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公開番号2024073210
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2022184304
出願日2022-11-17
発明の名称放射冷却フィルム及び放射冷却フィルムの作成方法
出願人大阪瓦斯株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類G02B 5/20 20060101AFI20240522BHJP(光学)
要約【課題】ガルバニック腐食の発生を適切に抑制できる放射冷却フィルムを提供する。
【解決手段】放射面Hから赤外光IRを放射する赤外放射層Aと、当該赤外放射層Aにおける放射面Hの存在側とは反対側に位置させる銀または銀合金で構成された光反射層Bと、光反射層Bにおける赤外放射層Aに隣接する側に位置する隣接側保護層Duと、光反射層Bにおける赤外放射層Aから離れる側に位置する離間側保護層Dsとを備えるフィルム体Fとして構成され、赤外放射層Aが、吸収した太陽光エネルギーよりも大きな熱輻射エネルギーを波長8μmから波長14μmの帯域で放つ厚みに調整されている赤外放射用樹脂材料層Jであり、フィルム体Fの裏面部に、離間側保護層Dsに向う水分移動を防止する防水用樹脂材料層Gが備えられ、防水用樹脂材料層Gが、フィルムとして形成され、防水用樹脂材料層Gが、離間側保護層Dsに接着剤又は粘着剤にて接続されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
放射面から赤外光を放射する赤外放射層と、当該赤外放射層における前記放射面の存在側とは反対側に位置させる銀または銀合金で構成された光反射層と、前記光反射層における前記赤外放射層に隣接する側に位置する隣接側保護層と、前記光反射層における前記赤外放射層から離れる側に位置する離間側保護層とを備えるフィルム体として構成され、
前記赤外放射層が、吸収した太陽光エネルギーよりも大きな熱輻射エネルギーを波長8μmから波長14μmの帯域で放つ厚みに調整されている赤外放射用樹脂材料層である放射冷却フィルムであって、
前記フィルム体の裏面部に、前記離間側保護層に向う水分移動を防止する防水用樹脂材料層が備えられ、
フィルム状に形成された前記防水用樹脂材料層が、前記離間側保護層に接着剤又は粘着剤にて接続されている放射冷却フィルム。
続きを表示(約 970 文字)【請求項2】
前記防水用樹脂材料層を形成する樹脂材料が、アクリル樹脂、ABS樹脂、PET、PVC、PE、PPS、PP、PTFEのいずれかである請求項1に記載の放射冷却フィルム。
【請求項3】
前記防水用樹脂材料層の厚さが10μm以上、125μm以下である請求項2に記載の放射冷却フィルム。
【請求項4】
前記防水用樹脂材料層を形成する樹脂材料が、PETであり、その厚さが6μm以上、30μm以下である請求項1に記載の放射冷却フィルム。
【請求項5】
前記防水用樹脂材料層を形成する樹脂材料に、光反射用のフィラーが混入されている請求項1に記載の放射冷却フィルム。
【請求項6】
前記離間側保護層を形成する樹脂材料が、アクリル樹脂である請求項1に記載の放射冷却フィルム。
【請求項7】
前記防水用樹脂材料層と前記離間側保護層との間に防水用追加層を備えている請求項1に記載の放射冷却フィルム。
【請求項8】
前記赤外放射用樹脂材料層を形成する樹脂材料が、可塑剤が混入された塩化ビニル系樹脂であり、
前記可塑剤が、フタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類及びリン酸エステル類からなる群より選択される1つ以上の化合物からなる請求項1に記載の放射冷却フィルム。
【請求項9】
前記隣接側保護層が、ポリオレフィン系樹脂にて厚さが300nm以上で、40μm以下の形態に、又は、PETにて厚さが17μm以上で、40μm以下の形態に形成されている請求項1に記載の放射冷却フィルム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の放射冷却フィルムの作成方法であって、
前記隣接側保護層を基材として、前記隣接側保護層に又は前記隣接側保護層に積層したアンカー層に、銀または銀合金を蒸着して前記光反射層を形成し、前記光反射層における前記赤外放射層から離れる側の面に樹脂材料を塗工して前記離間側保護層を形成した積層体を形成し、
前記積層体における前記離間側保護層に、フィルム状に形成された前記防水用樹脂材料層を接着剤又は粘着剤にて接続する放射冷却フィルムの作成方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、放射面から赤外光を放射する赤外放射層と、当該赤外放射層における前記放射面の存在側とは反対側に位置させる銀または銀合金で構成された光反射層と、前記光反射層における前記赤外放射層に隣接する側に位置する隣接側保護層と、前記光反射層における前記赤外放射層から離れる側に位置する離間側保護層とを備えるフィルム体として構成され、
前記赤外放射層が、吸収した太陽光エネルギーよりも大きな熱輻射エネルギーを波長8μmから波長14μmの帯域で放つ厚みに調整されている赤外放射用樹脂材料層である放射冷却フィルム及び放射冷却フィルムの作成方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
放射冷却とは、物質が周囲に赤外線などの電磁波を放射することでその温度が下がる現象のことを言う。この現象を利用すれば、たとえば、電気などのエネルギーを消費せずに冷却対象を冷やす放射冷却フィルムを構成することができる。
【0003】
放射冷却フィルムにおいては、赤外放射層が、吸収した太陽光エネルギーよりも大きな熱輻射エネルギーを波長8μmから波長14μmの帯域で放射するから、銀又は銀合金にて構成される光反射層が太陽光を十分に反射することにより、昼間の日射環境下においても冷却対象を冷やすことができる。
また、光反射層における赤外放射層に隣接する側に位置させる隣接側保護層と、光反射層における赤外放射層から離れる側に位置させる離間側保護層を備えさせることにより、銀及び銀合金が水分により変色すること等を抑制して、光反射層の光反射を適切に行わせることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
つまり、光反射層が、赤外放射層及び隣接側保護層を透過した光(紫外光、可視光、赤外光)を反射して放射面から放射させて、赤外放射層を透過した光(紫外光、可視光、赤外光)が冷却対象に対して投射されて、冷却対象が加温されることを回避することにより、昼間の日射環境下においても冷却対象を冷やすことができる。
尚、光反射層は、赤外放射層を透過した光に加えて、赤外放射層から光反射層の存在側に放射される光を赤外放射層に向けて反射する作用も奏することになるが、以下の説明においては、光反射層を設ける目的が赤外放射層を透過した光(紫外光、可視光、赤外光)を反射することにあるとして説明する。
【0005】
ちなみに、特許文献1においては、隣接側保護層及び離間側保護層を形成する材料として、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、酸化膜(SiO

