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公開番号2024054998
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-18
出願番号2022161534
出願日2022-10-06
発明の名称鉱石移送方法
出願人日鉄エンジニアリング株式会社,独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構,三菱造船株式会社,国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所,清水建設株式会社,住友金属鉱山株式会社,株式会社三井三池製作所,三菱重工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類E21C 50/00 20060101AFI20240411BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】揚鉱管を通じて鉱石をスラリーとして海水とともに海底から海上に向かって安定して移送することが可能な鉱石移送方法を提供すること。
【解決手段】揚鉱管60を通じて鉱石を海水とともに海底から海上に向かって移送する際のスラグ流発生を抑制する鉱石移送方法であって、海水と鉱石を混合してスラリーを形成する際に、スラリーにおける鉱石の体積比率で示されるスラリー濃度を以下の式(1)のように調整する。
F(D)≦-0.0511×D+22.556・・・(1)
F(D):スラリー濃度
D:2009年版のJIS A 1204 土の土粒試験方法により特定される鉱石の最大粒径(mm)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
揚鉱管を通じて鉱石を海水とともに海底から海上に向かって移送する際のスラグ流発生を抑制する鉱石移送方法であって、
海水と鉱石を混合してスラリーを形成する際に、前記スラリーにおける鉱石の体積比率で示されるスラリー濃度を以下の式(1)のように調整することを特徴とする鉱石移送方法。
F(D)≦-0.0511×D+22.556・・・(1)
F(D):スラリー濃度
D:2009年版のJIS A 1204 土の土粒試験方法により特定される鉱石の最大粒径(mm)
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
請求項1に記載の鉱石移送方法であって、
前記鉱石の長径を設定寸法以下に調整してから前記スラリーを形成する
ことを特徴とする鉱石移送方法。
【請求項3】
請求項1に記載の鉱石移送方法であって、
F(D)≦38×D
-0.333
が成立するように鉱石を破砕する
ことを特徴とする鉱石移送方法。
【請求項4】
請求項1に記載の鉱石移送方法であって、
前記鉱石の粒径を25mm以下とし、
スラリー流速4m/s以上に設定して移送する
ことを特徴とする鉱石移送方法。
【請求項5】
請求項1に記載の鉱石移送方法であって、
前記鉱石の粒径を50mm以下とし、
スラリー流速5m/s以上設定して移送する
ことを特徴とする鉱石移送方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の鉱石移送方法であって、
前記揚鉱管内の局所におけるスラリー濃度の最大値を、
許容濃度以下に設定する
ことを特徴とする鉱石移送方法。
【請求項7】
請求項6に記載の鉱石移送方法であって、
前記揚鉱管内の局所におけるスラリー濃度を55%以下に設定する
ことを特徴とする鉱石移送方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、移送管を通じて鉱石を海水とともに海底から海上に向かって移送する鉱石移送方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
周知のように、海底には、例えば熱水鉱床をはじめとする種々の鉱物資源が存在している。
このような熱水鉱床等で採掘した鉱石を利用するために、破砕した鉱石を海水と混合してスラリーを形成し、このスラリーを揚鉱管を通じて海上の基地(例えば、船舶)まで移送するための種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
そして、破砕した鉱石でスラリーを形成して移送管を通じて移送する際には、安定的かつ効率的に移送することが採算性の観点からも望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003-269070号公報
特開2012-193578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、破砕した鉱石と海水で形成したスラリーを移送管で揚鉱する際には、スラリーが移送管内において安定して流動する必要があるが、例えば、鉱石同士が咬合による鉱石と管壁面との接触力の増大や、鉱石と管壁との摩擦力や集積した鉱石群の自重が鉱石を上方に搬送する水流の揚力を上回ると、鉱石を安定して移送することが困難となる。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、鉱石と海水とを混合して形成したスラリーを、海底から海上に向かって安定して移送することが可能な鉱石移送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の発明者は、移送管内におけるスラリー流動を鋭意研究した結果、スラグ流の発生を抑制して移送管内における鉱石の粒子同士の咬合を軽減することがスラリーの安定した移送に重要であり、そのためには、スラリー濃度(=(鉱石の体積)/(スラリー体積))の調整が有効であるとの知見を得た。
そして、シミュレーションにおける粒子の挙動を目視確認した結果、スラリーを移送管に送り込む際に、鉱石の粒径(以下、鉱石粒径という場合がある)に応じてスラリー濃度を調整することが有効であることを見出した。さらに、移送管内において局所的に形成されるスラリー濃度の最大値が55vol%以下になるように調整することが極めて有効であることを掴んだ。
ここで、スラグ流とは、移送管内を流れるスラリー(固液混相流)の粒子同士が咬合することにより、管軸に沿って粒子が密な領域と疎な領域が交互に形成され、圧力損失が増大して粒子が移動し難くなる可能性が高まる流動状態をいう。
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)この発明の第1態様は、揚鉱管を通じて鉱石を海水とともに海底から海上に向かって移送する際のスラグ流発生を抑制する鉱石移送方法であって、海水と鉱石を混合してスラリーを形成する際に、前記スラリーにおける鉱石の体積比率で示されるスラリー濃度を以下の式(1)のように調整することを特徴とする。
F(D)≦-0.0511×D+22.556・・・(1)
F(D):スラリー濃度
D:2009年版のJIS A 1204 土の土粒試験方法により特定される鉱石の最大粒径(mm)
【0008】
この発明に係る鉱石移送方法によれば、揚鉱管を通じて鉱石を海水とともに海底から海上に向かって移送する際に、海水と鉱石を混合して濃度が調整されたスラリーを形成して、濃度(スラリー濃度)が調整されたスラリーを揚鉱管に送り込むので、揚鉱管内におけるスラグ流の発生を抑制することができる。スラリー濃度F(D)(vol%)としたときに、例えば、鉱石の粒径D(mm)を、 F(D)≦ -0.0511×D+22.556 に調整することで、移送管内において鉱石の粗密が発生しようとしているがスラグ流の発生は抑制されて鉱石を移送することができる。
その結果、鉱石と海水を混合して形成したスラリーを揚鉱管を通じて安定して移送することができる。
【0009】
ここで、スラリー濃度とは、鉱石と海水を混合してスラリーを形成する際に、スラリーの体積(容積)に対する鉱石が占める体積の比率(割合)をいい、スラリー濃度(体積濃度)=鉱石の体積/(鉱石の体積+海水の体積) で表すことができる。
また、スラリー流速とは、揚鉱管で移送される単位時間当たりのスラリーの流量(体積)を揚鉱管の断面積で除した数値をいうものとする。なお、一定時間当たりのスラリーの移送量を、断面積及び計測時間で除してもよい。また、スラリー濃度の測定における単位時間当たりのスラリーの流量とは、スラリーが含む鉱石の量が定常状態(安定して一定状態)になったときのスラリーの流量をいい、スラリーの流量の測定方法は任意に設定してもよい。例えば、単位時間に移送管から排出されたスラリーをバケツ等で受けて測定してもよい。
また、2009年版のJIS A 1204 土の土粒試験方法により特定される鉱石の最大粒径とは、「試料がすべて通過する金属製網ふるいの最小の目開きで表した粒径」であるとも言える。
【0010】
(2)上記(1)に記載の鉱石移送方法は、前記鉱石の長径を設定寸法以下に調整してから前記スラリーを形成してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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