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公開番号
2025117175
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-12
出願番号
2024011896
出願日
2024-01-30
発明の名称
回転電機及び回転電機の製造方法
出願人
株式会社日立産機システム
代理人
青稜弁理士法人
主分類
H02K
5/10 20060101AFI20250804BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】ステータのスロット部分への水分の侵入を遮断し、回転電機の絶縁信頼性を向上させる。
【解決手段】ステータ10と、回転軸を中心軸として回転可能に配置されたロータと、を有する回転電機において、ロータと隙間を隔てて対向するステータ10に、内周面を全周に亘って覆うような円筒状防水部材50を設けた。円筒状防水部材50は、第1のステータコア11aから第2のステータコア11bに亘って継ぎ目のない一体成形にて形成され、コイルエンドに近接する両側の端部にて、樹脂71にそれぞれモールドされることによって、ステータ10のスロットの防水性が確保される。
【選択図】図8
特許請求の範囲
【請求項1】
回転軸に固定されるロータと、
前記ロータの外周側に配置され、複数のスロットを有し、回転軸方向に分割して形成されるステータコアと、を有し、
前記スロットにはステータコイルが配置され、前記ステータコイルの一部が前記ステータコアの端部から外側に露出するようにして結線され、
前記ステータコイルの前記露出する部分が樹脂にてモールドされるようにした回転電機であって、
前記ステータコアの内周部分を覆うものであって、絶縁性及び防水性を有する一体成形の円筒状防水部材を設け、
前記円筒状防水部材の回転軸方向の一端側の端部と他端側の端部のすべてが前記樹脂にて固定されていることを特徴とする回転電機。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機において、
前記ステータコアは回転軸方向に第1のステータコアと第2のステータコアに2分割して形成され、
前記円筒状防水部材の軸方向長さは、分割された前記ステータコアの合計の軸方向長さよりも大きいことを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項2に記載の回転電機において、
前記円筒状防水部材には、円筒部と、前記円筒部の一端側において径方向に広がるフランジ部が形成され、
前記フランジ部が前記樹脂に埋没するようにモールドされ、前記円筒部の他端側が前記前記樹脂に埋没するようにモールドされることを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項3に記載の回転電機において、
前記ステータコイルは、前記ステータコアの前記回転軸方向の一方側から前記スロット内に挿入される複数のヘアピン状の第1コイルセグメントと、前記回転軸方向の他方側から前記スロット内に挿入される複数のヘアピン状の第2コイルセグメントを、前記スロットの内部にてそれぞれ接続することで形成され、
前記円筒状防水部材は、前記第1コイルセグメントと前記第2コイルセグメントよりも内周側であって、前記ステータコアのティースの内周面に沿うように配置されることを特徴とする回転電機。
【請求項5】
請求項4に記載の回転電機において、
前記円筒状防水部材は、2分割して形成される前記ステータコアの接続部分において、前記樹脂に対して周方向に連続するようにその外周面の一部が接着されることを特徴とする回転電機。
【請求項6】
請求項5に記載の回転電機において、
前記第1のステータコアのスロット内に前記第1コイルセグメントを径方向に並べて複数収容する樹脂製の第1ボビンが配置され、
前記第2のステータコアのスロット内に前記第2コイルセグメントを径方向に並べて複数収容する樹脂製の第2ボビンが配置され、
前記樹脂は、前記第1ボビンの内周面と前記円筒状防水部材の外周面の間、及び、前記第2ボビンの内周面と前記円筒状防水部材の外周面の間に充填されることを特徴とする回転電機。
【請求項7】
請求項6の回転電機において、
前記円筒状防水部材は、耐熱温度120度以上のポリエチレンテレフタレート材の射出成形にて一体に形成され、
前記円筒部の肉厚は、前記ステータコアと前記ロータとの空隙の大きさの半分以下であることを特徴とする回転電機。
【請求項8】
内周側に開口するスロットを多数有するステータコアと、前記スロット内に巻回されるステータコイルを有するステータと、
回転軸に固定され、前記ステータコアの内周側にて回転するロータを有し、
前記ステータコイルは樹脂によるモールドにより前記ステータコイルに対して固定される回転電機であって、
前記ステータコアの内周側縁部に沿った形状であって、非磁性体の水分を透過しない合成樹脂製の円筒状防水部材を前記ステータコアの内周側に設け、
前記円筒状防水部材を前記樹脂によって前記ステータコイルと共に前記ステータコアに固定したことを特徴とする回転電機。
【請求項9】
請求項8に記載の回転電機であって、
前記円筒状防水部材は、耐熱温度120度以上のポリエチレンテレフタレート材の射出成形にて一体に形成され、
前記円筒状防水部材の両側の開口部分の外縁部が前記樹脂に埋没するようにモールドされることを特徴とする回転電機。
【請求項10】
請求項9に記載の回転電機であって、
前記樹脂は前記ステータコアのスロット内の隙間部分にまで充填され、前記スロット内の隙間部分に充填される前記樹脂が前記円筒状防水部材の外周面に接することにより、前記円筒状防水部材が前記ステータコアに対して強固に固定されることを特徴とする回転電機。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は回転電機に関し、特に、ステータの内周面からコイル部分への水分の侵入を防止するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
