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公開番号2025110765
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-29
出願番号2024004797
出願日2024-01-16
発明の名称モータの磁石温度推定装置、及びそれを備えるハイブリッド車
出願人マツダ株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類H02P 29/66 20160101AFI20250722BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】磁石温度の推定精度と、モータの駆動力制御と、のバランスを図る。
【解決手段】モータ2の磁石温度推定装置は、複数のパワーデバイス40が実装されたインバータ10と、インバータ10に流れる電流に対応した電圧値に基づいて、モータ2の磁石温度を推定する磁石温度推定部34と、を備える。磁石温度推定部34は、磁石温度の推定に際し、モータ2への電力供給を遮断するように、複数のパワーデバイス40全てのスイッチング素子41をオフにし、スイッチング素子41をオフにしてから所定の待機時間が経過するまでの期間内における電圧値に基づいて、モータ2の回転に伴う誘起電圧を推定し、誘起電圧と磁石温度との相関関係に基づいて磁石温度を推定し、磁石温度推定部34はまた、モータ2の負荷に応じて増減するように待機時間を設定する。
【選択図】図15
特許請求の範囲【請求項1】
スイッチング素子と、該スイッチング素子と逆並列に接続された還流ダイオードとからなる複数のパワーデバイスが実装されたインバータと、
前記インバータと電気的に接続されたモータと、
前記インバータを介して前記モータに電力を供給するバッテリと、
前記インバータと電気的に接続され、該インバータに流れる電流に対応した電圧値に基づいて、前記モータの磁石温度を推定する磁石温度推定部と、を備え、
前記磁石温度推定部は、前記磁石温度の推定に際し、
前記モータへの電力供給を遮断するように、前記複数のパワーデバイス全てのスイッチング素子をオフにし、
前記スイッチング素子をオフにしてから所定の待機時間が経過するまでの期間内における前記電圧値に基づいて、前記モータの回転に伴う誘起電圧を推定し、
前記誘起電圧と前記磁石温度との相関関係に基づいて、前記磁石温度を推定し、
前記磁石温度推定部はまた、前記モータの負荷に応じて増減するように、前記待機時間を設定する
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記磁石温度推定部は、前記電圧値の取得後に、前記モータへの電力供給を再開するように、複数の前記スイッチング素子をオンにする
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
【請求項3】
請求項1に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記磁石温度推定部は、前記モータの負荷が高いときには、該負荷が低いときに比して前記待機時間を短くする
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記磁石温度推定部は、前記モータの負荷の高低に応じて、前記電圧値に逆起電力を考慮するか否かを使い分けて前記誘起電圧を推定する
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
【請求項5】
請求項4に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記磁石温度推定部は、
前記モータの負荷が無負荷よりも高いときには、前記電圧値として、前記スイッチング素子をオフした後の過渡状態における電圧値を用いるとともに、該電圧値を、前記モータのインダクタンスに依存したモデルに基づいて前記誘起電圧に変換し、
前記モータの負荷が無負荷のときには、前記電圧値として、前記過渡状態から定常状態に遷移した後の電圧値を用いるとともに、該電圧値を前記誘起電圧とみなす
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
【請求項6】
請求項5に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記モータの仕様に対応して設定された、該モータのコイルが磁気飽和を起こす指標となる電流値を許容電流値とすると、
前記磁石温度推定部は、前記モータの負荷が無負荷よりも高いとき、
前記モータの負荷が相対的に高いときには、前記スイッチング素子のオフに伴う過渡電流が前記許容電流値まで低下する前に取得される前記電圧値と、前記モデルとに基づいて前記誘起電圧を推定し、
前記モータの負荷が相対的に低いときには、前記過渡電流が前記許容電流値まで低下した後に取得される前記電圧値と、前記モデルとに基づいて前記誘起電圧を推定する
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
【請求項7】
請求項6に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記モータは、該モータと協働するエンジンを備えるハイブリッド車に搭載され、
前記磁石温度推定部は、
前記ハイブリッド車の走行トルクを前記モータのみから出力するときに、前記モータの負荷が相対的に高いと判定し、
前記走行トルクを前記モータ及び前記エンジンの双方から出力するときに、前記モータの負荷が相対的に低いと判定する
