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公開番号
2024141847
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023053695
出願日
2023-03-29
発明の名称
ガス封止用ペースト組成物、電気化学モジュール及びエネルギーシステム
出願人
大阪瓦斯株式会社
代理人
弁理士法人R&C
主分類
H01M
8/028 20160101AFI20241003BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】適切な分散性及び流動性を備えるとともに、硬化した後に高いガスシール性を発揮するガス封止用ペースト組成物を提供する。
【解決手段】水を溶媒とするガス封止用ペースト組成物であって、ガラス粉末と、側鎖にポリエーテル構造を有するビニル系高分子と、多糖類とから成り、固形分濃度が73質量%以上90質量%以下であり、前記ビニル系高分子及び前記多糖類の合計含有量が、前記ガラス粉末の100質量部に対して0.50質量部以上3.0質量部以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水を溶媒とするガス封止用ペースト組成物であって、
ガラス粉末と、側鎖にポリエーテル構造を有するビニル系高分子と、多糖類とから成り、
固形分濃度が73質量%以上90質量%以下であり、
前記ビニル系高分子及び前記多糖類の合計含有量が、前記ガラス粉末の100質量部に対して0.50質量部以上3.0質量部以下である、ガス封止用ペースト組成物。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記ビニル系高分子の主鎖が、無水マレイン酸単位、マレイン酸単位およびマレイン酸塩単位のいずれか一つ以上の単位を有する、請求項1に記載のガス封止用ペースト組成物。
【請求項3】
前記ビニル系高分子の含有量が、前記ガラス粉末を100質量部として0.10質量部以上1.5質量部以下である、請求項1に記載のガス封止用ペースト組成物。
【請求項4】
前記多糖類の含有量が、前記ガラス粉末を100質量部として0.40質量部以上1.5質量部以下である、請求項1に記載のガス封止用ペースト組成物。
【請求項5】
前記多糖類は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸又はその塩、カラギーナン、キサンタンガム、ヒアルロン酸ナトリウム、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、タマリンドシードガムのいずれか一つ以上である、請求項1に記載のガス封止用ペースト組成物。
【請求項6】
前記ガラス粉末が結晶化ガラスであり、前記ガラス粉末の熱膨張係数が8.0ppm/K以上13ppm/K以下である、請求項1に記載のガス封止用ペースト組成物。
【請求項7】
電解質層と、前記電解質層の両側にそれぞれ配置されている第1電極及び第2電極とを備えた電気化学素子の複数が、前記電気化学素子間に金属基板を介して積層されており、隣接する金属基板の間に、請求項1に記載のガス封止用ペースト組成物が配置されている、電気化学モジュール。
【請求項8】
電解質層と、前記電解質層の両側にそれぞれ配置されている第1電極及び第2電極とを備えた電気化学素子の複数が、前記電気化学素子間に金属基板を介して積層されており、隣接する金属基板の間に貫通孔を備えた環状シール部材が配置され、前記環状シール部材の表面の少なくとも一部に、請求項1に記載のガス封止用ペースト組成物が配置されている、電気化学モジュール。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の電気化学モジュールと、前記電気化学モジュールに供給する還元性成分を生成する、或いは、前記電気化学モジュールで生成する還元性成分を含有するガスを変換する燃料変換器と、前記電気化学モジュールから電力を取り出す、或いは、前記電気化学モジュールに電力を流通する電力変換器と、を有する電気化学装置を備え、
前記電気化学装置から排出される熱を再利用する排熱利用部を備える、エネルギーシステム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス封止用ペースト組成物、当該ガス封止用ペースト組成物を備える電気化学モジュール及びエネルギーシステムに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
