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公開番号
2025135584
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-18
出願番号
2025033334
出願日
2025-03-03
発明の名称
負熱膨張材料、負熱膨張性粉末、および負熱膨張性酸化物の製造方法
出願人
DOWAエレクトロニクス株式会社
代理人
個人
主分類
C01B
25/45 20060101AFI20250910BHJP(無機化学)
要約
【課題】200℃以上といった高温域で負の大きい熱膨張を呈する材料を提供する。
【解決手段】上記課題は、Co、Niの1種以上およびPを含有し、M
2
P
2
O
7
型(MはCo、Niの1種以上の元素)の結晶構造を有する酸化物を含む、負熱膨張材料によって解決される。この負熱膨張材料は、200℃から600℃までの平均線熱膨張係数が例えば-3.0ppm/K以下である。この負熱膨張材料を得るための好ましい素材として、上記の酸化物を含む粉末であって、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D50が0.5μm以上50μm以下である負熱膨張性粉末を挙げることができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
Co、Niの1種以上およびPを含有し、M
2
P
2
O
7
型(MはCo、Niの1種以上の元素)の結晶構造を有する酸化物を含む、負熱膨張材料。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
前記M
2
P
2
O
7
型の結晶構造は、空間群P2
1
/cに属するものである、請求項1に記載の負熱膨張材料。
【請求項3】
前記酸化物の結晶子サイズが30nm以上である、請求項1または2に記載の負熱膨張材料。
【請求項4】
200℃から600℃までの間に負熱膨張を呈する温度域を持つ、請求項1または2に記載の負熱膨張材料。
【請求項5】
200℃から600℃までの平均線熱膨張係数が-3.0ppm/K以下である、請求項1または2に記載の負熱膨張材料。
【請求項6】
200℃から350℃までの平均線熱膨張係数が-18.0ppm/K以下である、請求項1または2に記載の負熱膨張材料。
【請求項7】
450℃から600℃までの平均線熱膨張係数が-10.0ppm/K以下である、請求項1または2に記載の負熱膨張材料。
【請求項8】
Co、Niの1種以上およびPを含有し、M
2
P
2
O
7
型(MはCo、Niの1種以上の元素)の結晶構造を有する酸化物を含む粉末であって、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D50が0.5μm以上50μm以下である、負熱膨張性粉末。
【請求項9】
前記M
2
P
2
O
7
型の結晶構造は、空間群P2
1
/cに属するものである、請求項8に記載の負熱膨張性粉末。
【請求項10】
結晶子サイズが30nm以上である、請求項8または9に記載の負熱膨張性粉末。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の化合物を用いて成形された負熱膨張材料に関する。また、その化合物の粒子で構成される負熱膨張性粉末に関する。また、その化合物である負熱膨張性酸化物の製造方法に関する。ここで、「負熱膨張」は、温度の上昇に伴って物体の体積が減少する熱膨張特性である。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
固体物質は一般に、温度上昇に伴って体積が増加する熱膨張特性(正熱膨張)を呈する。電子機器に使用されるデバイスでは、そのデバイスを構成する材料間での精密な位置決めが要求される場合などにおいて、材料の僅かな熱膨張が問題となることがある。そのような問題を解消する手法として、負熱膨張材料をデバイス構成部材に組み込むことが検討されており、種々の負熱膨張材料が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、Cu
2
V
2-x
P
x
O
7
、Cu
2-x
Zn
x
V
2-y
P
y
O
7
、Zn
2-x
Mg
x
P
2
O
7
、Zn
2
P
2-x
A
x
O
7
(AはSn、Ge、Si、V)、Ti
2-x
M
x
O
3
(MはCr、Nb、Si、Al)などで表される酸化物を含む負熱膨張材料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2022/114004号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高温環境下で使用される車載用や燃料電池用の電子デバイスなどの分野では、例えば200℃以上といった高温域での熱膨張を効果的に緩和することができる負熱膨張材料と組み合わせる技術の開発が待たれている。そのようなニーズに応えるためには、例えば200℃以上の範囲に負の大きい熱膨張を示す温度域を持つ化合物の適用が極めて有効となる。特許文献1に見られるように、従来、低温側から300℃程度までの広い範囲で緩やかな負熱膨張を示す材料や、100℃前後、あるいは200℃前後で負の大きい熱膨張を示す材料は知られている。しかし、200℃から600℃といった高温域で負の十分に大きい熱膨張を示す負熱膨張材料に関しては、開発の余地が残されている。
