TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024046755
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-04
出願番号2023158416
出願日2023-09-22
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子およびその使用
出願人北京夏禾科技有限公司
代理人弁理士法人R&C
主分類H10K 50/12 20230101AFI20240328BHJP()
要約【課題】本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びその使用を開示する。
【解決手段】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、置換基Aを有し且つ置換基Aが素子において最大静電容量を低下可能である金属錯体を含み、金属錯体は、エレクトロルミネッセンス素子の発光層における発光材料として用いられることができる。置換基Aを有する金属錯体を含む素子は、素子の最大静電容量の低下をもたらすことができることで、OLED表示素子の低階調時における応答時間およびリフレッシュ周波数を向上させることができる。一方、置換基Aは、素子の最大静電容量の低下をもたらすことができる。それと同時に、置換基Aを含む金属錯体により製造された素子は、置換基Aを含まない金属錯体により製造された素子に対して、優れた素子の性能を依然として維持することができる。本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子を含む電子アセンブリをさらに開示する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に設けられた有機層とを含む有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記有機層は、金属Mと、金属Mと配位する少なくとも1つのC^N2座配位子L

とを含む金属錯体を含有し、
金属Mは、相対原子質量が40を超える金属から選ばれ、
2つまたは複数の配位子L

が同時に存在すると、2つまたは複数の配位子L

は、同一または異なってもよく、
少なくとも1つの前記配位子L

上において少なくとも1つの置換基Aが含まれ、
前記置換基Aは、出現毎に同一または異なって置換または非置換の炭素原子数1~20の非芳香族性基から選ばれ、
2つまたは複数の置換基Aが同時に存在すると、2つまたは複数の置換基Aは、同一または異なってもよく、
前記金属錯体は、エレクトロルミネッセンス素子における静電容量特性が、
500Hz下で、前記エレクトロルミネッセンス素子の静電容量の最大値が、C
max
であり、
500Hz下で、前記置換基Aによる最大静電容量変化ΔC
max
≦-0.12nFであることを満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
500Hz下で、前記置換基Aによる最大静電容量変化ΔC
max
≦-0.17nFであり、
好ましくは、500Hz下で、前記置換基Aによる最大静電容量変化ΔC
max
≦-0.19nFであり、
より好ましくは、500Hz下で、前記置換基Aによる最大静電容量変化ΔC
max
≦-0.24nFである、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
500Hz下で、1.5nF≦C
max0
≦6.00nFであり、前記エレクトロルミネッセンス素子において0.5nF≦C
max
≦5.0nFであり、
好ましくは、500Hz下で、2.0nF≦C
max0
≦6.00nFであり、前記エレクトロルミネッセンス素子において0.5nF≦C
max
≦4.0nFであり、
より好ましくは、500Hz下で、2.5nF≦C
max0
≦6.00nFであり、前記エレクトロルミネッセンス素子において0.5nF≦C
max
≦3.5nFである、
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
500Hz下で、0.42nF≦C
max0
-C
geo0
≦3.80nFであり、前記エレクトロルミネッセンス素子において0.30nF≦C
max
-C
geo
≦3.68nFであり、
好ましくは、500Hz下で、1.30nF≦C
max0
-C
geo0
≦3.80nFであり、前記エレクトロルミネッセンス素子において0.30nF≦C
max
-C
geo
≦2.80nFであり、
より好ましくは、500Hz下で、1.80nF≦C
max0
-C
geo0
≦3.80nFであり、前記エレクトロルミネッセンス素子において0.30nF≦C
max
-C
geo
≦2.30nFである、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
500Hz下で、前記エレクトロルミネッセンス素子の開始電圧がV

