TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024143555
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056293
出願日2023-03-30
発明の名称IMS分析装置およびIMS分析方法
出願人シャープ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 27/622 20210101AFI20241003BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明は、様々な検出対象物質を検出可能なIMS分析装置を提供する。
【解決手段】本発明のIMS分析装置は、分析チャンバと、前記分析チャンバ中に配置された電子放出素子と、前記分析チャンバ中に気体を注入するように設けられたガス注入部と、前記分析チャンバ中に配置されたコレクタと、制御部とを備え、前記電子放出素子は、下部電極と、表面電極と、前記下部電極と前記表面電極の間に配置された中間層とを有し、前記コレクタ及び前記制御部は、イオンが前記コレクタに到達することにより流れる電流の電流波形を測定するように設けられ、前記制御部及び前記ガス注入部は、前記電流波形又は前記下部電極と前記表面電極との間に印加する電圧に基づき、前記電子放出素子の電子放出特性を向上させる感度改善ガスを前記分析チャンバ中に一時的に注入するように設けられたことを特徴とする。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
分析チャンバと、前記分析チャンバ中に配置された電子放出素子と、前記分析チャンバ中に気体を注入するように設けられたガス注入部と、前記分析チャンバ中に配置されたコレクタと、制御部とを備え、
前記電子放出素子は、下部電極と、表面電極と、前記下部電極と前記表面電極の間に配置された中間層とを有し、
前記コレクタ及び前記制御部は、イオンが前記コレクタに到達することにより流れる電流の電流波形を測定するように設けられ、
前記制御部及び前記ガス注入部は、前記電流波形又は前記下部電極と前記表面電極との間に印加する電圧に基づき、前記電子放出素子の電子放出特性を向上させる感度改善ガスを前記分析チャンバ中に一時的に注入するように設けられたことを特徴とするIMS分析装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記ガス注入部及び前記制御部は、3秒間以上の時間、前記感度改善ガスを前記分析チャンバ中に注入するように設けられた請求項1に記載のIMS分析装置。
【請求項3】
前記感度改善ガスは、水、アルゴン、塩素、エタノール、アセトン及びアンモニアのうち少なくとも1つを含む気体である請求項1に記載のIMS分析装置。
【請求項4】
前記制御部及び前記ガス注入部は、前記電流波形に現れるピークのピーク高さ又はピーク面積が所定の値を下回ると、前記感度改善ガスを前記分析チャンバ中に一時的に注入するように設けられた請求項1に記載のIMS分析装置。
【請求項5】
前記制御部及び前記電子放出素子は、前記電流波形に現れるピークのピーク高さ又はピーク面積が目標値に近づくように前記下部電極と前記表面電極との間に印加する電圧を調節するように設けられ、
前記制御部及び前記ガス注入部は、前記下部電極と前記表面電極との間に印加する電圧が所定の値を上回ると、前記感度改善ガスを前記分析チャンバ中に一時的に注入するように設けられた請求項1に記載のIMS分析装置。
【請求項6】
前記電子放出素子と前記コレクタとの間に配置された静電ゲート電極をさらに備え、
前記分析チャンバは、前記コレクタと前記静電ゲート電極との間に配置されたドリフト領域と、前記静電ゲート電極と前記電子放出素子との間に配置されたイオン化領域とを有し、
前記ガス注入部は、前記コレクタ側から前記静電ゲート電極側に向かって前記ドリフト領域をドリフトガスが流れるように前記ドリフトガスを前記分析チャンバ内に注入するように設けられたドリフトガス注入部と、前記イオン化領域に試料ガスを注入するように設けられた試料ガス注入部とを備える請求項1~5のいずれか1つに記載のIMS分析装置。
【請求項7】
前記試料ガス注入部は、前記試料ガスを前記イオン化領域に注入するように設けられた流路と、前記感度改善ガスを前記イオン化領域に注入するように設けられた流路と有する請求項6に記載のIMS分析装置。
【請求項8】
前記試料ガス注入部は、除湿部を有し、かつ、前記除湿部を通過した後の試料ガスを前記イオン化領域に注入するように設けられた請求項6に記載のIMS分析装置。
【請求項9】
