TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025100520
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2024225992
出願日
2024-12-23
発明の名称
ワイヤグリッド偏光素子、ワイヤグリッド偏光素子の製造方法、投影表示装置及び車両
出願人
デクセリアルズ株式会社
代理人
弁理士法人青海国際特許事務所
主分類
G02B
5/30 20060101AFI20250626BHJP(光学)
要約
【課題】機能膜の成膜に起因してグリッド構造体の凸条部が傾くことを抑制し、光学特性を向上する。
【解決手段】ワイヤグリッド偏光素子1は、基板10と、ベース部21と複数の凸条部22とが一体形成されたグリッド構造体20と、凸条部22の一部を被覆する機能膜30と、補強膜51とを備える。補強膜51は、無機酸化物からなり、機能膜30で被覆される凸条部33の一部と機能膜30との間に介在し、凸条部22を補強する。補強膜51は、少なくとも凸条部22の先端22a及び両側面22bの上部側を覆い包む。機能膜30は、補強膜51を介して凸条部22の頂部を覆い包み、かつ、凸条部22の底部側及びベース部21を被覆しておらず、その被覆率(Rc)は、30%以上、70%以下である。
【選択図】図25
特許請求の範囲
【請求項1】
無機材料からなる基板と、
有機材料からなり、前記基板上に設けられるベース部と、前記ベース部から突出する複数の凸条部とが一体形成されたグリッド構造体と、
金属材料からなり、前記凸条部の一部を被覆する機能膜と、
無機酸化物からなり、前記機能膜で被覆される前記凸条部の一部と前記機能膜との間に介在し、前記凸条部を補強する補強膜と、
を備え、
前記凸条部は、前記ベース部から離れるにつれて幅が狭くなる先細り形状を有し、
前記補強膜は、少なくとも前記凸条部の先端及び両側面の上部側を覆い包み、
前記機能膜は、前記補強膜を介して前記凸条部の先端及び両側面の上部側を覆い包み、かつ、前記凸条部の両側面の下部側及び前記ベース部を被覆しておらず、
前記機能膜による前記凸条部の側面の被覆率(Rc)が、前記凸条部の高さ(H)に対する、前記凸条部の側面のうち前記機能膜により被覆された部分の高さ(Hx)の割合であるとき、前記被覆率(Rc)は、30%以上、70%以下である、
ワイヤグリッド偏光素子。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記補強膜の厚さは、0.5nm以上、8nm以下である、請求項1に記載のワイヤグリッド偏光素子。
【請求項3】
前記グリッド構造体及び前記機能膜の表面を被覆する保護膜をさらに備え、
前記保護膜は、前記機能膜の表面と、前記凸条部の両側面の下部側と、前記ベース部の表面とを連続的に被覆し、
前記凸条部を覆い包む前記機能膜の頂部を被覆する前記保護膜の厚さをTtとし、前記凸条部の両側面の下部側及び前記ベース部の表面を被覆する前記保護膜の厚さをBtとしたとき、下記式(10)を満たす、
請求項1に記載のワイヤグリッド偏光素子。
Bt/Tt≧0.85 ・・・(10)
【請求項4】
下記式(11)を満たす、請求項3に記載のワイヤグリッド偏光素子。
0.85≦Bt/Tt≦1.07 ・・・(11)
【請求項5】
下記式(12)を満たす、請求項3に記載のワイヤグリッド偏光素子。
1.00<Bt/Tt≦1.07 ・・・(12)
【請求項6】
前記保護膜は、SiO
2
からなる単層構造である、請求項3に記載のワイヤグリッド偏光素子。
【請求項7】
前記保護膜は、Al
2
O
3
からなる第1被膜層と、SiO
2
からなる第2被膜層とを含む積層構造である、請求項3に記載のワイヤグリッド偏光素子。
【請求項8】
前記凸条部と前記機能膜とから構成される凸構造体全体の断面形状は、前記凸条部を覆い包む前記機能膜の下端部の直下の位置に、前記凸構造体全体の幅方向の幅が狭くなったくびれ部を有する、請求項1に記載のワイヤグリッド偏光素子。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のワイヤグリッド偏光素子の製造方法であって、
無機材料からなる基板上に、有機材料からなるグリッド構造体材料を形成する工程と、
前記グリッド構造体材料にナノインプリントを施すことによって、前記基板上に設けられるベース部と、前記ベース部から突出する複数の凸条部とが一体形成されたグリッド構造体を形成する工程と、