であり、且つ-4.0V≦V

≦5.0Vを満たし、
好ましくは、500Hz下で、前記エレクトロルミネッセンス素子の開始電圧がV

であり、且つ-2V≦V

≦4.0Vを満たし
より好ましくは、500Hz下で、前記エレクトロルミネッセンス素子の開始電圧がV

であり、且つ-1.0V≦V

≦3.0Vを満たす、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
500Hz下で、前記エレクトロルミネッセンス素子における静電容量が最大値C
max
に達すると、対応する電圧がV
Cmax
であり、且つ1.0V≦V
Cmax
≦6.0Vを満たし、
好ましくは、500Hz下で、前記エレクトロルミネッセンス素子における静電容量が最大値C
max
に達すると、対応する電圧がV
Cmax
であり、且つ1.5V≦V
Cmax
≦5.0Vを満たし、
より好ましくは、500Hz下で、前記エレクトロルミネッセンス素子における静電容量が最大値C
max
に達すると、対応する電圧がV
Cmax
であり、且つ2.0V≦V
Cmax
≦4.0Vを満たす、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記金属錯体の最高被占分子軌道エネルギーレベル(E
HOMO
)が-5.05eV以下であり、
好ましくは、前記金属錯体の最高被占分子軌道エネルギーレベルが-5.10eV以下であり、
より好ましくは、前記金属錯体の最高被占分子軌道エネルギーレベルが-5.15eV以下である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記金属錯体の最低未占有分子軌道エネルギーレベル(E
LUMO
)が-2.10eV以下であり、
好ましくは、前記金属錯体の最低未占有分子軌道エネルギーレベルが-2.15eV以下であり、
より好ましくは、前記金属錯体の最低未占有分子軌道エネルギーレベルが-2.20eV以下である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
前記金属錯体を含有する前記有機層は、発光層である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
発光層には、第1のホスト化合物がさらに含まれ、
好ましくは、発光層には、第2のホスト化合物がさらに含まれ、
より好ましくは、前記第1のホスト化合物および/または第2のホスト化合物は、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、カルバゾール、アザカルバゾール、インドロカルバゾール、ジベンゾチオフェン、アザジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、アザジベンゾフラン、ジベンゾセレノフェン、トリフェニレン、アザトリフェニレン、フルオレン、シリコンフルオレン、ナフタレン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、フェナントレン、アザフェナントレン、およびこれらの組合せからなる群から選ばれる少なくとも1種の化学基を含む、請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電子素子、たとえば有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。特に、特定の置換基Aを有する金属錯体を含み、且つ該置換基Aが素子において最大静電容量を低下可能である有機エレクトロルミネッセンス素子、該有機エレクトロルミネッセンス素子を含む表示アセンブリ、および該金属錯体の有機光電素子における使用に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
有機電子素子は、有機発光ダイオード(OLEDs)、有機電界効果トランジスタ(O-FETs)、有機発光トランジスタ(OLETs)、有機起電セル(OPVs)、色素-増感太陽電池(DSSCs)、有機光検出器、有機感光装置、有機電界効果素子(OFQDs)、発光電気化学セル(LECs)、有機レーザダイオードおよび有機プラズマ発光素子を含むが、それに限定されない。
【0003】
1987年、イーストマンコダック(Eastman Kodak)のTangおよびVan Slykeにより、電子輸送層および発光層として、アリールアミン正孔輸送層とトリス-8-ヒドロキシキノリン-アルミニウム層とを含む二層有機エレクトロルミネセント素子が報道されている(Applied Physics Letters、1987、51(12):913~915)。素子に対してバイアスが一旦印加されると、緑色光が素子から発射される。この発明は、現代の有機発光ダイオード(OLEDs)の発展に対する基礎を築き上げている。最も先進的なOLEDsは、電荷注入・輸送層、電荷・励起子ブロッキング層、および陰極と陽極との間の1つまたは複数の発光層などの複数の層を含んでもよい。OLEDsは、自発光性ソリッドステート素子であるので、表示および照明の適用に対して極めて大きな潜在力を提供している。また、有機材料の固有な特性、例えばそれらの可撓性は、可撓性基板で行った製造などの特殊な適用に非常に適合するようになっている。
【0004】
OLEDは、その発光メカニズムに応じて、3種の異なるタイプに分けられている。Tangおよびvan Slykeにより発明されたOLEDは、蛍光OLEDであり、一重項発光のみを使用する。素子において生成した三重項が非輻射減衰通路により浪費され、蛍光OLEDの内部量子効率(IQE)が25%に過ぎないため、この制限はOLEDの商業化を妨害している。1997年、ForrestおよびThompsonにより、錯体含有重金属からの三重項発光を発光体として用いるりん光OLEDが報道されている。そのため、一重項および三重項を収穫し、100%のIQEを実現することができる。その効率が高いため、りん光OLEDの発見および発展は、直接的にアクティブマトリクスOLED(AMOLED)の商業化に貢献する。最近、Adachiは、有機化合物の熱活性化遅延蛍光(TADF)によって高効率を実現している。これらの発光体は、小さい一重項-三重項ギャップを有するため、励起子が三重項から一重項に戻るトランジションが可能となる。TADF素子において、三重項励起子がリバースシステム間で貫通すること(逆項間交差)によって一重項励起子を生成することに起因してIQEが高くなっている。
【0005】
OLEDsは、さらに、所用材料の形態に応じて、小分子とポリマーOLEDに分けられてもよい。小分子とは、ポリマーではない、有機または有機金属のいずれかの材料を指し、精確な構造を有すれば、小分子の分子量が大きくてもよい。明確な構造を有するデンドリマーは、小分子と認められている。ポリマーOLEDは、共役ポリマーと、側鎖の発光基を有する非共役ポリマーとを含む。製造過程において後重合を発生すると、小分子OLEDがポリマーOLEDになり得る。
【0006】
様々なOLEDの製造方法が公知されている。小分子OLEDは、一般的に、真空熱蒸発により製造されるものである。ポリマーOLEDは、例えばスピンコート、インクジェット印刷およびノズル印刷などの溶液法により製造されるものである。材料が溶剤に溶解または分散することが可能であれば、小分子OLEDも溶液法により製造されることができる。
【0007】
OLEDの発光色は、発光材料の構造設計により実現することができる。OLEDは、所望のスペクトルを実現するように、1つまたは複数の発光層を含んでもよい。緑色、黄色、赤色OLEDにおいて、りん光材料は、既に商業化の実現に成功したが、青色のりん光素子には、依然として、青色が飽和せず、耐用年数が短く、作業電圧が高いなどの問題が存在する。市販のフルカラーOLEDディスプレイは、一般的に混合策略を用い、青色の蛍光、および黄色、赤色または緑色のりん光を用いる。現在、りん光OLEDの効率が高輝度の場合に急速に低下するという問題が存在する。また、より飽和した発光スペクトル、より高い効率、およびより長いデバイス耐用年数を有することが望まれている。
【0008】
電子工学の観点からOLEDの表示原理を簡単に説明すると、ある閾値よりも大きい印加電界の作用下で、正孔と電子が電流の形態でそれぞれ陽極および陰極から、陽極と陰極との間に挟まれた有機薄膜発光層に注入され、両者が結合して励起子を形成し、放射再結合が発生することで発光することである。有機発光薄膜が明らかな静電容量の特性を有するため、有機発光薄膜層の静電容量は、OLED表示素子の低階調時における応答時間およびリフレッシュ周波数に影響を与える重要な要因となっている。
【0009】
OLED素子では、素子のC-V(静電容量-電圧)特性を検討することにより、電荷の素子における移動、分布および累積を分析するために用いられてもよい。図3に示す素子の静電容量-電圧(C-V)特性のグラフに示すように、印加されたバイアス電圧によれば、素子における電荷の動力学についての検討は、簡単に、以下の4種類のケースに分けられる。
【0010】
1)印加電圧V

