TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025138469
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2024037580
出願日2024-03-11
発明の名称積層塗膜及びその形成方法
出願人マツダ株式会社,日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類B32B 27/40 20060101AFI20250917BHJP(積層体)
要約【課題】クリヤ塗膜4からベース塗膜3へのポリイソシアネートの移行を適切なものにして耐チッピング性を向上させる。
【解決手段】被塗物1上の電着塗膜2の直上にポリオール由来の樹脂成分を含むベース塗膜3及びポリウレタン系のクリヤ塗膜4が積層されている積層塗膜である。ベース塗膜3は光輝材としてのアルミフレークを含む第1ベース塗膜5と着色材を含む第2ベース塗膜6の二層構造である。第2ベース塗膜6の光線透過率は波長700nmで85%以上99%以下、波長480nmで2%以下である。クリヤ塗膜4はポリオールとポリイソシアネートをNCO/OHに換算して0.9以上1.3未満の範囲で含有する。ベース塗膜3はクリヤ塗膜4から移行したポリイソシアネートを該ベース塗膜3の当該ポリイソシアネートの移行がないときの塗膜固形分に対して16質量%以上含有する。ベース塗膜3の乾燥膜厚が20μm未満、クリヤ塗膜4の乾燥膜厚が45μm未満である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被塗物上の電着塗膜の直上に、ポリオール由来の樹脂成分を含むベース塗膜が積層され、該ベース塗膜の上にポリウレタン系のクリヤ塗膜が積層されている積層塗膜であって、
上記ベース塗膜は、光輝材を含む第1ベース塗膜と、該第1ベース塗膜の上に積層され且つ着色材を含む第2ベース塗膜と、よりなる二層構造を有し、
上記第1ベース塗膜は、上記光輝材として、アルミフレークを含み、
上記第2ベース塗膜の光線透過率は、波長700nmにおいては85%以上99%以下、且つ、波長480nmにおいては2%以下であり、
上記クリヤ塗膜は、ポリオールとポリイソシアネートを、OH基に対するNCO基のモル比(NCO/OH)に換算して0.9以上1.3未満の範囲で含有し、
上記ベース塗膜は、上記クリヤ塗膜から移行したポリイソシアネートを、該ベース塗膜の当該ポリイソシアネートの移行がないときの塗膜固形分に対して16質量%以上含有し、
上記ベース塗膜の乾燥膜厚が20μm未満であり、
上記クリヤ塗膜の乾燥膜厚が45μm未満であることを特徴とする積層塗膜。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1において、
上記ベース塗膜の乾燥膜厚が17μm未満であることを特徴とする積層塗膜。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
上記クリヤ塗膜の乾燥膜厚が30μm未満であることを特徴とする積層塗膜。
【請求項4】
請求項1又は請求項2において、
上記モル比が1.0以上1.2未満であることを特徴とする積層塗膜。
【請求項5】
請求項1又は請求項2において、
上記第1ベース塗膜は、上記光輝材として、さらに酸化クロムフレークを含むことを特徴とする積層塗膜。
【請求項6】
請求項1又は請求項2において、
上記第2ベース塗膜は、上記着色材として、有機顔料を含むことを特徴とする積層塗膜。
【請求項7】
請求項6において、
上記有機顔料は、ペリレンレッドであることを特徴とする積層塗膜。
【請求項8】
被塗物上の硬化電着塗膜の直上に、ポリオール及び該ポリオールのOH基と反応する硬化剤並びに光輝材を含有する第1ベース塗料を塗布し、その上にポリオール及び該ポリオールのOH基と反応する硬化剤並びに着色材を含有する第2ベース塗料をウェットオンウェットで塗布し、その直上に2液硬化型ポリウレタンクリヤ塗料をウェットオンウェットで塗布することにより、未硬化の第1ベース塗膜、未硬化の第2ベース塗膜及び未硬化のクリヤ塗膜を形成し、該第1ベース塗膜、該第2ベース塗膜及び該クリヤ塗膜を同時に焼付け硬化させる積層塗膜形成方法において、
