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公開番号2024085465
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-27
出願番号2022199936
出願日2022-12-15
発明の名称壁のせん断強度評価方法
出願人株式会社大林組,国立大学法人横浜国立大学
代理人個人,個人
主分類G01N 33/00 20060101AFI20240620BHJP(測定;試験)
要約【課題】開口率が0.4を超える壁の耐震性能を適切に評価できる壁のせん断強度評価方法を提供する。
【解決手段】開口率が0.4以下の壁のせん断強度を評価する際に用いられる所定の診断基準式に対し、開口率に応じて大きくなる低減係数を乗算した設計耐力値に基づいて、壁のせん断強度を評価する。低減係数をα、開口率をηとするとき、低減係数は、α=-1.5・η+1.6によって算出される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
開口率が0.4を超える壁を評価対象とする壁のせん断強度評価方法であって、
開口率が0.4以下の壁のせん断強度を評価する際に用いられる診断基準式を用いて算出したせん断終局強度と、開口率に応じた低減係数とを乗算した設計式耐力値に基づいて、前記評価対象のせん断強度を評価する
壁のせん断強度評価方法。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記低減係数は、試験体に対する実験結果に基づく試験体実験耐力値、前記試験体を解析モデルとして行ったFEM解析結果に基づくFEM解析耐力値、および、前記試験体とは異なる形状の実大寸法モデルを解析モデルとして行ったFEM解析結果に基づく実大解析耐力値に基づいて設定される
請求項1に記載の壁のせん断強度評価方法。
【請求項3】
前記低減係数は、前記試験体実験耐力値および前記実大解析耐力値の前記設計式耐力値に対する安全率が1.25以上となるように設定される
請求項2に記載の壁のせん断強度評価方法。
【請求項4】
前記低減係数をα、開口率をηとするとき、前記低減係数が、
α=-1.5・η+1.6
によって算出される
請求項3に記載の壁のせん断強度評価方法。
【請求項5】
前記評価対象が複数の開口を有する場合、前記複数の開口を包含する1つの開口を有する壁として前記評価対象のせん断強度を評価する
請求項1~4のいずれか一項に記載の壁のせん断強度評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、開口率が0.4を超える壁のせん断強度評価方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
鉄筋コンクリート造の建築物を構成する既存壁に対する耐震補強として、例えば特許文献1には、H形鋼フレームを柱や梁に取り付けることにより壁耐力を向上させる技術が開示されている。また、耐震補強としては、既存壁に対して鉄筋コンクリート製の増打ち壁を増設する技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-169504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、建築基準法においては、開口率が0.4を超える壁については耐震壁として扱われない。しかしながら、開口率が0.4を超える壁であっても十分な耐震性能を有している場合もある。そのため、既存壁の耐震補強において過剰な補強がなされることがある。これらのことから、開口率が0.4を超える壁の耐震性能を適切に評価できる方法が求められている。なお、こうした耐震性能を評価する方法は、既存壁に限らず、新設壁についても共通するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する壁のせん断強度評価方法は、開口率が0.4を超える壁を評価対象とする壁のせん断強度評価方法であって、開口率が0.4以下の壁のせん断強度を評価する際に用いられる診断基準式を用いて算出したせん断終局強度と、開口率に応じた低減係数とを乗算した設計式耐力値に基づいて、前記評価対象のせん断強度を評価する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、開口率が0.4を超える壁の耐震性能を適切に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
壁のせん断強度評価方法の一実施形態について適用条件を満たす壁の概略構成を示す図である。
適用条件を満たす壁の一例を示す図である。
適用条件を満たす壁の一例を示す図である。
適用条件を満たす壁の一例を示す図である。
低減係数算出式の導出方法の一例を示すフローチャートである。
3つの試験体の正面構造を示す図である。
図6の7-7線における端面構造を示す図であり、(a)は試験体2Kの端面構造を示す図、(b)は試験体3Mの端面構造を示す図、(c)は試験体5MSの端面構造を示す図である。
試験体に対して行った実験の概要を示す図である。
載荷履歴計画図の一部を示すグラフである。
試験体2Kについての実験結果と解析結果を示すグラフである。
試験体3Mについての実験結果と解析結果を示すグラフである。
実大解析における解析モデルのパターンを示す図である。
実大解析の解析結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1~図13を参照して、壁のせん断強度評価方法の一実施形態について説明する。
壁のせん断強度評価方法は、柱および梁に格子形あるいはラチス形の鉄骨断面を有する鉄骨鉄筋コンクリート製または鉄筋コンクリート製の建築物において、開口を有する壁(新設壁、既設壁、および、増厚壁)を評価対象としてせん断強度を評価する際に用いられる。なお、「2017年改訂版 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準・同解説」(一般財団法人日本建築防災協会)の付則2章に示される耐震壁のせん断終局強度式(開口率が0.4以下)を診断基準式という。また、診断基準式から算出される値をせん断終局強度Qsuという。
【0009】
具体的には、適用条件を満たす壁について、せん断終局強度Qsuに対して開口率に応じた低減係数αを乗じる「設計式」の算出値を設計式耐力値QsuD(=α×Qsu)として算出する。そして、設計式耐力値QsuDに基づいてせん断強度を評価する。低減係数αは、壁の開口率をη、開口幅比をη1、開口周比をη2、開口高さ比をη3とするとき、下記の式にて算出される。なお、低減係数αの詳細については後述する。
【0010】
JPEG
2024085465000001.jpg
27
162
(【0011】以降は省略されています)

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