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公開番号2024146048
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023058729
出願日2023-03-31
発明の名称排気弁駆動装置
出願人株式会社三井E&S
代理人個人,個人,個人
主分類F01L 1/44 20060101AFI20241004BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】ディーゼルエンジンなどの内燃機関に使用される排気弁駆動装置であって、駆動消費動力を抑えた排気弁駆動装置を提供すること。
【解決手段】燃焼室の排気口を開閉する排気弁棒3と、排気弁棒3を開放方向に付勢する油圧機構8と、排気弁棒3を閉塞方向に付勢する第1及び第2の空気バネ5a、5bとを備え、第2の空気バネ5bは、排気弁棒3の移動範囲の一部区間のみにおいて、排気弁棒3を付勢し、一部区間外では、排気弁棒3を付勢しない。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の燃焼室の排気口を開閉する弁体を有し、前記燃焼室から離れる方向であって前記排気口を閉塞させる閉塞方向、及び、前記燃焼室に進入する方向であって前記排気口を開放させる開放方向に移動可能に支持された排気弁棒と、
前記排気弁棒を、前記開放方向に付勢する油圧機構と、
前記排気弁棒に対して、前記閉塞方向の力を作用させる第1の空気バネと、
前記排気口を閉塞させる位置と前記排気口を全開させる位置とに亘る前記排気弁棒の移動範囲のうちの一部区間のみにおいて、前記排気弁棒に対して、前記閉塞方向の力を作用させる第2の空気バネと
を備え、
前記第2の空気バネは、前記排気口が閉塞される位置から、前記排気口が全開される位置に至る開放過程における所定の途中位置までは、前記排気弁棒に対して、力を作用させず、前記開放過程の前記途中位置以降は、前記閉塞方向の力を作用させて前記排気弁棒を減速させる
ことを特徴とする排気弁駆動装置。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記開放過程の前記途中位置は、前記排気弁棒の慣性力が、前記閉塞方向から前記開放方向へ変わる位置付近である
ことを特徴とする請求項1記載の排気弁駆動装置。
【請求項3】
内燃機関の燃焼室の排気口を開閉する弁体を有し、前記燃焼室から離れる方向であって前記排気口を閉塞させる閉塞方向、及び、前記燃焼室に進入する方向であって前記排気口を開放させる開放方向に移動可能に支持された排気弁棒と、
前記排気弁棒を、前記開放方向に付勢する油圧機構と、
前記排気弁棒に対して、前記閉塞方向の力を作用させる第1の空気バネと、
前記排気口を閉塞させる位置と前記排気口を全開させる位置とに亘る前記排気弁棒の移動範囲のうちの一部区間のみにおいて、前記排気弁棒に対して、前記閉塞方向の力を作用させる第2の空気バネと
を備え、
前記第2の空気バネは、
前記排気口が閉塞される位置から、前記排気口が全開される位置に至る開放過程における所定の途中位置までは、前記排気弁棒に対して、力を作用させず、前記開放過程の前記途中位置以降は、前記閉塞方向の力を作用させて前記排気弁棒を減速させ、
前記排気口が全開される位置から、前記排気口が閉塞される位置に至る閉塞過程における所定の途中位置までは、前記排気弁棒に対して、前記閉塞方向の力を作用させて前記排気弁棒を加速させ、前記閉塞過程の前記途中位置以降は、排気弁棒に対して、力を作用させない
ことを特徴とする排気弁駆動装置。
【請求項4】
前記開放過程の前記途中位置は、前記排気弁棒の慣性力が、前記閉塞方向から前記開放方向へ変わる位置付近であり、
前記閉塞過程の前記途中位置は、前記排気弁棒の慣性力が、前記開放方向から前記閉塞方向へ変わる位置付近である
ことを特徴とする請求項3記載の排気弁駆動装置。
【請求項5】
前記第1の空気バネを構成する第1の円環状ピストン部材と、
前記第2の空気バネを構成する第2の円環状ピストン部材と
を備え、
前記第1の円環状ピストン部材は、前記排気弁棒の周囲にある空気バネシリンダ内の内周側に前記排気弁棒と同軸に配置され、内周面を前記排気弁棒に固定して取り付けられ、前記空気バネシリンダ内に臨む前記開放方向に向いた作用面と、前記排気弁棒と同軸の外周円筒摺接面と、当接部とを有し、