無機酸化物を用いて、少なくとも前記凸条部の一部を被覆する補強膜を形成する工程と、
金属材料を用いて、前記補強膜を介して前記凸条部の一部を被覆する機能膜を形成する工程と、
を含み、
前記グリッド構造体を形成する工程では、前記ベース部から離れるにつれて幅が狭くなる先細り形状を有する前記凸条部を形成し、
前記機能膜を形成する工程では、
前記補強膜が、少なくとも前記凸条部の先端及び両側面の上部側を覆い包み、前記機能膜が、前記補強膜を介して前記凸条部の先端及び両側面の上部側を覆い包み、かつ、前記凸条部の両側面の下部側及び前記ベース部を被覆せず、前記機能膜による前記凸条部の側面の被覆率(Rc)が、前記凸条部の高さ(H)に対する、前記凸条部の側面のうち前記機能膜により被覆された部分の高さ(Hx)の割合であるとき、前記被覆率(Rc)が30%以上、70%以下であるように、前記機能膜を形成する、
ワイヤグリッド偏光素子の製造方法。
【請求項10】
前記補強膜を形成する工程では、
前記補強膜が前記凸条部の先端及び両側面の上部側を覆い包むように、蒸着法により前記補強膜を成膜する、請求項9に記載のワイヤグリッド偏光素子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤグリッド偏光素子、ワイヤグリッド偏光素子の製造方法、投影表示装置及び車両に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
ワイヤグリッド偏光素子は、例えば、車両用のヘッドアップディスプレイ装置の偏光ビームスプリッタとして使用される。ヘッドアップディスプレイ装置は、車内のダッシュボードに設置され、夏場などの高温環境下で使用される場合、高い耐熱性及び放熱性が求められる。このため、ヘッドアップディスプレイ装置に搭載されるワイヤグリッド偏光素子も、優れた耐熱性及び放熱性が求められる。
【0003】
例えば、特許文献1には、ワイヤグリッド偏光素子の耐熱性と放熱性を向上させるために、ワイヤグリッド偏光素子の基板を透明な無機材料(例えばガラス)で形成するとともに、当該基板上に設けられるグリッド構造体を透明な有機材料(例えば樹脂)で一体形成することが開示されている。かかるグリッド構造体は、上記基板上に設けられるベース部と、ベース部から突出する複数の凸条部とが一体形成されており、各凸条部の先端部をAl等の金属材料からなる機能膜で被覆することによって、入射光の反射機能を付与している。また、特許文献1には、ワイヤグリッド偏光素子に求められる各種の光学特性(透過軸透過率(Tp)特性、Tp×Rs特性、コントラスト)を良好にするために、凸条部の高さHを160nm以上に高くすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-095826号公報
特開2014-085516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のグリッド構造体の凸条部は、ガラス等の無機材料よりも剛性と耐熱性が低い樹脂等の有機材料で形成されており、かつ、その先端に向かうにつれて細くなる先細り形状を有する。したがって、上記特許文献1に記載のように凸条部の高さHを高くすると、スパッタリング法又は蒸着法等の成膜法によって、高温の機能膜を凸条部の先端部を覆うように成膜したときに、有機材料製の凸条部は、真っ直ぐに上に延びる先細り形状を維持できずに、左右に傾いてしまう場合がある。このように、凸条部を覆う機能膜の成膜に起因して凸条部が傾いてしまうと、ワイヤグリッド偏光素子に求められる各種の光学特性(例えば、Tp特性、Tp×Rs特性、コントラスト)が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、機能膜の成膜に起因してグリッド構造体の凸条部が傾くことを抑制し、光学特性を向上することが可能なワイヤグリッド偏光素子、ワイヤグリッド偏光素子の製造方法、投影表示装置及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、以下の知見を見出した。まず、ワイヤグリッド偏光素子の基板を透明な無機材料で形成するとともに、当該基板上に設けられるグリッド構造体を透明な有機材料で一体形成する。これによって、ワイヤグリッド偏光素子を有機材料と無機材料からなるハイブリッド型の構造にすることができる。この結果、ワイヤグリッド偏光素子の放熱性を大幅に改善することができる。
