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公開番号2025095310
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023211234
出願日2023-12-14
発明の名称発電計画提示装置
出願人中部電力株式会社,株式会社TSUNAGU Community Analytics
代理人個人,個人
主分類H02J 3/00 20060101AFI20250619BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ゼロまたは最小取水量以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件を満たす最適解を演算負荷を軽減しつつ線形計画法によって探索できるようにした発電計画提示装置を提供する。
【解決手段】PUは、取水量の制約条件をゼロ以上であって且つ最大取水量以下である旨の仮制約条件として線形計画法によって最適解を探索する。PUは、探索結果が示す取水量が最小取水量未満の場合、本制約条件を取水量がゼロである旨の条件とする。PUは、探索結果が示す取水量が最小取水量以上の場合、本制約条件を最小取水量以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件とする。
【選択図】図10B
特許請求の範囲【請求項1】
河川によって接続された複数のダムについて、前記ダムを利用して発電する発電所による取水量を計画する発電計画提示装置であって、
最適化処理を実行するように構成された実行装置を備え、
前記最適化処理は、所定の目的関数の値を最適化する取水量の解を出力する処理であって且つ、探索処理、および制約条件変更処理を含み、
前記探索処理は、所定の制約条件の下で線形計画法によって前記複数のダムのうちの少なくとも一部のダムの前記取水量を探索する処理を含み、
前記制約条件変更処理は、前記所定の制約条件としての仮制約条件にて前記探索処理が実行された後に前記所定の制約条件を本制約条件に変更する処理であり、
前記仮制約条件は、前記取水量がゼロ以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件であり、
前記本制約条件は、前記仮制約条件での前記探索処理によって探索された前記取水量が最小取水量未満の場合には、前記取水量がゼロである旨の条件であり、前記仮制約条件での前記探索処理によって探索された前記取水量が前記最小取水量以上の場合には、前記取水量が前記最小取水量以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件であり、
前記最小取水量はゼロよりも大きい値である発電計画提示装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記複数のダムのうちの少なくとも一部のダムは、2以上のダムを含み、
前記制約条件変更処理は、前記2以上のダムのうちの一部のダムを選定して、当該一部のダムの制約条件を前記本制約条件に変更する処理を含み、
前記探索処理は、前記制約条件変更処理による前記所定の制約条件の変更がなされる都度実行され、
前記制約条件変更処理は、前記2以上のダムのなかに前記仮制約条件が課されているダムがなくなるまで前記探索処理が実行される都度繰り返し実行される請求項1記載の発電計画提示装置。
【請求項3】
前記制約条件変更処理は、予め設定された優先順位に従って、前記制約条件を前記本制約条件に変更する前記2以上のダムのうちの一部のダムを選定する処理を含む請求項2記載の発電計画提示装置。
【請求項4】
前記探索処理による探索がなされる前記取水量は、所定期間が複数の単位時間に分割された各時間のそれぞれにおける量であり、
前記制約条件変更処理は、前記本制約条件に変更したダムについて前記探索処理による解がない場合、前記本制約条件に変更する新たなダムを選定することなく、前記解がないとされたダムに関する前記複数の単位時間の全ての前記取水量の制約条件を、前記最小取水量以上であって且つ前記最大取水量以下である旨の条件に変更する第2変更処理を含む請求項1記載の発電計画提示装置。
【請求項5】
前記2以上のダムとは異なるダムには、取水量として互いに異なる複数の値のみが許容される離散ダムが含まれ、
前記探索処理は、前記離散ダムについては、前記取水量を前記複数の値のそれぞれとしつつ前記2以上のダムの前記取水量とともに前記目的関数を最適化する解を探索する処理を含む請求項1記載の発電計画提示装置。
【請求項6】
前記複数のダムには、ALRダムが含まれ、
前記実行装置は、貯水量初期値取得処理、および渓流量取得処理を実行するように構成され、
前記貯水量初期値取得処理は、前記ALRダムにおける貯水量の初期値を取得する処理であり、
前記渓流量取得処理は、前記ALRダムに流入する渓流量を取得する処理であり、
前記最適化処理は、前記ALRダムに隣接する上流のダムの放水量および前記取水量と前記ALRダムに流入する渓流量との和を前記ALRダムの流入量に代入する処理と、前記ALRダムの流入量に応じて前記貯水量の初期値を更新する処理と、を含み、
前記探索処理は、前記ALRダムの貯水量が最大貯水量以下である旨の条件をさらに含めて前記取水量を探索する処理であり、
前記最大貯水量は、前記ALRダムへの流入量を独立変数とする2つの一次関数によって算出される値のうちの小さい方に設定される請求項1記載の発電計画提示装置。
【請求項7】
前記一次関数は、前記ダムの水位と前記ダムの貯水量との関係が、前記ダムの上限水位および対応する前記貯水量と下限水位および対応する前記貯水量とを結ぶ直線によって近似されている請求項6記載の発電計画提示装置。
【請求項8】
前記複数のダムのうちの一部のダムには、立ち上がり規制ダムが含まれ、
補正処理を実行するように構成され、
前記補正処理は、前記立ち上がり規制ダムに関する前記探索処理による前記取水量の立ち上がりが大きい場合、予め定められた立ち上がりに補正する処理である請求項1記載の発電計画提示装置。
【請求項9】
前記目的関数は、複数のダムの放水量の合計量が小さいほど高評価となる関数、複数のダムの発電量の合計量が大きいほど高評価となる関数、および複数のダムの売電金額が大きいほど高評価となる関数の3つの関数のうちの少なくとも1つの関数を用いて構成されている請求項1記載の発電計画提示装置。
