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公開番号2025151521
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024052999
出願日2024-03-28
発明の名称静電荷像現像用トナー
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20251002BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】プラスチックフィルムに対して、高い定着性を示す画像を形成でき、かつ耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーに関する。
【解決手段】結着樹脂と、ポリウレタン樹脂とを含有する静電荷像現像用トナーであって、ポリウレタン樹脂の破断伸度が200%以上1500%以下であり、かつ、ガラス転移温度が0℃以上95℃以下である、静電荷像現像用トナー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂と、ポリウレタン樹脂とを含有する静電荷像現像用トナーであって、
ポリウレタン樹脂の破断伸度が200%以上1500%以下であり、かつ、ガラス転移温度が0℃以上95℃以下である、静電荷像現像用トナー。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
ポリウレタン樹脂が、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項3】
ポリウレタン樹脂がポリエーテル系ポリウレタン樹脂を含む、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項4】
結着樹脂及びポリウレタン樹脂の含有量の合計に占めるポリウレタン樹脂の含有量の割合が3質量%以上50質量%以下である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
【請求項5】
結着樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有する、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
印刷メディアの多様化により、紙以外の印刷メディアへの電子写真印刷が求められ始めている。主要なメディアとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムなどのプラスチックフィルムがあり、ペットボトルラベルや種々のパッケージなどに用いられている。これらプラスチックフィルムは、表面が平滑であるために、当該表面と、当該表面に電子写真用トナーを印刷して形成される画像(印刷塗膜)との間にアンカー効果が働きにくく、プラスチックフィルムから画像が剥がれやすい。
【0003】
特許文献1には、低温定着性及び保存安定性に優れ、出力された画像における折り曲げ耐性にも優れたトナーを提供することを目的として、結着樹脂と熱可塑性エラストマーとを含有するトナーであって、前記トナー中において、前記熱可塑性エラストマーの一部は、前記結着樹脂と相溶しており、前記トナー中には、前記熱可塑性エラストマーに由来する結晶性部分が存在していることを特徴とするトナーが記載されている。
また、特許文献2には、紙への定着性も良好でトナーとしての基本性能を有しながら、プラスチックフィルム、特にナイロンフィルムへの定着性に優れる静電荷像現像用トナーを得ることを目的として、ポリエステルセグメントとポリウレタンセグメントとを有する複合樹脂を含有し、前記複合樹脂中のポリエステルセグメント/ポリウレタンセグメントの質量比率が、20/80以上80/20以下であり、前記ポリウレタンセグメントが、ポリエーテルポリオールを含むポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応物であるポリウレタンである、静電荷像現像用トナーが記載されている。
また、特許文献3には、低温定着性と耐高温オフセット性の両立が可能で、且つ、定着後のトナー像と支持体との接着強度が高く、支持体を折り曲げても折り曲げ部のトナーが剥離しない折り目定着強度に優れ、且つ耐ブロッキング性にも優れたトナー等を提供することを目的として、少なくとも着色剤と結着樹脂を含有するトナーであって、前記結着樹脂が(A)少なくともポリマージオールセグメントとジイソシアネートとを反応させて得られたポリウレタンおよび(B)スチレンアクリル樹脂を含有し、かつ(A)と(B)の総質量に対して(A)の質量が1.0~5.0質量%であることを特徴とするトナーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-254199号公報
特開2018-41026号公報
特開2011-237608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プラスチックフィルムを使用した包装材では、デザインや成分表示の剥離を抑制する観点から、プラスチックフィルムに対して、長期に渡り画像を強固に定着させる必要がある。プラスチックフィルムへの画像の定着性を向上させるためには、ガラス転移温度の低い接着剤等の成分をトナーに含有させる方法がある。しかし、ガラス転移温度の低い接着剤等の成分をトナーに含有させると、トナーの耐熱保存性が低下する問題がある。
本発明は、プラスチックフィルムに対して、高い定着性を示す画像を形成でき、かつ耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、特定の物性を有するポリウレタン樹脂と結着樹脂とを組み合わせてトナーに含有させることにより、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、以下の〔1〕に関する。
〔1〕結着樹脂と、ポリウレタン樹脂とを含有する静電荷像現像用トナーであって、
ポリウレタン樹脂の破断伸度が200%以上1500%以下であり、かつ、ガラス転移温度が0℃以上95℃以下である、静電荷像現像用トナー。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プラスチックフィルムに対し、高い定着性を示す画像を形成でき、かつ耐熱保存性に優れる静電荷像現像用トナーが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[静電荷像現像用トナー]
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)は、結着樹脂と、ポリウレタン樹脂とを含有し、ポリウレタン樹脂の破断伸度が200%以上1500%以下であり、かつ、ガラス転移温度が0℃以上95℃以下である。
なお、結着樹脂及びポリウレタン樹脂を含むトナー粒子(以下、単に「トナー粒子」ともいう)を、本発明のトナーとしてそのまま用いることもできるが、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。
【0009】
本発明のトナーを用いて、プラスチックフィルムに対して、高い定着性を示す印刷塗膜(画像)を形成でき、かつ、本発明のトナーは耐熱保存性に優れる。本発明のトナーが、かかる効果を奏する理由は定かではないが、次のように考えられる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、プラスチックフィルム上に印刷塗膜を形成後、時間の経過に伴って、プラスチックフィルムから印刷塗膜の剥離が進行してしまう原因は、印刷塗膜中に発生する内部応力にあり、剥離の進行を抑制するには、トナーに応力緩和作用を付与することが有効と考えた。
本発明のトナーが含有するポリウレタン樹脂は、高極性のウレタン結合を含むことで、プラスチックフィルムに対して高い接着性を示す。更に、本発明のトナーが含有するポリウレタン樹脂は、破断伸度が200%以上1500%以下、すなわち、高伸度で柔軟性が高いことにより、印刷塗膜中に発生する応力を緩和することができる。そのため、本発明のトナーを用いて形成された印刷塗膜は、プラスチックフィルムに対して、高い定着性を長い時間示すことができたと考えられる。
ここで、一般的に高伸度のポリウレタン樹脂はガラス転移温度が低く、トナーの耐熱保存性を低下させる要因となる。しかし、本発明では高伸度でありながら、ガラス転移温度が0℃以上95℃以下のポリウレタン樹脂を選択することで、トナーの耐熱保存性を損なうことなく、プラスチックフィルムに対して、長時間にわたって高い定着性を示す印刷塗膜を形成することができたと考えられる。
なお、本発明が効果を奏する理由は推定であり、上記記載に限定されるものではない。
【0010】
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
明細書中、ポリエステル系樹脂のカルボン酸成分には、その化合物のみならず、反応中に分解してカルボン酸を生成する無水物、及び各カルボン酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素数1以上3以下)も含まれる。
樹脂が結晶性であるか非晶性であるかについては、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、後述する実施例に記載の測定方法における、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピーク温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下のものである。非晶性樹脂とは、吸熱ピークが観測されないか、観測される場合は、結晶性指数が0.6未満又は1.4超のものである。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
炭化水素基に関して、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」を括弧とする記載は、これらの接頭辞が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの接頭辞が存在しない場合には、ノルマルを示す。
「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種を意味する。
「スチレン系化合物」とは、無置換又は置換のスチレンを意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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