上記第1ベース塗料は、上記光輝材として、アルミフレークを含み、
焼付け硬化させた上記第2ベース塗膜の光線透過率は、波長700nmにおいては85%以上99%以下、且つ、波長480nmにおいては2%以下であり、
上記2液硬化型ポリウレタンクリヤ塗料は、ポリイソシアネートを該2液硬化型ポリウレタンクリヤ塗料中のポリオールのOH基に対するNCO基のモル比(NCO/OH)で1.4以上含有し、
上記クリヤ塗膜から上記ベース塗膜への上記2液硬化型ポリウレタンクリヤ塗料の上記ポリイソシアネートの移行量が上記ベース塗料の塗膜固形分に対し16質量%以上であって、上記クリヤ塗膜における上記ポリイソシアネートの残存量が上記モル比で0.9以上1.3未満であり、
上記第1ベース塗膜と上記第2ベース塗膜とよりなるベース塗膜の上記焼付け硬化後の乾燥膜厚が20μm未満であり、
上記クリヤ塗膜の上記焼付け硬化後の乾燥膜厚が45μm未満であることを特徴とする積層塗膜形成方法。
【請求項9】
請求項8において、
上記ベース塗膜の上記乾燥膜厚が17μm未満であることを特徴とする積層塗膜形成方法。
【請求項10】
請求項8又は請求項9において、
上記クリヤ塗膜の上記乾燥膜厚が30μm未満であることを特徴とする積層塗膜形成方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体に好ましく用いられる積層塗膜及びその形成方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
自動車の車体における塗膜形成方法としては、例えば被塗物に電着塗装を施し、その塗膜を加熱硬化させた後、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤ塗料の塗装を順に行なって、それら塗膜の焼き付け硬化を行なう3コート1ベーク方式により積層塗膜を形成せしめる方法が知られている。また、中塗り塗装をせずに、ベース塗料及びクリヤ塗料を順に塗装して焼き付け硬化を行なう2コート1ベーク方式も知られている。或いは、中塗り塗装をせずに、第1ベース塗料、第2ベース塗料及びクリヤ塗料を順に塗装して焼き付け硬化を行なう3コート1ベーク方式も知られている。これらの塗膜形成方法は未硬化、すなわちウェットな状態のベース塗膜の上にクリヤ塗料を塗布するのでウェットオンウェット方式と呼ばれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、被塗物の電着塗膜の上に、ポリオール樹脂及び該ポリオール樹脂の水酸基と反応する硬化剤を含有する溶剤型ベース塗料を塗布し、その上にポリオール樹脂及びポリイソシアネートを含有する2液ウレタンクリヤ塗料をウェットオンウェットで塗布することによりベース塗膜及びクリヤ塗膜を形成し、該ベース塗膜及びクリヤ塗膜を同時に焼付け硬化させることが記載されている。
【0004】
中塗り塗膜は外力に対する衝撃緩和の役割を有し、これを省くと、耐チッピング性(飛び石に対する塗膜の耐剥離性)が低下する。その対策として、特許文献1では、クリヤ塗装に衝撃吸収性が高い2液ウレタンクリヤ塗料が採用されている。また、ウェットオンウェット方式の場合、クリヤ塗膜からポリイソシアネートの一部がベース塗膜に移行する。特許文献1では、クリヤ塗膜から移行するポリイソシアネートがベース塗膜の仕上がり性を低下させることを問題とし、ベース塗料に高分子量の星形ポリオール樹脂を採用することで、ポリイソシアネートの移行を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-200791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、種々の積層塗膜の試作研究により、クリヤ塗膜からポリイソシアネートの一部がベース塗膜に移行すると、ベース塗膜の破断エネルギーが高くなるケースがあること、さらに、そのポリイソシアネートがベース塗膜と電着塗膜の界面に達すると、ベース塗膜と電着塗膜の接着強度が高くなるケースがあることを見出した。一方、クリヤ塗膜からベース塗膜へのポリイソシアネートの移行によってクリヤ塗膜のポリオールに対してポリイソシアネートに過不足を生ずると、クリヤ塗膜に所期の物性が得られなくなる。
