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公開番号2025086256
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-06
出願番号2023200196
出願日2023-11-27
発明の名称コークス炉の装入孔蓋
出願人品川リフラクトリーズ株式会社
代理人個人,個人
主分類C10B 25/20 20060101AFI20250530BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】鉄皮の筒状部の下端面と接する部位の耐火物の欠落や鉄皮の変形による耐火物の損傷が生じにくいコークス炉の装入孔蓋を提供すること。
【解決手段】コークス炉の装入孔蓋はコークス炉の装入孔に挿入される蓋であって、鉄皮と、耐火物とを備え、鉄皮は上面部と筒状部とを備え、耐火物は上部と下部とを備え、鉄皮の上面部は耐火物の上部の上面を覆い、鉄皮の筒状部は耐火物の上部の側面を覆い、コークス炉の装入孔と嵌合される耐火物の下部は下方に向かって先細のテーパー構造を備え、耐火物の下部の外周面はテーパー面とされ、鉄皮の筒状部の外周面及び内周面の下端はそれぞれ面取りされ、外周面取り面と内周面取り面とが交差して下端頂縁を形成し、鉄皮の外周面取り面は耐火物のテーパー面と滑らかにつながる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項１】
コークス炉の装入孔に挿入される蓋であって、
鉄皮と、耐火物とを備え、
前記鉄皮は上面部と筒状部とを備え、
前記耐火物は上部と下部とを備え、
前記鉄皮の前記上面部は前記耐火物の前記上部の上面を覆い、
前記鉄皮の前記筒状部は前記耐火物の前記上部の側面を覆い、
前記コークス炉の前記装入孔と嵌合される前記耐火物の前記下部は下方に向かって先細のテーパー構造を備え、前記耐火物の前記下部の外周面はテーパー面とされ、
前記鉄皮の前記筒状部の外周面及び内周面の下端はそれぞれ面取りされ、外周面取り面と内周面取り面とが交差して下端頂縁を形成し、
前記鉄皮の前記外周面取り面は前記耐火物の前記テーパー面と滑らかにつながることを特徴とするコークス炉の装入孔蓋。
続きを表示（約 410 文字）【請求項２】
請求項１に記載のコークス炉の装入孔蓋において、
前記鉄皮の前記内周面と前記内周面取り面とのなす角度が１００～１７０°であることを特徴とするコークス炉の装入孔蓋。
【請求項３】
請求項１に記載のコークス炉の装入孔蓋において、
前記鉄皮の前記外周面取り面及び前記内周面取り面の上端から前記下端頂縁までの高さをそれぞれｈ１、ｈ２とすると、１≦ｈ１／ｈ２≦４であることを特徴とするコークス炉の装入孔蓋。
【請求項４】
請求項１乃至３のいずれか１項に記載のコークス炉の装入孔蓋において、
前記鉄皮の前記外周面取り面の下端と前記耐火物の前記テーパー面の上端とのギャップが５ｍｍ以内であり、
前記鉄皮の前記外周面取り面に対する前記耐火物の前記テーパー面のなす角度が内周方向に２０°以内かつ外周方向に１０°以内であることを特徴とするコークス炉の装入孔蓋。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、コークス炉炭化室の装入孔蓋に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
コークス炉炭化室の天井には円形の装入孔があり、装入孔蓋を開放してからコークス原料の石炭を炭化室に装入する。石炭装入後は、装入孔に同心円状の装入孔蓋を嵌合させ、炭化室を密閉する。
【０００３】
装入孔蓋は上面に鉄皮を備え、装入孔蓋の開放は、装炭車に設置された電磁石を作動させ、電磁石に鉄皮を吸い付けて装入孔蓋を持ち上げることでなされる。また、炭化室の密閉は、電磁石に鉄皮を吸い付けて装入孔蓋を装入孔に嵌合させた後、電磁石を停止、取り外すことでなされる。
【０００４】
