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公開番号2024128390
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037338
出願日2023-03-10
発明の名称内燃機関の制御装置および内燃機関の制御方法
出願人株式会社豊田自動織機
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類F02D 45/00 20060101AFI20240913BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】燃料が酸化劣化した場合であっても、内燃機関が所望の性能を発揮することを可能にする。
【解決手段】運転モード判定部110によって、エンジンの運転が定常状態であると判定されると、酸化指標値算出部140は、DPFの前後差圧ΔPの上昇量ΔPsを算出する。酸化指標値算出部140は、上昇量ΔPsに基づいてPM堆積速度Dsを求め、PM堆積速度Dsから、指標値マップ130を用いて酸化指標値Iを算出する。補正部150は、酸化指標値Iを用いて、エンジンの制御量、たとえば、燃料噴射量を補正する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関に供給される燃料を貯留する燃料タンクと、前記内燃機関の排気通路に設けられ排気ガスに含まれる粒状物質を捕集するフィルタと、を備えた内燃機関の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記フィルタに捕集される前記粒状物質の堆積速度に基づいて、前記燃料タンク内の前記燃料の酸化指標値を算出する酸化指標値算出部と、
前記酸化指標値を用いて前記内燃機関の制御を補正する補正部と、を備える内燃機関の制御装置。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記制御装置は、前記内燃機関が所定モードで運転されているときの前記堆積速度と前記酸化指標値の関係を表すマップを有し、
前記酸化指標値算出部は、前記内燃機関が前記所定モードで運転されているときに前記堆積速度を算出し、前記マップから前記酸化指標値を算出する、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
前記酸化指標値算出部は、前記フィルタの上流と下流の圧力差である前後差圧が所定値以上であるとき、前記前後差圧に基づいて前記堆積速度を算出する、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項4】
前記酸化指標値算出部は、前記堆積速度に基づく前記酸化指標値の算出が、所定期間以上行われないとき、前記燃料タンク内の燃料の温度に基づいて前記酸化指標値を算出する、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記燃料タンクへ燃料が給油されたことを検知する給油検知部を、さらに備え、
前記酸化指標値算出部は、前記給油がなされたとき、前記給油された燃料量に基づいて、前記酸化指標値を補正する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項6】
前記補正部は、前記酸化指標値を用いて、燃料噴射量または燃料噴射時期の少なくとも一方を補正する、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項7】
前記補正部は、前記酸化指標値を用いて、前記内燃機関の運転状態に基づいて算出される前記粒状物質の排出量を補正する、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項8】
内燃機関に供給される燃料を貯留する燃料タンクと、前記内燃機関の排気通路に設けられ排気ガスに含まれる粒状物質を捕集するフィルタと、を備えた内燃機関の制御方法であって、
前記フィルタに捕集される前記粒状物質の堆積速度に基づいて、前記燃料タンク内の前記燃料の酸化指標値を算出することと、
前記酸化指標値を用いて前記内燃機関の制御を補正することと、を含む内燃機関の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、内燃機関の制御装置、および内燃機関の制御方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
脱炭素社会に向けて、カーボンニュートラルで環境負荷の少ないバイオ燃料や合成燃料(e-fuel)の使用が拡大している。たとえば、菜種油や廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油に混合した、バイオ燃料混合軽油が圧縮自己着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)の燃料として用いられている。
【0003】
ところで、バイオディーゼル燃料は、軽油に比べて酸化劣化しやすく、組成変化しやすい。組成変化した燃料を用いて内燃機関を運転すると、所望の性能を得ることができない場合がある。このため、たとえば特開2017-145818号公報(特許文献1)では、筒内圧センサで測定した筒内圧の最大値が、運転状態に基づいて定まる筒内圧の最大値より小さい場合、燃料噴射量を増加補正して、燃料の組成変化に起因する内燃機関(エンジン)の性能低下を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-145818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
酸化劣化した燃料は、酸化劣化前の燃料に比較して、燃料内により多くの酸素(O2)を含むので、酸化劣化した燃料の燃焼は活性化する。このため、燃料が酸化劣化し組成変化した場合、特許文献1に記載された技術を採用すると、内燃機関の出力トルクを維持するために必要な燃料噴射量を過小評価する懸念がある。
【0006】
本開示の目的は、燃料が酸化劣化した場合であっても、内燃機関が所望の性能を発揮することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本開示の内燃機関の制御装置は、内燃機関に供給される燃料を貯留する燃料タンクと、内燃機関の排気通路に設けられ排気ガスに含まれる粒状物質を捕集するフィルタと、を備えた内燃機関の制御装置である。制御装置は、フィルタに捕集される粒状物質の堆積速度に基づいて、燃料タンク内の燃料の酸化指標値を算出する酸化指標値算出部と、酸化指標値を用いて内燃機関の制御を補正する補正部と、を備える。
【0008】
酸化劣化した燃料は、酸化劣化前の燃料に比較して、内燃機関から排出される粒状物質(PM:Particulate Matter)の量が多くなる傾向がある。このため、フィルタに捕集されるPMの量を観察することにより、燃料の酸化劣化を推定することが可能になる。
【0009】
この構成によれば、制御装置の酸化指標値算出部は、フィルタに捕集されるPMの堆積速度に基づいて、燃料タンク内の燃料の酸化指標値を算出する。制御装置の補正部は、酸化指標値を用いて内燃機関の制御を補正する。したがって、PMの堆積速度に基づいて酸化指標値を算出し、内燃機関の制御を補正するので、燃料が酸化劣化した場合であっても、内燃機関が所望の性能を発揮することが可能になる。
【0010】
(2)制御装置は、内燃機関が所定モードで運転されているときの堆積速度と酸化指標値の関係を表すマップを有し、酸化指標値算出部は、内燃機関が所定モードで運転されているときに堆積速度を算出し、マップから酸化指標値を算出するようにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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