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公開番号2025136276
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024034655
出願日2024-03-07
発明の名称摩擦攪拌接合装置、および摩擦撹拌接合方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類B23K 20/12 20060101AFI20250911BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】耐食処理工程を新たに設けることなく、接合工程の中で電蝕の発生を抑制することができる摩擦撹拌接合装置、および摩擦撹拌接合方法を提供する。
【解決手段】積層体PPを支持するアンビル10と、アンビル10に対向配置されつつ、積層体PPに対して進退可能、回転可能に配置されたプローブ20と、アンビル10とともに積層体PPを挟持するショルダー部材30と、を備え、プローブ20は、板状部材Pと摺接によって生じた摩擦熱によって軟化した板状部材Pに接合穴P4を形成しつつ、接合するとともに、接合穴P4の周囲に、土手状に突出する肉盛り部P5を形成する接合プローブ21と、肉盛り部P5との摺接によって生じた摩擦熱によって軟化した肉盛り部P5を接合穴P4に埋戻す埋戻しプローブ22と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
積層された板状部材からなる積層体を支持するアンビルと、
該アンビルに対向配置されつつ、該積層体に対して進退可能、且つ進退方向に沿った回転軸を中心に回転可能に配置されたプローブと、
該プローブが挿通可能な筒形状を有し、該アンビルとともに該積層体を挟持するショルダー部材と、
を備え、
該プローブは、
該板状部材に向かって進出し、具備する接合面が該板状部材と摺接することで生じる摩擦熱によって軟化した該板状部材に接合穴を形成しつつ、接合し、且つ該接合穴の周囲に該ショルダー部材の内周面に沿いつつ、板面から土手状に突出する肉盛り部を形成する接合プローブと、
該板状部材に向かって進出し、具備する埋戻し面が該肉盛り部に摺接することで生じる摩擦熱によって軟化した該肉盛り部を該接合穴に埋戻す埋戻しプローブと、
を備え、
該接合プローブと該埋戻しプローブとが、交換可能に配置された
ことを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
請求項1に記載の摩擦撹拌接合装置において、
前記埋戻しプローブは、
進退方向に沿った回転軸を中心に回転可能に配置され、
前記埋戻し面は、
該回転軸を中心とする円形を有し、
その中心に前記積層体に向かって突出する埋戻し突起を備える
ことを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
【請求項3】
請求項1に記載の摩擦撹拌接合装置において、
前記埋戻しプローブは、
進退方向に沿った回転軸を中心に回転可能に配置され、
前記埋戻し面は、
該回転軸を中心としつつ、その外周縁が前記肉盛り部の外周縁よりも外側に位置するように形成された円形を有し、
その中央部分が前記積層体の板面から最も離れるように凹む曲面からなる凹面形状を備える
ことを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
【請求項4】
請求項1に記載の摩擦撹拌接合装置において、
前記埋戻しプローブは、
進退方向に沿った回転軸を中心に回転可能に配置され、
前記埋戻し面は、
該回転軸を中心としつつ、その外周縁が前記肉盛り部の外周縁よりも外側に位置するように形成された円形を有し、
その外周縁から該回転軸まで連続する渦巻き状の渦巻き溝を備える
ことを特徴とする摩擦撹拌接合装置。
【請求項5】
アンビルが積層体を支持するステップと、
接合プローブの接合面を積層体に押し付け、摺接による摩擦熱で積層体を軟化させて、板状部材同士を接合しつつ、接合穴を形成し、且つ肉盛り部を形成するステップと、
該接合プローブを埋戻しプローブに交換するステップと、
該埋戻しプローブの埋戻し面を該肉盛り部に押し付け、摺接による摩擦熱で該肉盛り部を軟化させ、該埋戻し面によって、該接合穴へ軟化した肉盛り部を埋め戻すステップと、
を備えることを特徴とする摩擦撹拌接合方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦撹拌を用いて積層された板状部材を接合する摩擦攪拌接合装置、および摩擦攪拌接合方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年では、製品の製造工程における大気の質に関する環境への悪影響の低減(SDGs11.6)、およびエネルギー効率の改善(SDGs7.3)が強く求められている。
このような流れの中で、複数の部材を接合する手法が見直されてきている。
たとえば、複数の金属の板材を互いに接合する方法として、アーク溶接等の溶接方法が広く採用されている。ところが、このような接合方法に比べ、接合工程時に発生するガスを抑制できること、消費電力が低減できることから、特許文献1に提案されるような摩擦攪拌を用いた接合方法が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-013804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、摩擦撹拌を用いて、素材の異なる金属を接合した場合、接合した箇所で電位差の大きい材料隣接部が表面に露出する。