密閉、加熱中の炭化室は１０００℃以上になるため、装入孔蓋は装入孔との嵌合側に耐火物を備え、耐火物の上部の上面を鉄皮が覆う構造になっている。鉄皮は、装入孔蓋の開け閉め時の衝撃から耐火物を保護するため、さらに耐火物の上部の側面を筒状に覆う構造になっている。コークス炉の装入孔と嵌合される耐火物の下部は、装入孔との密閉を高めるため、下方に向かって先細のテーパー構造（例えば、円錐台、球台状、角錐台等）を備え、耐火物の下部の外周面はテーパー面とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
図１、図２に従来の装入孔蓋の断面構造を示す。
【０００６】
図１に示す装入孔蓋１０は、鉄皮１１の筒状部の下端の断面が矩形であり、鉄皮１１の筒状部の下端面を耐火物１２が覆う構造になっている。この構造は鉄皮１１の筒状部の下端面と接する部位の耐火物１２が欠落しやすいという問題がある。図２に示す装入孔蓋１０は、鉄皮１１の筒状部の外周面の下端が面取りされ、耐火物１２の下部のテーパー面に滑らかにつながり、また、鉄皮１１の筒状部の外周面取り面と内周面とが交差して下端頂縁を形成している。この構造は鉄皮１１の下端頂縁の尖りが鋭利であり、また、鉄皮１１の筒状部が耐火物１２に食い込むように変形することで損傷を助長しやすいという問題がある。これらの問題が発生すると装入孔の密閉が不十分になり、コークス炉炭化室のガスが環境中に流出し、人体への健康被害等に至ることがある。
【０００７】
ここで、鉄皮１１の外周面取り面が耐火物１２のテーパー面に滑らかにつながるとは、以下の２条件を満たすことをいう。
・鉄皮１１の外周面取り面の下端と耐火物１２のテーパー面の上端とのギャップが５ｍｍ以内であること
・鉄皮１１の外周面取り面に対する耐火物１２のテーパー面のなす角度が内周方向に２０°以内かつ外周方向に１０°以内であること
【０００８】
本開示は上記実状を鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、鉄皮の筒状部の下端面と接する部位の耐火物の欠落や鉄皮の変形による耐火物の損傷が生じにくいコークス炉の装入孔蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
本開示の一の態様は、
コークス炉の装入孔に挿入される蓋であって、
鉄皮と、耐火物とを備え、
前記鉄皮は上面部と筒状部とを備え、
前記耐火物は上部と下部とを備え、
前記鉄皮の前記上面部は前記耐火物の前記上部の上面を覆い、
前記鉄皮の前記筒状部は前記耐火物の前記上部の側面を覆い、
前記コークス炉の前記装入孔と嵌合される前記耐火物の前記下部は下方に向かって先細のテーパー構造を備え、前記耐火物の前記下部の外周面はテーパー面とされ、
前記鉄皮の前記筒状部の外周面及び内周面の下端はそれぞれ面取りされ、外周面取り面と内周面取り面とが交差して下端頂縁を形成し、
前記鉄皮の前記外周面取り面は前記耐火物の前記テーパー面と滑らかにつながることを特徴とするコークス炉の装入孔蓋に関する。
【００１０】
このような装入孔蓋は、鉄皮の筒状部の下端面と接する部位の耐火物の欠落が軽減される。これは鉄皮の筒状部の内周面の下端が面取りされることにより、耐火物の上部の、鉄皮の内周面に接する部位と、鉄皮の内周面取り面と接する部位とのなす角度が鈍角になり、応力が分散されるためと考えられる。また、鉄皮の筒状部の下端による耐火物の損傷が軽減される。これは鉄皮の筒状部の外周面取り面と内周面取り面とが交差して下端頂縁を形成することにより、鉄皮の筒状部の下端頂縁の尖りが軽減され、耐火物への食い込みが軽減されるためと考えられる。さらに、鉄皮の筒状部の内周面の下端の面取りにより、鉄皮の筒状部の下端頂縁の尖りが筒状部の外周面方向に移動し、筒状部の、内周面と外周面の熱膨張の差に伴う、耐火物に食い込むような変形が軽減されるためと考えられる。
（【００１１】以降は省略されています）

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