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公開番号2024056675
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-23
出願番号2023205207,2022528889
出願日2023-12-05,2021-06-03
発明の名称希土類化合物を用いた植物ホルモンのセンシング方法、それを用いたセンサー、及び植物の病気感染の早期検出方法
出願人日本電気株式会社
代理人個人
主分類G01N 21/78 20060101AFI20240416BHJP(測定;試験)
要約【課題】農作物を含む植物の栽培において、病気感染した際に放出される植物ホルモンであるサリチル酸メチルをセンシングする方法、及び該センサーを提供し、それによって植物の病気感染を早期に、その場で検出する方法を提供する。
【解決手段】植物が病原菌感染の際に放出する植物ホルモンであるサリチル酸メチルを選択的に認識して錯体を形成する希土類化合物をシンシングのレセプターとして利用し、サリチル酸メチルと反応した後の蛍光発光現象や電気化学的挙動の変化を利用することによって、植物の病気感染を早期に検出することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
サリチル酸メチルをセンシングする方法であり、サリチル酸メチルを選択的に認識するレセプターに希土類化合物を用いるセンシング方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
希土類化合物がスカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の酢酸塩、塩化物、シュウ酸塩、硝酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ピバル酸塩のいずれかの化合物である請求項1に記載のセンシング方法。
【請求項3】
希土類化合物がサマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)の酢酸塩、塩化物、シュウ酸塩、硝酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ピバル酸塩のいずれかの化合物である請求項1に記載のセンシング方法。
【請求項4】
希土類化合物がホスフィンオキシド誘導体と錯体を形成した化合物である請求項1に記載のセンシング方法。
【請求項5】
サリチル酸メチルが希土類化合物と反応して希土類の錯体を形成することで蛍光発光する現象を利用する請求項1~4のいずれか一項に記載のセンシング方法。
【請求項6】
希土類化合物とサリチル酸メチルの反応により電気化学的挙動が変化する現象を利用する請求項1~4のいずれか一項に記載のセンシング方法。
【請求項7】
希土類化合物とサリチル酸メチルの反応により生じる電流値の変化を利用する請求項6に記載のセンシング方法。
【請求項8】
サリチル酸メチルを検出するサリチル酸メチルセンサーであって、
i)希土類化合物を有するサリチル酸メチルの認識部と、
ii)該認識部にサリチル酸メチルが認識されたことを検出する検出部
を少なくとも備えているサリチル酸メチルセンサー。
【請求項9】
請求項8に記載のサリチル酸メチルセンサーを農作物の近傍に設置し、該センサーによりサリチル酸メチルを検出することにより農作物の病原菌感染を検出する方法。
【請求項10】
サリチル酸メチルを検出するサリチル酸メチルセンサーであって、サリチル酸メチルを選択的に認識するレセプターである希土類化合物を有するサリチル酸メチルの認識部と、該認識部にサリチル酸メチルが認識されたことを検出する検出部を少なくとも備え、該検出部が光学的及び/または電気化学的な検出素子とコンピュータを含み、該コンピュータに、
i)光学的及び/または電気化学的な検出素子からの信号を受信する段階、
ii)受信した信号を分析してサリチル酸メチルの有無及び/またはその濃度を決定する段階、並びに
iii)分析結果を出力する段階
を実行させるプログラムを有するサリチル酸メチルセンサー。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、植物が病気に感染した際に放出する植物ホルモンのセンシング方法、及び植物の病気感染を早期に検出する方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
植物は、糸状菌等の病原菌の感染を受けたり、害虫等による食害を受けたり、さらに環境の変動によるストレスを受けたりすると、それに対抗して独自の防御機構が働くことが知られている。具体的には、植物は病原菌による感染を受けると感染した場所でシグナル物質であるサリチル酸を合成する。そして、サリチル酸が師管組織を経由して植物体内を移動し、未感染組織に防御機構を誘導することで、結果として病原菌に対して全身で抵抗性を発現する(全身獲得抵抗性)。また、害虫による食害を受けることでエチレンやジャスモン酸を合成し、サリチル酸と同様に植物体内を移動することで全身に防御機構を誘導する(誘導全身抵抗性)。さらに乾燥、低温、塩害などの生育環境の変動に対してはアブシジン酸を植物体内で合成し環境ストレスに適用することが知られている。
【0003】
また、植物は病原菌感染や害虫による食害を受けた際に、被害を受けた植物自身だけでなく、周囲の植物にも知らせるメカニズムが存在することが知られている(非特許文献1)。具体的には、病原菌に感染した際に合成されるサリチル酸はメチル化されてサリチル酸メチルになり、揮発性シグナル物質として植物から放出されて周囲の植物に病原菌の感染を知らせることで予め防御機構を促す。また、害虫の被害の際に合成されるジャスモン酸もメチル化されてジャスモン酸メチルとなり揮発性シグナルとなり植物から放出されることで、周囲の植物に予め抵抗性を誘導することが知られている。
【0004】
このように植物は病害虫による被害を受けた際にシグナル物質として植物ホルモンを放出することが知られており、そのシグナル物質をいち早くセンシングすることで病害虫被害を早期に検出することが可能となる。
【0005】
害虫被害の際に揮発性シグナルとして放出されるジャスモン酸をセンシングすることで被害の早期発見する方法として、栽培している農作物の傍に、発光タンパク質遺伝子を有するモニター植物を一緒に栽培し、そして農作物が害虫被害を受けた際に放出されたジャスモン酸メチルをモニター植物が感知してモニター植物が発光する現象を利用する方法が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2019/082942号公報
【非特許文献】
【0007】
J. Japan Association on Odor Environment, Vol.36, No.3, 153-155(2005).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、農作物を含む植物の栽培において、病気感染した際に放出される植物ホルモンであるサリチル酸メチルをセンシングする方法、及び該センサーを提供し、それによって植物の病気感染を早期に、その場で検出する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、揮発性植物ホルモンであるサリチル酸メチルを選択的に認識して錯体を形成する希土類化合物をセンサーのレセプターとして利用することを特徴とする。また、本発明はサリチル酸メチルと希土類化合物が反応して生成した錯体の蛍光発光現象を利用することによって、植物の病気感染を早期に検出することを特徴とする。さらに、本発明はサリチル酸メチルと希土類化合物が反応して、電気化学的挙動が変化する現象を利用することによって、植物の病気感染を早期に検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の希土類化合物をセンサーのレセプターに用いることにより、植物が病原菌に感染した際に放出される揮発性植物ホルモンのサリチル酸メチルを選択的にセンシングでき、さらにサリチル酸メチルと希土類化合物が反応して形成された錯体からの蛍光発光現象を利用したり、電気化学的挙動の変化を利用することで植物の病原菌による感染を早期に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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