【0008】
さらに、上記グリッド構造体として、基板の表面に沿って設けられるベース部と、当該ベース部から突出する複数の凸条部とが一体形成されたグリッド構造体を用いる。これにより、当該グリッド構造体は、ナノインプリント等の技術によって形成可能であるため、フォトリソグラフィ技術やエッチング技術を用いる場合に比べて、グリッド構造体の製造コストを低減でき、大量生産も可能となる。
【0009】
さらに、グリッド構造体の凸条部上に、光を反射する反射膜、もしくは光を吸収する吸収膜などの機能膜を設ける際、当該機能膜による凸条部の被覆範囲と被覆形態を好適に調整する。即ち、凸条部の先端及び片側又は両側の側面の上部側を、機能膜で包み込むように被覆し、一方、凸条部の側面の下部側やベース部の表面を、機能膜で被覆せずに、開放する。そして、機能膜は、丸みを帯びて、凸条部の幅方向に膨出するような形状で、凸条部の先端及び側面の上部側を覆い包むようにする。さらに、凸条部と、当該凸条部を覆い包む機能膜とを合わせたグリッドの最大幅(m
MAX
)が、凸条部の底部の
B
)以上になるように、凸条部と機能膜の形状及び大きさを調整する。さらに、機能膜が凸条部の側面を被覆する範囲を、当該側面の上部側の特定範囲(例えば、凸条部の高さ(H)の25%以上、80%以下の範囲)に限定することが好ましい。
【0010】
これにより、大きく広い範囲の入射角度の斜入射光がワイヤグリッド偏光素子に入射される場合であっても、ワイヤグリッド偏光素子における第2の偏光(P偏光)の透過率(Tp)が、入射角度に依存して低下することを抑制できる。したがって、ワイヤグリッド偏光素子における第1の偏光(S偏光)の反射軸反射率(Rs)と、第2の偏光(P偏光)の透過軸透過率(Tp)との積(Tp×Rs)を、高い値に維持することができる。よって、ワイヤグリッド偏光素子を例えば偏光ビームスプリッタとして用いた場合に、入射角度が大きくかつ広い範囲の斜入射光に対しても、十分な透過性及び偏光分離特性を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社シグマ
結像光学系
18日前
日亜化学工業株式会社
発光装置
9日前
日本精機株式会社
車両用表示装置
23日前
日本精機株式会社
車両用表示装置
23日前
日本電波工業株式会社
光学フィルタ
17日前
株式会社シグマ
大口径比超広角レンズ
23日前
株式会社シャルマン
眼鏡
19日前
個人
2重らせん構造式仮想現実シミュレーター
22日前
住友化学株式会社
偏光子の製造方法
18日前
TDK株式会社
網膜投影装置
23日前
住友化学株式会社
光学積層体
19日前
新光電気工業株式会社
光導波路部品
18日前
上海天馬微電子有限公司
液晶表示装置
16日前
日本化薬株式会社
偏光発光膜、偏光発光板及び表示装置
24日前
信越化学工業株式会社
シングルモード光ファイバ
17日前
AGC株式会社
光学素子
24日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
17日前
マクセル株式会社
空中浮遊映像表示装置
16日前
日本電気株式会社
光送信器及び光送信器の制御方法
25日前
キヤノン株式会社
光学系および撮像装置
1日前
セイコーエプソン株式会社
光学表示装置
19日前
ウシオ電機株式会社
光源装置および光測定装置
9日前
日東電工株式会社
調光フィルム
23日前
日東電工株式会社
調光フィルム
23日前
キヤノン株式会社
レンズ装置および撮像装置
3日前
キヤノン株式会社
レンズ装置、及び撮像装置
2日前
アルプスアルパイン株式会社
表示装置
18日前
キヤノン株式会社
ズームレンズおよび撮像装置
1日前
キヤノン株式会社
レンズ鏡筒、および撮像装置
9日前
信越ポリマー株式会社
視野角制御フィルムの製造方法
18日前
小林製薬株式会社
硬質表面用クリーナー
17日前
日亜化学工業株式会社
光回路、及び光回路の製造方法
18日前
ピンポイントフォトニクス株式会社
画像観察機能付き分光装置
9日前
キヤノン株式会社
ステレオ光学系および撮像装置
9日前
キヤノン株式会社
ステレオ光学系および撮像装置
9日前
キヤノン株式会社
ステレオ光学系および撮像装置
25日前
続きを見る
他の特許を見る