前記第2の円環状ピストン部材は、前記空気バネシリンダ内の外周側に前記排気弁棒と同軸に配置され、外周面が前記排気弁棒と同軸の外周円筒摺接面となっており、この外周円筒摺接面が前記空気バネシリンダの内周面に前記排気弁棒の軸方向に摺動可能となっており、前記排気弁棒と同軸の内周円筒摺接面を有し、この内周円筒摺接面が前記第1の円環状ピストン部材の外周円筒摺接面に前記排気弁棒の軸方向に摺動可能となっており、前記空気バネシリンダ内に臨む前記開放方向に向いた作用面と、前記第1の円環状ピストン部材の当接部が前記開放方向に当接する被当接部とを有し、
前記第1の空気バネは、前記第1の円環状ピストン部材によって、前記空気バネシリンダ内の密閉空間の体積を圧縮及び膨張させるように構成され、
前記第2の空気バネは、
前記第2の円環状ピストン部材によって、前記空気バネシリンダ内の密閉空間の体積を圧縮及び膨張させるように構成され、
前記排気弁棒の位置が前記排気口を閉塞させる位置と前記途中位置との間であるときには、前記第2の円環状ピストン部材が前記空気バネシリンダ内のストッパに当接して停止しており、前記当接部が前記被当接部から離間していることによって、前記排気弁棒に対して力を作用させず、
前記排気弁棒の位置が前記途中位置と前記排気口を開放させる位置との間であるときには、前記当接部が前記被当接部に当接していることによって、前記第2の円環状ピストン部材が前記第1の円環状ピストン部材とともに移動されて、前記第1の円環状ピストン部材を介して前記排気弁棒に対して力を作用させる
ことを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の排気弁駆動装置。
【請求項6】
前記当接部と、前記被当接部との何れか一方には、油圧ダンパが配設されている
ことを特徴とする請求項5記載の排気弁駆動装置。
【請求項7】
前記第1の円環状ピストン部材は、前記排気弁棒に固定して取り付けられた円筒部分と、この円筒部分の前記開放方向側部分から外周側に向けて突出形成された円盤部分とを有し、前記円盤部分の前記開放方向側の面が前記作用面であり、前記円盤部分の外周面が前記外周円筒摺接面であり、前記作用面の外周側部分に前記当接部があり、
前記第2の円環状ピストン部材は、前記空気バネシリンダの内周面に摺動可能な円筒部分と、この円筒部分の前記開放方向側部分から内周側に向けて突出形成された円盤部分と、この円盤部分の前記閉塞方向側の面から前記閉塞方向に向けて突出形成された内周円筒部分とを有し、前記円盤部分の前記開放方向側の面が前記作用面であり、前記円筒部分の外周面が前記外周円筒摺接面であり、前記内周円筒部分の内周面が前記内周円筒摺接面であり、前記円盤部分の前記閉塞方向側の面の前記内周円筒部分よりも内周側に前記被当接部がある
ことを特徴とする請求項5記載の排気弁駆動装置。
【請求項8】
前記第1の円環状ピストン部材は、前記排気弁棒に固定して取り付けられた円盤部分と、この円盤部分の外周側部分から前記閉塞方向に向けて突出形成された円筒部分と、この円筒部分の前記閉塞方向側部分から外周側に向けて突出形成された外周円盤部分とを有し、前記円盤部分の前記開放方向側の面が前記作用面であり、前記円筒部分の外周面が前記外周円筒摺接面であり、前記外周円盤部分の前記開放方向側の面に前記当接部があり、
前記第2の円環状ピストン部材は、
前記空気バネシリンダの内周面に摺動可能な円筒部分と、この円筒部分の前記閉塞方向側部分から内周側に向けて突出形成された円盤部分と、この円盤部分の内周側部分から前記閉塞方向に向けて突出形成された内周円筒部分とを有し、前記円筒部分及び前記円盤部分の前記開放方向側の面が前記作用面であり、前記円筒部分の外周面が前記外周円筒摺接面であり、前記内周円筒部分の内周面が前記内周円筒摺接面であり、前記内周円筒部分の前記閉塞方向側の端面に前記被当接部がある
ことを特徴とする請求項5記載の排気弁駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排気弁駆動装置に関し、詳しくは、ディーゼルエンジンなどの内燃機関に使用され、駆動消費動力を抑えた排気弁駆動装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
ディーゼルエンジンなどの内燃機関においては、燃焼室で燃料を燃焼(爆発)させた後、燃焼室の排気口からの排気のために、特許文献1に記載されているように、排気弁駆動装置が使用されている。
【0003】
従来の排気弁駆動装置は、図14に示すように、図示しない燃焼室の排気口上に設置され、排気口からの排気を導く排気筒101を有する筐体100を備えている。排気筒101の端部である排気筒端部101aは、燃焼室の排気口に突合される。燃焼室の排気口及び排気筒端部101aから、図14中矢印eで示すように、燃焼室から排ガスが排気される。
【0004】
