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公開番号2024091772
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-05
出願番号2024066227,2019208262
出願日2024-04-16,2019-11-18
発明の名称炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
出願人富士電機株式会社
代理人個人
主分類H01L 29/78 20060101AFI20240628BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】チャネル移動度の低下を防止することができるとともに、ゲート絶縁膜の信頼性の低下を防止することができる炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】トレンチコーナー部を丸めるための熱処理後、ゲート絶縁膜の堆積前に、当該熱処理時またはその後の犠牲酸化でトレンチ内壁に生じた析出層をエッチングして除去する。このエッチングは、炭素および酸素を含まないエッチングガスのプラズマを用いた低ダメージエッチングとする。この低ダメージエッチングにより、トレンチ側壁で酸化やCF系ポリマーの再付着が生じない。また、この低ダメージエッチングにより、トレンチエッチング時にトレンチ側壁に生じた半導体面の突起の高さが3nm以下となり、トレンチ側壁が平坦面となるため、トレンチ側壁でのラフネス散乱を小さくすることができる。ゲート絶縁膜は、トレンチの側壁の半導体面の突起を覆う。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
炭化珪素からなる半導体基板と、
前記半導体基板の内部に設けられた第1導電型の第1半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に設けられた第2導電型の第2半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第2半導体領域との間に選択的に設けられた第1導電型の第3半導体領域と、
前記第3半導体領域および前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチと、
前記トレンチの内壁に沿って設けられたゲート絶縁膜と、
前記トレンチの内部において前記ゲート絶縁膜の上に設けられたゲート電極と、
前記第3半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記トレンチの側壁において異なる導電型の領域の界面で半導体面の突起の高さが3nm以下であり、
前記ゲート絶縁膜は、堆積酸化膜であり、前記トレンチの内壁で前記半導体面に接し、前記トレンチの側壁の前記半導体面の突起を覆うことを特徴とする炭化珪素半導体装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
炭化珪素からなる第1導電型の出発基板の上に、前記出発基板よりも不純物濃度の低い第1導電型の第1半導体領域となる第1導電型炭化珪素層を形成する第1工程と、
前記第1導電型炭化珪素層の上に、第2導電型の第2半導体領域となる第2導電型炭化珪素層を形成する第2工程と、
前記第2導電型炭化珪素層の表面領域に、第1導電型の第3半導体領域を選択的に形成する第3工程と、
第1エッチングにより、前記第3半導体領域および前記第2導電型炭化珪素層を貫通して前記第1導電型炭化珪素層に達するトレンチを形成する第4工程と、
熱処理により前記トレンチのコーナー部を丸める第5工程と、
前記第5工程の後、プラズマ雰囲気において前記トレンチの内壁を第2エッチングする第6工程と、
前記第6工程の後、前記トレンチの内壁に沿ってゲート絶縁膜を堆積する第7工程と、
前記トレンチの内部において前記ゲート絶縁膜の上にゲート電極を形成する第8工程と、
を含み、
前記第6工程では、
前記第2エッチングにおいて、炭素を含む付着物を前記トレンチの内壁に付着させる第1元素と、前記トレンチの内壁を酸化させる第2元素と、を含まないエッチングガスを用い、
前記第2エッチングによって、前記第6工程の前までに前記トレンチの内壁上に生じた析出層を除去して前記トレンチの内壁に半導体面を露出させるとともに、前記半導体面を後退させて平坦面に近づけ、
前記第7工程では、前記トレンチの内壁の前記半導体面に前記ゲート絶縁膜として堆積酸化膜を堆積することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1元素は炭素であることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第2元素は酸素であることを特徴とする請求項2または3に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2エッチングのエッチングガスは、三フッ化窒素ガスであることを特徴とする請求項2~4のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2エッチングのエッチングガスは、三フッ化塩素ガスであることを特徴とする請求項2~4のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第2エッチングは、ケミカルドライエッチングであることを特徴とする請求項2~6のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2エッチングのエッチング量は、前記トレンチの側壁から前記トレンチの側壁と直交する方向に100nm以下の厚さであることを特徴とする請求項2~7のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第6工程では、前記第4工程の前記第1エッチングにおいて、前記トレンチの側壁における、前記第1導電型炭化珪素層と前記第2導電型炭化珪素層との境界、および、前記第2導電型炭化珪素層と前記第3半導体領域との境界と、各境界の間の表面と、のエッチングレートが異なることにより、前記各境界にそれぞれ生じた突起の高さを前記第2エッチングにより低くして3nm以下にすることを特徴とする請求項2~8のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、炭化珪素(SiC)を半導体材料として用いたトレンチゲート構造の縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲートを備えたMOS型電界効果トランジスタ)では、トレンチの形成時か、またはトレンチの形成後でゲート絶縁膜の形成前までに行う諸処理によって、トレンチの内壁にダメージ層、余剰カーボン(C)析出層およびドーパントの析出層などが生じることが知られている。
【0003】
例えば、炭化珪素からなる半導体基板には、高密度プラズマによる異方性エッチングによりトレンチを形成するが、プラズマから生成されたイオンやラジカルの衝突により、トレンチの内壁にダメージ層が形成される。トレンチの内壁のダメージ層を除去するためにトレンチの内壁を犠牲酸化する場合、トレンチの内壁を犠牲酸化して酸化シリコン(SiO
2
)膜が形成されることで、トレンチの内壁の表面領域(炭化珪素部)から余剰カーボンが脱離してトレンチの内壁に析出され、余剰カーボン析出層が形成される。
【0004】
トレンチのコーナー部(角部)を丸めるための高温度アニール(熱処理)を行う場合、トレンチの内壁表面にドーパントが再析出されて高不純物濃度のドーパントの析出層が形成される。これらトレンチの内壁のダメージ層、余剰カーボン析出層およびドーパントの析出層は、トレンチの内壁を四フッ化炭素(CF
4
)および酸素(O
2
)を含むガスを用いたケミカルドライエッチング(CDE:Chemical Dry Etching)またはプラズマエッチング(PE:Plasma Etching)することで除去される。
【0005】
従来の炭化珪素半導体装置の製造方法について、MOSFETを例に説明する。図7は、従来の炭化珪素半導体装置の製造方法の概要を示すフローチャートである。従来の炭化珪素半導体装置のMOSゲートを形成するにあたって、まず、フォトリソグラフィおよびエッチング(以下、トレンチエッチングとする)により、半導体基板のおもて面から所定深さに達するトレンチを形成する(ステップS101)。このトレンチエッチングは、例えば、高密度プラズマによる異方性エッチングである。
【0006】
半導体基板は、炭化珪素を半導体材料として用いたn
+
型出発基板のおもて面上に、n
-
型ドリフト領域およびp型ベース領域となる各エピタキシャル層が順に積層されてなる。半導体基板の、p型ベース領域となるp型エピタキシャル層側の主面をおもて面とし、n
+
型出発基板側の主面を裏面とする。ステップS101の処理において、トレンチは、半導体基板のおもて面から、p型エピタキシャル層内に形成されたn
+
型ソース領域およびp型ベース領域を貫通してn
-
型ドリフト領域に達する。
【0007】
トレンチの内壁には、トレンチエッチングによるダメージ層が形成される。また、トレンチエッチングにおいて、n
-
型ドリフト領域とp型ベース領域との第1境界付近、および、p型ベース領域とn
+
型ソース領域との第2境界付近のエッチングレートは、エピタキシャル層の第1,第2境界間の部分のエッチングレートよりも遅い。エピタキシャル層のエッチングレートの遅い部分はトレンチの側壁上に突起として残る。このため、トレンチ7の側壁において突起による段差が形成される。
【0008】
次に、プラズマエッチングまたは高温度(例えば1500℃以上)アニールにより、トレンチのコーナー部を丸める(ステップS102)。ステップS102の処理により、トレンチの内壁のエッチングと、トレンチの内壁の珪素(Si)および炭素(C)の表面拡散と、が同時に起こり、トレンチのコーナー部が丸まる。また、ステップS102の処理を高温度アニールで行う場合、上述したようにトレンチの内壁に高不純物濃度のドーパントの析出層が形成される。
【0009】
次に、トレンチの内壁を犠牲酸化して犠牲酸化膜を形成し(ステップS103)、当該犠牲酸化膜を除去することで、トレンチの内壁に生じたダメージ層やドーパントの析出層を除去する。ステップS103の犠牲酸化により、上述したようにトレンチの内壁に余剰カーボン析出層が形成される。ステップS103の処理は省略可能である。次に、CF
4
およびO
2
を含むガスを用いて、トレンチの内壁をケミカルドライエッチングまたはプラズマエッチングする(ステップS104)。
【0010】
ステップS104の処理により、トレンチの内壁の余剰カーボン析出層が除去される。ステップS103の処理を省略した場合、ステップS104の処理により、トレンチの内壁のダメージ層およびドーパントの析出層が除去される。次に、トレンチの内壁に沿ってゲート絶縁膜を堆積した後(ステップS105)、トレンチの内部にゲート電極を形成する(ステップS106)。そして、図示省略するMOSゲート以外の各部を一般的な方法により所定のタイミングで形成することで、従来の炭化珪素半導体装置が完成する。
(【0011】以降は省略されています)

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