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公開番号2025093662
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209442
出願日2023-12-12
発明の名称蓄電デバイスとその製造方法
出願人プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 4/13 20100101AFI20250617BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】容量維持率及びハイレート特性を維持しつつ、金属リチウムの析出を抑制した安全性の高い蓄電デバイス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】蓄電デバイスは、正極集電箔と正極合材層とを有する正極と、負極集電箔と負極合材層とを有する負極と、正極と負極との間に介在するセパレータとを備える。負極合材層は、活物質とバインダとを含み、負極集電箔に近接する第1層からセパレータに近接する第n層までのn層(nは2以上の自然数)からなる積層構造により構成されており、ここで、第n層全体の固形分重量を100wt%としたときの第n層のバインダ含有率(A)が5.0wt%以上35.0wt%以下であり、第1層全体の固形分重量を100wt%としたときの第1層のバインダ含有率(B)が、以下の式(1);(1)1.10≦A/B≦62.50を満たし、負極合材層の平均抵抗値が15Ω/cm2以上50Ω/cm2以下である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
正極集電箔と正極合材層とを有する正極と、負極集電箔と負極合材層とを有する負極と、前記正極と負極との間に介在するセパレータとを備える蓄電デバイスであって、
前記負極合材層は、活物質とバインダとを含み、
前記負極合材層は、前記負極集電箔に近接する第1層から前記セパレータに近接する第n層までのn層(nは2以上の自然数)からなる積層構造により構成されており、
ここで、前記第n層の固形分の総重量を100wt%としたときの前記第n層のバインダ含有率(A)が5.0wt%以上35.0wt%以下であり、
前記第1層の固形分の総重量を100wt%としたときの前記第1層のバインダ含有率(B)と前記第n層のバインダ含有率(A)との関係が、以下の式(1);
(1)1.10≦A/B≦62.50
を満たし、
前記負極合材層の平均抵抗値が15Ω/cm

以上50Ω/cm

以下である、蓄電デバイス。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記負極合材層の任意の層のバインダ含有率(C)と、
前記任意の層と厚み方向において負極集電箔側に隣接する層のバインダ含有率(D)とが、
以下の式(2);
(2)1.10≦C/D≦16.10
を満たす、請求項1に記載の蓄電デバイス。
【請求項3】
前記負極合材層は3層以上である、請求項2に記載の蓄電デバイス。
【請求項4】
前記バインダ含有率は、前記負極合材層の厚み方向において、前記第1層から前記第n層に向かって次第に増加する、請求項3に記載の蓄電デバイス。
【請求項5】
電極集電箔及び電極合材層を備え、
前記電極集電箔に近接する第1層から前記電極合材層の厚み方向における表面の第n層までのn層(nは2以上の自然数)からなる積層構造を有する電極を製造する方法であって、以下の工程:
第1層から第n層の合材を用意する工程;及び
前記電極集電箔上に前記第1層から第n層までの合材層を順次積層及び乾燥させる工程、
ここで、第2層目以降の乾燥は、溶媒の対流により合材中に含まれるバインダが他層に移動しないように行われる;を包含し、
前記第1層から第n層の合材層は、1からnが大きくなるに従ってバインダの含有率が増加する、電極の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電デバイスとその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池その他の二次電池あるいはキャパシタ等の蓄電デバイスは、軽量かつその高いエネルギー密度から、パソコン、携帯端末等のポータブル機器の電源や、電気自動車(BEV)の車両駆動用電源等の車両の高出力電源として好適に用いられている。このような蓄電デバイスが備える電極には、集電箔と、該集電箔の表面に形成された合材層とが備えられている。合材層は、主に活物質により構成されている。また、典型的には、合材層には導電助剤や結着剤(バインダ)が含まれている。バインダは、活物質と集電箔との結着や活物質同士の結着等、電極構造の維持に寄与している。
【0003】
蓄電デバイスは、用途の拡大や発展に伴い、短時間に大電流で充電(あるいは、放電)ができることが求められている。かかるニーズに対し、電極の電気抵抗を下げることで蓄電デバイスの容量維持率を向上させる技術が知られている。例えば、特開2018-174096号公報には、表面側における導電助剤及びバインダの含有量が、集電基材側における導電助剤及びバインダの含有量よりも高い活物質層を有する電極が開示されている。該蓄電素子は、金属箔と正極活物質との接触抵抗を小さくすることで、充放電を繰り返した後に出入性能が低下することを抑制する。特開2022-100812号公報には、活物質層を6等分した際、最も集電体側におけるバインダ含有量が、最も表面側におけるバインダ含有量よりも低い活物質層を有する電極が開示されている。この文献には、正極活物質層にさらに導電助剤としてカーボンナノチューブを含有することで、電気抵抗を低減し、サイクル特性を維持する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-174096号公報
特開2022-100812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、蓄電デバイスにおいて、充電時に負極合材層の表面(すなわち、負極合材層とセパレータとの界面)に電荷担体となる金属(例えば、金属リチウム等)が析出してしまうことがある。このような場合、合材層中の電荷担体(例えば、リチウムイオン等)が減少するため、サイクル後の容量維持率が低下してしまう。
【0006】
本開示は、容量維持率を維持しつつ、電荷担体となる金属の析出を抑制した安全性の高い蓄電デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示される蓄電デバイスは、正極集電箔と正極合材層とを有する正極と、負極集電箔と負極合材層とを有する負極と、上記正極と負極との間に介在するセパレータとを備える。上記負極合材層は、活物質とバインダとを含み、上記負極合材層は、上記集電箔に近接する第1層から上記セパレータに近接する第n層までのn層(nは2以上の自然数)からなる積層構造により構成されている。ここで、上記第n層の固形分総重量を100wt%としたときの上記第n層のバインダ含有率(A)が8.0wt%以上25.0wt%以下であり、上記第1層の固形分総重量を100wt%としたときの上記第1層のバインダ含有率(B)が、式(1)1.10≦A/B≦62.50を満たす。また、上記集電箔に近接する第1層から上記セパレータに近接する第n層までの平均抵抗値が15Ω/cm