【請求項10】
前記実行装置は、貯水量初期値取得処理、および渓流量取得処理を実行するように構成され、
前記貯水量初期値取得処理は、前記複数のダムのそれぞれにおける貯水量の初期値を取得する処理であり、
前記渓流量取得処理は、前記複数のダムのそれぞれに流入する渓流量を取得する処理であり、
前記最適化処理は、ダムへの流入量に当該ダムの上流のダムの放水量および前記取水量と当該ダムに流入する渓流量との和を代入する処理と、ダムの流入量に応じて当該ダムの貯水量の初期値を更新する処理と、を含み、
前記探索処理は、前記貯水量が最小貯水量以上であって且つ最大貯水量以下である旨の条件をさらに含めて前記取水量を探索する処理である請求項1記載の発電計画提示装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発電計画提示装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、複数の水力発電所の発電計画を立案するシステムが記載されている。このシステムは、線形計画法を用いて、複数の水力発電所のそれぞれにおける発電量の計画を立案する。このシステムは、まず、発電使用水量が下限値以上上限値以下である旨の制約条件を用いて、仮発電計画を立案する。そして、仮発電計画における発電機の出力が所定の閾値を下回る場合、発電使用水量がゼロである制約条件を追加して、線形計画法にて最終発電計画を立案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-285032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の場合、2回目の線形計画法において、発電使用水量が下限値以上上限値以下である旨の制約条件が課されていた発電所の出力が上記所定の閾値を下回るおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.河川によって接続された複数のダムについて、前記ダムを利用して発電する発電所による取水量を計画する発電計画提示装置であって、最適化処理を実行するように構成された実行装置を備え、前記最適化処理は、所定の目的関数の値を最適化する取水量の解を出力する処理であって且つ、探索処理、および制約条件変更処理を含み、前記探索処理は、所定の制約条件の下で線形計画法によって前記複数のダムのうちの少なくとも一部のダムの前記取水量を探索する処理を含み、前記制約条件変更処理は、前記所定の制約条件としての仮制約条件にて前記探索処理が実行された後に前記所定の制約条件を本制約条件に変更する処理であり、前記仮制約条件は、前記取水量がゼロ以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件であり、前記本制約条件は、前記仮制約条件での前記探索処理によって探索された前記取水量が最小取水量未満の場合には、前記取水量がゼロである旨の条件であり、前記仮制約条件での前記探索処理によって探索された前記取水量が前記最小取水量以上の場合には、前記取水量が前記最小取水量以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件であり、前記最小取水量はゼロよりも大きい値である発電計画提示装置。
【0006】
発電所の取水量の取りうる値は、ゼロまたは最小取水量以上であって且つ最大取水量以下であることがある。その場合、この条件を線形計画法の条件とするために、線形計画法のうちの混合整数線形計画法を用いることが考えられる。しかし、その場合、演算負荷が膨大なものとなる。そこで上記構成では、仮制約条件として、ゼロ以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件を採用しつつ、線形計画法によって最適解を探索する。これは普通の制約条件であることから、演算負荷を抑えつつ実行できる。そして、得られた解が最小取水量未満である場合、本制約条件を、その取水量がゼロである旨の条件とする。また、得られた解が最小取水量以上の場合、本制約条件を、その取水量が最小取水量以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件とする。これにより、本制約条件を用いた線形計画法による最適解の探索も演算負荷を抑えつつ実行できる。したがって、上記構成では、発電所の取水量の取りうる値が、ゼロまたは最小取水量以上であって且つ最大取水量以下である旨の条件を満たす最適解を演算負荷を軽減しつつ探索できる。
【0007】
2.前記複数のダムのうちの少なくとも一部のダムは、2以上のダムを含み、前記制約条件変更処理は、前記2以上のダムのうちの一部のダムを選定して、当該一部のダムの制約条件を前記本制約条件に変更する処理を含み、前記探索処理は、前記制約条件変更処理による前記所定の制約条件の変更がなされる都度実行され、前記制約条件変更処理は、前記2以上のダムのなかに前記仮制約条件が課されているダムがなくなるまで前記探索処理が実行される都度繰り返し実行される上記1記載の発電計画提示装置。
【0008】
上記構成では、2以上のダムのうちの一部のダムの制約条件を本制約条件に変更した状態で最適解を探索する処理を、2以上のダムのすべての制約条件を本制約条件に変更するまで実行する。これにより、2以上のダムのすべての制約条件を同時に仮制約条件から本制約条件に変更する場合と比較すると、最適解を見出せない事態が生じることを抑制できる。
【0009】
また、新たに仮制約条件から本制約条件への変更がなされると、それ以前に本制約条件に変更されていたダムの取水量についても最適解が探索される。そのため、それ以前に本制約条件に変更されていたダムの取水量の変更が許容されることから、柔軟に最適解を探索できる。
【0010】
3.前記制約条件変更処理は、予め設定された優先順位に従って、前記制約条件を前記本制約条件に変更する前記2以上のダムのうちの一部のダムを選定する処理を含む上記2記載の発電計画提示装置。
(【0011】以降は省略されています)

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