【0007】
そこで、本発明は、クリヤ塗膜の物性、ベース塗膜の破断エネルギーの向上及びベース塗膜と接着強度向上の観点から、クリヤ塗膜からベース塗膜へのポリイソシアネートの移行を適切なものにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、ベース塗膜及びクリヤ塗膜各々の膜厚、クリヤ塗膜からベース塗膜へのポリイソシアネートの移行量、クリヤ塗膜のポリイソシアネート残存量を制御するようにした。
【0009】
ここに開示する積層塗膜は、被塗物上の電着塗膜の直上に、ポリオール由来の樹脂成分を含むベース塗膜が積層され、該ベース塗膜の上にポリウレタン系のクリヤ塗膜が積層されている積層塗膜であって、
上記ベース塗膜は、光輝材を含む第1ベース塗膜と、該第1ベース塗膜の上に積層され且つ着色材を含む第2ベース塗膜と、よりなる二層構造を有し、
上記第1ベース塗膜は、上記光輝材として、アルミフレークを含み、
上記第2ベース塗膜の光線透過率は、波長700nmにおいては85%以上99%以下、且つ、波長480nmにおいては2%以下であり、
上記クリヤ塗膜は、ポリオールとポリイソシアネートを、OH基に対するNCO基のモル比(NCO/OH)に換算して0.9以上1.3未満の範囲で含有し、
上記ベース塗膜は、上記クリヤ塗膜から移行したポリイソシアネートを、該ベース塗膜の当該ポリイソシアネートの移行がないときの塗膜固形分に対して16質量%以上含有し、
上記ベース塗膜の乾燥膜厚が20μm未満であり、
上記クリヤ塗膜の乾燥膜厚が45μm未満であることを特徴とする。
【0010】
従来塗膜の一例として、例えば電着塗膜の上に、光輝材としてのアルミフレークを含有しない第1ベース塗膜、第2ベース塗膜及びクリヤ塗膜がこの順に積層されてなる塗膜が一般的である。このうち、電着塗膜上に積層された第1ベース塗膜が最も耐チッピング性に影響を与えると考えられる。従来塗膜の場合、電着塗膜上にある第1ベース塗膜にアルミフレークが存在していないので、元々十分な柔軟性を有する設計となっており、十分な耐チッピング性が確保されている。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

マツダ株式会社
二次電池
10日前
マツダ株式会社
排気浄化装置
26日前
マツダ株式会社
排気浄化装置
26日前
マツダ株式会社
車両用駆動装置
18日前
マツダ株式会社
車両用駆動装置
18日前
マツダ株式会社
車両用駆動装置
18日前
マツダ株式会社
車両用駆動装置
18日前
マツダ株式会社
車両用駆動装置
18日前
マツダ株式会社
冷媒循環システム
12日前
マツダ株式会社
冷媒循環システム
12日前
マツダ株式会社
冷媒循環システム
12日前
マツダ株式会社
冷媒循環システム
12日前
マツダ株式会社
冷媒循環システム
12日前
マツダ株式会社
冷媒循環システム
12日前
マツダ株式会社
冷媒循環システム
12日前
マツダ株式会社
冷媒循環システム
12日前
マツダ株式会社
エンジンシステム
27日前
マツダ株式会社
エンジンシステム
27日前
マツダ株式会社
車両の下部車体構造
今日
マツダ株式会社
車両の下部車体構造
今日
マツダ株式会社
モータ軸受システム
今日
マツダ株式会社
車両の下部車体構造
今日
マツダ株式会社
モータ軸受システム
今日
マツダ株式会社
車両運転支援システム
10日前
マツダ株式会社
樹脂発泡体及びシート
11日前
マツダ株式会社
車両運転支援システム
今日
マツダ株式会社
車両運転支援システム
今日
マツダ株式会社
車両運転支援システム
10日前
マツダ株式会社
車両用サンシェード装置
4日前
マツダ株式会社
車両用サンシェード装置
4日前
マツダ株式会社
車両用サンシェード装置
4日前
マツダ株式会社
車両用サンシェード装置
4日前
マツダ株式会社
積層塗膜及びその形成方法
4日前
マツダ株式会社
エンジン搭載車両の燃料改質システム
1か月前
マツダ株式会社
エンジン搭載車両の燃料改質システム
1か月前
マツダ株式会社
エンジン搭載車両の燃料改質システム
1か月前
続きを見る