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公開番号2025136717
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035509
出願日2024-03-08
発明の名称故障予兆認識システム、及び故障予兆認識方法
出願人本田技研工業株式会社
代理人弁理士法人クシブチ国際特許事務所
主分類G01M 17/007 20060101AFI20250911BHJP(測定;試験)
要約【課題】複数の部品により構成された対象部材の故障の予兆を、収集する測定データを減少させつつ、異常が生じている部材を特定して診断する。
【解決手段】故障予兆診断システム1は、可動ユニット160の構成部品の故障予兆を認識する故障予兆認識部13を有する。故障予兆認識部13は、アコースティックエミッション測定処理を、繰り返し実行して、アコースティックエミッション波が検出された回数が、所定の判定回数以上となる第1判定条件が成立したか否かを判断する第1モニタリング処理を実行し、第1判定条件が成立したときに、第1モニタリング処理を終了して、振動検出情報取得部により振動検出情報を取得して、振動検出情報に基づいて部品の振動レベルを認識する振動測定処理を繰り返し実行し、部品の振動レベルの増大度合に基づいて、部品の故障予兆を認識する第2モニタリング処理を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の部品により構成された可動ユニットの作動状態をモニタリングして、前記部品の故障予兆を判断する故障予兆判断システムであって、
アコースティックエミッションセンサによる前記可動ユニットから発生するアコースティックエミッション波の検出状況を示すアコースティックエミッション検出情報を取得するアコースティックエミッション検出情報取得部と、
振動センサによる前記部品に生じる振動の検出状況を示す振動検出情報を取得する振動検出情報取得部と、
前記アコースティックエミッション検出情報と前記振動検出情報とに基づいて、前記部品の故障予兆を認識する故障予兆認識部と、を備え、
前記故障予兆認識部は、
前記可動ユニットの使用開始後、前記アコースティックエミッション検出情報取得部により前記アコースティックエミッション検出情報を取得して、前記アコースティックエミッション検出情報に基づいて前記アコースティックエミッション波の検出の有無を認識するアコースティックエミッション測定処理を、繰り返し実行して、前記アコースティックエミッション測定処理により前記アコースティックエミッション波が検出された回数が、所定の判定回数以上となる第1判定条件が成立したか否かを判断する第1モニタリング処理を実行し、
前記第1判定条件が成立したときに、前記第1モニタリング処理を終了して、前記振動検出情報取得部により前記振動検出情報を取得して、前記振動検出情報に基づいて前記部品の振動レベルを認識する振動測定処理を繰り返し実行し、前記部品の振動レベルの増大度合に基づいて、前記部品の故障予兆を認識する第2モニタリング処理を実行する
故障予兆診断システム。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記故障予兆認識部は、
前記第2モニタリング処理において、前記アコースティックエミッション測定処理を繰り返し実行して、前記アコースティックエミッション波が検出される頻度が所定の判定頻度以上であり、且つ、前記振動測定処理により認識される前記部品の振動レベルが所定の判定レベル以上となる第2判定条件が成立したか否かを判断し、
前記第2判定条件が成立したときに、前記第2モニタリング処理を終了して、前記アコースティックエミッション測定処理を実行せずに、前記振動測定処理のみを繰り返し実行して、前記振動測定処理により認識される前記部品の振動レベルの増大度合に基づいて、前記部品の故障予兆を認識する第3モニタリング処理を実行する
請求項1に記載の故障予兆診断システム。
【請求項3】
前記故障予兆認識部は、前記第1モニタリング処理において、前記アコースティックエミッション測定処理を、所定の測定サイクル毎に、前記測定サイクルの一部の期間において実行する
請求項1又は請求項2に記載の故障予兆診断システム。
【請求項4】
コンピュータにより、複数の部品により構成された可動ユニットの作動状態をモニタリングして、前記部品の故障予兆を判断する故障予兆判断方法であって、
アコースティックエミッションセンサによる前記可動ユニットから発生するアコースティックエミッション波の検出状況を示すアコースティックエミッション検出情報を取得するアコースティックエミッション検出情報取得ステップと、
振動センサによる前記部品に生じる振動の検出状況を示す振動検出情報を取得する振動検出情報取得ステップと、
前記アコースティックエミッション検出情報と前記振動検出情報とに基づいて、前記部品の故障予兆を認識する故障予兆認識ステップと、を含み、
前記故障予兆認識ステップは、
前記可動ユニットの使用開始後、前記アコースティックエミッション検出情報取得ステップにより前記アコースティックエミッション検出情報を取得して、前記アコースティックエミッション検出情報に基づいて前記アコースティックエミッション波の検出の有無を認識するアコースティックエミッション測定処理を、繰り返し実行して、前記アコースティックエミッション測定処理により前記アコースティックエミッション波が検出された回数が、所定の判定回数以上となる第1判定条件が成立したか否かを判断する第1モニタリング処理を実行し、
前記第1判定条件が成立したときに、前記第1モニタリング処理を終了して、前記振動検出情報取得ステップにより前記振動検出情報を取得して、前記振動検出情報に基づいて前記部品の振動レベルを認識する振動測定処理を繰り返し実行し、前記部品の振動レベルの増大度合に基づいて、前記部品の故障予兆を認識する第2モニタリング処理を実行する