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
【請求項8】
請求項5に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記磁石温度推定部は、前記モータの負荷が無負荷のとき、前記モデルに基づいた前記誘起電圧を、前記定常状態に遷移した後に取得される電圧値に基づいた前記誘起電圧に近づけるよう、前記モデルを補正する
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
【請求項9】
請求項1に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記磁石温度推定部が、前記磁石温度を算出する動的熱モデルを更に有し、前記磁石温度推定部によって推定される前記磁石温度である推定磁石温度と、前記動的熱モデルによって算出される前記磁石温度である算出磁石温度との誤差及びカルマンゲインを算出し、当該誤差及びカルマンゲインを導入することによって前記動的熱モデルを修正し、修正した当該動的熱モデルによる算出値を前記磁石温度として採用する
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
【請求項10】
請求項1に記載されたモータの磁石温度推定装置において、
前記磁石温度推定部が、前記磁石温度を算出する動的熱モデルと、前記インバータのノイズに関連した特定出力と前記動的熱モデルに対応したゲインとに関するゲイン設定データとを更に有し、前記磁石温度推定部によって推定される前記磁石温度である推定磁石温度と、前記動的熱モデルによって算出される前記磁石温度である算出磁石温度との誤差を算出するとともに前記ゲイン設定データから前記ゲインを取得し、当該誤差及びゲインを導入することによって前記動的熱モデルを修正し、修正した当該動的熱モデルによる算出値を前記磁石温度として採用する
ことを特徴とするモータの磁石温度推定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、モータの磁石温度推定装置、及びそれを備えるハイブリッド車に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、モータの磁石温度推定装置の一例が開示されている。具体的に、この特許文献1に開示されている装置は、モータの回転に伴って生じる誘起電圧を推定し、その誘起電圧に対応した磁束密度に基づいて、モータの磁石温度を推定するように構成されている。
【0003】
さらに、前記特許文献1に開示されている装置は、モータの中性点と、コイルに通電するための接続ケーブルと、の間の電圧を検出する電圧センサを備えており、この電圧センサの検出値を誘起電圧とみなす。この装置は、誘起電圧とみなした検出値の周波数スペクトルに基づいて、磁石の磁束密度を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-118653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記特許文献1に記載されているような電圧センサを用いた場合、その検出値には、誘起電圧ばかりでなく、モータの駆動電流に対応した電圧値も含まれることになる。前記特許文献1に記載された手法には、磁石温度の推定精度を高める余地が残っている。
【0006】
また、モータの駆動中に温度推定を行うためには、磁石温度の推定精度を単に高めるばかりでなく、モータの駆動力制御へ与える影響を最小化するような仕組みも求められることになる。
【0007】
本開示は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、磁石温度の推定精度と、モータの駆動力制御と、のバランスを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様は、モータの磁石温度推定装置に係る。この磁石温度推定装置は、スイッチング素子と、該スイッチング素子と逆並列に接続された還流ダイオードとからなる複数のパワーデバイスが実装されたインバータと、前記インバータと電気的に接続されたモータと、前記インバータを介して前記モータに電力を供給するバッテリと、前記インバータと電気的に接続され、該インバータに流れる電流に対応した電圧値に基づいて、前記モータの磁石温度を推定する磁石温度推定部と、を備え、前記磁石温度推定部は、前記磁石温度の推定に際し、前記モータへの電力供給を遮断するように、前記複数のパワーデバイス全てのスイッチング素子をオフにし、前記スイッチング素子をオフにしてから所定の待機時間が経過するまでの期間内における前記電圧値に基づいて、前記モータの回転に伴う誘起電圧を推定し、前記誘起電圧と前記磁石温度との相関関係に基づいて、前記磁石温度を推定し、前記磁石温度推定部はまた、前記モータの負荷に応じて増減するように、前記待機時間を設定する。
【0009】
スイッチング素子をオフにすると、電圧値は、磁石温度の推定に好適な誘起電圧へと変化することになる。変化中の電圧値には、誘起電圧ばかりでなく、逆起電力に起因したものも含まれることになる。一方、変化後の電圧値は、誘起電圧そのものとみなすことができる。
【0010】
前者の電圧値を用いることは、モータの駆動制御への影響を最小限に抑えることができる一方、誘起電圧そのものではないことから、磁石温度の推定精度を高めるには不都合なものとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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