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公開番号2024152637
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2024048286
出願日2024-03-25
発明の名称金属カーバイドおよび炭化水素の製造方法、ならびに炭素含有部材
出願人ダイキン工業株式会社,学校法人同志社
代理人個人,個人,個人
主分類C25B 1/18 20060101AFI20241018BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】比較的低温下で、速やかに反応が進行し、効率よく金属カーバイドを得ることのできる製造方法、得られた金属カーバイドから炭化水素を製造する方法、ならびに、金属カーバイドを担持した炭素含有部材を提供する。
【解決手段】アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンよりなる群から選択される少なくとも1種の第1金属イオンを含む溶融塩を調製すること、炭素を含む電極を準備すること、および、前記電極を用いて、前記溶融塩に電圧を印加し、前記第1金属のカーバイドを含む金属カーバイド組成物を得ること、を備える、金属カーバイドの製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンよりなる群から選択される少なくとも1種の第1金属イオンを含む溶融塩を調製すること、
炭素を含む電極を準備すること、および、
前記電極を用いて前記溶融塩に電圧を印加し、前記第1金属のカーバイドを含む金属カーバイド組成物を得ること、を備える、金属カーバイドの製造方法。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記溶融塩は、炭酸イオンを実質的に含まない、請求項1に記載の金属カーバイドの製造方法。
【請求項3】
前記電極は、グラッシーカーボン、天然黒鉛、等方性黒鉛、高配向性熱分解黒鉛、プラスチックフォームドカーボンおよび導電性ダイヤモンドよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の金属カーバイドの製造方法。
【請求項4】
前記電極は、高配向性熱分解黒鉛を含む、請求項1に記載の金属カーバイドの製造方法。
【請求項5】
前記溶融塩は、陰イオンとして、ハロゲン化物イオンおよび酸化物イオンの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の金属カーバイドの製造方法。
【請求項6】
前記溶融塩は、陰イオンとして、ハロゲン化物イオンおよび酸化物イオンの双方を含む、請求項1に記載の金属カーバイドの製造方法。
【請求項7】
前記溶融塩は、前記ハロゲン化物イオンとして、塩化物イオンを含む、請求項5または6に記載の金属カーバイドの製造方法。
【請求項8】
前記溶融塩は、前記ハロゲン化物イオンとして、フッ化物イオンを含む、請求項5または6に記載の金属カーバイドの製造方法。
【請求項9】
前記金属カーバイド組成物は、さらに、炭素、前記第1金属の単体、ハロゲン化物、炭酸塩、酸化物、水素化物および過酸化物よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の金属カーバイドの製造方法。
【請求項10】
前記溶融塩は、前記第1金属イオンとして、リチウムイオン、ナトリウムイオンおよびカリウムイオンよりなる群から選択される1種と、カルシウムイオンとを含む、請求項1に記載の金属カーバイドの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属カーバイドおよび炭化水素の製造方法、ならびに炭素含有部材に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
アセチレンは、様々な有機化合物の原料として、工業的に重要な物質である。アセチレンは、通常、金属カーバイド(主に、カルシウムカーバイド)と水との反応により得られる。
【0003】
カルシウムカーバイドは、一般に、生石灰(酸化カルシウム)とコークスとの混合物を、電気炉内で高温に加熱することにより得られる(例えば、特許文献1)。特許文献2は、カルシウムカーバイドの製造に関し、コークスを予めブリケットにしてから生石灰と混合することを提案している。特許文献3は、塩化リチウムを溶融電解して得られる金属リチウムと、カーボンブラック等の炭素粉末とを反応させて、リチウムカーバイドを製造する方法を提案している。非特許文献1は、水酸化リチウムを溶融塩電解して得られた金属リチウムと、二酸化炭素等の炭素源とを反応させて、リチウムカーバイドを製造する方法を提案している。非特許文献2は、金属リチウムと炭素とを反応させて、リチウムカーバイドを製造する方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-178412号公報
特開2018-35328号公報
特開平2-256626号公報
【非特許文献】
【0005】
McEnaney JM, Rohr BA, Nielander AC, Singh AR, King LA, Norskov JK, Jaramillo TF, “A cyclic electrochemical strategy to produce acetylene from CO2, CH4, or alternative carbon sources.”, Sustain Energy Fuels 4:2, 752-2759 (2020)
Uwe Ruschewitz, “Binary and ternary carbides of alkali and alkaline-earth metals”, Coordination Chemistry Reviews 244, 115-136 (2003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
金属カーバイドを製造するには、通常、原料を2000℃以上に加熱する必要がある。そのため、エネルギー効率が低いうえ、大量の二酸化炭素が生成するという問題がある。また、特許文献1~3では、金属カーバイドの炭素源として炭素そのものを使用している。非特許文献1には、炭素源として二酸化炭素を用いた場合、リチウムカーバイドの収率は計算上20%を超えないが、炭素源として炭素を用いることでリチウムカーバイドの収率を上げることができると記載されている。しかしながら、これを裏付ける実験データは示されていない。非特許文献2には、炭素源としてアモルファスカーボンあるいはグラファイトを用いることが記載されているが、結晶性のリチウムカーバイドを生成するには、800℃から900℃の金属リチウムの蒸気を接触させるか、あるいは、概ね3500℃以上アーク溶融炉内で金属リチウムと接触させる必要がある。
【0007】
本開示は、(例えば、800℃以下の)比較的低温下で、速やかに反応が進行し、効率よく金属カーバイドを得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。本開示はさらに、得られた金属カーバイドから、炭化水素を製造する方法を提供する。加えて、本開示は、金属カーバイドを担持した炭素含有部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、下記の態様を含む。
[1]アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンよりなる群から選択される少なくとも1種の第1金属イオンを含む溶融塩を調製すること、
炭素を含む電極を準備すること、および、
前記電極を用いて前記溶融塩に電圧を印加し、前記第1金属のカーバイドを含む金属カーバイド組成物を得ること、を備える、金属カーバイドの製造方法。
【0009】
[2]前記溶融塩は、炭酸イオンを実質的に含まない、上記[1]に記載の金属カーバイドの製造方法。
【0010】
[3]前記電極は、グラッシーカーボン、天然黒鉛、等方性黒鉛、高配向性熱分解黒鉛、プラスチックフォームドカーボンおよび導電性ダイヤモンドよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]または[2]に記載の金属カーバイドの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

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