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公開番号
2025135556
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-18
出願番号
2025015741
出願日
2025-01-31
発明の名称
酸化物粉末、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池及び酸化物粉末の製造方法
出願人
ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
,
BASF SE
代理人
個人
主分類
C01G
53/506 20250101AFI20250910BHJP(無機化学)
要約
【課題】リチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解質二次電池の正極活物質として用いた場合に、正極合剤ペーストがゲル化を起こさずに、かつ製造される非水電解質二次電池が優れた充放電容量及びサイクル特性を示す被覆粒子を提供すること。
【解決手段】本開示に係る酸化物粉末は、少なくともリチウムとニッケルとを含み、一次粒子状又は二次粒子状のリチウム金属複合酸化物と、リチウム金属複合酸化物の少なくとも表面の一部に、酸化ニッケル(II)を含む第1の層と、第1の層の少なくとも表面の一部に、リチウム並びにホウ素、リン及び硫黄からなる群から選択される1種以上を含有する酸化物を含む第2の層と、を有する被覆粒子を含む酸化物粉末であって、BET比表面積が、0.3m
2
/g以上であり、LiOH含有量が、酸化物粉末に対して0.35質量%以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくともリチウムとニッケルとを含み、一次粒子状又は二次粒子状のリチウム金属複合酸化物と、
前記リチウム金属複合酸化物の少なくとも表面の一部に、酸化ニッケル(II)を含む第1の層と、
前記第1の層の少なくとも表面の一部に、リチウム並びにホウ素、リン及び硫黄からなる群から選択される1種以上を含有する酸化物を含む第2の層と、を有する被覆粒子を含む酸化物粉末であって、
BET比表面積が、0.3m
2
/g以上であり、
LiOH含有量が、前記酸化物粉末に対して0.35質量%以下である
酸化物粉末。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記リチウム金属複合酸化物は、層状岩塩構造を有し、一般式Li
a
Ni
1-b-c
Mn
b
M
c
O
2
(式中、Mは、Li、Ni、Mn及びO以外の1種以上の元素であり、0.95≦a≦1.15、0≦b+c≦0.70である)で表される
請求項1に記載の酸化物粉末。
【請求項3】
前記第1の層の平均厚みが3nm以上100nm以下である
請求項1又は2に記載の酸化物粉末。
【請求項4】
前記リチウム金属複合酸化物と、前記第1の層とが連続した構造をなす
請求項1又は2に記載の酸化物粉末。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の酸化物粉末を含む
非水電解質二次電池用正極活物質。
【請求項6】
請求項5に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を含む
非水電解質二次電池。
【請求項7】
少なくともリチウムとニッケルとを含み、一次粒子状又は二次粒子状のリチウム金属複合酸化物に、前記リチウム金属複合酸化物に対して5質量%以上の水とともに、ホウ素、リン及び硫黄からなる群から選択される1種以上を含有する化合物を添加又は噴霧した後、加熱処理を施し、請求項1に記載の酸化物粉末を得る
酸化物粉末の製造方法。
【請求項8】
少なくともリチウムとニッケルとを含むリチウム金属複合酸化物であって、一次粒子状又は二次粒子状であり、LiOH含有量が、前記リチウム金属複合酸化物に対して0.4質量%以下であるリチウム金属複合酸化物に、ホウ素、リン及び硫黄からなる群から選択される1種以上を含有する化合物を添加又は噴霧した後、加熱処理を施し、請求項1に記載の酸化物粉末を得る
酸化物粉末の製造方法。
【請求項9】
前記加熱処理を施す前のリチウム金属複合酸化物のBET比表面積に対する、前記加熱処理を施した後の酸化物粉末のBET比表面積の比が1.2以上である
請求項7又は8に記載の酸化物粉末の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、酸化物粉末、非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池及び酸化物粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
AV機器やパソコン等の電子機器の駆動用電源として、小型、軽量で高エネルギー密度を有し、充放電電圧が高く、充放電容量も大きいリチウムイオン二次電池が注目されている。
【0003】
層状又はスピネル型のリチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。主に提案されている材料としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO
2
)や、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO
2
)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi
1/3
Co
1/3
Mn
1/3
O
2
)、マンガンを用いたリチウムマンガン複合酸化物(LiMn
2
O
4
)等を挙げることができる。
【0004】
このようなリチウム金属複合酸化物は、一般的に、リチウム源及びニッケル等の金属源を混合し、焼成して製造することができる。ここで、リチウムイオン二次電池の正極は、例えば、正極活物質と、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のバインダーやN-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の溶剤とを混合して正極合剤ペーストにし、アルミ箔等の集電体に塗布することで形成される。このとき、正極合剤ペースト中のリチウム金属複合酸化物からリチウムが遊離した場合、バインダー等に含まれる水分と反応し水酸化リチウムが生成することがある。
【0005】
そして、このようにして水酸化リチウムの生成が多くなると、水酸化リチウムとバインダーとが反応し、正極合剤ペーストがゲル化を起こす。正極合剤ペーストのゲル化は、製造工程での操作性の悪さ、歩留まりの悪化を招く。この傾向は特に、正極活物質であるリチウム遷移金属複合酸化物におけるリチウムが遷移金属に対する化学量論比よりも過剰な場合、特に遷移金属に占めるニッケルの割合が高い場合に顕著となる。
【0006】
ここで、リチウムの遊離は、リチウム金属複合酸化物の結晶格子中に取り込まれなかったリチウム分に由来するものと、リチウム金属複合酸化物の結晶格子中に取り込まれたリチウムに由来するものが考えられる。リチウム金属複合酸化物の結晶格子中に取り込まれたリチウムが溶出した場合、リチウム金属複合酸化物の抵抗が増加して、充放電効率を低下させ得る。
【0007】
リチウム金属複合酸化物の結晶格子中に取り込まれなかったリチウム分を除去するため、例えば特許文献1に開示されるように、焼成物に対して水洗処理を施すことが行われている。
【0008】
また、リチウム金属複合酸化物の結晶格子中に取り込まれたリチウムの溶出を抑制するため、例えば特許文献2に開示されるように、酸素を含むホウ素化合物で被覆することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2005-97087号公報
特開2019-114560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、本発明者らの知見によれば、特許文献1のように、リチウム金属複合酸化物に対して水洗処理を施し、リチウム分を除去しようとした場合、結晶格子中に取り込まれたリチウムがプロトンとイオン交換し、リチウム金属複合酸化物の表面がリチウム欠乏状態となったり、リチウム金属複合酸化物の表面が岩塩相化したりすることで、リチウムイオン二次電池の充放電容量が低下することがわかった。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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