以上50Ω/cm

以下である。
【0008】
負極の抵抗値が低すぎる(電荷担体の伝導性が高すぎる)蓄電デバイスでは、充電時に多量の電荷担体が正極から負極に急激に移動する。これによって、合材層の表面において、電荷担体となる金属の析出が促進される。これに対して、発明者らが鋭意検討を行った結果、負極合材層の表層のバインダ含有率(A)の高くすることで(具体的には、5.0wt%~35.0wt%)、電荷担体となる金属の析出を抑制できることを見出した。すなわち、かかる蓄電デバイスによると、負極合材層の表層の抵抗値が好適に上昇し、負極合材層の表層側における電荷担体(例えば、リチウムイオン等)の伝導性が低下する。これによって、充電時に電荷担体が正極から負極に移動する際、負極合材層全体に均一に電荷担体を吸蔵することができる。この結果、電荷担体となる金属(例えば、金属リチウム等)の析出を抑制し、サイクル後の容量維持率を向上させることができる。また、負極合材層の表面層と底面層とでバインダ含有率を異ならせることで、負極の平均抵抗値を50Ω/cm

以下に抑えることができる。具体的には、負極合材層の表層のバインダ含有率(A)と、集電箔に近接する層のバインダ含有率(B)とが、1.10≦A/B≦62.50を満たすようにする。こうすることで、表層付近は高抵抗であっても集電箔付近の導電性が向上し、蓄電デバイスの容量維持率を向上させつつ、電池性能の低下を抑制することもできる。
【0009】
ここに開示される一態様の蓄電デバイスは、上記負極合材層の任意の層のバインダ含有率(C)と、上記任意の層と厚み方向において負極集電箔側に隣接する層のバインダ含有率(D)とが、式(2)1.10≦C/D≦16.10を満たす。これによって、隣接した二つの層間で電荷担体の伝導性の差が小さくなり、層間における電荷担体となる金属の析出を抑制することができる。
【0010】
ここに開示される一態様の蓄電デバイスでは、上記負極合材層は3層以上である。これによって、電荷担体となる金属の析出の抑制がより確実に可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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