロキシ基含有アミド化合物の分散性が高まる。その結果、結晶成長の起点が多くなり、結晶性ポリエステル樹脂のドメインが小さくなることで、印刷物の保管後の光散乱が抑制され、光沢性が向上するものと考えられる。
（【００１１】以降は省略されています）

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