持続可能な開発目標(SDG’s)を達成するため、種々のエネルギーデバイスの開発が進められている。それらの中でも固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、水素と空気とを原料ガスとして発電を行うことが可能であるとともに、発生した熱を家屋の暖房や給湯に利用でき、原料ガスを高効率に利用できることで注目されている。また、水素エネルギー社会構築のため、固体酸化物形電解セル(SOEC)を用いて水蒸気から水素を生成するエネルギーデバイスも注目されている。
【0003】
これらのエネルギーデバイスには、金属やセラミックといった材料が使用されているが、高温に晒されるため、それぞれの材料は熱膨張係数に応じて膨張することになる。また、これら材料同士を接着し気体の漏出を防止するための接合材料も高温下で膨張するため、当該接合材料と金属等の材料との熱膨張係数の差が大きいと、接合材料等が剥離する等によりガス原料等のガスリークを発生させる虞がある。そのため、接合材料と金属等の材料との熱膨張係数の差はできるだけ小さくなるように材料を選定することが好ましい。なお、SOFCやSOECは電気化学反応が生じる温度域(作動温度域)が600~1000℃と高温であり、しかも当該温度域で長期間に亘って運転されるため、上述のガスリークが発生する可能性がある。
【0004】
従来から、ガスリークを防ぐために、エラストマーから成るOリング等の部材が主に用いられているが、高温下で使用される場合には変形や劣化等の問題が起き得る。そのため、これらのエネルギーデバイスでは、ガスリークを防止するための種々の接合材料が開発されている。
【0005】
例えば、ガラスやマイカ等の材料は、融点が高いため、高温下においても変形や溶解等の不具合が生じにくい。そのため、ガラスから成るシール材を成型して使用したり、ガスリークが起こりやすい部分に、ガラス又はマイカを含む成るペースト状組成物を塗布して焼成したりすることで、ガスリークの防止を担保している。
【0006】
特許文献1には、SiO
2
を主成分とし、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛の酸化物、アルミナを含む結晶性ガラス組成物が開示されている。特に酸化バリウムに対する酸化亜鉛のモル比が1.9~10である場合には、適切な熱膨張係数を有するため、SUSやFeといった金属、フェライトやジルコニアといった高膨張セラミックスの接着材料として好適に用いることができることが記載されている。
【0007】
特許文献2には、構成元素にケイ素を含むガラス粉と酸化マグネシウム粉とマグネシウムのケイ酸塩粉とを混合した混合粉からなる、固体酸化物形燃料電池用シール材が開示されている。このシール材は、混合粉とテレピン油等の有機溶媒とブチル酸エステルなどのエステル類等からなる有機分散材とを混合してペースト状にすることで作製される。このペーストを、複数の単セルを積層して構成したSOFCの単セル間に塗布して焼成することで、単セルが備える給気経路や排気経路からのガスリークを防ぐことができたことが記載されている。
【0008】
特許文献3には、重量基準で同量の水の存在下でアルカリ性溶液を形成するのに有効なガラス成分、バインダー成分を含み、液体担体としての水が50体積%を超える燃料電池ガスケット用ガラスコーティング組成物が開示されている。この組成物は、硬化の抑制に有効な遅延剤をさらに含むため、長期間貯蔵しても組成物が実質的に硬化せず安定して存在するとともに、刷毛型コーティングまたは吹き付け型コーティングの何れの方法でも塗布することが可能であり、扱いやすい点で優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2020-083662号公報
特開2007-149430号公報
特許第7136853号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の発明は、組成物の溶剤として有機溶剤を用いている。そのため、SOFC又はSOEC用のガス封止用ペースト状組成物として用いる場合には、これらのエネルギーデバイスへ塗布して乾燥する際に局所換気や溶媒回収装置が必要であった。ゆえに、これらのエネルギーデバイスの製造時の工程が増えて歩留まりが低下する虞があった。
特許文献2に記載の固体酸化物形燃料電池用シール剤は、アルミナや酸化マグネシウム等の無機バインダーを含む。そのため、シール材を塗布して焼成した後に、ケイ素、リン、ホウ素等がシール部やガス流路に揮発、堆積するため、固体酸化物形燃料電池の性能を劣化させる可能性があった。
特許文献3に記載の発明は、水を溶媒として用いているものの、組成物中の水の含有率が50体積%と高いため、コーティング後に水が揮発すると空隙を生じやすい。そのため、当該空隙を介してガスリークが生じやすく、ガスシール性において実用的であるとは言い難かった。
(【0011】以降は省略されています)
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