前記ガス注入部は、前記電子放出素子の前記下部電極と前記分析チャンバを画定する壁部との間のスペースに、前記電子放出素子側から前記イオン化領域へと流れる一次イオン生成用ガスを注入するように設けられた一次イオン生成用ガス注入部をさらに備え、
前記一次イオン生成用ガス注入部は、前記一次イオン生成用ガスを前記分析チャンバに注入するように設けられた流路と、前記感度改善ガスを前記分析チャンバに注入するように設けられた流路とを有する請求項6に記載のIMS分析装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記感度改善ガスを前記分析チャンバ中に注入しているときに前記下部電極と前記表面電極との間に電圧を印加するように設けられた請求項1に記載のIMS分析装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、IMS分析装置およびIMS分析方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来のIMS分析装置では、放射線源、コロナ放電等のイオン源を用いられており、エネルギーの高い電子によりをイオン化していることが多い。そのため、エネルギーの高い電子により試料ガス成分が分解されることが多く、多くのピークを有するIMSスペクトルが測定される。なお、IMSは、Ion Mobility Spectrometry(イオン移動度スペクトロメトリ)の省略である。
イオン源に電子放出素子を用いるIMS分析装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなIMS分析装置では低エネルギーの電子により直接的または間接的に試料ガス成分をイオン化することができるため試料ガス成分が分解することを抑制することができる。
【0003】
一方、キャリアガスやドリフトガスに乾燥した気体を用いるIMS分析装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。このようなIMS分析装置では、水分に起因するイオン反応またはイオンクラスター形成を抑制することができ、様々な対象物質を検出することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-186190号公報
米国特許第5218203号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、イオン源に電子放出素子を用いるIMS分析装置では、低濃度では検出できない検出対象物質がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、様々な検出対象物質を検出可能なIMS分析装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、分析チャンバと、前記分析チャンバ中に配置された電子放出素子と、前記分析チャンバ中に気体を注入するように設けられたガス注入部と、前記分析チャンバ中に配置されたコレクタと、制御部とを備え、前記電子放出素子は、下部電極と、表面電極と、前記下部電極と前記表面電極の間に配置された中間層とを有し、前記コレクタ及び前記制御部は、イオンが前記コレクタに到達することにより流れる電流の電流波形を測定するように設けられ、前記制御部及び前記ガス注入部は、前記電流波形又は前記下部電極と前記表面電極との間に印加する電圧に基づき、前記電子放出素子の電子放出特性を向上させる感度改善ガスを前記分析チャンバ中に一時的に注入するように設けられたことを特徴とするIMS分析装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本願発明者等が鋭意研究したところ、分析チャンバに注入する試料ガスの種類や濃度により、IMSスペクトルに現れるピークのピーク高さやピーク面積(検出感度)が異なることを発見した。さらに、本願発明者等は、分析チャンバに感度改善ガスを一時的に注入すると、IMS分析装置の検出感度が向上することを見出した。また、感度改善ガスの注入により向上した検出感度は感度改善ガスの分析チャンバへの注入を止めると徐々に低下するが、低下速度はゆるやかであり、感度改善ガスの分析チャンバへの注入を止めても検出感度はしばらくの間十分高いことがわかった。このため、感度改善ガスの注入により電子放出素子の電子放出特性が向上していると考えられる。本願発明者等は、電子放出素子の電子放出特性を向上させる感度改善ガスとして加湿空気を用いたが、水、アルゴン、塩素、エタノール、アセトン及びアンモニアのうち少なくとも1つを含む気体を感度改善ガスとして用いても同様の効果があると考えられる。
【0008】
本願発明では、感度改善ガスを分析チャンバ中に一時的に注入することにより、電子放出素子の電子放出特性を向上させることができ、IMS分析装置の検出感度を向上させることができる。また、感度改善ガスの分析チャンバへの注入を止めることにより、感度改善ガスに起因するイオン反応またはイオンクラスター形成を抑制することができ、低濃度でも検出可能なガスの種類を増やすことができる。
また、感度改善ガスの注入により電子放出素子の電子放出特性を向上させることができるため、試料ガスに含まれるキャリアガスに使用するガス種を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態のIMS分析装置の概略図である。
本発明の一実施形態のIMS分析装置の概略図である。
本発明の一実施形態のIMS分析装置の概略図である。
本発明の一実施形態のIMS分析装置の概略図である。
8ppb酢酸(乾燥空気希釈)を試料ガスとして得られたIMSスペクトルである。
IMS分析を繰り返したときのReactant Ion Peak(RIP)のイオン強度の変化を示すグラフである。
IMS分析を繰り返したときの酢酸のピークのイオン強度の変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のIMS分析装置は、分析チャンバと、前記分析チャンバ中に配置された電子放出素子と、前記分析チャンバ中に気体を注入するように設けられたガス注入部と、前記分析チャンバ中に配置されたコレクタと、制御部とを備え、前記電子放出素子は、下部電極と、表面電極と、前記下部電極と前記表面電極の間に配置された中間層とを有し、前記コレクタ及び前記制御部は、イオンが前記コレクタに到達することにより流れる電流の電流波形を測定するように設けられ、前記制御部及び前記ガス注入部は、前記電流波形又は前記下部電極と前記表面電極との間に印加する電圧に基づき、前記電子放出素子の電子放出特性を向上させる感度改善ガスを前記分析チャンバ中に一時的に注入するように設けられたことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

シャープ株式会社
洗濯機
3日前
シャープ株式会社
冷却庫
4日前
シャープ株式会社
冷蔵庫
4日前
シャープ株式会社
加熱調理機
13日前
シャープ株式会社
加熱調理機
13日前
シャープ株式会社
画像形成装置
9日前
シャープ株式会社
画像形成装置
3日前
シャープ株式会社
空気調和装置
6日前
シャープ株式会社
紫外線照射装置
6日前
シャープ株式会社
マルチディスプレイ
13日前
シャープ株式会社
ケース位置管理装置
3日前
シャープ株式会社
電源装置及び光源装置
2日前
シャープ株式会社
トナー及び画像形成装置
13日前
シャープ株式会社
端末装置および基地局装置
4日前
シャープ株式会社
シート搬送装置および画像形成装置
9日前
シャープ株式会社
測定装置および測定装置の制御方法
9日前
シャープ株式会社
音声処理システム及び音声処理方法
2日前
シャープ株式会社
IMS分析装置およびIMS分析方法
2日前
シャープ株式会社
印刷装置、印刷方法、及び情報処理装置
3日前
シャープ株式会社
動画像復号装置および動画像符号化装置
16日前
シャープ株式会社
画像処理装置及び電子メールの設定方法
9日前
シャープ株式会社
装置の管理方法、プログラム及びシステム
10日前
シャープ株式会社
シアントナーおよびそれを含む二成分現像剤
13日前
シャープ株式会社
情報処理装置、脈波算出方法及びプログラム
9日前
シャープ株式会社
粉体補給装置および粉体補給装置の制御方法
10日前
シャープ株式会社
画像形成装置及びファームウェアの更新方法
13日前
シャープ株式会社
画像形成装置および画像形成装置の制御方法
13日前
シャープ株式会社
表示システム、表示方法、及び表示プログラム
13日前
シャープ株式会社
ファイル管理方法、表示装置、システム及びプログラム
13日前
シャープ株式会社
加熱調理器
2日前
シャープ株式会社
LED駆動制御装置、LED表示器、及びLED駆動制御方法
13日前
シャープ株式会社
画像形成装置
6日前
シャープ株式会社
電子計算機、電子計算機の制御方法、プログラム、および記録媒体
2日前
シャープ株式会社
プリントサービスシステム、プリントサービス制限方法、及びプログラム
4日前
シャープ株式会社
通信装置、マイクロコンピュータ、通信方法、およびネットワークシステム
3日前
シャープ株式会社
表示制御装置、表示制御システム、表示制御装置の制御方法、プログラム、及び記録媒体
3日前
続きを見る