特許ウォッチ

公開番号2024100730
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-26
出願番号2024002698
出願日2024-01-11
発明の名称粘着剤組成物、粘着剤層、粘着剤層付光学フィルムおよび表示装置
出願人住友化学株式会社
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類C09J 133/04 20060101AFI20240719BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】優れた耐熱耐久性および機械強度を示す粘着剤を提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリル系樹脂(A)と、架橋剤(B)と、シラン化合物(C)とを含み、(メタ)アクリル系樹脂(A)は、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以下であるアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位、ホモポリマーのガラス転移温度が0℃以上であるアルキル(メタ)アクリレート(b)由来の構成単位、および極性基を有するモノマー(c)由来の構成単位を含み、(メタ)アクリル系樹脂(A)は、高分子量領域成分と、低分子量領域成分とを含み、高分子量領域成分のガラス転移温度は、低分子量領域成分のガラス転移温度より大きい粘着剤組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項１】
（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）と、架橋剤（Ｂ）と、シラン化合物（Ｃ）とを含み、
前記（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）は、
ホモポリマーのガラス転移温度が０℃未満であるアルキル（メタ）アクリレート（ａ）由来の構成単位、
ホモポリマーのガラス転移温度が０℃以上であるアルキル（メタ）アクリレート（ｂ）由来の構成単位、および
極性基を有するモノマー（ｃ）由来の構成単位
を含み、
前記（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）は、高分子量領域成分と、低分子量領域成分とを含み、
前記高分子量領域成分のガラス転移温度は、前記低分子量領域成分のガラス転移温度より高い、粘着剤組成物。
続きを表示（約 730 文字）【請求項２】
前記高分子量領域成分のガラス転移温度は、－３０℃以上である、請求項１に記載の粘着剤組成物。
【請求項３】
前記高分子量領域成分のガラス転移温度と前記低分子量領域成分のガラス転移温度の差は１０℃以上である、請求項１に記載の粘着剤組成物。
【請求項４】
前記（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）の質量平均分子量（Ｍｗ）は１００万以上３２０万以下である、請求項１～３のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
【請求項５】
前記ホモポリマーのガラス転移温度が０℃以上であるアルキル（メタ）アクリレート（ｂ）は、メチルアクリレートおよびメチルメタクリレート、ｔｅｒｔ－ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートおよびシクロヘキシルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項１～３のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
【請求項６】
前記架橋剤（Ｂ）は芳香族系イソシアネート化合物を含み、前記（メタ）アクリル系樹脂１００質量部に対して前記架橋剤（Ｂ）を０．２質量部以上５．０質量部以下含有する、請求項１～３のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
【請求項７】
請求項１～３のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を含む粘着剤層。
【請求項８】
光学フィルムと、前記光学フィルム上に積層された請求項７に記載の粘着剤層とを含む、粘着剤層付光学フィルム。
【請求項９】
前記光学フィルムは偏光子を含む、請求項８に記載の粘着剤層付光学フィルム。
【請求項１０】
請求項８に記載の粘着剤層付光学フィルムを含む表示装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、粘着剤組成物に関し、さらには粘着剤組成物を含む粘着剤層、および粘着剤層付光学フィルムにも関する。
続きを表示（約 2,300 文字）【背景技術】
【０００２】
液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス（有機ＥＬ）表示装置等の画像表示装置に用いられる偏光板等の光学フィルムは、粘着剤層を介して他の部材（例えば液晶表示装置における液晶セル等の画像表示素子）に貼合して用いられることが多い。特許文献１には、高温環境下における耐久性を有する偏光板用粘着剤を形成する組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０２２－２５４１７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
近年、車載用途等の光学フィルムに用いられる粘着剤には、耐熱耐久性および機械強度の向上が要求されている。しかしながら、粘着剤層において、耐熱耐久性および機械強度をいずれも向上させることは困難であった。
【０００５】
本発明の目的は、優れた耐熱耐久性および機械強度を示す粘着剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明は、以下の粘着剤組成物、粘着剤層、粘着剤層付光学フィルムおよび表示装置を提供する。
［１］（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）と、架橋剤（Ｂ）と、シラン化合物（Ｃ）とを含み、
前記（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）は、
ホモポリマーのガラス転移温度が０℃未満であるアルキル（メタ）アクリレート（ａ）由来の構成単位、
ホモポリマーのガラス転移温度が０℃以上であるアルキル（メタ）アクリレート（ｂ）由来の構成単位、および
極性基を有するモノマー（ｃ）由来の構成単位
を含み、
前記（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）は、高分子量領域成分と、低分子量領域成分とを含み、
前記高分子量領域成分のガラス転移温度は、前記低分子量領域成分のガラス転移温度より高い、粘着剤組成物。
［２］前記高分子量領域成分のガラス転移温度は、－３０℃以上である、［１］に記載の粘着剤組成物。
［３］前記高分子量領域成分のガラス転移温度と前記低分子量領域成分のガラス転移温度の差は１０℃以上である、［１］または［２］に記載の粘着剤組成物。
［４］前記（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）の質量平均分子量（Ｍｗ）は１００万以上３２０万以下である、［１］～［３］のいずれかに記載の粘着剤組成物。
［５］前記ホモポリマーのガラス転移温度が０℃以上であるアルキル（メタ）アクリレート（ｂ）は、メチルアクリレートおよびメチルメタクリレート、ｔｅｒｔ－ブチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレートおよびシクロヘキシルメタクリレートからなる群から選択される少なくとも一種を含む、［１］～［４］のいずれかに記載の粘着剤組成物。
［６］前記架橋剤（Ｂ）は芳香族系イソシアネート化合物を含み、前記（メタ）アクリル系樹脂１００質量部に対して前記架橋剤（Ｂ）を０．２質量部以上５．０質量部以下含有する、［１］～［５］のいずれかに記載の粘着剤組成物。
［７］［１］～［６］のいずれかに記載の粘着剤組成物を含む粘着剤層。
［８］光学フィルムと、前記光学フィルム上に積層された［７］に記載の粘着剤層とを含む、粘着剤層付光学フィルム。
［９］前記光学フィルムは偏光子を含む、［８］に記載の粘着剤層付光学フィルム。
［１０］［８］または［９］に記載の粘着剤層付光学フィルムを含む表示装置。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、優れた耐熱耐久性および機械強度を示す粘着剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）に含まれる高分子量領域成分および低分子量領域成分を説明する概略図である。
本発明に係る粘着剤層付光学フィルムの一例を示す概略断面図である。
本発明に係る粘着剤層付光学フィルムの他の一例を示す概略断面図である。
本発明に係る画像表示装置の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の全ての図面においては、各構成要素を理解し易くするために縮尺を適宜調整して示しており、図面に示される各構成要素の縮尺と実際の構成要素の縮尺とは必ずしも一致しない。
【００１０】
＜粘着剤組成物＞
（１）（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）
本発明に係る粘着剤組成物が含む（メタ）アクリル系樹脂（Ａ）は、ホモポリマーのガラス転移温度（以下、Ｔｇともいう）が０℃未満であるアルキル（メタ）アクリレート（ａ）［以下、アルキル（メタ）アクリレート（ａ）ともいう］由来の構成単位、ホモポリマーのガラス転移温度が０℃以上であるアルキル（メタ）アクリレート（ｂ）［以下、アルキル（メタ）アクリレート（ｂ）ともいう］由来の構成単位、および極性基を有するモノマー（ｃ）由来の構成単位を含む。なお本明細書において、（メタ）アクリルとは、アクリルまたはメタクリルのいずれでもよいことを意味する。（メタ）アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートのいずれでもよいことを意味する。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許