が開始電圧V

よりも小さい場合、即ちV

<V

の場合、キャリア(正孔)が素子の内部に進入不可であるので、素子が、陰極と陽極との間に連結された絶縁体のように示す。そのため、このような場合、素子の静電容量は、定数であり、この際の静電容量は、素子の幾何静電容量C
geo
と呼ばれる。
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス素子
11か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス素子
2か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス素子
4か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス素子
4か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス素子
7か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス材料及びその素子
9か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス材料およびその素子
2か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス素子およびその使用
2か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス材料およびその素子
4か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス素子およびその使用
1か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス材料およびその素子
7か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス材料およびその素子
7か月前
北京夏禾科技有限公司
多環配位子を有する発光材料
10か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス素子
7か月前
北京夏禾科技有限公司
シアノ置換配位子を含有する有機発光材料
6か月前
北京夏禾科技有限公司
エレクトロルミネッセンス材料及びその素子
今日
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス材料およびその素子
5か月前
北京夏禾科技有限公司
有機エレクトロルミネッセンス材料およびその素子
6か月前
株式会社東芝
半導体装置
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
記憶装置
7日前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光デバイス
4日前
マグネデザイン株式会社
GSR素子の製造方法
21日前
多摩川精機株式会社
電力消費装置
1か月前
京セラ株式会社
圧電素子
26日前
住友電気工業株式会社
光センサ
28日前
住友電気工業株式会社
光センサ
28日前
キヤノン株式会社
光電変換素子
19日前
株式会社半導体エネルギー研究所
表示装置の作製方法、表示装置
1か月前
キオクシア株式会社
不揮発性半導体メモリ
1か月前
東京エレクトロン株式会社
半導体装置の製造方法および半導体装置
4日前
兵庫県公立大学法人
ペロブスカイト太陽電池
1か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
発光デバイス、表示装置、および電子機器
7日前
TDK株式会社
磁歪膜および電子デバイス
5日前
キオクシア株式会社
半導体装置およびその製造方法
28日前
国立大学法人東北大学
発電用複合材料および発電用複合材料の製造方法
1か月前
日本化薬株式会社
縮合多環芳香族化合物及び該化合物を含む光電変換素子用材料
今日
続きを見る