故障予兆診断方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、故障予兆認識システム、及び故障予兆認識方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、エンジン稼働中にエンジン構成部材から発生するアコースティックエミッション波から感知した音波信号の最大振幅値に基づいて、エンジン構成部材の異常を判定する診断装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6373012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記背景技術の診断装置のように、アコースティックエミッションを測定して対象部材の異常を診断する場合、対象部材が、例えば車両に搭載された電動動力伝達ユニットのように複数の部品により構成されているときには、異常が生じている部品を特定することができないという不都合がある。そこで、振動測定によって複数の部品の中で異常が生じている部品を特定することが考えられるが、この場合は、対象部材の使用が開始された初期からの振動の変化によって、部品の異常を判定するため、振動の測定データの収集と蓄積に対応した大規模なデータ処理システムが必要となるという不都合がある。
本願はかかる背景に鑑みてなされたものであり、複数の部品により構成された対象部材の故障の予兆を、収集する測定データを減少させつつ、異常が生じている部材を特定して診断することができる故障予兆認識システム、及び故障予兆認識方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、複数の部品により構成された可動ユニットの作動状態をモニタリングして、前記部品の故障予兆を判断する故障予兆判断システムであって、アコースティックエミッションセンサによる前記可動ユニットから発生するアコースティックエミッション波の検出状況を示すアコースティックエミッション検出情報を取得するアコースティックエミッション検出情報取得部と、振動センサによる前記部品に生じる振動の検出状況を示す振動検出情報を取得する振動検出情報取得部と、前記アコースティックエミッション検出情報と前記振動検出情報とに基づいて、前記部品の故障予兆を認識する故障予兆認識部と、を備え、前記故障予兆認識部は、前記可動ユニットの使用開始後、前記アコースティックエミッション検出情報取得部により前記アコースティックエミッション検出情報を取得して、前記アコースティックエミッション検出情報に基づいて前記アコースティックエミッション波の検出の有無を認識するアコースティックエミッション測定処理を、繰り返し実行して、前記アコースティックエミッション測定処理により前記アコースティックエミッション波が検出された回数が、所定の判定回数以上となる第1判定条件が成立したか否かを判断する第1モニタリング処理を実行し、前記第1判定条件が成立したときに、前記第1モニタリング処理を終了して、前記振動検出情報取得部により前記振動検出情報を取得して、前記振動検出情報に基づいて前記部品の振動レベルを認識する振動測定処理を繰り返し実行し、前記部品の振動レベルの増大度合に基づいて、前記部品の故障予兆を認識する第2モニタリング処理を実行する故障予兆診断システムが挙げられる。
【0006】
上記故障予兆診断システムにおいて、前記故障予兆認識部は、前記第2モニタリング処理において、前記アコースティックエミッション測定処理を繰り返し実行して、前記アコースティックエミッション波が検出される頻度が所定の判定頻度以上であり、且つ、前記振動測定処理により認識される前記部品の振動レベルが所定の判定レベル以上となる第2判定条件が成立したか否かを判断し、前記第2判定条件が成立したときに、前記第2モニタリング処理を終了して、前記アコースティックエミッション測定処理を実行せずに、前記振動測定処理のみを繰り返し実行して、前記振動測定処理により認識される前記部品の振動レベルの増大度合に基づいて、前記部品の故障予兆を認識する第3モニタリング処理を実行する構成としてもよい。
【0007】
上記故障予兆システムにおいて、前記故障予兆認識部は、前記第1モニタリング処理において、前記アコースティックエミッション測定処理を、所定の測定サイクル毎に、前記測定サイクルの一部の期間において実行する構成としてもよい。
【0008】
上記目的を達成するための第2態様として、コンピュータにより、複数の部品により構成された可動ユニットの作動状態をモニタリングして、前記部品の故障予兆を判断する故障予兆判断方法であって、アコースティックエミッションセンサによる前記可動ユニットから発生するアコースティックエミッション波の検出状況を示すアコースティックエミッション検出情報を取得するアコースティックエミッション検出情報取得ステップと、振動センサによる前記部品に生じる振動の検出状況を示す振動検出情報を取得する振動検出情報取得ステップと、前記アコースティックエミッション検出情報と前記振動検出情報とに基づいて、前記部品の故障予兆を認識する故障予兆認識ステップと、を含み、前記故障予兆認識ステップは、前記可動ユニットの使用開始後、前記アコースティックエミッション検出情報取得ステップにより前記アコースティックエミッション検出情報を取得して、前記アコースティックエミッション検出情報に基づいて前記アコースティックエミッション波の検出の有無を認識するアコースティックエミッション測定処理を、繰り返し実行して、前記アコースティックエミッション測定処理により前記アコースティックエミッション波が検出された回数が、所定の判定回数以上となる第1判定条件が成立したか否かを判断する第1モニタリング処理を実行し、前記第1判定条件が成立したときに、前記第1モニタリング処理を終了して、前記振動検出情報取得ステップにより前記振動検出情報を取得して、前記振動検出情報に基づいて前記部品の振動レベルを認識する振動測定処理を繰り返し実行し、前記部品の振動レベルの増大度合に基づいて、前記部品の故障予兆を認識する第2モニタリング処理を実行する故障予兆診断方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0009】
上記故障予兆診断システム及び故障予兆診断方法によれば、複数の部品により構成された対象部材の故障予兆を、収集する測定データを減少させつつ、異常が生じている部材を特定して診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、故障予兆診断システムの構成の説明図である。
図2は、動力伝達ユニットについて、アコースティックエミッション波と振動を測定する態様の説明図である。
図3は、動力伝達ユニットの作動状態をモニタリングする処理のタイミングチャートである。
図4は、動力伝達ユニットの故障予兆診断処理の第1のフローチャートである。
図5は、動力伝達ユニットの故障予兆診断処理の第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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