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公開番号2025105182
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-10
出願番号2023223550
出願日2023-12-28
発明の名称ワニス塗布機構、エナメル線製造装置およびエナメル線製造方法
出願人SWCC株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類H01B 13/16 20060101AFI20250703BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】パスラインが変動しても導体にワニスを均一に塗布し絶縁層の偏肉の発生を抑制しうるワニス塗布機構を提供すること。
【解決手段】導体を走行させながらワニスを塗布するためのワニス塗布機構が開示されている。当該ワニス塗布機構では、ワニスの供給を受け導体のパスラインを矯正する矯正バルブと、矯正バルブから離間した状態で、ワニスの走行方向の矯正バルブより下流側に配置され、導体へのワニスの塗布量を制御する塗布ダイスと、を備える。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
導体を走行させながらワニスを塗布するためのワニス塗布機構であって、
前記ワニスの供給を受け前記導体のパスラインの位置を矯正する矯正バルブと、
前記矯正バルブから離間した状態で、前記ワニスの走行方向の前記矯正バルブより下流側に配置され、前記導体への前記ワニスの塗布量を制御する塗布ダイスと、
を備えることを特徴とするワニス塗布機構。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のワニス塗布機構において、
前記矯正バルブは、前記ワニスの供給を受けその内部が満たされた場合に、前記導体のパスラインの位置が当該矯正バルブの中心軸からずれたときは、前記導体のパスラインの位置を、前記ワニスの流れによる圧力で当該矯正バルブの中心軸に矯正することを特徴とするワニス塗布機構。
【請求項3】
請求項1に記載のワニス塗布機構において、
前記矯正バルブは位置が固定され、
前記矯正バルブの内面がテーパ状を呈していることを特徴とするワニス塗布機構。
【請求項4】
請求項1に記載のワニス塗布機構において、
前記矯正バルブは位置が固定され、
前記矯正バルブにはワニスを貯留または浸漬させるための空間部が形成されていることを特徴とするワニス塗布機構。
【請求項5】
請求項1に記載のワニス塗布機構において、
前記矯正バルブは位置が固定され、
前記矯正バルブの内面に対し螺旋状の溝が形成されていることを特徴とするワニス塗布機構。
【請求項6】
請求項1に記載のワニス塗布機構において、
前記矯正バルブは位置が固定され、
前記矯正バルブの出線部に対しローラが配置されていることを特徴とするワニス塗布機構。
【請求項7】
導体を走行させながらワニスを塗布し焼き付けるエナメル線製造装置において、
前記導体を焼鈍する焼鈍炉と、
請求項1~6のいずれか一項に記載のワニス塗布機構と、
ワニスを前記ワニス塗布機構に供給するワニスタンクと、
ワニスを前記導体に焼き付け絶縁層を形成する焼付炉と、
を備えることを特徴とするエナメル線製造装置。
【請求項8】
導体を走行させながらワニスを塗布し焼き付けるエナメル線製造方法において、
前記導体を焼鈍する工程と、
請求項1~6のいずれか一項に記載のワニス塗布機構を使用しワニスを前記導体に塗布する工程と、
ワニスを前記導体に焼き付け絶縁層を形成する工程とを備え、
前記ワニス塗布工程では、前記矯正バルブにワニスを供給しながら前記導体に圧力をかけて前記導体のパスラインを矯正し、前記塗布ダイスで前記導体へのワニスの塗布量を制御することを特徴とするエナメル線製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はワニスを導体に塗布するためのワニス塗布機構、および当該機構を備えるエナメル線製造装置および製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、導体を走行させながらワニスを塗布し、その後にワニスを焼付けエナメル線を製造している。特許文献1では横型のエナメル線製造装置が開示され、均一な塗膜を形成しうる塗布用ダイスを提供している。特許文献1では特に、ケース(3)の出線部にダイスチップ(4)を、入線部に第2ダイスチップ(5)をそれぞれ設置し、第2ダイスチップ(5)でダイスチップ(4)へのワニスの供給量を規制制御し、ダイスチップ(4)ではワニスの供給量を安定させた状態で導体にワニスを塗布し、結果的に均一な塗膜を形成しようとしている。
