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公開番号2024127294
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023036347
出願日2023-03-09
発明の名称再生ポリエチレンテレフタレート異形断面繊維およびその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類D01F 6/62 20060101AFI20240912BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】マテリアルリサイクル樹脂ポリエステルを高比率で使用していても生産性がよく、バージンポリエステル原料使用時と同等の品質を維持しつつ環境に配慮された再生PET繊維およびその製造方法を提供する。
【解決手段】繊維横断面形状が異形断面形状であり、再生ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を95質量%以上含む再生PET繊維とする。再生PET繊維の製造方法は、下記の条件を満たす方法とする。1)再生PET樹脂の固有粘度が0.62~0.70、2)溶融紡糸時のポリマー温度が270~320℃、3)特殊孔口金の孔部において、円形孔であれば中心を通る直線を引いた際に最も短くなる直径部、スリット孔であれば短辺部の長さが0.05~0.12mmの範囲、4)紡糸時のポリマーを20~50μm相当のフィルターにて濾過する、5)口金面より5~25mmの位置より冷却風を紡出糸に吹き当てる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
繊維横断面形状が異形断面形状であり、再生ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を95質量%以上含む再生ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維。
続きを表示(約 840 文字)【請求項2】
繊維横断面形状が扁平多葉型であり、下記のa)~d)の要件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の再生PET繊維。
a)繊維の横断面形状が円周上に6個以上の凸部を有すること
b)繊維の横断面の最大長さをAとし、最大幅をBとし、最大凹凸部において隣り合う凸部の頂点間を結ぶ線の長さをCとし、前記凸部の頂点間を結ぶ線Cから凹部の底点に下ろした垂線の長さをDとするとき、下記式(1)で示される扁平度と下記式(2)で示される異形度を満足すること
・扁平度(A/B)=2.0~3.0 ・・・ (1)
・異形度(C/D)=1.0~5.0 ・・・ (2)
c)繊維の横断面の最大長さAを対称軸とし、対向する両凸部頂点間線分のうち、横断面最大幅Bを除いて最長となる長さをEとするとき、下記式(3)で示される凸部比を満足すること
・凸部比(E/B)=0.6~0.9 ・・・ (3)
【請求項3】
繊維断面形状が中空型で、且つその中空率が20~50%を占めることを特徴とする請求項1に記載の再生PET繊維。
【請求項4】
繊度が1.0~4.0dtexの範囲である請求項2または3記載の再生PET繊維。
【請求項5】
下記の1)~5)の条件を満たす請求項1に記載の再生PET繊維の製造方法。
1)再生PET樹脂の固有粘度が0.62~0.70
2)溶融紡糸時のポリマー温度が270~320℃
3)目的とする断面形状を得るための特殊孔口金の孔部において、円形孔であれば中心を通る直線を引いた際に最も短くなる直径部、スリット孔であれば短辺部の長さが0.05~0.12mmの範囲
4)溶融紡糸時に再生PETポリマーを20~50μm相当のフィルターにて濾過する
5)口金面より5~25mmの位置から紡出糸に冷却風にて急冷して冷却・固化する

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、再生ポリエチレンテレフタレートを用いた異形断面繊維およびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETもしくはPET樹脂とも記す)をはじめとするポリエステルは低コストで、高融点、耐薬品性等に優れ、繊維以外にも、フィルムやPETボトル等の成型品に幅広く用いられている。
【0003】
近年、資源の再利用や環境問題等の面から様々な分野でのリサイクルが求められており、また種々の試みが行われている。ポリエステルにおいてもPETボトルをはじめとするポリエステル成型品を再溶融して、または低分子量化した後に重合してチップ化し、再び繊維やフィルムや成型品を製造するというリサイクルが行われている。このように資源の再利用に貢献することは、企業の最も重要な活動の一つと位置づけられる。そして、このようなリサイクルポリエステルを使用した製品の一つとして再生ポリエチレンテレフタレート(以下、再生PETもしくは再生PET樹脂とも記す)繊維があり、衣料や詰綿に使用されている。
【0004】
ケミカルリサイクルポリエステルは、様々な製品に加工、使用された後に回収されたポリエステル製品を解重合し、これを再度重合して得られるポリエステルであり、後述するマテリアルリサイクルポリエステルに比べて異物濾過が比較的容易で、且つ固有粘度の調整が容易であるために製糸操業性や品質安定性に有利な樹脂を得られる事から広く利用されている方式である。そのため、例えば特許文献1~4の再生PET繊維の主原料となっている。一方、解再重合を行うことでエネルギー消費が大きく、環境負荷の観点において必ずしも優位な方法とは言えない。
【0005】
マテリアルリサイクルポリエステルは、回収されたポリエステル製品を洗浄、粉砕した後に再溶融してペレット化したポリエステルであり、上述したケミカルリサイクルポリエステルに比べ環境負荷は小さく、紡糸工程における粘度低下はしにくい。しかし、粘度の安定性の意味では回収原料の影響を受けて変動し易く、また洗浄でも除ききれなかった不純物(異物)を多く含んでいることが多く、異素材のコンタミにより溶融紡糸では溶融ポリマー内でゲル化が起こり易い。そのため、繊維の断面形状を複雑化したり、細繊度化したりするほどこれらの影響を大きく受け、糸切れ等により安定生産が困難となり、また得られる繊維の機械的特性値が劣るものとなる問題点がある。
【0006】
また、ポリエステル繊維は通常溶融紡糸方式にて得られる。そのうち異形断面繊維は製造コストや環境負荷の観点から口金と呼ばれる金型の孔部の形状によって繊維の断面形状を作り込む事が多いが、冷却・固化される過程で精度良く形状を維持させるために口金孔部の形状はスリット型や、微小な丸孔の集合体で設計される。このため、通常の丸断面繊維に比べ、特にマテリアルリサイクルポリエステルを使用した際には上述した不純物やゲルが孔に詰まるトラブルが発生し、著しく生産性を損なう。マテリアルリサイクルポリエステルを使用比率が高くなるほど、その問題は顕著である。
それを回避するために易溶出ポリマーを鞘とした芯鞘複合繊維として紡糸した後に易溶出ポリマーを除去する方法もあるが、環境負荷の観点からも好ましくない。
【0007】
以上のとおり、マテリアルリサイクルポリエステルを主原料として高比率で使用しつつも生産性が良く、且つバージン原料を使用したときと同等の品質を維持した異形断面繊維は極めて技術難易度が高く、これまでに得られてない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2004-176205号公報
特開2009-144271号公報
特開2022-80087号公報
特開2022-73521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記した従来技術の問題を解消し、マテリアルリサイクルポリエステルを高比率で使用していても生産性がよく、バージン原料使用時と同等の品質を維持しつつ環境に配慮された再生PET繊維およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、マテリアルリサイクルポリエステルを用いても安定して繊維が製造出来、衣料や不織布用途に適した異形断面形状を精度よく維持する事ができる製法を見出して本発明に達した。
(【0011】以降は省略されています)

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