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公開番号2024016797
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-07
出願番号2023090623
出願日2023-06-01
発明の名称ケイ素製のバランスばねを製造する方法
出願人ニヴァロックス-ファー ソシエテ アノニム
代理人個人
主分類G04B 13/02 20060101AFI20240131BHJP(時計)
要約【課題】 裏面に対して加工及び/又は装飾をすることができるように裏面を自由にしつつ、外側輪郭にアタッチメントを取り付けることができないコンポーネントを含むコンポーネントをウェハーに取り付け続けることを可能にする手法を提供する。
【解決手段】 本発明は、機能的な外側プロファイルを有するケイ素製の計時器用コンポーネント(1)を製造する方法に関する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
ケイ素製の計時器用コンポーネント(1)を製造する方法であって、
a)ケイ素製の「デバイス」層(11)、酸化ケイ素結合層(13)、及びケイ素製の「ハンドル」層(12)をこの順で含むSOIウェハーであるウェハー(10)を用意するステップと、
b)前記ウェハー(10)の面上に酸化ケイ素層を成長させるステップと、
c)前記ウェハー(10)の表面にて前記酸化ケイ素層に対してエッチングをし、そして、DRIEによって前記「デバイス」層(11)に対してエッチングをして、前記計時器用コンポーネント(1)と、内側のアンカー要素(7)と、前記アンカー要素を前記計時器用コンポーネントの内壁にその内壁の非重大領域において接続する材料ブリッジ(8)との形を作るステップと、
d)前記ウェハー(10)の裏面にて前記酸化ケイ素層に対してエッチングをし、そして、DRIEによって前記「ハンドル」層(12)に対してエッチングをして、少なくとも1つの狭ブリッジ(9)と、前記少なくとも1つの狭ブリッジ(9)と一体的にされ、かつ、前記「デバイス」層と前記「ハンドル」層を結合する前記酸化ケイ素結合層(13)によって前記「デバイス」層の前記アンカー要素(7)に接続される、少なくとも1つのアンカー裏側(9')との形を作るステップと、
e)湿式エッチングによって前記計時器用コンポーネント(1)を解放するステップとを含み、
前記計時器用コンポーネント(1)は、前記アンカー要素(7)によって前記材料ブリッジ(8)を介して前記ウェハー(10)上に保持され、
前記酸化ケイ素結合層は、前記湿式エッチングによって前記「デバイス」層と前記「ハンドル」層の両方がエッチングされておらず除去されていない箇所においてのみ残存し、
前記計時器用コンポーネントの全体は、前記少なくとも1つの狭ブリッジ(9)に接続される前記少なくとも1つのアンカー裏側(9')に載っており、
前記狭ブリッジ(9)自体は、前記計時器用コンポーネントのすべての面にアクセスできるように前記「ハンドル」層に接続される
ことを特徴とする方法。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記計時器用コンポーネント(1)の前記内壁は、コンポーネント内部のシャフトを受けるように構成している穴の壁、又は前記計時器用コンポーネントの内側にある開口の壁である
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酸化ケイ素結合層(13)は、前記ステップe)の終わりにおいて、前記アンカー要素(7)と前記アンカー裏側(9')の間に部分的に存在する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記狭ブリッジ(9)と前記材料ブリッジ(8)は、重なり合わない
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップd)において、前記「ハンドル」層のDRIE中に、さらに、一体化されたシャドウマスクを形成し、これによって、前記裏面に計画的かつ意図的な開口のパターンを作り、
前記開口は、堆積による精巧な装飾を可能にする
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記計時器用コンポーネント(1)の表面、裏面及び/又は側面に対してウェハー仕上げをするステップf)を含み、
前記ステップf)は、例えば、層を堆積させること、パターン形成すること、及び/又は装飾することを行う
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記計時器用コンポーネントは、車、カム、針、レバー、スネール、インデックス、又はアプリークである
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法を実行することによって得られる
ことを特徴とする計時器用コンポーネント(1)。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイ素製の計時器用コンポーネント、特に、機能的な外側プロファイルを有するケイ素製の計時器用コンポーネント、を製造する方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ケイ素製の計時器用コンポーネントは、典型的には、ケイ素ベースの材料によって作られたウェハーに対して、深掘り反応性イオンエッチング(DRIEとしても知られている)を行うことによって製造される。このウェハーは、その厚み全体を通り抜けるようにエッチングされるシリコンウェハーであることができ(例えば、欧州特許出願EP1722281、EP2145857及びEP3181938を参照)、又は中間の酸化ケイ素層によって結合される上部のケイ素層と下部のケイ素層があるシリコンオンインシュレーター(SOI)基材であって、この上部のケイ素層に対してエッチングが行われるものであることができる(例えば、国際特許出願WO2019/180177及びWO2019/180596を参照)。シリコンオンインシュレーター基材には、単一のシリコンウェハーと比べて、剛体の支持体(上部のケイ素層よりも厚い下部のケイ素層)があって取り扱いと保持が容易になることと、エッチングを止めるためのバリア層(中間酸化ケイ素層)があること、という利点がある。