、Al



)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2020/195743号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
放射冷却フィルムの使用例として、例えば、自動車の外面やコンテナの外面等、金属製(例えば、鉄、鉄合金、鋼板、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、ジュラルミン等)の板状体の外面に接着剤や粘着剤にて貼付(装着)して使用する場合や、金属製の板状体に対して熱ラミネートにより装着して使用される場合がある。
このような場合には、放射冷却フィルムにおける最も裏面側に位置する層、例えば、離間側保護層が金属製の板状体に対する接続に用いられることになる。つまり、離間側保護層を金属製の板状体の外面に接着剤や粘着剤にて接続(貼付)し、離間側保護層を金属製の板状体に熱ラミネートすることになる。
【0008】
離間側保護層は、放射冷却フィルムの裏面部から光反射層に向けて水分が侵入することを抑制する防水性を発揮することになるが、離間側保護層の防水性が不十分であると、ガルバニック腐食により、金属製の板状体を形成する金属材が強度低下を起こす虞や、放射冷却フィルムがさび成分の析出により着色し、太陽光を吸収するようになって放射冷却性能が低下する虞があり、改善が望まれるものであった。
【0009】
説明を加えると、例えば、樹脂材料を光反射層に塗工して離間側保護層を形成する場合には、ピンホールができやすいほか、樹脂構造中に多数の欠陥が形成されやすく、吸水や透水がしやすくなる等、離間側保護層に十分な防水性を備えさせることができなくなる場合がある。このような場合には、電解質(雨水や海水)が光反射層の銀や銀合金まで到達しやすくなる。
尚、離間側保護層を形成する樹脂材料としてアクリル樹脂を用いると、アクリル樹脂には銀のさび止めといった添加剤が入っており、添加物とのなじみの良さからも、離間側保護層をアクリル樹脂にて形成することが望まれることが多い。
【0010】
銀はイオン化傾向がすべての金属の中で、金と白金に続いて3番目に小さいことから、一般的な金属と電解質を介して接続すると、相手の金属を腐食させるガルバニック腐食が発生し、その際、水素が発生し膨れが生じたり着色したりする。
つまり、離間側保護層に十分な防水性を備えさせることができなくなって、電解質(雨水や海水)が光反射層の銀や銀合金まで到達すると、光反射層の銀又は銀合金と金属製の板状体を形成する金属材とを電解質が接続し、金属製の板状体形成する金属材を腐食させるガルバニック腐食を促進することになる。
(【0011】以降は省略されています)

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