また、縦型のエナメル線製造装置では、ダイスをフロートさせて、導体の揺れに追従させることで偏肉を低減している。横型では、縦型に倣ってダイスの支点に対して角度が変えられる構造の塗布装置があり、偏肉の削減およびダイスの調整が容易に行え、調整時間の短縮化を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3261058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
横型のエナメル線製造装置では一般的に、導体の「カテナリー曲線(導体の両端をもって垂らした導体の描く曲線)」を考慮する必要がありパスラインの位置合わせが難しい。その結果、導体にワニスを均一に塗布するのが困難で絶縁層の偏肉の発生を抑制することが直近の課題となっている。
従来の横型のエナメル線製造装置では、導体の炉長(焼付炉の炉長)が短く導体をシーブで支持し走行させる傾向があったところ、近年の横型のエナメル線製造装置では、エナメル線の生産性向上の要求に伴い導体の高線速化を実現すべく、導体に与える熱量を増やすために炉長が長くなってきている。
そのため、シーブ間の距離(スパン)が長くなる傾向があり、導体のカテナリーの影響が大きく、導体の振動を抑制するのも難しく、ひいては導体のパスラインの特定が難しくなり、絶縁層の偏肉の発生を抑制することが大きな課題となっている。
かかる課題に対し特許文献1の技術を利用したとしても、当該技術ではダイスチップ(4)と第2ダイスチップ(5)との位置関係を固定した状態で、導体のパスラインに対しこれら部材の配置を合致させ均一な塗膜を形成するような思想であるため、導体のパスラインが不安定でその特定が困難な状況では絶縁層の偏肉を抑制することができない。
【0005】
また、縦型のエナメル線製造装置の場合も、ダイスをフロートさせるときに、揺れが大きく変化する場所では十分に追従できない場合も起きる懸念がある。
横型の場合、ダイスに支点を設けてフリーに回転させるときも、支点の位置がパスライン上にある前提と思われるので、パスラインへの心出しの精度が重要となる。
パスラインの変化は、振動や揺れによる比較的短時間の変動だけでなく、焼付炉の平衡状態になるまでのゆっくりした炉体自体の温度の変化による影響や(長時間の変動)、導体の速度を変更した場合や速度変動が発生する場合のテンション変動に伴い、カテナリー曲線は変化する。このようにエナメル線の製造工程ではカテナリー曲線が変化する要因は沢山ある。
【0006】
本発明の主な目的は、パスラインが変動しても導体にワニスを均一に塗布し絶縁層の偏肉の発生を抑制しうるワニス塗布機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明によれば、
導体を走行させながらワニスを塗布するためのワニス塗布機構であって、
前記ワニスの供給を受け前記導体のパスラインの位置を矯正する矯正バルブと、
前記矯正バルブから離間した状態で、前記ワニスの走行方向の前記矯正バルブより下流側に配置され、前記導体への前記ワニスの塗布量を制御する塗布ダイスと、
を備えることを特徴とするワニス塗布機構が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、パスラインの変動を抑制する手段を塗布ダイスの前に設けることで、パスラインの変動を抑制できるため導体にワニスを均一に塗布し絶縁層の偏肉の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
エナメル線製造装置(横型)の構成を示す概略図である。
ワニス塗布機構の概略断面図である。
ワニス塗布機構中でのワニスの流れを説明するための図である。
ワニスの圧力が導体にかかる様子を説明するための図である。
ワニス塗布機構の変形例を示す概略図である。
ワニス塗布機構の変形例を示す概略図である。
ワニス塗布機構の変形例を示す概略図である。
エナメル線製造方法を経時的に示す概略フローチャートである。
エナメル線製造装置(縦型)の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施の形態にかかるエナメル線製造装置、ワニス塗布機構およびエナメル線製造方法について順に説明する。本明細書では、数値範囲を示す「~」の記載には当該数値範囲の上限値および下限値が含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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