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公開番号
2024171883
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023089156
出願日
2023-05-30
発明の名称
発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニット
出願人
日亜化学工業株式会社
代理人
弁理士法人iX
主分類
H01L
33/00 20100101AFI20241205BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】複数の発光素子の温度を推定可能な発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニットを提供する。
【解決手段】発光モジュールの温度推定方法は、複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法であって、前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給する電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する工程を備える。
【選択図】図9
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法であって、
前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給する電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する工程を備える発光モジュールの温度推定方法。
続きを表示(約 1,500 文字)
【請求項2】
前記複数の発光素子の温度を推定する工程は、
前記複数の発光素子の点灯パターンに基づいて、それぞれの前記発光素子が有する熱量を表す変数を算出する工程と、
前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出する工程と、
予め取得された前記発光モジュールに供給する第1電力と前記複数の発光素子のうち2つ以上の発光素子の温度の代表値及びばらつきを表す値との関係と、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する第2電力に基づいて、全ての前記発光素子の温度を推定する工程と、
を備える請求項1に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項3】
前記関係は、2つ以上の発光素子にそれぞれ温度センサーが設けられた試験用発光モジュールを複数の点灯パターンで点灯させて、前記複数の点灯パターンのそれぞれについて、前記試験用発光モジュールに供給した前記第1電力と、複数の前記温度センサーの測定値の代表値及びばらつきを表す値とを取得することによって得られたものである請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項4】
前記試験用発光モジュールに供給した前記第1電力をP1とし、前記複数の温度センサーの測定値の代表値をSen_aとし、前記複数の温度センサーの測定値のばらつきを表す値をSen_rとし、係数をa、b、c、dとするとき、前記関係は以下のように表現できる請求項3に記載の発光モジュールの温度推定方法。
Sen_a=a×P1+b
Sen_r=c×Sen_a+d
【請求項5】
前記全ての前記発光素子の温度を推定する工程において、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する前記第2電力の値として、実測値を用いる請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項6】
前記全ての前記発光素子の温度を推定する工程において、前記点灯パターンを実現するために前記発光モジュールに供給する前記第2電力の値として、前記複数の発光素子の階調値の総和に基づいた推測値を用いる請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項7】
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を算出する2つ以上の発光素子と、前記温度の代表値及びばらつきを表す値が取得された2つ以上の発光素子は、同一である請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項8】
前記代表値は平均値である請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項9】
前記はらつきを表す値は最大値と最小値の差である請求項2に記載の発光モジュールの温度推定方法。
【請求項10】
前記変数を算出する工程は、
前記点灯パターンに基づいて、一の前記発光素子が前記一の発光素子又は他の前記発光素子から受ける熱量に相当するデータと、前記一の発光素子と前記一の発光素子又は前記他の発光素子との距離に相当するデータとの関係を表す関数を畳み込み積分することにより、前記複数の発光素子のそれぞれについて、受ける熱量の総和を算出して前記変数とする工程を有し、
前記発光素子の温度を推定する工程は、
前記変数の代表値及びばらつきを表す値を、前記温度の代表値及びばらつきを表す値に変換する変換係数を求める工程と、
前記変換係数を用いて、全ての前記発光素子について前記変数を温度に変換する工程と、
を有する請求項2~9のいずれか1つに記載の発光モジュールの温度推定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニットに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、配線基板に多数の発光素子を搭載し、発光素子を個別に制御する発光モジュールが提案されている。このような発光モジュールにおいては、点灯中に各発光素子の温度を推定して、各発光素子の温度が限界温度を超えないかどうかを管理することが好ましい。しかしながら、各発光素子の温度上昇の程度は点灯パターンに依存して異なるため、全ての発光素子の温度を個別に推定することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-186288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、上述の問題点に鑑みてなされたものであって、複数の発光素子の温度を推定可能な発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る発光モジュールの温度推定方法は、複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法であって、前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給する電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する工程を備える。
【0006】
本開示の実施形態に係る発光モジュールは、配線基板と、前記配線基板に配置された複数の発光素子と、を備える発光モジュールである。前記配線基板は、前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給される電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する制御部を有する。
【0007】
本開示の実施形態に係る車両ユニットは、発光モジュールと、前記発光モジュールを制御する制御部と、を備える。前記発光モジュールは、配線基板と、前記配線基板に配置された複数の発光素子と、を有する。前記制御部は、前記複数の発光素子の点灯パターンと前記発光モジュールに供給される電力とに基づいて、前記複数の発光素子の温度を推定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態によれば、複数の発光素子の温度を推定可能な発光モジュールの温度推定方法、発光モジュール及び車両ユニットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、第1の実施形態に係る発光モジュールを示す平面図である。
図2は、図1に示す領域IIを示す一部拡大平面図である。
図3は、第1の実施形態に係る発光モジュールを示す斜視図である。
図4は、第1の実施形態に係る試験用発光モジュールを示す平面図である。
図5は、試験用発光モジュールを用いて第1電力と発光素子の温度分布との関係を取得する予備実験システムを示すブロック図である。
図6は、横軸に第1電力をとり縦軸に温度測定値の平均値をとって、第1電力と温度測定値の平均値との関係を示すグラフである。
図7は、横軸に温度測定値の平均値をとり、縦軸に温度測定値の最大値と最小値の差をとって、温度測定値の平均値と差との関係を示すグラフである。
図8は、第1の実施形態に係る温度推定システムを示すブロック図である。
図9は、第1の実施形態に係る温度推定方法を示すフローチャートである。
図10Aは、点灯パターンを表す信号の例を示す図である。
図10Bは、点灯パターンを表す信号の例を示す図である。
図11は、横軸に発光素子の位置をとり、縦軸に熱量hをとって、関数f(d)の例を表すグラフである。
図12Aは、点灯パターンの例を表す図である。
図12Bは、一の発光素子がそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの例を示す図である。
図12Cは、他の発光素子がそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの例を示す図である。
図12Dは、一の発光素子と他の発光素子がそれ自体及び周囲に及ぼす熱量に相当するデータの和を示す図である。
図13は、関数f(d)の畳み込み積分に用いるカーネルの例を示す図である。
図14は、複数の発光素子に対応する複数の変数を示す図である。
図15は、発光素子の温度の推定値の例を示す図である。
図16は、横軸に点灯パターンをとり縦軸に温度の推定値と実測値の差をとって、推定値の精度を示すグラフである。
図17は、第2の実施形態に係る車両ユニットを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
本実施形態は、複数の発光素子を含む発光モジュールの温度推定方法である。発光モジュールは、例えば、車両の前照灯で用いられる光源である。本実施形態は、発光モジュールに点灯させる新たな点灯パターンを考案したときに、その点灯パターンにおいて限界温度を超える発光素子があるかどうかを検証するための予備実験として、各発光素子の温度を推定する例である。
(【0011】以降は省略されています)
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