回転電機は小型化の要求がある一方で、電気絶縁性の一層の向上が求められる。ステータの小型化には、巻線占積率を高めて高出力密度化を図る構造が有効である。そのため、導線として一般的な丸線に対して、断面が扁平形状の平角線を用いたセグメントコイルで構成するステータ構造が用いられる。
【0003】
平角線を用いたステータコイルを構成する際には、分割された複数のセグメントコイルを相互に接続する。スロット内接続方式では、セグメントコイルを概略U字形状とし、セグメントコイルには一対の直線部とそれらを連続する傾斜部を有して形成され、その2つの直線部がそれぞれステータコアのスロット内に収納される。これら直線部は、ステータコアの回転軸線方向の両側端面からスロット内にそれぞれ挿入されてスロット内で接続される。セグメントコイルの一対の直線部を接続する傾斜部は、ステータコアの軸方向の両側の端部からそれぞれ回転軸線方向の外側に突き出る構造となる。
【0004】
このスロット内接続方式に関し、特許文献1の技術が知られている。特許文献1の回転電機では、ステータとしてアモルファス薄や電磁鋼板を積層して形成されたステータコアを軸方向中央で二分割したものを用いる。一方の分割された第1のステータコアのスロット内にボビンを介してセグメントコイルの直線部を挿入し、コイルエンドを固定具や固定用接着樹脂で基準位置に固定して第1分割ステータが製作される。第2分割ステータも同様に製作される。これら第1分割ステータと第2分割ステータのセグメントコイルの直線部の端部同士を圧入により嵌合させて接続した後に、ステータコイルの全体を金型内に収納して、セグメントコイルを樹脂でモールドしてステータが製造される。接続される2つの導体セグメントの脚部の先端(直線部の端部)には、部分的に長手方向に突出するように形成される突起部(凸部)か、先端面に凹部が形成された溝部のいずれかが形成される。
【0005】
回転電機は様々な機器の動力源に用いることができ、湿度の高い環境で使用されるファン駆動用モータやポンプ駆動用モータ、およびモータ内を冷却液で直接冷却するモータなどがある。これらの回転電機は、ステータの積層コア間や端子箱の隙間などから水分が侵入することがあり、この水分によりコアとコイル間に絶縁不具合が生じる懸念があるため、十分な防水対策が重要となる。スロット内接続方式によるステータ、コーティング層を用いたステータおよび回転電機に関する技術として特許文献2の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-49171号公報
特開2022-128816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されるスロット内接続方式を用いたステータは、スロット内で接続されるセグメントコイルの直線部の端部同士の位置を確認しながら接続して製作される。このようなスロット内接続方式に関連する分割ステータは、回転電機が通常使用環境下で稼働される場合には水分の影響を受けずに、電気特性が健全な状態で稼働できるものの、回転電機が特殊な高湿度環境下で稼働される場合には、分割ステータの積層コアの積層間や内周面の中央分割部のモールドとコア間の微小空隙などを介して水分が侵入しないように対策し、ステータコアとセグメントコイルの直線部の端部同士の接続部間の絶縁抵抗などの絶縁信頼性を不安定にしないようにすることが重要になる。
【0008】
特許文献2では、高湿度環境下で使用される回転電機について、ステータの内周のコア表面などから侵入する水分を抑制するため、コア表面などにプライマ層を介してコーティング層を設けて絶縁不具合を抑制する。しかしながら、コーティング層はモータ組立ての際にロータとの接触による破損及び剥離や、稼働時の劣化による破損や剥離が生じる恐れがある。コーティング層の破損や剥離が生じると、破損した破片がモータの駆動不具合の発生源となる懸念がある。
【0009】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、ステータの内周面側からの水分の侵入を防止し、絶縁信頼性を高めたステータ構造を有する回転電機を提供することにある。
本発明の別の目的は、組み立て時のロータの接触による損傷や、モータの長期稼働時の劣化による破損や、コーティング層の剥離を抑制できる防水部材をロータの内周面に設け、絶縁信頼性を著しく高めた回転電機を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、分割式のステータ構造を有する回転電機において、ステータの内側にステータ全体の回転軸長よりも大きい一体成型の円筒形防水部材を介在させた回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、ステータと、ステータの内周側にて回転可能に配置されたロータを有する回転電機であって、ステータの内周面を全周に亘り覆うような防水性材料(例えば円筒状防水部材)を介在させる。ステータは、第1のステータコアと、第2のステータコアとで構成され、第1のステータコアは、複数のスロットと、スロットに挿入され、先端に凸部を有するセグメントコイルとを有し、第2のステータコアは、複数のスロットと、スロットに挿入され先端に凹部を有するセグメントコイルとを有する。第1のステータコアと第2のステータコアとは、回転軸方向において端面が対向するとともに、セグメントコイルの接続部である凸型部分と凹型部分が嵌合される。円筒状防水部材は、第1のステータコアのコイルエンドから第2のステータコアのコイルエンドに亘って配置され、コイルエンドのそれぞれで樹脂に埋め込まれるようにして固定される。円筒状防水部材の外周面は、ステータの分割部分やスロットの空隙部分に充填される樹脂に固定される。
(【0011】以降は省略されています)
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