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公開番号2024130221
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023039838
出願日2023-03-14
発明の名称シアントナーおよびそれを含む二成分現像剤
出願人シャープ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類G03G 9/09 20060101AFI20240920BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】染料の分散状態が良好で、トナー中に結晶径の大きな染料凝集体の存在が少なく、染料結晶体がトナーから脱離するのを防ぎ、転写紙から布帛への昇華転写時に染料の結晶が被染色物へ移行することを抑制し得るシアントナーおよびそれとキャリアとを含む二成分現像剤を提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、昇華性染料および離型剤を含むトナー粒子を有するシアントナーであり、結着樹脂がスチレンアクリル系樹脂を含み、昇華性染料がトナー粒子に5~15質量%の割合のC.I.ディスパースブルー56を含み、離型剤が70℃以上でかつシアントナーの軟化点Tm以下である融点を有し、かつ紫外可視分光光度計を用いて測定される波長430nmでの透過率が30%以上であることを特徴とするシアントナーにより、上記の課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも結着樹脂、昇華性染料および離型剤を含むトナー粒子を有するシアントナーであり、
前記結着樹脂が、スチレンアクリル系樹脂を含み、
前記昇華性染料が、前記トナー粒子に5~15質量%の割合のC.I.ディスパースブルー56を含み、
前記離型剤が、70℃以上でかつ前記シアントナーの軟化点Tm以下である融点を有し、かつ
紫外可視分光光度計を用いて測定される波長430nmでの透過率が30%以上である
ことを特徴とするシアントナー。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記離型剤が、200~1500nmの分散径を有する請求項1に記載のシアントナー。
【請求項3】
前記離型剤が、前記トナー粒子に3~10質量%の割合で含まれる請求項1または2に記載のシアントナー。
【請求項4】
前記離型剤が、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックスおよびフィッシャートロプシュワックスから選択される炭化水素系ワックスである請求項1または2に記載のシアントナー。
【請求項5】
前記トナー粒子が、高分子系分散剤をさらに含む請求項1または2に記載のシアントナー。
【請求項6】
前記トナー粒子が、シリカ粒子をさらに含む請求項1または2に記載のシアントナー。
【請求項7】
前記シリカ粒子が、前記トナー粒子に0.1~1.0質量%の割合で含まれる請求項6に記載のシアントナー。
【請求項8】
前記シリカ粒子が、7~60nmの平均一次粒子径を有する請求項6に記載のシアントナー。
【請求項9】
請求項1または2に記載のシアントナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、シアントナーおよびそれを含む二成分現像剤に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステル布に代表される疎水性繊維を染色する電子写真方式の染色方法は、(1)被染色物に直接トナーを付与した後、熱処理によってトナー中の染料を被染色物に染着させ、染料以外の樹脂、離型剤などをアルカリ洗浄により溶解したのち除去するダイレクト法、および(2)紙などの中間記録媒体にトナーを付与した後、中間記録媒体のトナー付与面と被染色物とを重ね合わせて加熱、加圧処理を行い、トナー中の染料を被染色物に昇華転写させる昇華転写法の2つに大別される。
【0003】
これらの染色方法のうち昇華転写法では、トナーを構成する複数の成分のうち染料のみを中間記録媒体から被染色物の繊維に染着させることができ、被染色物(染色布、布帛)には染料以外のトナー構成成分が付着しない。このことから、昇華転写法は、例えばスポーツアパレルなどの衣料品、シートやソファーなどのインテリアなどの風合いを重要視する用途向けの染色に適し、染料以外の構成成分による、敏感な肌質の人に対するかぶれ・湿疹などの発生リスクを低減できるなどのメリットが得られるとされている。
【0004】
また、昇華転写法に用いるトナー中の染料としては、疎水性繊維の染色に適している分散染料および油溶性染料が用いられ、これらの中でも、特に熱処理による疎水性繊維への昇華転写適性に優れた易昇華型の染料(昇華性染料)が用いられる。
また、昇華転写法は、洗浄・乾燥などの工程が不要であり、染色工程を大幅に削減できるだけでなく、高コストかつ大規模なスペースと稼働エネルギーを必要とする、洗浄・乾燥ラインおよび洗浄水の処理設備などが不要になり、有利である。
したがって、昇華転写法は、小規模なスペースでも染色できる優れた染色方法とされている。
【0005】
一方、昇華転写法による繊維の染色方法としては、一般的にインクジェット方式が主流とされている。しかしながら、インクジェット方式の昇華転写法は、インクを構成する成分の一つである有機溶剤が、染料を転写するときの熱によって揮発し、作業環境を汚染するなどの問題がある。
これに対して電子写真方式の昇華転写法は、トナー中に揮発成分が存在せず、作業環境を汚染しないことから、近年では注目が集まっている。
【0006】
このような電子写真方式によってトナーを中間記録媒体に付着させ、中間記録媒体(中間転写媒体)に付着させたトナーが含有する染料を、染色される物質に昇華転写させることにより染色を行う昇華転写染色方法に用いるトナーとして、例えば、ポリエステル系樹脂、昇華性染料、少なくとも1種類の油溶性染料およびカルナバワックスを含有するトナーが提案されている(特開2015-158560号公報:特許文献1)。
【0007】
現状で上市されている昇華性ブルー染料を用いたインクジェットプリンターのシアン染料には、C.I.ディスパースブルー359(D.B.359)およびC.I.ディスパースブルー360(D.B.360)が使用されている。
これらのシアン染料は、一般的にトナー中の分散が容易であるが、トナーに含有させると、高温放置下において染料が表面にブリードしてしまい耐熱保存性が悪化するという問題がある。
そこで、代替の染料として、C.I.ディスパースブルー56(D.B.56)の使用が検討されている。
C.I.ディスパースブルー56は、耐熱保存性が良好である反面、トナー中に分散させることが困難であり、かつ昇華性が低いために、中間記録媒体から被染色物に昇華転写する際に、十分な画像濃度を得ることが困難であるという問題がある。
すなわち、トナー中における昇華性染料の分散状態が悪いと、結晶径の大きな染料凝集体(染料結晶体)が多く存在し、染料結晶体がトナーから脱離して、昇華転写時に転写紙から被染色物に移行して、画像不良や摩擦堅牢度の低下を招くという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2015-158560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本開示は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、染料の分散状態が良好で、トナー中に結晶径の大きな染料凝集体の存在が少なく、染料結晶体がトナーから脱離するのを防ぎ、転写紙から布帛への昇華転写時に染料の結晶が被染色物へ移行することを抑制し得るシアントナーおよびそれとキャリアとを含む二成分現像剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、シアントナー中に特定割合のC.I.ディスパースブルー56を含む昇華性染料を微分散させること、すなわち紫外可視分光光度計を用いて測定した波長430nmでの透過率を30%以上にすることにより、シアントナー中における結晶径の大きな染料凝集体の存在を低減し、染料凝集体がシアントナーから脱離し、転写紙から布帛への転写時に染料の結晶が布帛に移行することを抑制して、布帛上での画像不良や摩擦堅牢度の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
上記の特許文献1には、紫外可視分光光度計を用いて測定した波長430nmでの透過率を30%以上にすること、およびそれにより得られる効果ついては開示されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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