【0006】
本発明の目的は、200℃以上といった高温域で負の大きい熱膨張を呈する材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は以下の発明によって達成される。
[1]Co、Niの1種以上およびPを含有し、M
2
P
2
O
7
型(MはCo、Niの1種以上の元素)の結晶構造を有する酸化物を含む、負熱膨張材料。
[2]前記M
2
P
2
O
7
型の結晶構造は、空間群P2
1
/cに属するものである、上記[1]に記載の負熱膨張材料。
[3]前記酸化物の結晶子サイズが30nm以上である、上記[1]または[2]に記載の負熱膨張材料。
[4]200℃から600℃までの間に負熱膨張を呈する温度域を持つ、上記[1]~[3]のいずれかに記載の負熱膨張材料。
[5]200℃から600℃までの平均線熱膨張係数が-3.0ppm/K以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の負熱膨張材料。
[6]200℃から350℃までの平均線熱膨張係数が-18.0ppm/K以下である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の負熱膨張材料。
[7]450℃から600℃までの平均線熱膨張係数が-10.0ppm/K以下である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の負熱膨張材料。
[8]Co、Niの1種以上およびPを含有し、M
2
P
2
O
7
型(MはCo、Niの1種以上の元素)の結晶構造を有する酸化物を含む粉末であって、レーザー回折・散乱法による体積基準の粒度分布における累積50%粒子径D50が0.5μm以上50μm以下である、負熱膨張性粉末。
[9]前記M
2
P
2
O
7
型の結晶構造は、空間群P2
1
/cに属するものである、上記[8]に記載の負熱膨張性粉末。
[10]結晶子サイズが30nm以上である、上記[8]または[9]に記載の負熱膨張性粉末。
[11]当該粉末を圧粉体に成形したとき、その圧粉体は200℃から600℃までの間に負熱膨張を呈する温度域を持つものとなる、上記[8]~[10]のいずれかに記載の負熱膨張性粉末。
[12]コバルト酸化物、ニッケル酸化物の1種以上と、リン酸アンモニウムとの混合物を、600℃以上1500℃以下の温度で焼成する工程を含む、負熱膨張性酸化物の製造方法。
[13]コバルト酸化物、ニッケル酸化物の1種以上と、リン酸アンモニウムとの混合物を、1000℃以上1500℃以下の温度で焼成する工程を含む、負熱膨張性酸化物の製造方法。
[14]コバルト塩、ニッケル塩の1種以上、およびリン酸を含む水溶液と、アルカリとを混合して前駆体を得る前駆体形成工程と、
前記前駆体を焼成する焼成工程と、
を含む、負熱膨張性酸化物の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、200℃以上の温度範囲、あるいは更に高い450℃以上600℃以下の温度範囲において、負の大きい熱膨張を呈する負熱膨張材料が実現可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1で得られた供試粉末のX線回折パターン。
実施例1で得られた成形体の熱膨張曲線。
実施例2で得られた供試粉末のX線回折パターン。
実施例2で得られた成形体の熱膨張曲線。
実施例3で得られた供試粉末のX線回折パターン。
実施例3で得られた成形体の熱膨張曲線。
実施例4で得られた供試粉末のX線回折パターン。
実施例4で得られた成形体の熱膨張曲線。
実施例5で得られた成形体の熱膨張曲線。
実施例6で得られた成形体の熱膨張曲線。
比較例1で得られた成形体の熱膨張曲線。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[酸化物]
本発明では、負熱膨張を発現させるための化合物として、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)の1種以上およびP(リン)を含有し、常温でM
2
P
2
O
7
型(ただしMはCo、Niの1種以上の元素)の結晶構造を有する酸化物を使用する。この結晶構造は空間群P2
1
/cに属するものである。発明者らは、この酸化物を用いた成形体において、200℃から600℃の間に顕著な負熱膨張を呈する温度域が存在することを確認した。この顕著な負熱膨張は、前記酸化物が200℃から600℃の間で結晶変態を起こすことに起因する現象であると推察される。前記酸化物は一般式Co
2-x
Ni
x
P
2
O
7
(0≦x≦1)で表すことができる。Coは特に200℃から350℃での顕著な負熱膨張に寄与する。Niは特に450℃から600℃での顕著な負熱膨張に寄与する。
(【0011】以降は省略されています)
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