このため、接合箇所が結露などで水などと接触した場合には、電蝕が発生してしまうことから、電蝕を防ぐためには、耐食処理(化成処理、止水シーラー塗布など)が必要になり、工程が煩雑になるという問題がある。
【0005】
本発明は、前述の点に鑑みてなされたものであり、材料隣接部に対する止水シーラー塗布工程を新たに設けることなく、接合工程の中で電蝕の発生を抑制することができる摩擦撹拌接合装置、および摩擦撹拌接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明に係る摩擦撹拌接合装置は、積層された板状部材からなる積層体を支持するアンビルと、該アンビルに対向配置されつつ、該積層体に対して進退可能、且つ進退方向に沿った回転軸を中心に回転可能に配置されたプローブと、該プローブが挿通可能な筒形状を有し、該アンビルとともに該積層体を挟持するショルダー部材と、を備え、該プローブは、該板状部材に向かって進出しつつ、該板状部材と摺接する接合面が生じた摩擦熱によって軟化した該板状部材に接合穴を形成しつつ、接合するとともに、該接合穴の周囲に該ショルダー部材の内周面に沿いつつ、板面から土手状に突出する肉盛り部を形成する接合プローブと、該板状部材に向かって進出しつつ、該肉盛り部に摺接する埋戻し面が生じた摩擦熱によって、軟化した該肉盛り部を接合穴に埋戻す埋戻しプローブと、を備え、該接合プローブと該埋戻しプローブとが、交換可能に配置されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、材料隣接部に対する止水シーラー塗布工程を新たに設けることなく、接合工程の中で電蝕の発生を抑制することができる摩擦撹拌接合を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態の摩擦撹拌接合装置を示す構成概略図である。
摩擦撹拌による接合工程における積層体を配置した状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における接合プローブが進出し、積層体に摺接した状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における積層体に接合穴を形成しつつ、肉盛り部が形成される状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における抵抗溶接で板状部材が溶接された状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における接合プローブが後退した状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における接合プローブを埋戻しプローブ積層体に交換した状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における埋め戻しプローブが進出し、肉盛り部に摺接した状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における接合穴が埋め戻された状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における埋め戻しプローブが後退し、接合工程が完了した状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における第1の変形例の埋戻しプローブが進出し、肉盛り部に摺接した状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における第1の変形例によって接合穴が埋め戻された状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における第2の変形例の埋め戻しプローブが進出し、肉盛り部に摺接した状態を示す要部拡大断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における第2の変形例によって接合穴が埋め戻された状態を示す要部拡大断面図である。
第3の変形例の埋戻しプローブを示す斜視図である。
第3の変形例の埋戻しプローブにおける埋戻し面を示す平面図である。
図16におけるA-A線に沿った断面図である。
摩擦撹拌による接合工程における第1の変形例によって接合穴が埋め戻された状態を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の摩擦撹拌接合装置Sについて、図1~10を参照して詳細に説明する。
なお、説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態の摩擦撹拌接合装置Sは、板厚方向に重ねられた板状部材Pを接合するものである(図1参照)。
そして、重ねられた板状部材Pを積層体PPと称する。
なお、本実施形態の摩擦撹拌接合装置Sでは、積層体PPは、その板面が上下方向に面するように配置される。
【0010】
積層体PPは、積層された3枚の金属製の板状部材Pで構成されている(図1参照)。
積層体PPは、一番上に位置する板状部材P(上部材P1)がアルミ合金で構成されている。
また、積層体PPは、中間に位置する板状部材P(中部材P2)、および一番下に位置する板状部材P(下部材P3)は、同一素材の鉄合金で構成されている。
つまり、上部材P1は、中部材P2、および下部材P3よりも融点の低い素材で構成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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