【0003】
用いるウェハーのタイプにかかわらず、同じウェハー内においていくつかのコンポーネントが同時にエッチングされ、エッチング中に残されたアタッチメントやブリッジによって、他の製造工程のためにコンポーネントがウェハーに取り付けられたままにする。そして、これらのアタッチメントを破壊又は除去することによってコンポーネントをウェハーから解放する。
【0004】
各コンポーネントの周部をウェハーに接続するこのようなアタッチメントは、特に、コンポーネントの周部が機能面であり、その機能がアタッチメントの残留物によって損なわれてはならない場合、あるいはコンポーネントの外面が針の場合などのように特に完全性が高い外観を有しなければならない場合に、問題となり得る。また、場合によっては、特に微小な歯列があるコンポーネントにおいては、外側の機能面において、十分に強力なアタッチメントを設けるための自由空間が十分に大きくないことがある。
【0005】
国際特許出願WO2019/166922は、酸化ケイ素層を担持するケイ素基材を用意し、その酸化ケイ素層に貫通穴を形成し、酸化ケイ素層上にケイ素層をエピタキシャル成長させるようなバランスばねを製造する方法を提案している。このケイ素層が貫通穴を充填して、アタッチメント又は材料ブリッジを形成し、ケイ素層においてバランスばねがエッチングされる。前記酸化ケイ素層が除去され、バランスばねが前記アタッチメントを介してケイ素基材に取り付けられたままとなる。バランスばねに対して熱処理をし、最後にバランスばねをケイ素基材から取り外す。
【0006】
このような方法を用いると、典型的な場合のように最外周の巻きの外面とケイ素エッチング層の間ではなく、バランスばねの平面外に延在するアタッチメントによって、エッチング後もバランスばねが基材に結合し続ける。しかし、この方法は、市販のシリコンオンインシュレーター基材の使用を可能にするものではなく、また、バランスばねが形成されるケイ素層のエピタキシャル成長の操作は複雑である。
【0007】
前記国際特許出願WO2019/166922は、この問題を克服するように意図されており、SOIウェハーからケイ素製の計時器用コンポーネントを製造する方法であって、そのコンポーネントがそのコンポーネントの輪郭の内側においてアンカーに取り付けられるものを提案している。したがって、このアタッチメントは、コンポーネントの機能的な外側輪郭に対して邪魔をしない。しかし、この方法は、特に表面処理又は装飾を必要とするコンポーネントの場合に、コンポーネントの裏面に対して加工をすることを可能にするものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、裏面に対して加工及び/又は装飾をすることができるように裏面を自由にしつつ、外側輪郭にアタッチメントを取り付けることができないコンポーネントを含むコンポーネントをウェハーに取り付け続けることを可能にする手法を提供することによって上述の課題を解決する。
【0009】
このために、本発明は、ケイ素製の計時器用コンポーネントを製造する方法に関し、
a)ケイ素製の「デバイス」層、酸化ケイ素結合層、及びケイ素製の「ハンドル」層をこの順で含むSOIウェハーであるウェハーを用意するステップと、
b)前記ウェハーの面上に酸化ケイ素層を成長させるステップと、
c)前記ウェハーの表面にて前記酸化ケイ素層に対してエッチングをし(マスクのエッチング)、そして、DRIEによって前記「デバイス」層に対してエッチングをして、前記計時器用コンポーネントと、内側のアンカー要素と、前記アンカー要素を前記計時器用コンポーネントの内壁に非重大な内側の輪郭領域において接続する材料ブリッジとの形を作るステップと、
d)前記ウェハーの裏面にて前記酸化ケイ素層に対してエッチングをし(マスクのエッチング)、そして、DRIEによって前記「ハンドル」層に対してエッチングをして、少なくとも1つの狭ブリッジと、前記少なくとも1つの狭ブリッジと一体的にされ、かつ、前記「デバイス」層と前記「ハンドル」層を結合する前記酸化ケイ素結合層によって前記「デバイス」層の前記アンカー要素に接続される、少なくとも1つのアンカー裏側との形を作るステップと、
e)湿式エッチングによって前記計時器用コンポーネントを解放するステップとを含み、
前記計時器用コンポーネントは、前記アンカー要素によって前記材料ブリッジを介して前記ウェハー上に保持され、前記酸化ケイ素結合層は、前記湿式エッチングによって前記「デバイス」層と前記「ハンドル」層の両方がエッチングされておらず除去されていない箇所においてのみ残存し、前記計時器用コンポーネントの全体は、前記少なくとも1つの狭ブリッジに接続される前記少なくとも1つのアンカー裏側に載っており、前記狭ブリッジ自体は、前記「ハンドル」層に接続される。
【0010】
本発明の他の有利な代替的実施形態においては、以下の特徴を有する。
- 前記計時器用コンポーネントの前記内壁は、コンポーネント内部のシャフトを受けるように構成している穴の壁、又は前記計時器用コンポーネントの内側にある開口の壁である。
- 前記酸化ケイ素結合層は、前記ステップe)の終わりにおいて、前記アンカー要素と前記アンカー裏側の間に部分的に存在する。
- 前記狭ブリッジと前記材料ブリッジは、重なり合わない。
- 前記ステップd)において、前記「ハンドル」層のDRIE中に、さらに、一体化されたシャドウマスクを形成し、これによって、前記裏面に計画的かつ意図的な開口のパターンを作り、前記開口は、CVD又はPVDによる精巧な装飾を可能にする。
- 本方法は、前記計時器用コンポーネントの表面及び/又は裏面に対してウェハー仕上げをするステップf)を含み、前記ステップf)は、例えば、層を堆積させること、パターン形成すること、及び/又は装飾することを行う。
- 前記計時器用コンポーネントは、車、カム、針、レバー、スネール、インデックス、又はアプリークである。
(【0011】以降は省略されています)

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