この排気弁駆動装置は、筐体100により、排気筒端部101aに対する進退方向に移動可能に支持された排気弁棒103を備えている。排気弁棒103は、先端部が排気筒端部101aを開閉する弁体102となっており、油圧で駆動される。
【0005】
弁体102は、円盤状に構成されており、弁座101b(円形の排気筒端部101aの周囲部)に燃焼室側から押接されることによって、排気筒端部101aを閉塞する。弁体102は、弁座101bが燃焼室側に離間されることによって、排気筒端部101aを開放する。
【0006】
排気弁棒103は、先端部分である弁体102を燃焼室内に位置させ、弁体102から続く棒状の軸部103aを、排気筒101内を経て燃焼室の外方に延在させ、筐体100により支持されている。弁体102は、図14中矢印gpで示す燃焼室内ガス圧によって、図14中矢印cで示すように、弁座101bに押圧される。排気弁棒103の軸部103aは、図14中矢印opで示す駆動用高圧油の油圧によって、燃焼室の方向(矢印oで示す開放方向)に駆動される。排気弁棒103の基端部分には、駆動用高圧油の油圧opを受けて排気弁棒103を開放方向に移動させるアクチュエータ104が取り付けられている。
【0007】
排気弁棒103には、空気バネ105が設けられている。空気バネ105は、排気弁棒103の周囲に設けた空気バネシリンダ106内の密閉空間の体積を、排気弁棒103に取り付けた円環状ピストン107によって圧縮及び膨張させるように構成されている。空気バネシリンダ106内には、図14中矢印p1で示すように空気が供給され空気圧が高まる。
【0008】
この排気弁駆動装置では、図示しない駆動油圧ポンプに駆動用高圧油が出し入れされ、この駆動用高圧油が高圧管を介して送られることで、アクチュエータ104が動かされる。駆動用高圧油により動かされたアクチュエータ104は、排気弁棒103と一体で作動することにより、排気筒端部101aの開放を行う。駆動油圧ポンプは、比例制御弁を有し、この比例制御弁が、図示しない機関制御装置から排気弁開放信号又は排気弁閉塞信号を送られて排気筒端部101aを開放又は閉塞するように構成されている。
【0009】
図15(a)は、この排気弁駆動装置において、排気弁棒103に作用する力(排気弁作用力パターン)及び排気筒端部101a(弁体102)の開度を示すグラフである。
図15(b)は、この排気弁駆動装置において、駆動用高圧油の圧力変化及び排気筒端部101a(弁体102)の開度を示すグラフである。
図15(a)においては、排気筒端部101aの開放方向を正(+)とし閉塞方向を負(-)で示し、排気筒端部101a(弁体102)の開度(破線)、排気弁棒103の慣性力(一点鎖線)、弁体102に作用する燃焼室内ガス圧gp(二点鎖線)及び空気バネ105の力(細線)を示している。
図15(b)においては、排気筒端部101aの開放方向を正(+)とし閉塞方向を負(-)で示し、駆動用高圧油の圧力(細線)を示している。
【0010】
この排気弁駆動装置では、図15(a)(b)中に(a)~(g)で示す以下の弁作動ステップ(a)~(g)により、排気筒端部101aの開閉が行われる。
(a)排気弁開放信号で比例制御弁を作動させる。
(b)駆動油(圧力源)(圧力p)を駆動油圧ポンプに送り込み 高圧管を介して、アクチュエータ104に駆動用高圧油の油圧opを開弁時最大油圧Pomaxまで掛け、燃焼室内ガス圧gp、排気弁棒103の慣性力、及び、空気バネ105の力に抗して、排気筒端部101aの開放を開始する。
(c)排気筒端部101aを開放させる過程では、燃焼室内ガス圧gpは低減し、排気弁棒103の慣性力も小さくなり、駆動用高圧油の油圧opは低下する。
(d)排気筒端部101aが開放(全開)に近づくと、空気バネ105の力及び駆動用高圧油の油圧opの制御によって排気弁棒103を減速させ、排気筒端部101aの開放(全開)に達する。
(e)排気筒端部101aの開放(全開)を維持したのち、排気弁閉塞信号が比例制御弁に入力され、空気バネ105の力により、排気弁棒103は、排気筒端部101aを閉塞させる方向への移動を開始する。
(f)排気筒端部101aの閉塞に近づき、排気弁棒103の慣性力が負(-)になっても、空気バネ105の力が作用し続けるため、駆動用高圧油の油圧opを閉弁時ピーク油圧Pcmaxまでの間で制御して排気弁棒103を減速させ、弁体102の着座速度を抑える。
(g)弁体102は、空気バネ105の力と、駆動用高圧油の制御された油圧opとによって、弁座101bに緩やかに着座する。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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